1945年7月榛名は回避不能の中、空に向かい、砲撃をし続けていた。
大切な人を守るために。
榛名の史実を簡単に脚色したものです。短いです。

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中身は史実を簡単に脚色したもの。登場人物はこの上なく金剛型を愛する提督と榛名の2人です。基本的に話は、榛名視点で進みます。初めてマルサンヶ月の新米提督です。毎日、一回はゲームで榛名を触っているので、口調やキャラは分かっているつもりですが、お見苦しい点があった際は申し訳ございません。


勝利を!提督に!

―1945年7月

私は、空に向かって砲撃をし続けていた。この頃になると、どこの鎮守府でも燃料や資材が不足し、簡単には私たちのような戦艦は出撃させられなくなっていた。そして、私も港につながれたまま、空に向き合っていた。当然回避などできるはずもなく、もう体はボロボロでいつ轟沈してもおかしくない状態だった。

 

榛名「提督、ごめんなさい。榛名は約束を守れそうにありません。どうか、この榛名をお許しください。そして、提督。どうかご無事でいてください・・・」

 

 

――

 3年前の1942年11月、私は比叡お姉さまと霧島を失った。2人は勇敢に戦ったと聞いていた。私たち艦娘はいずれこのような運命を辿るのは分かっていたが、それでも悲しくないわけはなかった。そんな中、提督は悲しみに沈む私と金剛お姉さまの部屋の前に毎日、食事を置き続けてくれた。立ち直ってからも何かと気を使ってくれた。

 

そして、1年前の1944年11月。鎮守府に帰投中の金剛お姉さまが魚雷攻撃に合い轟沈した。ついに金剛型は私しかいなくなってしまった。その当時ボロボロであった私だけがなんで生きているのか?と思うと、涙が止まらず、一日中泣き、泣き止むと寝る。そして、起きてまた泣き。という日を繰り返した。ところが、提督は私1人になった金剛型の部屋を訪れてくれ、ドアの向こうから話をしてくれた。ある日、それをうるさく感じ、ドアを開けて追い返そうと思った。いくら、上からの命令とはいえ、お姉さま方と霧島を出撃させたのは提督なのは違いない。今の私には許せるはずがなかった。

 

榛名「もう、毎日毎日いい加減にしてくだ・・・」バタン

 

 すると、提督は涙を流しながら抱きついてきた。

 提督「よかった、よかったよ。榛名まで俺の前からいなくなってしまったらどうしようかと・・・」グスッ

 

 榛名「て、提督、榛名は・・・」

 

 

提督「ごめん、榛名もう少しこのままでいさせてくれ・・・」ダキッ

 

提督「榛名、本当にごめんな。俺の力不足で。俺が、俺が元帥であったならあいつらを決して轟沈などさせなかったのに。」

提督「許せとは言わない。気が済むまで殴ってくれ。いや、俺を演習の的にしてくれても構わない。さぁ、榛名!」バタン

 

と提督は土下座をしだした。

 

この瞬間、私は申し訳なくなった。そうだ、いつも提督は私たち姉妹のことを考えていてくれてたじゃないか。突然、押しかけてティータイムを執務室でしても怒ったことなど一度もない。それどころか、いつも大声で笑いながら、私たちの話に付き合ってくれた。私たち姉妹が傷ついて帰ってくれば真っ先に高速修復材を使って入渠させてくれた。そういや、金剛お姉さまも出撃前には「榛名?私が留守の間テートクを頼むデース!」とか言っていたし、比叡お姉さまも霧島も何一つ提督を悪いようには言ってなかった。そうか、提督はいつも私たちのことを見ていて、気にかけてくれていたんだ。

 

そんな提督を恨むなんて私はどうかしていた・・・

 

榛名「て、提督。榛名は大丈夫ですから、頭を上げてください。榛名のことをこんなに気にかけて下さっただけでも榛名は嬉しいです。」

 

提督「そ、そんな。榛名いいのか?俺はお前の姉妹3人を轟沈させたんだぞ?」

 

