タイトル通りです。

Fate/ZeroとBBBのクロスになります。

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短編です。続きません。

肩の力を抜いて楽しめる話として作りましたので、矛盾する点は笑って許していただければと。

ギルの触媒を原作よりもわりかし早い時期に手に入れたのでトッキーが早めにサーヴァント召喚を行った世界の話ってことで。

トッキーが酷い目に合うので一応、アンチ・ヘイトつけてます。


もし遠坂家5代目当主がマリーン・バンク支配人をアーチャーとして召喚したなら

「勝ったぞ、綺礼。我々の勝利だ」

 

サーヴァント召喚の魔術が発動し、陣に何者かの気配が現れる。

 

あたりに立ち込める霧のせいで視界がハッキリしないが、この威圧感。かの英雄王でなければなんだというのだ。

 

その時、立ち込めていた霧が一点に収束していく。いや、これは霧ではない。時臣はようやく気づく。

 

これは視覚化された高密度の魔力だ。おそらくは英霊自身から溢れ出た、いわば余剰分の。

 

たったそれだけの魔力で自分を戦慄せしめたサーヴァントに頼もしさと共に畏れを感じる。

そして、サーヴァントの全身像が露わになる。

 

「我が呼び声に応えていただき、感謝いたします。英雄王、ギルガメ……?」

 

サーヴァントとはいえ、神話の時代の王。それ相応の礼儀をもっての挨拶の途中、時臣は奇妙なものを見た。

 

陣の中にいたサーヴァントの姿は、

 

銀髪。それはいいだろう、日本人ではないのだから。

 

逞ましい体躯。ひ弱では神代の怪物に立ち向かうことなどできまい。これもいい。

 

野性的な顔つき。むしろそのくらいの方が頼もしい。だが。

 

服装は仕立てのいいスリーピースのスーツ。

 

私はいったい誰を呼んだのだ?

 

「すまないが、人違いだ。確認だが、貴方が俺のマスターということでいいか?」

 

精悍な顔に困惑の色を浮かべながら「アザミ邸の騎士」ケイン・ウォーロックはアーチャーとして現界した。

 

直後にケインが平行世界の死徒であると判明し、あわや鉄火場となりかけた遠坂邸だが、ケインが視線侵攻にて時臣と綺礼に「血を吸って仲間を増やすなどの生態は無い」ことを伝えた為、遠坂陣営の危機は回避された。

その時、時臣はケインを「人の身を捨てながらも高貴なる義務の心構えを持つ魔術師」と認識し、自分の同類と判断していたがそれは大きな間違いだったと翌日思い知らされることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

「いや、コストパフォーマンスが段違いだろう。何故そこまで魔術に拘るのか俺には理解しかねる」

 

召喚翌日、作戦会議の際の一言である。

何ということはない。遠坂邸にある自動書記の魔術礼装を眼にした弟子の綺礼に対し

 

「フフ、君にはファクシミリのほうが便利にでも見えるかね?

 これなら電気も使わないし故障もない。情報漏洩の心配も皆無だ。

 なにも新しい技術に頼らなくても、われわれ魔術師はそれに劣らず便利な道具を、とうの昔に手に入れている」

 

と自慢げな時臣にアーチャーが鋭い言葉の一矢を放ったのである。

 

よもや自分よりも年経た熟練の魔術師に機械を使わないことを疑問視されるとは思っておらず、時臣はドヤ顔で凍りつく。

 

「い、いやアーチャー。先にも言った通り情報漏洩の危険を踏まえれば」

 

「確かにそういった利点はあるが、わざわざ宝石まで使った挙句、漏洩しても構わない程度の情報が今まさに届いているようだが?これならばFAXでいいだろう」

 

「だいたい、敵マスターの経歴ならば他所に漏れた方がむしろ好都合だろうに。それだけ多くの敵に顔やら名前やらを知られるということだからな」

 

まあその程度の情報すら掴めていない輩ならそれこそ恐るるに足らんがな、と続けた。

 

そう、魔術師であれば殆どの者が持ち合わせている、科学や機械に対する忌避感をケインは一切持ち合わせていなかったのだ。

 

その後も

 

「トキオミ、パソコンくらいは導入しろ。今後インターネットでどれだけの事が可能になるかは視線侵攻で見せたろう」

 

「時代の変化に適応できなければ待つのは衰退のみだ。何なら実際にそうなった者達の末路を今から見せてやろうか?」

 

ケインは300年の時を生きた吸血鬼である。二度の世界大戦、世界恐慌といった歴史を揺るがす出来事を生で体験し、人間だけでなく時代の流れに飲まれた血族の栄枯盛衰も幾度となく見てきた。その為、説得力が半端ではない。

 

「いや、それは」

 

「何だ?より少ないコストで同じようなことができる道具があるなら俺は何も言わんが」

 

