真・恋姫†無双 魏伝アフター   作:凍傷

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86:三国連合/それぞれの夢が紡ぐ道へ①

133/これは、夢だ。いわば人類が無意識の中に作り出す思考の海。

 

 朝が来た。

 明けない夜などないと言われるように、朝が来た。

 え? 常闇の町とかはどうなるんだって? はっはっは、あれは常に闇に覆われているだけであって、朝はちゃんと来てるんだよ? 闇であって夜じゃないし。

 と、無駄なことを考えながら思考を回転させてゆく。

 眠っていた思考が完全に覚醒する時、俺は───

 

「OH……」

 

 自分自身で思考を停止させた。

 しかし考えないわけにもいかないので、現状を知る努力をする。

 えーと、中庭です。

 みんな(はしゃ)いでます。

 みんなってのは、文字通りみんなです。同盟のみなさまです。

 

「お祭りじゃああんまり歌えなかったから、歌っちゃいまーすっ!」

「あ、一刀起きたー!? じゃあお目覚めの歌を聞かせるから、ちゃーんと起きなさいよねー!」

「ちぃ姉さん、それは少し言い回しがおかしいわ……」

「ど、どうだっていいわよ! 歌えれば! 大体、歌唱大会の案はちぃたちが出したのに、出られないってどういうことよ! そりゃあちぃたちが上手すぎて勝負にならないのはわかるけどさぁ!」

「大会のあとに、私たちも混ぜた大会もしたでしょ。約束通り、三国連合の中、一刀さんが用意した舞台で」

「最初から歌いたかったって言ってるの! まあいいや、とりあえず聞きなさーい!」

 

 東屋で歌を歌い始める数え役萬☆姉妹。

 それを見て燥ぐ蒲公英に鈴々、美以やミケトラシャム、そして張り合う美羽と七乃。

 …………さて。

 

「……俺、昨日ちゃんと自分の部屋で寝たよな?」

 

 いったいどうしてここで起きるんだろうな、俺は。

 しかもしっかりフランチェスカの制服を着ている。シャツで寝たはずなのに……何故?

 ちらりと視線を動かすと、なにやら物凄い勢いで視線を首ごと逸らすお方が二人。

 ……月と詠だった───って、え? なんで?

 

(……深く考えたらいけない気がする)

 

 蜀でも風邪引いた時に世話になったし、今さら……と考えないと辛い。

 よし。服のことはこの際どうでもヨロシ。よくないけどヨロシ。

 で、俺がここに居る理由───

 

「おおっ! ようやく起きたか北郷!」

 

 ───を、考えたところで、俺に気づいて近付いてくるのは春蘭。

 ハテ、ようやくもなにも、まだ結構早い時間だと思うんだが……空気的に。

 

「春蘭、どうして俺、こんなところで寝てたんだ? 昨日はしっかりと部屋で寝た筈なんだけど」

「ああ、私が連れてきた」

「へー……ホワイ!?」

 

 連れて……なんで!?

 そんな気持ちを、口ほどにものを言う目に籠めて見つめていると、春蘭はいつも通りに腰に手を当てニヤリと笑った。

 

「貴様がなかなか起きんから貴様抜きでやろうと言ったんだが、他のやつらがそれはだめだと言うから私が連れて来た」

「あのすみません全然なんにもわかりません」

「なにぃ!? なぜだ!」

「なぜだもなにも、なにをやろうとしたんだよ!」

「宴だ!」

「宴!? 昨日の今日で!?」

「? なにを言っているんだ。昨日のは祭りで、今日のは宴だろう。馬鹿か貴様は」

「……っ……ハゥッ……!」

 

 胸に巨槍が突き刺さる思いだった。

 まさか……まさか春蘭に正面切って馬鹿呼ばわりされるとは……! しかもフフンと鼻で笑われながら……! ……うん、でもなんでか受け入れてみるとやさしい気持ちになれた。なんだろう、この暖かな感情。いや、別に馬鹿って呼ばれて喜んでるわけじゃなくてね?

 というか、まあ。春蘭に馬鹿って言われても嫌味とかそういうのは感じないからな。

 自分が天才だーなんて自負してるわけでもなし、桂花なら絶対に怒りそうだけど、俺はむしろ苦笑に繋がる。

 

「……あのさ、宴って、どうして?」

「知らん。宴があるなら騒げばいいだろう」

「…………そりゃそうだ」

 

 疑問は残るけど、恐らくあれだ、ほら、えーと……そう、みんなが帰る日も近いから、お祭り騒ぎとかじゃなくて内輪で騒ぎましょうって話だろう。

 でも、だからって寝てる人を着替えさせた上で連れてきて、しかも連れて来ておいて起こしもしないで始めるなんて……。べつに俺、部屋で寝てても良かったんじゃないか……?

