皆様お待たせしました〜!!
いや〜結局投稿間隔が縮まらないのがなんとも言えない感じが・・・
今回はこれくらいにして第四話"引っ越し"をどうぞ!!
「ぇ、え、え……どういう事!!」
「は?……えっ……はい?」
その事実は当事者二人を置き去りにした衝撃の事実だった。
本当に思いもよらない発言が飛び出した。
正直言ってまるで意味が分からない。
全く持って
何がしたいのかも、
何を意図したかも、
全く分からない。
「引っ越しの段取りも済ませてありますからどうぞご確認下さい」
そう言って取り出して来た大判の封筒には引っ越し業者のマークが大きく入っている。
「待って下さい。何でそんな事が勝手に進んでいるんですか?しかもこの日付明後日じゃないですか……何でまた……」
「同居……あと二日……二人……」
前に居る方は前に居る方で完全に思考が追いつかずに宛らオーバーヒートしたエンジンのよう。
正直このあとすぐに話に復帰出来るとは思えない。
「でもまた何で同居何てどういう事ですか?普通なら親御さんが許可出さないですよね」
普通の親なら年頃の娘を他人と同居させるなんて言う暴挙に普通では出ないだろう。本当に何がしたいのか分からない。
「それは私たちの都合上こうなりましたので私は何も言えませんが多少のお手伝い位は出来るとは思います」
何やら複雑な事情がある様で明かす訳にはいかないらしい。しかもこの調子では前でテーブルに突っ伏している少女にも知らせれてない様で……
随分と相手のペースで悪い意味でトントン拍子に話が進んで行っている気がする。
「段ボールその他パッケージに必要な物はこちらで用意してありますのでこの後お届けいたします」
随分と用意周到に準備されて居る様で驚きどころか感心すら覚える。
「いや、待って、話が急すぎる。きちんと分かるように話して」
おっ。ようやくシンキングタイムから開放されたらしい。なんとも考えるのを止めた。とか出て来そうな程微妙な表情だけど戻って来たらしい。
「これはお嬢様大変失礼いたしました。てっきり聞いていた物だとばかり……申し訳ございません」
「ではまず繰り返しになりますが明後日にはここで、お二人で、同居して頂きます。」
随分と執事さん強調してる気がする。それに余りに丁寧すぎるせいで言葉の端々が嫌みに聞こえるのは気のせいだと信じたい。
そこからはもうただ淡々と執事さんが喋るだけの不思議な空間が出来上がった。
「全く持って理解不能……何をどうやったらこんな事に……けどお父さんとお母様が……」
「ご主人様と奥様に関しましては少しばかり私からお話がございますのでご容赦下さい」
ボソボソとテーブルの反対側から小声で話し合いが始まっている様で……
だんだん雲行きが怪しくなってきてどうやら人様には安易に聞かせられないらしい。
「まぁそうなって当然……でもそれだったら何でここに?」
「それがどうやらご主人様が……」
「お父さんが?何でこんな事を……どうにかならない?」
なんか随分と諦めたような声が聞こえるんですけど?何がどうなってるのか分からないのは俺も一緒なんですけど…….
「残念ながらそれは難しいかと存じます」
「だよね……本当に不思議でしょうがない」
「申し訳ございません」
おやおや。何か向こうでは話が纏まったらしい。
「それでは直翔様。お宅までお送りいたします。その後梱包材が届くように手配を整えておりますので明日の午後からは私もお手伝いに行きますのでよろしくお願い致します」
「ただ兄と住んでますから兄が何と言うか……」
どうせ兄貴の事だからいつも通りほったらかしてくるだろうが少しばかり抵抗してみる。
「お兄様でしたらむしろよろしく頼むと仰られていました」
まさかの兄貴にも手を回すどころか早く出ていけときた。
「そうでしたか……ではお言葉に甘えて送って頂いても?」
「私は最初からそのつもりですからお構いなく」
なんか予想以上に不思議な展開になった上に週末の予定がつぶされてしまった。
そしてあっという間に引っ越しは終わり、せっせと段ボールを開封する作業を続ける事はや数時間。準備から手伝ってくれた執事さんがふと段ボールの小山の端で手を止めて手元を覗き込んでいた。
「おや、もう4時になっていましたか」
「何か予定でも?」
「いえ。途中で休憩でもと思ってたんですが……遅くなってしまいましたね」
如何にも気が回る執事さんらしい理由だった。
「今からでも良いんじゃないですか?丁度休憩したかったところですし」
「ではお嬢様もお呼びしますのでテーブルでお待ち下さい」
