目指せ二連覇!!   作:ストレイカー

22 / 26
こんばんは、お久し振りの投稿です。すっかり滞ってすいませんでした。仕事が半端ない忙しさになってしまいやっと落ち着き始めたので少しずつですが進めて行けました。今回は先に番外編の方を掲載いたします。本編も進めており来月半ばを目処に投稿を予定しています。お待ちされていた方々にはご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
また予定では桐生刑事の登場としてましたが予定変更して風見さんを先に登場させることになりました。


謎の男です!

6月の梅雨まっただ中、そんな時期であるにも関わらずとても晴れ渡った貴重なある木曜日。

 

「ここが大洗女子学園…。」

 

 1人の男が大洗女子学園にやって来た。愛車のバイクに跨がり黒のベストにズボン、赤いシャツに黒スカーフ、ブーツを履きサングラス、銀のヘルメットに背中に下げた黒のテンガロンハット(カウボーイの被るハット)にブーツの踵にはスパー(拍車、踵部分に付けられた車輪状のもの)とさながらカウボーイのスタイルだ。

 

「…」

 

 暫く学園を眺めた男はアイドリングさせていたバイクをふかして走り去るのだった。

 

 

 

 

 

「はい笑ってぇ!!良いぞ良いぞ♪」

 

 カメラマンの一文字隼人は今日も今日とて大洗女子学園密着取材の写真撮影に訪れていた。ここは甲板舷側にあるテラス型の公園である。夕焼けに染まる中で隼人がウサギさんチームの6人を撮影していた。ちなみに格好は普通の制服である。

 

「よし、今日はここまで、お疲れ様。本当にありがとう!!」

 

「一文字さんもお疲れさまでした。」

 

「これでまたファンレターとか来るかなぁ?」

 

「お母さんにまた雑誌送ろう~!」

 

「うわぁ今から楽しみだね!」

 

 隼人のねぎらいにリーダーの澤梓が代表して返す。宇津木優季と大野あや、山郷あゆみがそんな会話をして丸山紗希はボーッと夕陽を眺めていた。阪口桂利奈はその隣で夕陽に向かって何か叫んでいる。大洗女子戦車道が間もなく今年の全国大会の一回戦を迎える少し前のやすらぎの時なのかもしれない。

 

「よぅよぅよぅ、女の子何人も連れて良いご身分じゃねぇか。」

 

 そんな風にしているといつの間にやらキナ臭い空気が漂い始めた。

 

「何人か俺達に分けてくれてもバチはあたんねぇだろうよぉ?」

 

 気がつけばなんとも嫌な感じの輩が7人、学園艦が寄港しているとこういう輩が増えていかんと風紀委員がぼやいていたことを一同思い出した。

 

「ふっ、有象無象の輩の遠吠えだな。」

 

「は、隼人さんちょっとそれは…。」

 

 意に介さず返す隼人がさりげなくウサギさんチームを庇うように立つ。彼の後ろでは梓は突然の事態と隼人の挑発に少したじろぎ彼を宥めるように小声を発する。あや、あゆみは視線に敵意をのせて男達をにらみ、優季は「やだぁ、私達狼に狙われちゃってるぅ」等と言って少し照れた様に顔を抑え、桂利奈は両腕をぶんぶん回して掛かってこいと吠えるように言い放ち、紗希はボーッとその様子を最後尾から見ていた。

 

「何おぅ!?」

 

「言ってくれるじゃあねぇか!!」

 

 1人がつかみかかろうとするやいなや隼人はカメラを梓に渡してファイティングポーズをとって応戦の構えをみせる。ところが…。

 

「うぉっ!?」

 

 いきなりどこからか飛んできたトランプのスペードエースがいきり立つリーダー格の顔にへばりついた。

 

「なんだこいつは!?」

 

 トランプを剥がした男が辺りを見回すとすぐに公園の入り口辺りでバイクを降りた男が何かを投げたようなポーズで固まっていた。それは先ほど大洗女子学園の校門前にいたカウボーイのような人物だった。

 

「てめ何しやがる!!」

 

