ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
またゲテモノ作っちまった気しかしない・・・
アスランに救いは無いのかと思いました?
そうでもないかもしれないしそうかもしれない・・・もっともこの話でどうでも良くなるかもですが。
先週酷い目に会っていたあの人の視点から開始です。
それは正に、夢の場面が変わるかのような緩やかな変化だった。
ああ・・・俺はどこにいたんだろうか。まだ夢の中にいるような浮遊感に体が揺れる。
・・・段々と記憶が戻ってきた。さっきまでは何処か知っているのに知らない場所で戦っていたが、今ははっきりとわかる。ここはヤキンドゥーエ宙域だ。頭の中に直接浮かんでくる宙域のマップによると、どうやら敵の前線の内側に入り込んでしまっているらしい。近くに連合の戦艦がいる・・・
もう全てがどうでもいい、そんな虚無感に覆われて宇宙を漂う。応戦しようと例え思えたとしても、網膜に投影された機体コンディションは全身が真っ赤だ。
戦艦があまりに何のリアクションも見せずに航行しているので何事もなく通り過ぎていくのだろうかと考えてしまうが、どうやら違うらしい。小さな作業艇が近づいてきた。
そうして、同時に二つの事が起きた。
微かに聞こえていた無線が途絶えた。そして、ヤキンドゥーエ基地から、輝く緑の粒子が驚くほど広域に飛散している。
アスランの目に、同じ色の光が映りこんだ。
「あれは・・・」
◇◇◇◇◇◇
ヤキンドゥーエ宙域、試作γ線照射装置一次反射ミラー周辺にて。
地上からも暗ければ見えるほどに、色とりどりの閃光が散っている。連合にとオーブの合同部隊は、囲むZAFTのモビルスーツを、陣形を拡大したり縮小したりと繰り返しながら、潰されることなく目標に向けて前進していた。
「残弾はこれだけか!」
陣形の最外縁で敵を跳ね返し続けているのは、新しいGATシリーズに乗り込んだアズラエルの配下三人、アークエンジェルのパイロット三人だ。内側では、拡張バッテリーを装着したアストレイや合流を果たした数小隊のダガーが援護射撃を続けている。
『ああそうかい。まあ作戦上はあそこに辿り着いちまえば帰る前に死んでも問題は無いぜ?』
『冗談じゃない!』
幾ら予備のエネルギーと補給人員があるとは言っても、時間が足りない作戦故に多勢に無勢。しかも、想定されていたよりも敵が強い。いくら優秀とはいえ経験の差は大きく、エネルギーロスは大きかった。
『無駄口叩くな!後500!それで迎撃されずにキラさんのランチャーであのクソッタレ兵器を無力化できる!』
それは、Nジャマーの影響もあってかレーダーにモビルスーツとして映らないほど小さく、そして一撃で金属の装甲を貫く破壊力を持ち、何より技術と冷徹さを併せ持った狂人がその引き金を握っていた。
「なんで・・・味方の反応が減って」
続きが、オーブ防衛軍士官の彼の口から漏れることはついぞ無くなった。
丁度陣形が外側に展開しきっている時に、滑り込むように陣形の内側へ入った不可視の砲座は、さらに続けざま三機のモビルスーツを破壊した。
破壊と同時に、二人のパイロットが反応を示す。
「脳量子波だと!?」
「この感じ、クルーゼか!?どこに・・・!」
牽制のためか、はたまたいよいよ成就を目前にしたために舞い上がっているのか。彼を知る人は前者を思い、本人は後者を口にすることだろう。虚空から、黒いモビルスーツが出現した。
「私の夢、私の願い・・・あとはあれさえ!」
十一門のドラグーンがスルスルとモビルスーツ本体へ回収されていく中、ひと際大きな一つがストライクの構えるランチャーに向けて放たれた。
周りがようやく危機に気づき、ビームに仰天してキラを庇おうと遅すぎる行動を開始する中、ストライクは盾を斜めに構えビームを防ぎ切った。
「やはりあれが今回の作戦の要らしい・・・お前が私の邪魔をするか!キラ・ヤマト!」
周囲を取り囲む新型の内数機が、いきなり動きを変えた。まるで誰かが乗り移ったかのように、正確にストライクに射撃を始めたのだ。
もちろん、ストライクには一発たりとも当たらない。周囲に防御陣を組もうとしていたのか、集まっていた連動やオーブの新型をすべてコクピットを一撃で打ち抜きながら、クルーゼは目的遂行の助けになりそうなオブジェクトを探す。
「まずは母艦か」
思えば何度も辛酸を舐めさせられたものだが、今やこうもあっけない物か。飛ばしたドラグーンに急接近する小物体を感知したクルーゼは、ドラグーンに複雑な軌道を描かせるがなかなか食い下がる。小物体はモビルスーツにしては小さすぎる。動かす意思の大本を辿れば・・・