そう言って早くも遅めのおやつタイムの準備へと行動を移す姿は流石と言うべきか、板に付いておりしっかりとした印象を受ける。
ふとリビングの周りを見回してみると段ボールの壁も資料の山も無くなっていた。それに加え多量に重ねられていたカップ麺等の棟も綺麗さっぱりとして本来あったであろう姿に戻っていた。
「この前よりだいぶ綺麗になっていますけど片付けたんですか?」
「えぇ。昨日お嬢様もわざわざ手伝って下さいまして……」
いつの間にかダイニングに立って作業をしながら何とも微妙な表情をしている。
何故微妙な表情になっているのか不思議ではある。ちゃんと自分で片付けが出来るんだったら最初からして欲しい所ではあるが残念がる事は無いだろうと思う。
「本当はお手を煩わせたくは無かったのですが……」
そしてその答えがこれである。執事としてはある意味良い心構えなのかもしれないが、もはや過保護とかのレベルを超えている気がする。
一昨日の悲惨な惨状の一端が見えた気がする。
「勝手にやっただけ。気にしないで」
そしていつの間にか部屋から出て来て、休憩を待っていたのか心なしか前回よりもうっすらとだが明るい表情でソファーに座っていた。
「まぁ私としてはそう言われるのであれば、この調子で片付けて頂けると有り難いと言えば有り難いですね……」
「ん〜。気が向いたらやる……かも……」
いや、ちゃんとやってくれよと言うツッコミは言わずもがなであろう。
「無理をなさらない程度にお願いします」
「ん。」
この執事さんも執事さんで相変わらず過保護に近いものを感じる。
そんな一般家庭では聞かれそうで聞かれなさそうな会話の最中に香り高い紅茶と丁寧に並べられたお茶菓子が出て来て、のんびりとした空気が流れている。
そしてその後も口数が多いとは言えないものの雑談を交えながらのおやつタイムが続いていた。
「そろそろ残りの荷物を片付けますかね。改めてお手伝いありがとうございます」
そう言いながらほとんど残ってないカップの中身を飲み干す。
「こちらが無理なご予定を強いてしまったのが原因ですのでこれくらいはさせて頂けないと申し訳が立ちませんので……」
そう言いながら空になった皿やカップを手早く片付けて行く。
「むしろ後2、3箱ですからこのくらいで十分ですよ。それにそろそろ夕飯の支度もあるでしょうから」
早くも4時半を少し回ったくらいになっており徐々にではあるが日が傾いて来ている。
「ではお言葉に甘えて。折角ですので今日はいつもより腕に縒をかけてお作りしましょう。お夕飯は何時頃が宜しいでしょうか」
そう言うが否や片付けを始めている。
「遅くなければ何時でも構いませんよ」
「お嬢様は如何ですか」
「……私もいつでも」
普段の食事なんて時間も栄養もまちまちで酷い時には10時を過ぎる事もあったから食事の時間なんてほとんど気にする事がなかった。
「では少しばかりお時間を頂いて7時からでも宜しいでしょうか」
「勿論です」
「ん。分かった」
そう言って夕飯までに作業を終わらせるべく作業へと戻る。
きっかり7時を回ったところで夕飯が出来たとの知らせを受け、リビングに再び足を運ぶとご丁寧にランチョンマットが引かれた上にシンプルだが綺麗な食器が並べられていた。
そして早くも食事なのを聞きつけたのか既に知らされていたのか、ダイニングからキッチンを覗き込んでいた。そして余程好きなのかここ数日中見た中で妙にテンションが高かった。
「やった。ラザニアだ」
そして出て来たのは聞いた通りラザニア。この2時間半でこの料理を一から作り上げたのは流石お抱えの執事さんである。
それからはあっという間に食事も終わり順番でお風呂に入り一日が終わった。
それでも執事さんが居たから比較的スムーズに進んだのは間違い無さそうで、これから先が思いやられる。
正直今までと変わった所が多かったのと、引っ越しも有ったせいかだいぶ疲労が来ていて何時もより随分と早く寝てしまった。
お読みいただきありがとうございました!!
今回はちょっとコミカルっぽくするのを気にしつつ描いてみたんですけども・・・
果たして上手くいったのかそうでないのかイマイチ自分では判断がつかないと言う微妙なやつですよ(苦笑)
そう言えばつい先日UAが100超えてました!!やった〜!まさかこんなに見て頂いてくれる方が居たとはなんとも感無量でございます。
本シリーズはまだまだ序章ですからこれからも続きますからどうぞ長い目で見て頂けると幸いです。
こんどの投稿はもしかすると2週間後に早まるかも!?しれませんねぇ。
それでは今回はこの辺で、ダスヴィダーニャ