と言う訳でお久しぶりです!!
今回も今回とて駄文と誤字が含まれる可能性がありますのでご容赦下さい。
そしてなんとなんと今回は最後に告知がございますので最後までお読み下さればと思います。
それでは第三話、お楽しみ下さい!!
車を降りて正面玄関に回って行くと見た目通りきちんとしたマンションの様でインターホンにカメラも付いている。
エントランスの奥にはソファにテーブルまで置かれている豪華仕様。
ちょっと気後れするレベルのマンションだ。
「キーはスペアを持っているので入れますから開けますよ?」
直接部屋に乗り込むのか……多少強引な気がしないではないがチャイムを押して警戒された上にチェーンロックまでかけられては対話すらできないだろう。
「じゃあお願いします」
ここは部屋まで案内して貰って執事さんを間に挟んで対話に持ち込むのがベストだろう。上手くすれば執事さんの援護にも期待出来るかもしれない。
そう言うと執事さんが鍵を何処からか取り出してオートロックを解除すると綺麗に掃除されたガラス張りの自動ドアが音も無くスーッと開く。
鍵をパネルに付いた鍵穴から抜き取って丁寧にしまう。そして確認するように一瞬だけこちらを向いて無言のまま中へと歩を進めて行く。
薄暗く落ち着いた色合いの大量のポストと宅配ボックスの並ぶ通路を横目に、陽の柔らかな光と照明に包まれたエレベーターホールへと静かな足音が響いて行く。
静かなモーター音と共に二つあるドアの片方がスルスルと開いてゆく。
人間二人分の重さが掛かかってもピクリともしなかったエレベーターは静かなまま確かな速さで上へ上へと昇って行く。最上階一つ手前でピタリと停まって再びドアが開くと、ビル風一つ感じさせずシーンとした静寂がエレベーターホールを包み込む。宛ら嵐の前の静けさである。
そして無言のまま長い通路を歩いて行き、突き当たりまで漸く半歩前に居た執事が止まる。ほぼ同時に自分も止まり横へ並ぶ。そして再びキーを手にしてこちらに目線を向けてくる。そしてそれに答えるように頷くとガチャリとやや重い音を立てて上下二つの鍵を開けた。
するとそこには聞いた通りどころかその二倍も三倍も酷い状態に見える。
まず玄関のドアを開けるとそこには某通販サイトの段ボールがずらっと部屋の前に万里の長城が如く並んでいた。
そして靴棚には鍵置と綺麗な編み込みがされた小さなオリーブ色のバスケットも置かれていて調和のとれた空間が出来上がっているのに明らかに掃除していないせいで薄灰色のホコリがうっすらと被っている。
「これは……随分と典型的な引き籠もりですね」
「えぇ。正直ここまで酷くなるとは思っていませんでしたね」
この先廊下やリビングに踏み込んだら一体どうなるのかまるで想像もつかない。と言うか想像すらしたくないレベルの光景が広がっていないことを願うばかりだ。
「とにかく入ってみましょう。話はそれからです」きっぱりとした口調で隣に居る執事さんが段ボールの壁を避けつつ奥へと進んで行く。
正直若干抵抗はあるが流石に玄関先に立っている訳にはいかないので二、三歩後ろを付いて行く。
リビングへと通ずる磨りガラスが大きく填められたドアを押し開けるとそこにはカップうどんやカップ焼きそばの東京ドームに段ボールのピサの斜塔が2本もそびえ立っていた。さらにはバスタオルがミルフィーユ状態になって机の上に重なっている横にはカラープリントされた色とりどりの印刷用紙に、資料集、雑誌、画集、ファイルと色々な物が散らばった上に積み重ねられビッグベンが出来上がっていた。
「これはまた随分と凄いですね」
見方によっては空き巣にでも入られたのかと思うレベルだ。
「確かに……これは酷いですね。ですが皆様と過ごされていた際は規則正しかったですし、お部屋も散らかってはいませんでしたが……」
どうやらきちんとした生活を少し前まではしていたようだ。この様子を見た後ではこの執事と両親のおかげなのではと勘ぐらざるを得ない。
「そう言えば本人が見当たりませんね。出かけてるとは思えないんですが」
「多分ご自分のお部屋だと思います。食事の時はこちらで召し上がっていたようですが」
そう言われたら確かにこの机の惨状を見るにここで食べていたのが分かる。
けれど幾らなんでも流石に部屋まで押し入るのは良くないだろうし、この有様を見たらここより酷いと思われる部屋なんて見たくない。
「ではとりあえずリビングまでお連れしましょうか?お部屋には上げては頂けないでしょうし」
「まぁそれしか対話する方法が無いと思いますし……」
「それでは可能な限り早くお連れします」
そう言いながら手早く机の上を使える状態に戻しながら早くも部屋へと目線を向けている。
「いえ、部屋から出て来なくてもとにかく話が出来れば良いので、最悪電話とかパソコン越しでも良いです」
「はぁ、そうですか。では少なくとも電話越しにします」
どうやら納得はしてないみたいだが一応了承してくれた。何より引き籠もりが部屋から出てくるとは思えない。
そして執事さんがリビング横の部屋に入るまでに一悶着有り、入ってからも既に五分以上経っている。
しかしその間中、終始無音なのが気になる所だ。何かしらの話し声や物音などが聞こえるはずなのだがそれすらも聞こえてこない。