 

「……ところで春蘭」

「なんだ?」

「…………俺の腕、何故か感覚が無いんだけど。なんで?」

「ああ。連れて来る最中に腕が壁に激突してな。華佗が鍼を刺した」

「寝てる人に対してなにやってるの!? え!? 激突!? せっかく落ち着いてきた腕に対してなんてことを!」

 

 しかも大雑把すぎてどんな感じに激突したのかがわからない!

 でも激突! 激突ってだけで衝撃が異常なのはよくわかる! だって春蘭だもん!

 大方首根っこを掴んで“ふはははは!”とか笑いながら走って、曲がり角でも止まることなく大激走。遠心力で振り回された俺がドカバキギャアアアってことに……!! ていうか痛い! なんか想像したら体のあちこちが痛くなってきた!

 

「春蘭……一応俺、怪我人なんだから……」

「骨の“ひび”くらいがなんだ! そんなものは怪我のうちに入らん!」

「入るだろ! これが怪我じゃなかったらなにが怪我!?」

「血が出ていないのに怪我なものか」

「………」

「?」

 

 思いを言葉に出来なくなると、彼女は……黙った俺の前で疑問符を浮かべていた。

 確かに血が出てないと、見た目だけじゃ怪我だなんてわからないけどさ。それにしたってあんまりすぎるだろ……。

 

「よくわからんがこんなものをつけているから怪我がどうのと言われるんだ。取れ!」

「へっ!? え、や、ちょ、なにをするだァーッ!!」

 

 腕の包帯が取られてゆく!

 さすがにそれはまずいだろと抵抗しようとするが、抵抗すると余計に痛いだけだと俺の中の経験さんが絶叫したので……その。抵抗はすぐにやめた。おかげであっさりと取られる包帯。

 

「そら取れたぞっ。見ろ、どこにも傷などないではないかっ」

「このちょっと色がヤバげな腕を見て、よくもそこまで……まあ酷使した自分が悪いんだけど」

 

 包帯が取れるや解放してもらえたものの、ピリリと痛む。

 うう、やっぱり包帯だろうとなんだろうと、多少の固定って大事なんだなぁ……しみじみ感じてるよ。

 無意識に華佗が居ないかを探してしまうあたり、医者って偉大だなぁと本気で思う。

 こりゃあ本格的に、華佗に医療を教わったほうがいいかも。

 一緒に人々を癒すって話、早い内に飲もうかな。

 ともかく応急処置として、氣でヒビの部分を覆って固定。

 集中しておかないといけないから疲れるんだけどな……いや、これも鍛錬だと思えば少しはマシ……だといいなぁ。

 

「動くか?」

「まあ……多少は」

 

 痛すぎるから動かしたくもないが。

 しかし今は氣で覆ってるから、腕を一本の氣の塊として扱えば……こう!

 

「ッ…………………………? おお! 痛くない!」

 

 これはいい! 曲げたり出来ないけど触れる!

 こ、こうなるとちょっと曲げてみたくなる。うずりと沸いた好奇心に身を委ね、いざ、ゆっくりと曲げてみると……みしりという音が体を通して耳に届いてウギャアアアーッ!!

 

「なんだ北郷、急にうねうねと蠢き出して。天の踊りか?」

「ノタウチマワル馬鹿トイウ踊リデス……!!」

 

 涙無しでは語れない自業自得がここにある。その感動、プライスレス。

 

「そんな踊りなど後だ後っ! 腕は無事だな? どうだ」

 

 ヒュッと拳が振るわれる。

 俺は痛みに苦しむ中でもそれを冷静に見つめ、パシィと格好よく手で受け止めてみせ───

 

「あ」

 

 ……殴られた。

 いや、うん、まあ。

 普通に考えれば、人の拳を手で受け止めるなんて無茶なわけで。

 最近イメージしたことが多少上手くいってたからって調子に乗っていました、すいません。

 グラップラーな格闘漫画の空手を終わらせてしまった男ヨロシク、喧嘩師の拳ごと自分の手の甲が鼻を強打し、悶絶。前略おじいさま。とても痛いです。

 

「いぢぢぢぢ……! あ、あのなぁ春蘭……! 人を勝手に連れ出しておいて、これはあんまりだろ……!」

「む、むうっ……! いや、しかしだな…………うぅ……すまん」

 

 じぃいいっ……と見つめていると、とうとうしゅんとなって謝る春蘭。

 少し意外だったものの……ほのかに香った香りのお陰で、彼女が多少酔っていることを知る。この無駄に高いテンションは酒の所為か。

 

