ゼロの使い魔~鋼龍と登場しなかった少女~   作:hi・mazin

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ふははは。前回と比べてこんなにも早く投稿してしまったぞ
さすがの計画性のなさ。




盗賊を捕まえた日 鋼龍の本当の敵は土くれではなかった

 

 

やあ、皆さんこんにちは。

いきなりですけど、犯人が分かっている二時間ドラマに興味がありますか?

俺はあります、犯人が分かっているとあの時の犯人の行動はそういう意味だったのか、といろいろ考察できて楽しいものだからです

 

まぁ、あろうが、なかろうが、空を飛ぶ俺の真下を走る馬車に盗賊のフーケが乗っているのは確定なんですけどね(笑)

 

俺の可愛いサフィーナちゃんも犯人と同じ馬車に乗っています

ホントは脱皮したてで新品の俺の背中に乗ってほしかったんだけど、やっぱり少しでもお友達と一緒にさせてあげたかったから馬車に乗るように勧めてあげた訳ですよ

え?危なくないのかって?

大丈夫です、犯人の目的は俺たち討伐隊を巨大ゴーレムで追い込んで『破壊の杖』を使わせ杖の使用方法を探るためなんですからフーケの拠点(嘘)までは安全だから無問題ですよ

 

ところでイルククゥちゃん。一緒に飛んでいるのにどうして知らない人(龍)を見るような瞳で俺を凝視するんだ?

君にお肉を強奪されたサビドラさんだよ、付き合いはそんなに長くないけど、おじいちゃん、おじいちゃんって慕ってくれてたんだし、そんな瞳で見なくてもいいじゃないか

 

「ねえそこのこども、おじいちゃんの親類かなにかきゅい」

 

は?

 

「使い魔は一人につき一匹だっておねえさまは言ってたのん、おじいちゃんをどこにやったの」

 

げー!!この子、新品の俺と錆びた俺が別人とおもってる~~!! ば、バカな! いくら頭がおめでたいとはいえ間違えるか普通(汗) どっからどう見ても同一人物だろうが

 

「そんなウソついてもこのイルククゥさまにはお見通しなの、さぁ、キリキリ白状するの」

 

うわ~(呆れ顔) めんどくせーのにつかまっちゃた。このタイプの子は一度疑えばいくら説明しても信じちゃくれないよなぁ

しかたないぁ、今は信じてくれるのを諦めて、この騒動が終わったら夜のうちに回収してきた抜け殻でも見せて納得してもらおう

て、いうか誰が子供やねん。これでも二十数年生きてんだぞ、お前より年う・・・え・・・?

そういえばこのお子様は龍換算では十歳だけど約200年くらい生きてたんだっけ?

はい、普通に年上のお姉さんでした。

 

どうしたもんかと悩んでいるとフーケさんが到着しましたと馬車を止めた

 

ああ、到着したんだね。ありがとうフーケ、これでこのめんどくさい状況を一旦リセットできる

お礼に高速回転する2つの竜巻を発生させるブレスでぶっ潰してあ・げ・る♥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ついに来たぜフーケのアジト(誤情報)。さあサフィーナちゃんこの作戦が終わったら貴女も称号持ちの仲間入りですぞ・・・まぁ、難癖つけられて貰えないんですけどね

 

そしてみんな揃って目の前の廃屋を見ながら作戦会議を行つつ、フーケさんは『一人』で偵察に向かいました

危ないよフーケさん。一人になると土くれの盗賊にやられちゃうよ(棒読)

作戦は原作と同じ、違う点は俺とサフィーナちゃんも上空で待機している点かな?

 

しかし静かだなぁ、ホントにフーケは原作と同じように巨大ゴーレムを嗾けてくるのだろうか?

原作と比べこちらの戦力はメイジ一人に古龍一体増員されているが、果たしてフーケはそこんとこをどう思っているのだろう

まぁ、恐らくなんとも思っていないんだろうな

百戦錬磨の盗賊様が原作と手口を変えてないあたり、この程度は問題ないと判断したのだろう

ふふふ、しかし『鋼龍クシャルダオラ』を相手にその思考がいかに愚かな事だか教えてやるグルル

 

「どうしたのサビドラちゃんそんな怖い声出して?」

 

おっと、つい暗い愉悦に浸ってたらサフィーナちゃんが怖がっちゃたみたいだね。大丈夫だよ君は俺が必ず守るから安心して背中に乗っていなさい

 

偵察隊が廃屋に突入していくとしばらくして地面が盛り上がり巨大な土のゴーレムが生成されていくのが肉眼で確認できた

 

「みんなー! 逃げて!!」

 

