劇場版からしばらく後のお話です。オリキャラと他作品のキャラが多数登場予定しております
大洗女子学園学園艦廃艦騒動と大洗、聖グロリアーナ、黒森峰、プラウダ、サンダース、知波単、継続、アンツィオ戦車道高校連合と日本戦車道大学選抜チームとの熱き戦いは高校連合の勝利で幕を閉じ、無事(約1名無事ではすまなかったが…)大洗学園学園艦は存続することになったのだった。
まさにドリームチームとなった各校代表選手達はそれぞれの学園に帰還。つかの間の休息の後、来年の全国大会へと向けて各校更なる訓練に明け暮れた。
そして…翌年2月
「私、蝶野亜美は本日をもって大洗戦車道の指導を離職致します。」
大洗女子学園が赤く夕陽に照らされるいつもの放課後、戦車道履修生達の前で蝶野教官は別れの挨拶を始めた。日本戦車道連盟の強化委員の一員として無事誘致成功となった世界大会開催のため今後多忙を極める彼女は大洗女子学園を離れなければならなくなってしまったのだ。
「この学園で皆さんと出会ったことは私の財産です。皆さんのひたむきな姿、試合での勇姿、互いを助け支え合う心、私は決して忘れません。」
そう言いきる姿を目の当たりにした履修生達は嬉しさと共に寂しさを感じていた。素人の集まりだった自分達にざっくりとしつつも的確な指示を与え、戦車道の心意気を隊長の西住みほと共に教えてくれた蝶野教官に皆感謝していたのだ。
「蝶野さん、本当にありがとうございました。」
履修生達の集まりの中央から歩み出た隊長の西住みほはしっかりと正面から蝶野教官に感謝の言葉を述べる。
「西住さん、今年は昨年以上に苦しい戦いになるわよ。ディフェンディング・チャンピオンだから、頑張ってね!」
蝶野教官の右手がみほの左肩にのせられる。角谷杏をはじめ3年生組も去り、みほの双肩には今まで以上の責任とプレッシャーがかかることだろう。彼女は今一度気を引き締めて口を開いた。
「はい!蝶野教官の教えと、生徒会長達の学校への深い想いを糧に、頑張ります!」
「その意気よ!」
みほの肩にかける手を片手から両手にして力をこめる。蝶野教官の意志と力が身体の中へと流れ込んで来るかのようであった。
「来月着任する私の後任教官は私の後輩でとても頼りになるから、きっと力になってくれるわ。」
みほにそう伝えて蝶野教官はその視線を少し上に上げてゆっくりと履修生達の姿を目に焼き付けた。
「皆さんも、西住隊長のことをしっかりとサポートして、素晴らしい大洗学園戦車道に邁進して下さい!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
蝶野教官最後の訓辞に履修生達は大きく、そして力強く答える。そのうち何人かの目には涙が浮かんでいた。
そして…
「「「「「蝶野教官、ありがとうございました!」」」」」
改めて一堂の心からの感謝の言葉。それが蝶野教官の両目を潤ませてしまう。彼女は大洗に来て良かったと心から思ったのであった。
『辞令・陸上自衛隊霞目駐屯地教導科所属羽村葵二等陸尉
3月○日付けを持って大洗女子学園戦車道教官に任ずる。尚同行する人員と車両その他の装備に関しては一任する。』
宮城県仙台市、陸上自衛隊仙台霞目基地教導科執務室の窓際のデスクに座る羽村葵は渡された辞令を読み返す。何度読んでも内容はそのままだ。
「蝶野先輩からの差し金かな…。」
机の上に辞令を置きデスク上の電話を取る。
「当直室、教導科の羽村二尉です。これから読み上げる人物に終業後第三小会議室まで来るよう伝えて下さい。」
電話をかけながら椅子を回して窓を正面に固定する。窓の外は暗く今にも雨が降りだしそうであった。だが彼の目にはその雲よりも遠くさらに先、大洗の海に浮かぶ巨大な艦の姿が浮かび上がっていた。
続く
初のガルパン二次作品です。少しずつ進めて行ければと思っています。
登場キャラや登場高校の紹介はその都度説明の回を設けるつもりでおります。
次回予告
ついに着任してきた新教官に期待の新入生。春休み中に移行した新体制のもと大洗女子の新たな戦いは幕を開ける。
「登場!!新教官です」