正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

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セイバー・ウォーズ復刻来たー!
この時をどれほど待ったことか……!

さぁて、爆死の時間だ(白目)


賴き海の仲間

「は〜ん、人理の焼却、ねぇ。突拍子もなさすぎて、なんだか実感がわかないね、そりゃ」

 

ジョッキを片手で弄びながら、感心したようにドレイクが声を漏らす。

 

ジョッキにさらに酒を注ぎ、また一口ドレイクが飲む。

 

一方、士郎達は一言も発していない。

 

いや、発することができない、と言うのが適切だろう。

 

今ドレイクがジョッキとは別の手に握っているもの、それに視線が釘付けになっていたからだ。

 

「あん?どうかしたのかい?」

「いや、どうかしたというか……」

「あの……ドレイクさん……」

「ん?」

「その、手に持っているものは……」

「ん、あぁ、これかい?旅の途中で見つけたんだけど、これがまた便利でね。食べ物とか酒とか、いくらでも出てくるんだ。不思議なものもあるもんだねぇ」

 

ドレイクが手に持ったものを掲げる。

 

陽の光を浴びて、キラリと光る黄金の輝き。

 

「なぁ、ロマニ……あれって……」

『うん……信じられないかもしれないけど……』

『ふむ。これは、流石に驚いたと言わざるを得ないな』

『あれは、間違いなく、聖杯だ!』

 

 

「聖杯?へぇ、そんな名前なのかい、これ?」

 

軽い説明を受け、思案顔のドレイク。手に持った聖杯を眺めながら、何度か頷く。

 

「で、何?人理に異常があるのも、ここにあんたらが来たのも、全部これが原因ってことでいいのかい?」

「ええ、まぁ。そこでですね、ドレイクさん。無理を承知でお願いしたいのですが、その聖杯を渡していただけないでしょうか」

「いいよ」

「そうですよね、やっぱり無理ですよね……って、えええぇっ!?」

 

あまりにもさらっと、事もなさげに答えるドレイクに、驚きの声を上げるマシュ。声にこそ出していないが、士郎やリリィも同様に驚いた表情をしている。

 

「ほら」

「え、あの、その……頼んだ私が言うのもなんですけど、そんなにあっさり渡してしまって良いんですか?」

 

聖杯を差し出すドレイクに対し、わたわたしながら、マシュが問いかける。

 

「いいも何も、あんたらそれがどうしても必要なんだろ?それに、あたしの部下が襲いかかった時の分のお詫びみたいなもんさね」

「いや、別にお詫びなんていいんだけどな。まぁ、でも、聖杯を回収しないといけないのは確かだからな。ありがとう」

 

士郎が礼を言い、呆然としているマシュに代わり、リリィが聖杯を受け取る。

 

「シロウ、これでこの時代の修復は終わった……と言う事なのでしょうか?」

「うーん……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結論から言うと、もちろんそんなことはなかった。

 

『ちょっと待って。確かにこれは聖杯だけど、特異点の異常の反応とは違う』

「ドクター、それはどう言うことでしょうか?」

『つまり、そこにあるのは正真正銘、その時代にあるべき聖杯だということだ。フランシス・ドレイクが、旅の中で見つけた、彼女が持つべきものだ』

 

「との事らしいので、すみませんドレイクさん。譲っていただいたものをお返しするのは無礼だとは思いますが、こちらの聖杯の所有者は貴方です。お返しします」

「そうかい。まぁ、よく分からないけど、取り敢えずは返してもらっておくよ。また別のお礼を考えとかないとね」

 

ドレイクが聖杯を手に取る。と、その聖杯は、まるで吸い込まれるように、ドレイクの胸のあたりから、体の中へと入っていった。

 

「えっ」

「なっ」

「ドレイク……今のは?」

「あぁ、なんだか分からないんだけど、あたしの体に出たり入ったりするのさ。まぁ、奇妙な感じがするだけで、特に害はないんだけどねぇ。胸のあたりが苦しいったらありゃしないさ」

 

カラカラと笑うドレイク。度量が大きいというべきか、大雑把というべきか。細かいことを気にしない姉さん気質なところは、士郎にどこぞの虎を思い出させる。

 

「しっかし、今の話を聞く限りだと、これとおんなじものが他にあるってことだろ?」

「ああ、そうなるな」

「で、あんたらはそれを探しに行かなきゃならないわけだ」

「そうなりますね」

「で、そのための船はあるのかい?」

「……ない、ですね」

 