そう思っていると無音のまま苦い顔をした執事さんとその後ろにぼやっとした表情の少女が出て来た。
そして出て来たのは何とも言えない程眠そうでちょっと半眼なセミロングでピョンピョンと跳ねた毛がアクセントになっている少し小柄なふわふわした幽霊が出て来た。
「あなた……だれ……?」
そしてお目にかかって第一声がこれである。しかも随分とフラットで平坦な声が飛んで来たから、それはそれはクール系なキャラクターか物凄く警戒心の高い子犬のような印象が大きい。
「えぇと……俺は平川直翔です。一応あなたと対話しに来ました。」
「そう……それで……何の用?」
まさかの何の用だと言われてしまった。てっきり執事さんが説明してくれていたのかと思っていたがそうではなかったらしい。
「まずは話が少しばかり長くなるので二人とも座りませんか?」
正直に言って執事さんの微妙に後ろからこちらを伺いながら見てくるのは何とも話しづらいこと極まりない。
そして執事さんも何も事情説明してない上に無言のまま棒立ちなのは流石に若干の恐怖を覚えるのでぜひとも一緒に座って話をまとめて頂きたい。
「では座って話しましょうかお嬢様。私も少しお話しておきたい事がございますし……」
そう言って二人分の椅子を引いて執事さんも後から綺麗な姿勢で座った。
「それじゃあまず俺がここに来たのは学校からの差し金と言うのを明言しておきます」
そう言った直後目の前に居る小柄な少女はピクッと反応し、一瞬にしてこちらを凄まじい勢いで顔を上げてこちらを見て来た。
「何故あなたが学校からの事で来たの……?」
予想はしていたが全く同じ事を同じタイミングで聞いてくるとは思ってなかったが当然の反応が返ってくる。
「残念ながら俺にもその理由は分からない」
そんな事一番自分が知りたいに決まっている。
「少なくとも学校側は天宮さんの学校への復帰を望んでいる事だけは確かだと思います」
実際、職員会議で話題に上がる位には重要なのだから間違いは無いだろう。
「そう……でも私は学校に行きたくないからこうして家に居る。そして当然学校に行く気は無い」
あっさりとそう言われてしまい話は早々に暗礁に乗り上げてしまった。
ここまでキッパリと言われてしまっては取り付く島もない。
「まぁ……当然そうでしょうね。予想通りの回答です。それでも何とか出てもらわないとちょっと困るんですよね……」
何とか学校に出てもらわないと一体あの暗黒教師に何をされるか分からない。
「何であろうと無かろうと無理な事に変わりは無い……です」
このままでは平行線のまま進みそうな様相を呈して来ている。徐々にだが雲行きが怪しくなって来ているのが分かる。
しかしここで引いてしまっては本気で悪い予感するから引く訳には行けない。
「学校に行かない理由とか行かなくなった理由とか教えてくれませんか」
だから無理押しせずに有益な情報になりそうな事を取りに行く。
「……いやだ。答える訳には行かない……」
そして暗礁に乗り上げたまま一切動かなかった。もはや取り付く島が無いどころの話ではなくなっている。
「どうしても?」
「どうしても無理。それに……何で私に構うの?」
何故……か。
何故か分からない。
だからこう答える。
「少なくともほぼ強制的に働かされてるのは理由の一つだと思うけど正直なところ分かってない」
「そう……そんな理由……あたしだって……」
あたしだっての後が聞き取れない。だから何て言ったのか分からない。
そしてその一瞬の沈黙がリビングを覆い空気が重くどっしりと沈み込む。
「……とにかく、早く帰って!!」
そして大きく膨れ上がった沈黙が半オクターブ上がった弱々しくも頑に拒絶の意思のにじみ出た声によって打ち破られる。
しかし、それすらも許さぬ追撃の一言が彼女を追い立てて行く。
「けど今帰ったらもう入れてくれなさそうだからさすがに帰れない」
「何があっても、絶対、何も言わない!鶴崎さんもこの人に何か言って早く帰らせて!!」
そして今まで一度も声を発さずに会話を聞いていただけのある種第三者に近い人にようやく声がかかる。
「執事さんからも何か言って貰えますか?」
このままの平行線状態では何も進まないどころか溝がドンドンと深まって行くのは明らか。それが打開出来そうであるならそれに乗るしかない。
「そう言う事ならば一つだけ言わせて頂いても?」
「もちろんです」
何処までいってもきちんと丁寧な言動が出来ている執事さんがようやく口を開く。
「では本当に一つだけ。はっきり申し上げますと数日以内にお二人には同居して頂く事になっています」
「ぇ、え、え……どういう事!!」
「は?……えっ……はい?」
そして、その口から発せられたのはとんでもない衝撃の事実だった。
読了して下さった方々ありがとうございました!!
実は四月の半ばに上げるつもりだったのがこんなにずれ込んでしまった...
まだまだ精進せねばなりませんな。
そして前書きでも言っていた告知をば、
実は5月6日に東京国際展示場で開催されるコミティア120にサークル『ゆるゆるオムライス』として参加する事になりました。
作品としては短いゲーム一本と作画・イラスト本の両方を予定しております。
ぜひぜひお暇な方や当日自分も行く予定だ!と言う方はお立ち寄り下さい。
重ね重ねお読み下さりありがとうございました。
アリベデールチー!!