榛名「そんなの、提督だって立場があって元帥の命令に従われただけでしょう?それに、艦娘はこのような運命を辿るものだと榛名だって心得ていますから。」

 

提督「うぅ、榛名俺もずっと辛かった。比叡と霧島を失ってからはあの金剛でさえ暗くなった気がしていたし、金剛を失った時は、すごく鎮守府が寂しくなった。金剛型は俺の悲願であり、資材をためられるようになり、お前らを1人ずつ建造していく間に俺も階級が上がっていった。それが、一緒に成長していくようですごく嬉しかった。だが、もう榛名だけに・・・」グスッ

 

榛名「提督もお辛い思いをしてなさってたんですね。榛名は、ずっと、提督さえよければ提督のお側にいますから。」ダキッ

 

提督「うぅ、榛名ぁ」ダキッ

 

その後、私たちはケッコンをした。戦況が厳しくなりつつあった時勢で、どの鎮守府からも本土を守るために戦力の総動員が求められたが、モチベーション維持のためにケッコン艦の動員だけは除外されていたのだ。もちろん、提督がそんな理由なんか関係なく私を大切にしようと思ってくれていたのは知っていた。

 

 しかし、そんな日々は長く続かなかった。我が国の度重なる敗北により、ついに敵が本土を攻撃し始めていた。私もいつ出撃の命令がきてもいいように覚悟をしていた。そして・・・

 

コンコン

榛名「提督、お呼びでしょうか?榛名参りました。」ガチャ

 

提督「ああ、榛名か、ついにお前にも出撃命令が下ってしまった。この鎮守府を守れとのことだ。ただし・・・」ハァ

 

この鎮守府は近くに工廠があり、かなり重要な場所であった。だから、最近の戦況を鑑みればこのような命令はいつ下ってもおかしくはなかった。

 

榛名「はい、榛名は大丈夫です。たぶん、<港で相手を迎撃せよ>という感じですか?」

 

提督「榛名はなんでも知っているな。さすが俺の秘書艦でケッコン艦だよ。そうなんだ、でもそんなことをすれば榛名は絶対・・・」ウゥ

 

榛名「榛名にはこの前提督から頂いたダズル迷彩の主砲がありますから、大丈夫です!絶対に提督のもとに帰ってきて見せます。」

 

提督「だが、榛名。あれはそういうものではなく・・・いや、分かった。じゃあ約束だ。必ず、俺のもとに帰ってこい。そうしたら、カッコカリじゃなくて、カッコホンキしよう。」

 

榛名「はい!榛名もそれで大丈夫です。提督のことは大好きですから。提督が言わなければこちらからそう言っていました。」ニコッ

 

提督「ご、ごめん。榛名。じゃあお前の帰りを待っているぞ、行ってこい」

 

榛名「勝利を!提督に!です!必ず帰ってきます。では」ガチャ

 

提督「いったか。すまんな俺の力ではどうしようも。せめて俺が少将なんかでなければ・・・勝手なのは承知だが、どうか!帰ってきてくれ。」ウゥ、クソッ

 

 

――

 

―再び1945年7月

 榛名「はぁぁ、もう弾もなくなって来ましたね。提督からもらった艤装もこんなにボロボロになって・・・」ボロッ

 榛名「でも、鎮守府には一歩も近づけさせません!榛名はまだ大丈夫です!提督だけは、提督だけは」ドカーン

 榛名「提督には、必ず帰ると約束したんです!勝利を!提督に!」ドカーン

 

 榛名「うぅ、ここで沈む訳には・・・提督、榛名は先にお姉さま方と霧島の所に逝かせてもらいますね。まったく、約束も守れないなんて秘書艦失格ですね・・・でも、どうか、提督だけはご無事で・・・」ドゴーン、バリバリ

 

―1945年7月28日榛名大破着底―

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
榛名が好きすぎて、色々調べていた中、史実での最期に少し感動したので、今回のような話を書いてみました。やっと念願の改二になった榛名を愛でていきたいと思います。(加賀さんの次に)

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