真・恋姫†無双 魏伝アフター   作:凍傷

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66:三国連合/国のため皆のため、そして己のために①

111/本日快晴、騒がしき日

 

 朝の眩しさに瞼の裏を焼かれ、目が覚めた。

 ボウっとした頭で一番最初に気になったのは、布団も無しに寝てしまって風邪でも引かなかっただろうかということ。

 しかしどういうわけか体は暖かく、立ち木に背を預けるというよりは、幹に頭を預けて寝転がっていた俺の体の上には美以を始めとする南蛮兵がごっちゃりと……!

 これはいったい……と戸惑いながら体を起こそうとするが、左腕に違和感。

 右腕は美以にしがみ付かれているとして、左腕は……と目を向けてみれば、すいよすいよと眠る流琉。……ますます何事だろうかと、シャッキリしない頭で纏めてみるが、どうにも上手くいかない。

 なのでもういい加減終わったであろう宴の場に目を向けることで、あれから何があったのかを考えることに───

 

「はっはっはっはっは! はぁーっはっはっはっはっは!!」

「酒らぁ~っ! 酒をもっれこぉ~いぃ!!」

 

 ───……ごめん、前言撤回。まだ終わってなかったよ、宴。華雄と春蘭が笑いながら酒を呑みまくってる。一目見て解る……酔っ払いすぎている。

 何人かの姿が見えないところを見ると、酒に弱い者は早々に部屋に案内されたようだが、酒に強い者や、そもそも飲んでもいない者はまだまだ元気なようだった。

 

「えーと……」

 

 救いのある仮説を勝手に立てるとしたら、今の俺と流琉の状況って……華琳あたりが、一番働いてくれた流琉を先に休ませた……とかか? いや、ただ単に流琉が力尽きているのを誰かがここに運んだってことも……いやいや、それなら部屋に連れて行ったほうがいいよな? そっちのほうが休めるし、こうして美以たちに乗っかられることなくゆっくり休める。……これはこれで温かいけど。

 んん……わからない。

 寝る寸前まで隣に居たであろう星の姿も宴の騒ぎの渦中にあるようだし、もしかしたら星あたりが流琉をここに連れてきたのかもしれない。

 あー……と、とりあえず、だな。流琉の頭の下から左腕を抜き取って、美以やミケやトラやシャムをゴリッと……そうそう、ゴリッ……ゴリ?

 

「あいぃいーっ!?」

 

 どかそうと思ったら左手を噛まれた!

 しかも骨の硬さを楽しむかのように、コリコリと歯で転がしてあぁああああいだだだだだだぁあーっ!! い、いや大丈夫! 幸い(?)にも噛んでるのは美以だけだから、空いてる手で外せば───って空いてないよ! 右腕、美以にしがみ付かれて動かせないままだよ!

 

「美以……! 美以~っ……! 噛むのはっ……!」

 

 流琉が寝ていることもあって、小声でやめてくださいと願ってみるが、幸せそうな顔で眠りながら手を噛む彼女にはそんな声がまるで聞こえちゃいなかった。

 仕方もなしに口に銜えられている指の何本かを動かして、舌とかを軽く刺激してやると、何故か急にビクリと体を弾かせ、パッと目を開く美以。

 

「な、なにごとにゃ!? 今なんかくすぐったかったじょ!」

「………」

 

 よし。

 今度から美以を起こす時はくすぐろう───……きょろきょろと見えない敵を探って辺りを見渡す美以を見て、静かにそう思った。

 でもまあとりあえずは。

 

「おはよう、美以」

「おお? おおっ、兄、起きたにゃ?」

 

 起きたには起きたけど、多少残ったまどろみは、文字通り貴女に噛み砕かれたのですが。

 軽く上半身だけを起こすと美以も右腕を解放してくれて、地面の硬さからか少し痛む背中を庇いながら小さく息を吐く。酒臭くて騒がしくて、残念ながらお世辞にも気持ちのいい朝とは言えないものの、これからのことを考えればこの賑やかさも楽しさに変わるのだろう。