 他に人はおらず間違いなくこいつが犯人だと認識したチンピラのリーダー格はカウボーイへ荒げた声を浴びせた。

 

「言いたいこと言って粋がって、他人のものを力ずくで奪って楽しいか?」

 

「何だってぇ!?」

 

「痛い目に遭いてぇようだなぁ?」

 

「俺達を怒らせるとどうなるか知りたいか!?」

 

 近くにまで歩いてきたカウボーイ男は7人組を挑発しつつ値踏みするように見回して一言。

 

「お前達のその腕っぷし、日本じゃせいぜい十番目さ。」

 

 そう言って肩を軽く揺らして笑う。

 

「なにおぅ!?俺たちより腕のたつ奴だぁ!?」

 

「はっはっはっ、教えてやろう。1人はそこにいる男、一文字隼人。そして…。」

 

 そこまで言うと彼は「ヒュー」と口笛を吹きチッチッチッと右手の人指し指を左右に降って自らを親指で指す。

 

「俺さ。」

 

「なんだと?ふざけやがって!!そこまで言うのなら勝負だ!たたんじまえ!」

 

 7人の男が隼人とカウボーイにそれぞれ挑みかかった。そして…

 

ブンッ ドカッ ガスッ バキッ ドシャッ ゲシッ

 

 あっという間に7人の男達はやられた。しかも最初に隼人らが投げた2人は立ち上がろうとしたところでそうはさせるかと言わんばかりにウサギさんチーム一同に踏みつけられた。ちなみに全員スカートの下にはスパッツ等を履いているためその手の心配はいらない。

 

「ちくしょう、舐めやがって。」

 

 瞬く間にやられた連中のうち、カウボーイに蹴られて地面に倒れたリーダー格の男が立ち上がってナイフを取り出した。

 

「そんなものに頼ってるようじゃまだまだ三下だな。」

 

「うるせぇ!」

 

 ナイフでカウボーイに挑みかかる。しかし…

 

「ぐっ!」

 

 かわし様に手首にチョップを見舞う。ナイフを落とした男が右手首を左手で抑えて痛みを抑えようとするその時をカウボーイ男は見逃さなかった。

 

「とぉっ!!」

 

 カウボーイが左手で帽子をおさえつつ高く跳ぶ。そして身体を回転させて

 

「ズバットアタック!」

 

 最後に必殺の飛び蹴りを叩き込む。

 

「ぐぇっ!?」

 

 その一撃でリーダー格は完全にノックアウトされた。他になんとか立ち上がった2人も隼人にラッシュを喰らいダウン。ウサギさんチーム6人に踏み続けられた2人はズタボロにされてものの数分でチンピラ7人組は全滅した。

 

「俺の親友、飛鳥五郎を…じゃなかった!おい!二度とこの子達の前に姿を現すな!とっとと失せろ!」

 

 リーダー格の男の服の襟を掴んで無理やり引き起こすとカウボーイはそう告げる。男はサングラス越しに突き刺さるカウボーイの眼力に震え上がった。

 

「ひ…は、はい…。」

 

 顔をひきつらせた男を返事を聞いたカウボーイが離すとすぐさま回れ右をして駆け出す。

 

「ま、待てよ!」

 

「くそぅ、おぼえてろ!」

 

 口々に言葉を発して他の輩も後に続く。

 

「おとといきやがれ!!」

 

「あっかんべーだ!」

 

 あゆみと桂里奈が逃げるチンピラどもの背中に言い放つ。

 

「あの…助けていただいてありがとうございました!」

 

 梓がカウボーイに近づき礼を言うと左手を軽くあげて返す。

 

「なに、礼にはおよばんよ。ねぇ、一文字先輩?」

 

 梓と共に近づいてきた隼人にニヤリと唇の端をあげて同意を求める。

 

「先輩?」

 

「お前やっぱり…。」

 

 梓がカウボーイの言葉に首を傾げて隼人が確認するように言うと男はサングラスを取った。

 

「お久しぶりです。」

 

 完全に整った顔立ちのイケメンだったことで数人が思わず声をあげる。

 

「風見!!風見志郎だな!」

 