「お前か、ムウ」
足付きの前方には、シールドを構えたストライク・・・カラーリングからして今まで追っていたものとは別機体なのだろう。だが。間違いなく、わかる。私とお前だから分かる。
「なるほど、お前もあの男の息子だ・・・しかし、弱いな!」
装備されている僅かに四つのドラグーンもどきを見て、クルーゼは嘲笑した。更に数機の新型、ゲイツPに指令を出した。今度はビームクローを起動して四機が一気にストライクに襲い掛かる。
ストライクは何とか四機全てを打ち払い、プロビデンスにビームサーベルで打ちかかった。
『お前は・・・クソ、どうしてお前からオヤジと同じような気配がする!』
「ムウ・・・お前と私の因縁はあの世界樹攻防戦に始まった事ではないのだよ。すべてはあのアル・ダ・フラガの過ちなのだ
覚えているか?お前と私は、戦場を前に一度会ったことがあることを!」
接触回線で見えた仮面の無いクルーゼの顔を、ムウは見た・・・
『まさか・・・』
「そうだ!私こそはあの男のクローン!あのキラ・ヒビキを生み出す金のために作られた出来損ないだ!」
拮抗していた剣と盾の押し合いを、力を後ろへ流すことでストライクの姿勢が崩れた。そして、流れた体をへし折る勢いで膝蹴りが叩き込まれる。
「お前が動かすその機体・・・お前だけの力では到底実現できたものではないな?」
確かに、ムウは空間認識能力と12Gに耐える強靭な体を持つが・・・
「ははは!あの男が失望するのも無理はない!普通に生まれた息子の方が失敗作とはな!」
なんとか姿勢を立て直したストライクにもう一発足蹴りを繰り出して吹き飛ばした。そろそろ消してやろうと構えたビームライフルに、吸い込まれるようにビームが命中した。
「あの男か!」
それは、間違いなくあの何度も足付きを助けた、あのジンのパイロットである。こちらにも、クルーゼには確信があった。コーディネートされただけの人間では及びもつかないその技術。流れ込んでくる、こちらを排除しようとする鋼鉄の意思。
私が憎む本当の人類そのものだ。
「消えろ!」
ムウに回さず充電を済ませておいた小型ドラグーンを、八機。半分をビームスパイクにして打ち込む。
「やはり凌ぐか!」
ムウならばこれは凌げなかっただろう。一息に四つのビームスパイクを切り捨て、檻を形成するように発射された八本のビームも、ほとんどその場から移動せずに躱してしまった。
これは、近くのゲイツPを十機差し向けても相手になるまい。そう判断したクルーゼは、近くにあった残骸をドラグーンで集め・・・
「ここで死ぬわけにはいかないのでね!」
周囲を巻き込んで大爆発を起こした。当然、ドラグーンを利用した加速で爆発の範囲からは離脱し、戦場からも一気に離れていく。
それに、ここだけが世界を滅ぼす手段でもないのだからな
爆風で機体を損傷したムウのストライクを見ながら、クルーゼは心の中でそう独り言ちた。
◇◇◇◇◇◇
ヤキンドゥーエのγ線レーザー照射装置管制室では、オペレーターが冷や汗を流していた。先ほど、ザラ議長の直属兵がレイ・ユウキ特務隊長を拘束し、牢へと移送してしまったからだ。
議長は直属兵になるべくオペレーターを減らさないように指示しているらしく、それ以降は従順にしていれば特に手は出してこなかった。しかし、オペレーターたちの全員がきっと思っているに違いないとテテス・ハレは信じていた。
こんな事は間違っている、と。
地球で迫害を受け、プラントに移住した後も、何度も考えた。地球に帰れることはあるのかと。確かに、プラントは完全に独立が可能な生活環境が存在している。しかし、本当にそれだけでいいのだろうか。
人間が暮らすために必要な環境はプラントに全てあるのに。故郷を思う心は何処へ行けばいいのか。故郷の、北米の大地を赤く濡らす夕陽を見ることは叶わなくなるのか。
宇宙で生まれれば、地球を思う心は無くなってしまうのだろうか。
テテスには、ガラス一枚を隔てた向こう側に孤独な宇宙が広がるあのプラントを、どうしても心から好きになれていなかった。
「・・・い、おい、聞いているか?」
「は、はい」
思考の海に沈んでいたテテスを、銃口が小突いた。
「早く発射しなくては間に合わなくなる。シークエンスを開始するんだ」
震える手で操作盤に手を置いたテテス・ハレは、生れて初めてナチュラルに心から祈った。
どうか、私に無事失敗させてくれ!