 なんにせよまずは流琉を部屋に運ぼうか。

 くーすーと寝ている流琉の体を、出来るだけやさしく持ち上げる。

 いわゆるお姫様抱っこだ。

 

「美以、ミケトラシャムも起こしてついてきて。ここよりも部屋のほうが暖かいぞ」

「兄の部屋にゃ? いくにゃいくにゃ~♪」

「え? いや、楽しみにされても何も無いんだけどな……」

 

 まあ……いいか。

 よし、じゃあ出来るだけ酒に酔った修羅たちに見つからないように……と。

 

「………」

 

 起き抜けで、まだにゃむにゃむと謎の言葉を発するミケトラシャムと、それを連れる美以とともに歩き、 中庭をひっそりと抜けて、通路へ。

 酒の匂いはそこまで届いており、さらに言えば華雄と春蘭の笑い声はここまで余裕で届いていた。そんな声に苦笑しながら歩く通路はどこか静かで、いつもの朝よりも一層に静寂を孕んでいるように感じた。

 

「……周りがうるさかったから、そう感じるだけだろうけど」

 

 見張りに軽く声をかけて、部屋までの道をのんびりと歩いた。

 部屋の扉を美以に開けてもらい、中に入ると寝台までを歩き、そこに流琉を寝かせる。

 …………ってマテ、なんで俺、流琉の部屋じゃなくて自分の部屋に来てますか?

 

「おぉおおお! 兄にゃ! 兄の匂いがいっぱいにゃー!」

「にゃあう……あにしゃまのにおいにょ……」

「にぃにぃ~……」

「にゃん……」

 

 自分の行動に呆れを抱いた俺とは別に、美以は元気いっぱいだ。

 ミケトラシャムはまだ眠いのか、流琉が眠る俺の布団の上にトストスと乗り、丸くなって眠ってしまった。

 それに美以が文句を口にしながら参加すると、あっという間に部屋が静寂に包まれた。

 というか……俺が寝る場所が無くなった。

 

「………」

 

 寝つきいいね……さすが猫。いやもとい、自然児…………ああいや、児っていうのもなんか違うか? あ、あー……まあいいや。

 

「よし、戻るか」

 

 途中で寝ちゃった分を取り戻すためにも、少しは楽しまないとな。

 みんな存分に楽しんだんだろうし、俺も眠るまでは楽しんでいた。

 けれど誰かが起きているうちくらいは俺も───……と、戻ってみたのだが。

 

「……つわものどもが、夢のあと……」

 

 中庭に戻ってみると、みんながみんな撃沈していた。

 先ほどまで騒いでいた華雄も春蘭も重なり合うように潰れ、騒がしさとは間逆なくらいの静かな寝息を立てている。

 ちらりと視線を移してみれば、並べられた卓には料理が残っていない。……ほとんどどころか全然だ。

 これじゃあ兵達に振る舞えない……どうしたものか。

 準備を頑張ってくれた礼もしたいのに、それがこの有様とは……。

 そりゃあ給金は当然払われるだろうが、それと礼の気持ちは別だ。人間、感謝の心を忘れてはなりません。なので散々と食った飲んだをしたみんなは部屋に運んで……よし、反感食おうがどうしようが構わない。頑張ってくれた料理人や兵のみんなに作り置きのデザートを振る舞おう。

 

「酒の残りは……うわっ、見事に無い……!」

 

 本格的にデザートだけになりそうだなぁ……はぁ。

 

「ほら、華雄起きて。春蘭も、風邪………………引かないか」

 

 病原菌が逆に殺されそうだ。

 けどどちらにしても体が冷えることは確かだし、なんとか担いで……っと。

 

「騒ぎの片付けって、どうしてこう虚しいかなぁ」

 