遠坂家、パソコン導入。なお、一番に使いこなしたのはネットショッピングで買い物が楽になった葵だったという。

 

アサシンによる偵察の際も

 

「アサシンにビデオカメラか何かを持たせた方がよかろう。キレイならば視覚の同調で同じものが見られるが、トキオミや俺はそうはいかんしな」

 

これが理由で諜報活動が捗ったことは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

「言っておくがトキオミ、単なるお前のレトロ趣味で済むレベルなら俺も五月蝿くは言わんが、お前の魔術へのこだわりと家族に不便を強いることは別の問題だからな?」

 

そう言われて時臣は反論できなかった。先日、ケインの勧めで購入した家電製品で楽しそうに家事をする葵や、テレビを観て笑う娘たちが脳裏をよぎったからである。

 

「トキオミ、いっそのこと機械で代用できるものは全てそうしてしまえ。無論、購入は計画的にな。次代の為に魔力と宝石を貯めておかねばならないのだろう?」

 

「ま、待ってくれアーチャー。今ある道具一つ一つに使う魔力は瑣末な量だ。それに冬木のセカンドオーナーの矜持として……」

 

「新しいものの理解を放棄することは矜持とは言わん、怠慢だ。それに瑣末な量と言ったな?それを10年、20年と貯め込めばどれだけの量になると思っている?お前が魔術師になったのは携帯電話や懐中電灯の劣化品を扱うためか?」

 

ぐうの音も出なかった。

 

魔術師でもあり、かつて経済特別解放区…通称『特区』の経済を牛耳った銀行家、ケイン・ウォーロックは意味ある投資は惜しまないが無駄遣いを断じて許さないのである。

 

 

またある時は葵に

 

「奥方、厳しいことを言わせてもらうが、資産家の妻というのならもう少ししっかりしてもらわねば困る。夫の意見に追従するだけではいつか痛い目をみるぞ。思考の停止だけはしないでくれ」

 

「全力を尽くすつもりだが、トキオミにもしものことがあればリンとサクラを貴女が守らねばならないのだから」

 

「わ、わかったわ」

 

葵が時臣に自分の意見を言うようになった。

 

 

またある時は凛と桜に

 

「リン、君はもう少し慎みを持った方がいい。サクラと君の性格を足して二で割れば丁度いいのだが」

 

「何ため息ついてんのよ、ぶっ飛ばすわよ」

 

「ね、姉さん落ち着いて。ごめんねアーチャー」

 

まあ、こちらはうまくいかなかったようだが。

 

またある時は綺礼に

 

「何故だ……アーチャーに面目を潰される時臣師を見ると心の底から愉悦が……」

 

(リンとサクラを近づけないようにすれば問題無いか)

 

『お嬢様』の末路を重ねてのことか、時臣への負担よりも凛と桜の教育を気にかけるのであった。

 

そして

 

「正常に機能するかどうかも未知数なまま200年近くも放置された願望器か……調査した方がいいだろう。勝ち抜いても欠陥品をつかまされては目も当てられん」

 

「アーチャー、流石にそれは」

 

時臣が焦った顔で制止する。いくら何でもそれは先祖の面子に関わる行為だからだろう。無理もない。

 

「楽観的な考えで下調べを怠った挙句、重大な損失を被っても構わないというのならやめておこうか。ちなみにどこぞの青二才は世界恐慌の時に」

 

「わかった、やめてくれ。君の気が済むまでやってくれ」

 

その時の時臣の憔悴ぶりを見て、そばに仕えていた綺礼が必死に笑いを堪えていたのは見なかったことにした。

 

 

 

 

 

 

 

そして、ケイン・ウォーロックは動き出す。

 

「言峰神父。聞いてもらいたい話がある。ああ、心配しなくともトキオミの了解は得ている。ショックの余り寝込んでいるので俺が代理で来た」

 

「アーチャー殿、いったい何があったというんだね」

 

あの時臣君が、と驚愕しながらも言峰璃正が問いかける。

 

「柳洞寺の大聖杯について俺なりに調査した結果。聖杯に何らかの異常が見られた。トキオミの見解も聞かせてもらったが、俺の見立ては間違っていないらしい」

 

「ついては、遠坂家のサーヴァントとして聖杯戦争の中止と、御三家合同による聖杯の修繕、あるいは解体を進言させていただく」

 

そしてケイン・ウォーロックは動き出す。聖杯戦争を終わらせる為に

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「ああなんということだ!お前の案に乗ってやりたいのはやまやまだが、バーサーカーの身である私としてはカリヤの命令には逆らえないんだ!」

 

「いや、俺は何もグハァッ!血が!」

 

「まったく無力な自分が恨めしいよというわけで私の(ストレス解消の)為に死ねケイン!!!」

 

「お嬢様!本音がだだ漏れです!」

 

 

ケイン・ウォーロック。彼の荊の道の先にあるゴールは果てしなく遠い。主に『お嬢様』のせいで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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