さっそく手詰まりである。まさか一から船を造るわけにもいかないだろうし、というかそもそも造船技術なんて誰ひとりとして持ち合わせてなんかいない。急ごしらえで作られた船なんかでは、とてもではないが海を越えていくことは不可能だろう。

 

『うーん、こっちからの物資を送ることはできても、船は流石になぁ。エルメロイⅡ世は何か考えはあるかい?』

『流石に造船の知識はないな。調べれば出てくるかもしれないが、そもそも船を造るのにどれほど時間が必要だと思う?』

『だよね〜。言ってみただけ』

「ドクター、ふざけてないで何か策を考えてください」

 

あはは〜、と笑うドクターに対しマシュが軽く注意するも、正直エルメロイⅡ世の言うとおり、今から船を造るのでは時間がかかりすぎる。

 

「考えてみたら、船を造るだけじゃなくて、操船の技術も必要なんだよな……でも、俺たちは誰も船を操縦したことはないし……」

「だろ?そこでだ。あんたら、あたしの船に乗せてやるってのはどうだい?」

「「「えっ?」」」

 

ニッと笑うドレイクからの提案に、驚く士郎たち。あのフランシス・ドレイクが協力してくれるというなら、それは願っても無いことだ。

 

「いいのか?」

「いいも何も、こっちから提案してるんじゃないか。さっきのお詫びも兼ねて、その聖杯の探索、あたしたちが手伝ってやるよ。それに、今の海は異常さね。砲弾食らってピンピンしてるような連中もいる。あんたらといれば、それも解決できるかもしんないんだろ?」

「サーヴァント……やはりここにも現界しているのですね」

「あたしもそれなりの修羅場はくぐって来たからね。あれが相当やばいもんだってのはわかる。あたしらの船も、結構な傷を受けちまってね。この島で修復してからまた旅に出ようとしてたところさ。この異常な海について、もっと知りたいと思ってたしね」

「そうだったんですか……」

「で、どうだい?あたしもあんたらもこの海を探索したい。あんたらは聖杯を回収したいし、あたしはこの異常をどうにかしたい。協力するには十分すぎる理由だと思うけど?」

 

手を差し出してくるドレイク。少し話しただけでも、彼女の人柄はなんとなくわかった気がする。

 

やりたいことをやり、思うままに生きる。その自由さだけではなく、仁義に正しく、面倒見がよく、そして親しみやすい。笑うときは思いっきり笑い、楽しむときはまるで子供のように楽しむ。触れ合えば触れ合うほど、自分のよく知る女性()と似ているように感じる。

 

そんな相手からの提案を、士郎が断ることがあるだろうか?

 

「ああ。こちらからも頼むよ、ドレイク」

 

しっかりとドレイクの手を握り返す士郎。それを見て、他の海賊が「新しい仲間に、かんぱーい」と騒ぎ出す。

 

「よーし、一先ず今日は騒いで、明日から準備に取り掛かるとしようか!」

「えっ、まさか……まだ飲むのか?」

「何言ってんだい!こんなの、あたしらにとってはまだ序の口さね。あんたもほら、もっと飲みな」

 

海賊の一人からジョッキを持たされ、ドレイクに酒を注がれる士郎。視線の端では、マシュとリリィもお酒を飲み始めている。こりゃ逃げられそうにないな、と苦笑しながらも、士郎も酒に口をつけた。

 

 

なお、翌日の朝、ほどほどにしておいた士郎と酒豪のドレイク、そして早くに眠っていたジャンヌ以外のメンバーが二日酔いに悩まされることになってしまった模様。

 

「だらしないねぇ、あんたたち」

「す、すみません、姐さん」

「俺たち、動けますっ、うげぇ」

「この程度……海賊なら……あ、やっぱ無理」

 

「マシュ、リリィ、大丈夫か?」

「は、はい……な、なんとか」

「な、なんのこれしき……王様になるので、これくらい……」

「全っ然大丈夫じゃないじゃない!全く、何をしてるのやら」

「いや、ジャンヌは真っ先に寝てたからで、」

「何か言いました?」

「いえ、なんでも……」

 

この先大丈夫なのだろうか……なんて不安もあるが、なんとかやっていくしかあるまい。そう思いなおし、士郎は船の修理を手伝うべく、ドレイクに連れられて行くのであった。

 




EXTELLA LINKの新規登場組も気になるなぁ……

ルーラーがいたってことは、天草くん来ちゃうのかな?
個人的にはヘラクレスカモン!
続報が楽しみだなぁ
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