 中庭で力尽きていた人を部屋に運んでいった。

 その過程で桃香にぎううと抱きつかれたまま苦しそうに寝ている祭さんを発見。……大丈夫、俺はなにも見なかった。

 丁寧にみんなを運び終えると中庭の片づけを───始めたところで、見張りをしていた兵や警備隊の何人かが駆け寄って止めてくる。

 

「あ、そのままで……! 我々がしておきますので……!」

「いいからいいから。“どっちかに任せる”よりむしろ、手伝ってくれるとありがたいんだけど」

「え……? あ、はぁ……」

「北郷隊長はやはり、他の方とはどこか違いますね……」

「ん? そうか?」

 

 困惑が小さな苦笑に変わる。

 そうなる頃にはみんな手伝ってくれて、感謝を述べれば「いえ、これが仕事ですから」の返事。……危うくまた仕事を奪ってしまうところだった。

 とまあ、それはそれとしてだ。

 

「はぁ~……がっつくわけじゃないけど、今回は見事になんにも残らなかったなぁ」

「おい、隊長の前だぞ」

「いいって。前回みたいに残ればいいなって思ったのは俺も同じだから」

 

 片付けられてゆく中庭を見渡し、兵のみんなはどこか寂しそうな顔をしていた。

 前回は酒も料理も多少は残っていた。

 しかし今残っているのは……みんなにと用意したデザートくらいだ。

 宴の席には出してなかったから、取りに行けばある。あるのだが……

 

(マテ。勝手に振る舞ったりして、華琳とか怒らないか?)

 

 …………大丈夫……か?

 まさかそんな、デザートひとつで目くじら立てるほど、覇王の器は小さくない筈。

 そ、そだな。そうだよな。よし。

 

「みんな。食事や酒は振る舞えないけど、今日はちょっと別のものを振る舞いたいと思う」

『?』

 

 俺の言葉にきょとんとするみんなを前に、静かに呼吸を整えて胸をノックした。

 大丈夫~……大丈夫~……自分でフラグ立ててる気がしないでもないが、大丈夫だと信じたい。もとい、信じよう。

 

……。

 

 そんなこんなで片づけを終え、それぞれがきちんと自分の部屋や宛がわれた部屋で眠っていることを確認してから行動開始。華琳だけは部屋で見つけられなかったが……今はやれることをしよう。

 サササッと走り、料理を手伝ってくれた料理人のみんなや女給さんも集め、中庭でデザート祭り。さすがに冷凍庫なんて気の利いたものがないため、アイスは多少溶けかけているけど、溶けかけているってだけで味が変わっているわけでもない。

 早速みんなに食べてもらうと、驚きの声が幾度も、多方向から上がった。

 料理は普通にしか作れないが、こういうのならまだ喜んでもらえるって事実に少し感動した。……出来れば料理でも喜ばせてやれるようになりたいもんだ。

 

「隊長隊長! これうまいですね!」

「こんなうまいもの、食べたの初めてですよ!」

「そっか、よかった。味わって食ってくれな」

『はいっ!』

 

 ……華琳はともかく、季衣あたりにいろいろ文句言われそうだなーなんて思いながら、今だけは満面の笑顔でこの時を楽しむことにした。

 

「なんか作ろうか。普通の味しか───って、そういえば」

 

 そう。そういえば、今回懲りずに醸造(?)した日本酒もどきがあったな。

 あれが上手くできていれば、少しは…………あー……量が少ないな。

 けど大事なのは持て成す心! 感謝の心!