聞いたことのないような大声で廃屋に入っていったサイト達に危険を知らせるサフィーナちゃん、マジヒロインぽい

 

ゴーレムはそのまま廃屋を破壊する勢いで攻撃を始めるとゴーレムの表面に爆発や炎の塊が被弾するのが確認できた、恐らく突入隊がゴーレムに攻撃を仕掛けているようだがな

残念ながら相手は巨大すぎてほぼノーダメージだ。突入隊もそれが分かったのか急いで逃げだしていた・・・もちろん主人公であるルイズさんは立ち向かっていますけどね

 

「サビドラちゃん! お願いルイズを助けて!!」

 

はいはい、あとあと。今からが良いところなんだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、原作通りサイトがルイズを助け絆を深め合ってる・・・ルイズを助け叱咤するサイト。いや~序盤の見せ場だね

 

「・・・ねぇサビドラちゃん・・・なんで・・・ルイズを助けに行ってくれなかったの・・・?」

 

ん? 何をおっしゃってるんですかサフィーナちゃん、こんな名シーンを邪魔するなんて俺にはできないね

サフィーナちゃんも見たでしょあの二人の溝が少しずつ埋まっていくその過程を

・・・ん? 何か決定的に間違えた気がするけど気のせいだよね

 

ふふふ、しかし流石はサイト君。大切なルイズさんはタバサに預け自分はゴーレムに立ち向かっていく。

男だね~惚れそうだよ

しかしそのゴーレムは自己修復機能が備わっているからどんなに切り裂いてもすぐに元通りになり、だんだんと分が悪くなっていくサイト君。そろそろ破壊の杖の出番かな(ワクテカ)

 

「サビドラちゃん・・・」

 

どうしたのサフィーナちゃん?そんな真剣そうな声をだして

 

「貴方がルイズとサイト君の何を見ているかは私にはわからない・・・」

 

え? 何、いきなりどうしたの

 

「ルイズ達を助けなかったのは貴方なりの理由があるのかもしれない。貴方が助けなくても結果的にサイト君が助けてくれましたけど、貴方ならもっと早く助けられたはずです!」

 

まぁ、あの距離なら余裕で間に合いますし、風圧ブレスの射程距離内ですけど?

 

「私は確かに実力も才能も低く貴方につり合わないのかもしれません・・・でも、でも、私は必ず貴方に相応しいメイジになります! だからお願いします友達を助けるのに貴方の力を私に貸してください!」

 

・・・・ルイズ達を助けなかったことを変に深読みしてサフィーナちゃんが覚醒してしまった・・・

 

しかし確かによく考えると俺は『ゼロ魔の原作』のシーン見たさにある意味ルイズを見殺しにしよとしていた

主人公ばかりに目が行って自分の召喚者であるサフィーナちゃんと向き合っていなかったかもしれない

ふふふ、滑稽な話だ今だ俺は演劇を見ているお客様気分だったようだ。

原作介入、それはつまり主人公たちと同じ舞台に立つということで、もう他人事では無くなるということだ

目が覚めたよご主人様・・・原作目的じゃなく、俺は本当の意味で貴女とこの地で生きていくと誓うよグルォォォ!!

 

 

目が覚めたとばかりにこの地に来て初めて本気で咆哮を上げるとその場にいた全員が例外なく耳を塞ぎ動きが硬直する

その咆哮の迫力に魔法によって作られたはずのゴーレムすら動きを止めるほどだった

 

龍の咆哮が止むのと同時にポツリ、ポツリと滴が空より振ってきた

雨? と誰かが口にするのと同時にその勢いは増していきついには視界が狭まるほどの大雨となり、土で出来ているゴーレムの身体が水を含み動きが鈍くなっていた

 

「これがサビドラちゃんの本当の力・・・」

 

サフィーナちゃん。『鋼龍クシャルダオラ』の力がこの程度だと思わない方が良いぞ

さぁ!受けろや木偶人形。俺の全力の大竜巻ブレスを!!

 

首を持ち上げる独特のモーションからバックジャンプの勢いに乗せて一気に空気の塊をゴーレムに向け発射する。

空気の塊は着弾と同時に白い竜巻に変化し無敵の再生力を誇っていたゴーレムを引き裂き粉砕していく

 

ゴーレムも何とか竜巻より逃れようとするも風に煽られその場を動くことのできず一切の抵抗もできずにその身を砕かれていく

 

その様子を見ていた龍はもう一度天に向け咆哮を上げると降りしきる雨は止みゴーレムを飲み込んでいた竜巻はその姿を消し半壊のゴーレムが佇んでいたが竜巻が消えたことにより再生を始めていた

 

 

