目指せ二連覇!!   作:ストレイカー

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練習試合での一コマです。短いです。


練習試合・ショートです!

『月江おばあさんとセンチネルです!』

 

 

 

「ペンギンさんチームついてこい!」

 

 知波単戦車道の一同がやけくそあんこう踊りを舞いペンギンさんチームを歴女軍団が賞賛している時のこと、副隊長のエルヴィンがペンギンさんチームをつれて大洗チームのベースとなるテントへと向かう。

 

「大洗女子学園、ペンギンチームを引き連れ参りました。」

 

 案内された先にいたのは筑波さつき教官補佐とパイプ椅子に座る老婦人であった。

 

「ご苦労様。皆さん、こちらはかつて大洗戦車道の隊長を勤められた…」

 

「月江と申します。」

 

 椅子から立ち上がり月江おばあさんが会釈するとエルヴィンとペンギンさんチームのメンバーが礼を返す。一同は以前みほからセンチネルがどのような経緯で大洗へとやって来たのか聞いており、初対面ではあるが月江おばあさんのことも聞き及んでいたのだ。

 

「大洗女子学園副隊長、エルヴィンです。」

 

「ペンギンさんチームリーダーの明日香澄です。」

 

 エルヴィンと澄が自己紹介して野島椿、篠真厘、鞍馬由岐も続く。

 

「今日の勝利、おめでとうございます。」

 

 5人の自己紹介を聞いた月江おばあさんは再び会釈しながら今日の勝利への賛辞を口にした。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 大先輩であり、自分達の戦車に強い思い入れのある人物からの言葉に少し緊張気味に澄が返す。

 

「あなたがたのセンチネルの活躍、本当に嬉しかったわ。あの子に活躍の場を与えてくれて、本当にありがとう。」

 

 優しい笑顔を浮かべた月江おばあさんの言葉がメンバーの心に染み渡る。

 

「私達はあの子を試合で活かすことができなかった。当時は本当に残念だったけれど…こうして見ることができて感無量だわ。本当にありがとう!」

 

 月江の終わらぬ賛辞にメンバーが少し震え始める。そきて澄は自らがチームを率い、センチネルをさらに活躍させるべく心の中で決意を新たにするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『双子戦車です!』

 

 

 

「そうそう、みほさん。ちょっとウサギさんチームの皆さんを呼んでいただけますか?できれば戦車もご一緒に。」

 

 隼人による写真撮影が終わるとオレンジペコがみほにそう語り掛ける。

 

「えっ?はい。」

 

 呼び出しの要請にすぐさま携帯で梓に連絡する。

 

 

 

 

 

 

 

「ダージリン様から伺いました。あなた方にお見せしたいものがあります。」

 

 テーブルの脇に集まったウサギさんチームとM3リーを前にしてペコが用意された無線機のスイッチを入れる。

 

「ローズヒップさん、お願いします。」

 

『かしこまりですわぁ!』

 

 いつの間にかいなくなっていたローズヒップからの返答。そして間もなくどこからかエンジン音が響く。

 

「あっ!」

 

「あれはっ!!」

 

「まさかっ!?」

 

 エンジン音を響かせ接近してきた戦車を見たウサギさんチームの阪口桂利奈、大野あや、宇津木優季が声をあげ、いつもボーッとしている丸山紗季が微笑み、山郷あゆみとリーダーの澤梓が驚きの表情となる。そして驚きから嬉しそうな表情へと変貌した梓が口を開いた。

 

「…グラント!」

 

 そこに現れたのはM3リーの双子の姉妹、M3グラントである。彼女達のリアクションに満足した笑みを浮かべてペコが言う。

 

「以前グラントに会いたくて我が校に来たことがありましたね。」

 

 改めて各チームが自分達の戦車について勉強した際にM3グラントの存在を知ったウサギさんチーム一同は聖グロリアーナ女学院まで潜入して会いに行ったことがあった。その時ローズヒップに見つかり行き掛かり上でクルセイダーとタイマン勝負になってしまったがダージリンに仲裁されて事なきを得る一幕もあったりした。

 

「ダージリン様からこのグラントをリーと並べて差し上げるようにと承り持参しましたのですわよ!!」

 

「ありがとうございます!」

 

 ローズヒップがどうだと言わんばかりにグラントの上で胸を反らして言うと梓が礼を言う。

 

 M3は第二次大戦中に活躍したアメリカ製の中戦車。アメリカが使用した車輌がM3リー、イギリスに供与された後仕様に手が加えられた車輌がM3グラントである。リーとグラントはまさに双子姉妹なのだ。

 

「…」

 

「リーとグラント…。」

 

「妹が来てくれたぁ~!」

 

「姉妹の再会だね!」

 

「なんだか感動しちゃうぅぅ!」

 

 紗季がグラントに近づいたのを皮切りにあや、桂利奈、あゆみ、優季も続く。

 

「ペコさん、ありがとうございます。」

 

 梓が思わぬサプライズに礼を述べるとペコが返す。

 

「いえいえ、グラントは私達の間では訓練用車輌。それがこんなに喜んでもらえて、私も正直に嬉しいです。」

 

 一旦近づいたメンバーが梓とペコのもとへと戻ってきてあゆみが質問する。

 

「オレンジペコさん、写真撮って良いですか?」

 

「どうぞご自由に。」

 

「写真撮影なら俺の出番だな。」

 

 そのやり取りを聞いていた一文字隼人が自前のカメラを持って言う。

 

 

 

 

 

『双子姉妹の再会』

 

 翌日の戦車道新聞のバラエティ欄にこのような記事が載った。

 

『アメリカ生まれのM3中戦車。各校においてはいずれもM4シャーマン等と比べられて訓練用などで使用されている車輌であるが大洗女子学園ではアメリカ仕様のM3リーが第一線で活躍しており、昨年は決勝戦で重駆逐戦車エレファントを撃破し、ヤークトティーガーを刺し違える形で撃破、北海道で行われた大学選抜戦では包囲された味方を間一髪で助け、立て続けにM24チャーフィーを2輌仕留めるなど大活躍を見せ、本年度には副隊長車となった。そして先日の大洗対知波単の練習試合において聖グロリアーナ女学院より大洗のM3リーの活躍を祝うために同校所有のM3グラントが現れ、M3リーに乗る大洗ウサギさんチームの面々はこの双子姉妹とも言うべき2輌の再会を喜んだ。大洗女子副隊長でありウサギさんチームのリーダーでもある澤梓さんは「聖グロリアーナの方達のご厚意に感謝すると共に、より一層の鍛練を続けることで応えようと思います」とコメントしています。』

 

 

 

 そしてリーとグラントの双子姉妹をバックに最高の笑顔のウサギさんチームの写真が記事に並んで掲載されたのであった。




今回は再び登場となった月江おばあさんとペンギンさんチームの出会い。そしてリーとグラントという双子姉妹戦車についてでした。ちなみにウサギさんチームがグラントと出会うのは「ガールズ&パンツァー・戦車道のススメ」の第2話『双子戦車M3リー!妹を探索します!!』というお話です。

次回の番外編は本編後に予定しております。
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