正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

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AZOと来てギル祭ですか
最近ギル様活躍しすぎじゃね?

まぁ来てくれなかったけどね笑

というわけで、次回から迷宮探索ですね
まるでダンジョンに行くみたいですね〜

ダンジョン、怪物=モンスター、女神……うっ、頭が……


迷宮への入り口

「それにしても先輩、どうして結界が張られていると分かったのですか?普通、一流の魔術師でなければ、隠された結界に気づくことはないと思うのですが……」

 

島の奥へと進むため、木々の間を進みながらマシュが士郎に問う。試してみた結果、どうやらこの島にいる間はカルデアとの通信も阻害されているらしく、映像が繋がらない上、会話も途切れ途切れのものになってしまっていた。

 

ここまでして、いかに厄介な結界があるのか把握できたものの、そもそも何がきっかけで結界の存在自体に気づけたのかが、マシュには不可解だった。

 

本人は魔術師として三流と言っていたが、事実彼は他の誰もすぐに察知できなかった結界に気づいている。戦闘時の能力についてもそうだが、魔術師としての腕についても、謙遜しているのではないか。そう思った。

 

と、その問いに対し、士郎は片手で頭の後ろをかきながら、少し考えこむ。

 

「あー、なんというか……これも俺の固有結界の副産物、なのかもな。どうにもこういうのには気付くっていうか……前にも結界に足を踏み入れた時にわかったし、その基点らしいのも割と感じ取れたしなぁ」

「副産物……先輩の解析や投影と同じですね」

「そういうことになるな」

 

曰く衛宮士郎は魔術師として三流もいいところ。それは彼が保有している唯一の魔術(固有結界)にのみ特化しているから。

 

しかしその魔術に必要となるものに関しては、彼は常人どころか一流の魔術師ですら軽く凌駕する能力を持つ。

 

例えば宝具の解析。更には宝具の投影。

 

カルデアにいる者誰もが秘匿情報として報告書にも記載しなかった彼の魔術。その事が明るみに出れば、彼は間違いなく封印指定され、多くの者から追われる者になるだろう。でも、

 

(きっと先輩は、そうなるとわかっていても、誰かの為にその力を使います……それが自分を追い詰める事だとしても……)

 

未来が取り戻されたとして、いつか来るであろう出来事を思い、少女は1つの感情を抱く。

 

その時になっても、この人を支えたいと……

 

 

魔術師としてはやはり不思議だ、そう彼女は感じた。自分の生前にも魔術を研究するものはいたし、スパイとして魔術の情報を集めたこともある。

 

その中で知った魔術の探求者たちは、思想は違えど1つの共通点があった。

 

己の魔術はその探求のため、己の知識は探求のため。来るものを拒み、去る者を逃さない。どこか人としての温かみをなくし、まるで機械のようとまで思えるところもあった。魔術師は人と思うべきではない、そう彼女が思うまでに。

 

死後、まさかサーヴァントとして呼ばれるようなことがあろうとは思ってもいなかった。けれども同時に魔術師の相手は慣れているため、いつも通り、マタ・ハリ(スパイで暗殺者)でいればいいのだろうと、そう思っていた。

 

けれども、彼は違った。

 

ここで出会ったマスター、魔術師であるはずの彼は、人並み、いやそれ以上に他者を思いやり、温かい。その温かさは歪だとどこかわかりながらも、彼の与えてくれるものは、どうしてもマタ・ハリを、彼女(マルガレータ)を呼び起こしてしまう。

 

ただスパイとして、サーヴァントとしてではなく、本心から、このマスターについて行ってみたい、そんな気持ちにさせてくれる。

 

(聖杯への望み……私の……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「っと、2人とも止まってくれ」

 

急に立ち止まり声をかける士郎。何か見つけたのだろうか。周囲を警戒してみるが、敵らしき影は見当たらない。

 

「何かあったの?」

「いや、この辺りに、何か強い違和感というか……」

「先輩がそういうのでしたら、何か隠されてるのかもしれませんね。例えば……そうですね。あの大きな茂みの後ろに何かしらの神殿への入口があるとか」

「いや、流石にそこまでわかりやすいものは「あったわ」えっ?」

 

士郎が振り向き、少し前にマシュが指差したやたらと大きな茂みの方を見る。いや、正確には茂みのあった場所を。

 

マタ・ハリの魔力弾により、茂みはどかされており、その裏から大きな洞窟のようなものが現れる。ご丁寧に、地下へと向かっているらしい階段付きで。

 

「なんでさ……」

「ほ、本当にありましたよ、先輩」

「凄いわねマシュ。お手柄よ」

「いえ、これは先輩の言葉を頼りにしただけで」

「でも見つけるきっかけを作ったのはマシュだ。マタ・ハリさんの言う通り、お手柄だな」

「あ、ありがとうございます」

 

マタ・ハリによしよしされながら、マシュがはにかむように微笑む。微笑みを返し、士郎が洞窟の方へ向く。

 

各地を旅した中で培われた感覚が訴える。この先は危険だと。単純に中から漂う異様な魔力のこともだが、ステンノの言葉のこともあり、油断はできない。

 

「この先だな……2人とも、準備はいいか?」

「はい」

「ええ」

 

頷き合う3人。あたりをもう一度警戒し、ゆっくりと地下へと続く階段を降りていく。

 

 

 

「あの中に入るのは、流石に厳しいか……」

 

顔を覆った男が呟く。敵に場所を悟られないようにそれなりの距離を保ってきたが、それ故にあの中での追跡は不可能となってしまった。

 

「下手に散策して、僕の存在に気づかれるのも厄介だからな……ここで待つとしよう」

 

そもそもあの中に入ったからには、自力で出ることはほとんど叶わないと見ていい。あれは一度入ったものを決して逃すまいと作られた、一種の牢獄。

 

伝承によると脱出に成功したあの英雄も、助け()がなければ、そのままあの中を彷徨っていたであろう。

 

それに、そこに潜む者……牢獄の住人でありながら主、王子でありながら怪物……出くわしたとして、果たして彼らは生きて出られるだろうか。

 

「さて、見せてもらうとしようか。この迷宮(ラビリンス)をどう攻略するのか」

 

 

 

「うぅっ」

「どうかしたの?」

「だれか、きてる。まりょく、かんじる」

「そう……ついにここまで来てしまったのかしら、あの黒髭の海賊」

「だい、じょうぶ。ぼく、たおす。たお、して、まもる」

「そう。ありがとう、『雷光(アステリオス)』」

 

その迷宮の奥も奥。たどり着くことはおそらく不可能なのではないかとさえ思える、そんな奥の場所で、怪物と女神は話をする。それはまるで、御伽噺の世界のように、恐怖も、怒りもなく、ただどこか美しい光景だった……

 




あ、ダンまちはアニメしか見てないのでよくは知らないです笑笑

それはさておき、ギル祭も頑張らないとなぁ

なーんて、サンシャインシティのライブイベントを見ながら書く私でした、っと

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