ち、この幼い身体ではこれが精一杯か。まさか俺の全力の攻撃がロケットランチャーより弱いなんてちょっと情けないな

だが三十メイルを超えるゴーレムをあそこまで破壊できまわりの木もかなり巻き込んで吹き飛ばしたんだ、多分対人戦に使用したら竜巻の吸引力も加わって大惨事になるだろうな

 

・・・人に向けるのはやめておこうっと

 

 

お、あそこでサイト君がゴーレムにとどめを刺すために破壊の杖を構えていることだし、この騒動はこれにて一見落着だな

 

「凄い爆発・・・あれが『破壊の杖』の力、サビドラちゃんの竜巻より強いなんてなんだか悪い夢を見てるみたい」

 

まぁ、瞬間的な攻撃力は向こうが『今は』上だろうね。だがこの身体が成長しきったその時は災害レベルの古龍の力をお見せしますよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは終わった。

 

サイト君がゴーレムを破壊の後、原作よろしく『私の正体は土くれのフーケだ』『『な、何だって!!』』て感じの茶番があり、サイト君がフーケを気絶させて終了になりました

 

しかしサイト君よ、君は平和な日本生まれの普通の高校生だよね、どうやったら大人の女の人を気絶させられる技量が身につくの?それもガンダールヴの力なのか?

 

帰りの馬車では破壊の杖の話とフーケの事で盛り上がってました

え? 俺の話? もちろんサフィーナちゃんが代わりに質問攻めにあってくれました

だって俺喋れないんだもーん

この戦いでは俺も精神的に成長でき原作に介入したいという気もちもだいぶ薄れていた気がするのでサフィーナちゃんを無理に付き合わせるのは今日で最後にしよう。彼女には彼女の生き方があるんだし、俺は使い魔としてそれを支えてあげなくちゃね

さて、冗談抜きで人見知りによりコミュ力が低いサフィーナちゃんがパンク寸前だから助けてあげなくちゃ

フーケも捕まった事だし今夜は『フリッグの舞踏会』が予定通り再開されるだろう

・・・さて、今夜サフィーナちゃんに群がるであろうゴキブリどもを処分する方法を考えるか。俺の目の黒いうちは誰もサフィーナちゃんに触れさせるものか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒りだ。純粋な怒りしか目の前の敵には感じない

サフィーナちゃんが後ろから彼を許してあげてと言ってるが。もはやそんな言葉で俺は止まらない

 

 

「うわぁぁぁ!! わざとじゃない! わざとじゃないんだーーー!!」

 

ク、クズガァァアァァァッァ!! 少し目を離すとこれだ!! このラッキースケベ野郎が!!

ルイズの頼みでサフィーナちゃんに伝言を伝えに来ただとぉおお!! ノックもせず入りやがって、サ、サフィーナちゃん着替えを覗くだとぉおぉ!!

コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス

サイト~~この中庭がお前の墓場だぁぁ!!念仏でも唱えな!

 

「やめてサビドラちゃん。私は全然気にしてないから」

 

だめだよサフィーナちゃん、例え下着だけだと言ってもこいつはここで去勢しないと同じ事を繰り返す動物なんだ

このハーレム型主人公め、サフィーナちゃんはお友達枠だと何度も言ってんだろうがボケェ!

 

「何だよあの黒い風は! フーケの時はあんなの纏ってなかったじゃないか!!」

 

この俺の怒り状態の龍風圧は如何なる攻撃も無駄だ、今ならどんなガンナーの弾も弾ける気がするぜ

感謝するがよいサイト。この状態を見たのは貴様が初めてだ光栄に思うがよい

ようやくわかったよ・・・俺の真の敵は『ガンダールヴ』貴様だ!!

 

『こうなったら戦うしかないぜ相棒。俺っちは何時でもいけるぜ』

 

「無茶言うなよ! 風のせいで近づけないのにどうやって接近すんだよ!」

 

神の盾!今日ここで貴様の伝説を砕いてくれるわ!

 

「逃げてサイト君!」

 

覗いたくせにサフィーナちゃんから声援を送られるとはやはり貴様は度し難い!

 

フリッグの舞踏会が始まるまでサイトの野郎を追い回したが結局ヤレなかった クソガ

だがあいつを追い回した結果気持ちは晴れたし、まあ今日のところはこれでいいか

俺はそんな悔しい思いをしながらバルコニーでサフィーナちゃんと一緒にルイズと踊るサイトを見ているのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





原作一巻の最後を飾るのは『ガンダールヴ』の少年と『虚無のメイジ』の少女のダンスシーン
そしてそれを見守るのは鋼龍と主人の少女
伝説を見守る二人の表情はとても優しいものであった



『物語』の序章は終了し再構築された『世界』は動き出す・・・

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