無情にも、周りも銃を突き付けられて、又はそうでなくとも作業を進行させていく。
銃声が鳴り響き、全ての電灯が消えたのはその直後だった。
◇◇◇◇◇◇
ソラン・イブラヒムに構わず行けと背中を押され、キラは必死にストライクのアクセルペダルを踏んで加速していた。ストライクの熱源センサには、前方の発射装置に充填されていくエネルギーが克明に映し出されていた。
ディスターバーフィールドの性質上、湯気でレーザーを拡散して無力化するようなものであるため、発射前に十分にフィールドを構成する粒子が展開されていなくてはならない。そして、失敗は許されない。
「くそ、敵が多すぎる!」
一時は減った敵も、再び出撃準備が整ったのか大部隊を編成して装置を守っている。
「これじゃあ!」
『邪魔』
上から、もがれた四肢を物ともせず体当たりでストライクを止めようとしていた新型が、青いビームに焼かれて消滅した。そのまま、ビームは曲線を描いて数機の新型を巻き込む。
『此処は俺らが止めてやるからさ』
『早く行っちまいな!滅殺!』
レールガンが動きを止め、スパイクの付いたハンマーが止まった新型のパーツをフレームからへし折り、散弾のように敵へまき散らしていく。
「ありがとうございます!」
遂に、ストライクは迎撃までを考慮した有効射程へ辿り着いた。先ほどのアスランを不意に思い出し、震える右手を左手で掴みながら、トリガーを引いた。
一次反射ミラーと呼ばれていた金属製の尖塔に、ランチャーから発射された装置が着弾し、力場を形成した。
◇◇◇◇◇◇
それは、偶然発見された技術だった。新しい核融合炉の実験をしていた時、発見された現象。強力な力で加速された重粒子が、衝突時に崩壊現象を起こす。この時、質量保存の法則から重粒子の質量と速度エネルギーが転化して新しい素粒子が発生するのだが、あるエネルギー量で加速を行った時最も多く生産される緑色の粒子には、Nジャマーのように電磁波の伝搬を阻害する働きが見られた。
或る世界では、それはGundam Nucleus と名付けられて兵器に転用された。
◇◇◇◇◇◇
出力が大幅に向上したことによって、今度は緑色に輝く粒子が肉眼で確認することが出来た。そして、どうやら作戦は成功したらしい。
通信機に成功を伝えようとしたキラは、目を疑った。コクピットに座っていたはずのキラは、そのままの姿勢で不思議な白い空間に浮いていたのだ。
一方、合同部隊の通信回線では大騒ぎが起こっていた。
コクピットハッチを開いた痕跡すら残さず、空になっていたエクシア・アストレイの横でムウが無線機に叫んでいる。
『応答しろ!ソラン・イブラヒム!』
もしかしたらお気づきの方が居られたでしょうか。作戦に使用されていたニュートロン・ディスターバーの正体はGNドライブ[Τ]です。
バッテリー電力を消費してGN粒子を生産しますが、それ以外のことはできません。
新機体について
詳しくは来週予定の番外編で出しますが、プロヴィデンスのみここで先に出します。(混乱が生じそうなので)
ZGMF-X13A-C:プロヴィデンス・アプスー
動力:核エンジン
装甲:PS装甲
武器:ドラグーン・システム
ユーディキウム・ビームライフル
複合兵装防盾システム
特殊兵装:ミラージュコロイド
本来のものと違う部分は三つ。一つは上記の通りミラージュコロイド。ドラグーンにも付与でき、見えないドラグーンで死角からビームを撃ってくる鬼畜仕様である。
二つ目は、ドラグーンにも本体同様の各種索敵センサーとビームスパイクへの変形機構があること。ドラグーンにもセンサがあり、得られた情報はクルーゼへフィードバックされる。
三つめは、いわゆる脳量子波制御システムを搭載していること。ただし、機体とのリンクを行ういわば「ケーブルを使わない阿頼耶識システム」みたいなもの。ドラグーンから得られる情報を基に制御されるため、リボーンズガンダムのフィン・ファング並みの性能を見せる。
周りの洗脳された新型に関する機能もありますが、それは新型のゲイツPに帰属する機能なのであちら側で説明したいと思います。
さてさて本編では一大事、どう考えてもイノベイター並みのスペックになっているクルーゼさんを前にいなくなる刹那さん。回収されるアスラン・ザラ。第三勢力が介入したヤキンドゥーエ。果たして次回はどうなってしまうのか・・・(作者も分からない)
・・・冗談です。最後はちゃんと決まっていますので、二月中の完成を目指して頑張りたいと思います。
◇
没ルート:やられたアスランはクローンだった(本作とは違い死亡しました)
アプリリウスに突入するキラたち。そこで見たものは、水槽に浮かぶ何十人ものアスランたちだった・・・
記憶をインストールされたアスランは、もはやどれがオリジナルかさえ分からない状況であり、一先ず人権的な観点から人間としてプラントの一都市に住まされる。
戦争が終わり、ZAFTはナチュラルを含めた新体制で再稼働を始める。しかし、先の戦争の負の遺産であるアスラン・ザラ・クローンをどうするのか。出された結論は、火星で人類の新たな住まいを切り開くことに従事してはどうかということ。
それは議会で発案され、そして全てのアスラン・ザラ・クローンがそれを希望した。
マーシャン達に受け入れられたアスラン達は、火星を作り変えるべく新たな人生を開始するのだった・・・
数百年後、一部記録を紛失した未来人たちの火星学会
「このほぼすべての火星住民が有している遺伝子を辿るとアスラン・ザラという人間に辿り着くが、もしかして火星を征服した火星黎明期の王などだったのではないか?」
※恋愛結婚でカオスな状態になり、その子孫が訪れた人間と混ざっていった結果です。