 隼人が風見と呼んだ男の両肩に手をあててとても嬉しそうに声をあげる。

 

 

 

「風見志郎、よろしく。」

 

「俺の高校の後輩だ。空手三段、柔道三段、プロレーサーでもあるな。」

 

 一通り再会を懐かしんだ後で風見志郎はウサギさんチームのメンバーに名前を名乗り隼人が補足した。

 

「お前も相変わらずみたいだな。」

 

 志郎の格好を見て隼人は少し呆れ気味な表情をする。例えばここがテキサスやメキシコなら違和感など無いだろうがここは日本だ。この奇抜なカウボーイスタイルは正直に周囲から浮く。

 

「ところで先輩、この子達は?」

 

「私達は大洗女子学園戦車道のメンバーです。私は副隊長の澤梓です。」

 

「大野あやです。」

 

「宇津木優季でぇす。」

 

「あい!阪口桂利奈です!」

 

「山郷あゆみです。それでこの子は丸山紗希。」

 

 あゆみに両肩を後ろから掴まれて紹介された紗希が右手を上げて挨拶すると

 

「「「「「6人揃って大洗戦車道、ウサギさんチームです!」」」」」

 

 6人並んで紗希を除くメンバーが声を揃えた。

 

「君達面白いね。」

 

 全員キチンと揃えられたことと正直な称賛に全員喜ぶが、普通カウボーイルックに言われたくは無いのでは無かろうか…。

 

「あっ!?風見さん、あのバイクは…。」

 

 自己紹介したところで桂利奈が声を上げる。彼女の視線の先にあったのは志郎が乗ってきた。バイクだった。皆の視線が集まる中で桂利奈がバイクに近づき…。

 

「GT750(ナナハン)だ~!」

 

 目を輝かせて大声を上げる。彼女のテンションはハイレベルにまで上がっていた。

 

「ん?このバイクが分かるの?通だねぇ。」

 

「色んなヒーローが乗ってきたスズキの名車!」

 

 バイクの周りを回って声をあげる桂利奈。もうその目にはバイクしか映っていない。

 

「その通り、そして俺は戦う正義の仮面ライダーV3!!」

 

「敵は地獄のデストロン!」

 

 興奮する桂利奈の言葉に少し調子にのった志郎が右手で手の甲を相手に見せる様なVサインを決めて左手を右腕の肘に当ててアドリブする。今まさに力と技の風車が回りだしそうな彼の決めポーズを見た桂利奈はさらに興奮して返答する。とうとうそこで2人は大笑いを始めた。

 

「やっぱり相変わらず変わったやつだ…。」

 

 そう言いながらも久しぶりに会った後輩の変わらぬ姿に隼人は笑顔を禁じ得ない。ちなみに紗希を除く全員が一歩下がった。

 

「しかし何でお前がここにいるんだ?」

 

「立花のおやっさんに呼ばれまして。」

 

 そして隼人が疑問だった突然の帰国について問う。

 

「立花のおやっさんって…。」

 

「整備の立花さん?」

 

 あやとあゆみが聞き覚えのある単語から答えを導き出す。

 

「ああ、俺と志郎は昔おやっさんが趣味でやってたバイククラブのメンバーだったんだ。」

 

 隼人の説明で一同が感心する。あの立花さんはひょっとしたら前自動車部のメンバーよりも多才なのではと皆思いだした。

 

「久しぶりに帰国しておやっさんに連絡をとったら『しばらく日本にいるなら代理マスターをしてほしい』て頼まれたんです。」

 

 そこで志郎は隼人に向き直って疑問を口にした。

 

「ところで一文字先輩はお仕事で?」

 

「ああ、大洗女子学園の戦車道に密着取材してる。」

 

「へぇ、おやっさんだけじゃなくて一文字先輩も学園にいるんですか。こいつは楽しみだ。」

 

「また一緒に転がすか。」

 

 そう言って両手でバイクのハンドルを握り右手でスロットルの動きをする隼人に嬉しそうな表情を見せる志郎。

 

「じゃ、俺はアミーゴへ行きます。お嬢さんがた、また会いましょう。」

 