 以前のように少量をみんなで飲み回すのでもいいし、それくらいなら出来る筈だ。

 そんなわけで醸造所(?)に小走りして、寝かせておいたそれを───………それを……

 

「…………華琳?」

「ふわっ!? …………か、一刀……?」

 

 普段は使っていない部屋に入ってみれば、ぽつんとあるソレを前にする華琳が居た。

 珍しいこともあるもんだ。

 もしかして俺が作った酒が飲みたく───……なるわけないよなぁ。

 結局“鬼桜【頭領】”も失敗に終わったし、次も、その次も失敗した。

 今回のも最初は自信があったものの、まあ……いつものことながら失敗かなぁと途中から思っていたくらいだ。

 どうして華琳がここに居るかは別としても、なんとなく気まずそうな顔を見るに、これは失敗なのだろう。だから───

 

「……あれ? いい匂い?」

 

 あくまで酒としての話だが、ふわりといい香りがした。

 そう……驚くことに、きちんと酒の香りがする。

 え……もしかして上手くいってた!? 完成してた!?

 

「か、華琳! それっ!」

「……あなたが作った酒なら、もうないわよ」

「───…………ハイ?」

 

 興奮が一気にゴシャアと崩れ落ちた。

 無い……え? 無い?

 

「え……でも、だってそれ」

 

 桶をちょいと指差してみせる。

 けれども華琳は目を伏せて溜め息を吐いて、事情を説明してくれた。

 

1:蜀に行っていた時、雪蓮に一刀が酒を作っていることを話してしまった

 

2:雪蓮がその酒を探して笑顔で宴の席へと持ってきた

 

3:友が作ったものならばと、宴でテンションが上がっていたみんなが少しずつ飲んだ

 

4:空っぽ

 

5:そこで呉王さまが一言。「代わりを置いておけばバレないわよ」

 

 結論:よし、デコピンの一発でもお見舞いしよう

 

「華琳。とても大切な用事が出来たから、雪蓮の部屋に行ってくる」

「ちょっと待ちなさいっ」

「やっ、だってっ! いくら不味かろうが飲んでくれたのは嬉しいけど、代わりを置いてバレないようにってのはヒドイだろ! 美味しくなかった~とか言ってくれるならまだしも、バレないようにするって!」

 

 危うくぬか喜びするところだったよ! ていうかしちゃったよ!

 いっつも正座させられる俺の思いよ彼女に届けとばかりに正座させて、やっていいことと悪いことについてをみっちり説いてやる! ……考えれば考えるほどに無理な気がしてきた。

 

「いいから落ち着きなさい一刀。お酒は確かにお酒と呼べない味だったけれど、そもそもまだ出来上がってもいなかったのよ」

「うぇっ!? ……って、そうだよ。寝かせてはあったけど、出来るにはまだ早いよな」

 

 最近ドタバタしてたから、時間の感覚がどうにも……。

 いや、それくらい覚えてないとダメだな……しっかりしよう。

 

「それを飲んでしまったっていうから、さすがの雪蓮も焦ったんでしょうね。勝手に私の酒蔵から酒を持って、ここに置いていったわ」

「それ華琳の!?」

 

 な、なるほど……道理できちんと酒の香りがするわけだ……。

 それに比べて俺のって……うう、すまない北濁里二号……お前の尊い犠牲は次に……活かせるといいなぁ。

 

「はぁああ……俺って醸造とかの技術、全然ないのかなぁ……」

「技術云々の前に、酒蔵も無しに作ろうとするからよ」

「うぐっ……だってさ、専用の酒蔵を作ったとして、それだけ大掛かりなことやっておいて作れなかったら話にもならないじゃないか。散財でしかないだろ、そんなの」

 

 これまで自分が作った酒の末路を考えてみた…………ら、酒蔵を使ったところで同じ結果しか見えなくて、少し悲しくなった。そうだよ。だからこそ大掛かりにならないようにと、ちんまりとした作り方をしているのだ。

 結果はずぅっと散々だけどさ、なんだか少しだけ安心が得られるじゃないか。

 まさか華琳の酒蔵の端を貸してくれ~なんて言えないし、言ったところで───

 

「だったら私の酒蔵を使いなさい」

「……あれ?」

 