 それだけ言うと彼はヘルメットを被りバイクのエンジンをスタートさせ颯爽と走り去った。

 

「あいつが帰ってくるとはな…楽しくなるぞ。」

 

「一文字さん。」

 

 走り去った彼を見送った隼人が笑顔を浮かべているとカメラを預かったままだった梓が彼に渡しつつ尋ねた。

 

「一文字さんのお友だちって皆風見さんみたいな人なんですか?」

 

 少し不安そうな表情で梓の問い掛けに隼人は笑顔を見せて返答する。

 

「いやいや…そんなことは…」

 

『お前さん、日本じゃあ2番目だ。』

 

『天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!!』

 

『にっぽんいちのぉ~!ガンガンジー様や~!』

 

 答える隼人の脳裏に浮かぶ友人達、風見志郎に海外にいる城シゲル、甲冑姿の矢田勘次、果たして彼らを普通の人の括りにいれて良いのか…。

 

「…無いと思う…かな。」

 

 少し自信が無くなってくる隼人、いつしか笑顔は少しひきつったものになっていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃…大洗女子学園戦車道チームの隊長である西住みほはチームメイトの武部沙織、秋山優花里、そしてレオポンチームのツチヤと教官の羽村葵と共に学園艦警察署へと来ていた。

 

「西住さん、間もなく帰ってきます。彼は実に優秀な若手で、きっとお役にたつことでしょう。」

 

 警察署前にて出迎えた二宮と名乗る学園艦警察捜査係長がそう説明する。その柔らかな笑顔が来てからと言うもの緊張気味のみほに少しの安堵を与えた。

 

「みぽりん、どんな人かな?」

 

 沙織がそう発言したところで一台の車が学園艦警察署の駐車場へと入ってきた。

 

「あの車かな?」

 

「そうです。あれが彼の愛車、マシンXですよ。」

 

「日産のスカイライン2000GTターボ、通称ジャパンだね。」

 

 みほが呟くと二宮が答えてツチヤが補足する。黒塗りの少々レトロ感のある見た目だが実に頼もしそうな車だ。

 

「なんかすごくカッコいい感じ。」

 

 沙織の発言がその考えを後押しする。間もなくマシンXが一同の前に停車するとドアが開いた。

 

「お待たせしました。自分が桐生一馬巡査であります。」

 

 そして出てきたのはこれまたなんともイケメンであった。長身にジーパン、黒シャツ、白ジャンパーの袖捲りでビシッと決まった細いながらもガッチリとしたスタイル。少しパーマの入った黒髪に端正な顔立ちで完成されたまさにイケメン。

 

 桐生と名乗った刑事がみほの前で敬礼した瞬間、沙織が固まった。

 

「す、すっごいイケメン…もうだめ~」

 

 沙織の脳内認識能力が許容範囲を超えたためショートしそうになっていた。

 

 

 

 しかしなぜ彼女達が警察へと来ているのか…それはまた次回にて…

 

 




 まずは風見志郎さんの登場でした。愛車はもちろんGT750、風見さんが仮面ライダーV3で乗ってたバイクですね。他にも『秘密戦隊ゴレンジャー』『鉄人タイガーセブン』『ワイルドセブン』などにも登場したまさにヒーローのバイクです。
 そして風見さんのみならず演じた宮内洋さんのネタをたっぷり詰め込みました。

 名前と設定は仮面ライダーV3の風見志郎
 格好は秘密戦隊ゴレンジャーの新命明
 チンピラとのやり取り等は快傑ズバットの早川健
 トランプを投げるのはジャッカー電撃隊の番場壮吉

 となっております

 それと少しだけ最後に桐生刑事が登場となりました。一緒に出てきた二宮さんは西部警察の二宮捜査係長です。

 番外編次回予告
 みほ達が桐生に語る…先日よりみほを追う何者かの影がいた。果たして何者が彼女に近づいているのか?ボディガードとして桐生が走る。
 『ストーカー事件です?』


 ちなみにマシンXは西部警察に登場するスーパーマシンです。気になられた方はパート1の『大激走・スーパーマシン』を参照してください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。