 ───絶対に反対されると思った。

 醸造の材料が違うのだから~とか、そういうようなことを言われるものかと。

 

「え、あ……い、いいのか?」

「構わないわよ。こんな空き部屋でひっそりと怪しく作られるよりも、よっぽどいいでしょう?」

 

 「もちろん使われる材料にとってね」と付け加えて、彼女はニヤリと笑った。

 いや、それはありがたい。ありがたいけど……菌とかほんとに大丈夫なんだろうか。

 それって納豆作りの隣で味噌を作るようなもんじゃないのか? いや、さすがに納豆菌は使わないだろうけどさ。

 糯米と白米の違いはあれど、米の酒ではあるんだから平気……だといいな。

 うん、せっかく言ってくれてるんだから、試さずに断るのはもったいないよな。

 

「じゃあ、いいか?」

「はぁ……あのね、一刀。私は“構わないわ”と言った筈よ?」

「そ、そっか……そっか! ありがとう華琳! 上手く出来たら真っ先に華琳に飲ませるから! あ、でもその前に霞に飲ませないといけないか? あ、でも順番なんて無視して雪蓮あたりが盗み飲みしそうな……いやそもそも成功するのかどうかが───あだっ!?」

「御託は結構。私の酒蔵を貸してあげるのだから、必ず成功させなさい」

「………」

 

 期待が一気に不安でしかなくなった瞬間である。

 期待と不安が存在していた俺の心は、プレッシャーという名の悪魔に食われてしまった。

 

「あ、あのー……もし失敗したら……」

「罰を与えるわ」

「ひどっ!? せめて何度か失敗してもいいって条件で───」

「……言ったわね?」

「───はっ!?」

 

 まるでその言葉を待ってましたと言わんばかりに、華琳の目が輝いた。

 慌てて言い直そうとしてももう遅い。華琳は俺が言葉を発するより早く軽くひと睨みし、俺を数瞬怯ませた。その数瞬だけで、もう言いたいことを言ってしまったのだ。

 

「撤回は認めないわ。何度か失敗してもいいから、必ず美味しい日本酒とやらを作ってみせなさい」

「…………アウアー……」

 

 地雷踏んだ。そして早速爆発した。

 口からなんとか漏れたのは、明命っぽいけどちょっと違う謎の声だった。

 うう……口は災いのもとって言うけど、ほんとだな……。

 だからって何も喋らなければ勝手に話を進められるわけで、結局のところ“必ず成功させなさい”が“失敗アリでもいいから成功させなさい”になっただけだ。“だけ”と言うには随分と難度が下がっていて、嬉しいといえば嬉しいのだが。

 

「ん。じゃあそれも酒蔵に戻さないとな」

「ええ」

 

 頷きながら桶を手にする。

 しかしまあ……なんだろう。

 まだ完成してもいない酒を回し飲みなんてして、彼女らは大丈夫だったんだろうか。

 多少の甘みは出てたかもだけど……や、そりゃあきちんと妙な不純物が入らないようにって定期的に調べてはいたぞ? それでもさ、酒としての完成を見せていないものを飲むのは大変危険なのでは……。

 

「………」

 

 どうしてだろう。たとえ、もし、仮に麹菌が危険なものだったりしても、みんな菌くらいで腹を壊すようなヤワな人達じゃないだろって納得してしまった。

 

「俺もそういう心配のない体に産まれたかった」

「?」

 

 小さな呟きにきょとんと目を向けられながらも、部屋を出た。

 

「あぁそうそう。一刀? あなたに一つ訊きたいことがあったのだけれど」

「ん? なに?」

 

 訊きたいこと? 俺に…………なんだろ。

 最近のことで華琳に訊かれるようなこと、あったか? 逆に俺が、いつから鍛錬再開していいんだーとか訊きたいくらいなんだけどな。

 なんてことを、のんびりと歩きながら考えていたまでは平和であった。

 そう、この時までは。


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