「だがな、戦人があれしきを受け止められんでどうするか」

「や……あんなの漫画やアニメの世界だけの話だって。普通、受け止める余裕があれば躱すだろ。そもそも両手で受け止めるならまだしも、体重が乗った拳を片手で受け止めきるとか無理だよ」

「…………!」

「いやそんな、呼ばれるのを待ってる犬みたいにいい顔で胸張られてもさ」

 

 そりゃあ春蘭なら……むしろこの世界の武将なら全員やってのけそうだけどさ。

 パンチングマシーンとかで160kg出したとして、その重さを片手一本でだぞ? 野球とかと違ってキャッチャーミットとかグローブも無しで、止まれば重さも無くなるボールとは違って、全体重乗せた拳なら重さは後にも続くわけだ。……少なくとも俺なら無理だ。

 相手の拳が伸びきる前で、こちらは掴むための手を伸ばしきって固定した状態。そんなところを殴ってくれたなら……まあ、まだやれそうな気もする。それ以外じゃ無理だ。

 

「殴ってみろ」

「へ?」

「私を殴ってみろ。貴様の攻撃くらい軽く止めてやろう」

 

 ふふんと赤い顔のままに腰に手を当てて仰る春蘭さん。

 ……え? 殴れって言われた?

 

「エ、エート。ご加減はいかほどで……」

「無論本気だ!」

「言うと思ったよもう!」

 

 そりゃ止めるだろう。春蘭のことだから、人差し指とかでビッシィと俺の拳を止めてみせることもできるかもしれない。その場合、春蘭の指が突き指になるか俺の拳に穴が空きそうな気がする。普通に考えればピタリと止まるとか無いって。

 

(その際には是非とも“八葉六式……”と呟いてほしいようなそうでないような)

 

 けれども殴るなんて無理なので、とりあえず逃げよう、として回り込まれた。こっちも無理でした。

 

「無茶言うなって! 俺に、受け止められるってわかってても春蘭のことを殴れってのか!?」

「そうだが?」

「ひ、人の苦心を真顔で!!」

 

 本当になんでもないって顔できょとんとされた。

 しかもさっさとやれさっさとやれと急かしてきて……あぁあもう!

 

「よしわかった! 歯ぁ食い縛れ春蘭!」

「ふはははは! 殴られるわけでもないのに歯を食い縛る必要がどこにある!」

「じゃあ絶対に止めてくれよ!? 絶対だぞ!?」

「ふんっ、言われるまでもないっ」

 

 どこか上機嫌でふふんと笑う春蘭が構える。

 俺はそれを確認してから───勇気ある逃走! しかし回り込まれた!

 

「貴様ぁ! 何処へいくつもりだ!」

「イ、イエアノ、シュシュシュ春蘭サンニ本気ヲ受ケ止メテモラウタメ、助走ヲ……」

「…………おお! なるほど!」

 

 通じた!? めちゃくちゃ苦しい言い訳だったのに通じた!

 ゴッドは、神は目の前に居た!

 

「ならば好きなだけ助走しろっ! 貴様の拳など、どれだけ強くなろうと片手で受け止めてやる!」

「謝謝!!」

 

 遠慮無く逃げた。

 地を蹴り、自由の道を駆け始めた。

 後で捕まれば終わり? 否である! それまでにこの北郷めは数え切れぬ言い訳を用意しませう! 日々をサボりで通したこの俺に、潜り抜けられぬ困難など「ぐげぇっほ!?」……ありました。喉が詰まるほど。

 秋蘭が俺の襟を捕らえて離さない。

 

「北郷。助走ならばここらにしておくといい」

「……後生だからほっといてくれると……」

「うむ。だめだ」

 

 ああ、やっぱり……今回もだめだったよ。

 観念して春蘭の前に歩いていった。

 

「えーと……病人なのでやっぱり助走は無しの方向で頼む」

「? そうか。まあどうでもいいからさっさと拳を振るえっ」

 

 どうしてこの大剣さまは、自分を殴れという言葉をここまでうきうき気分で言えるのか。

 ちらりと横を見てみれば、旨の下で腕を組み、目を伏せて笑っている秋蘭。

 うん、逃げ道、ないや。

 

「よよよよーしいくぞー!」

「ふははははっ、来いぃっ!」

 

 ならばもうどうにでもなれ!

 振りかぶったテレフォンパンチを春蘭目掛けて突き出す。

 春蘭はやはりふふんと笑ったままで、突き出されたそれを片手でぱしんっと受け止めてみせた。楽々と。

 わかっちゃいたけど何気にショックだった。

 わかっちゃいたけど女性に拳を受け止められるのって……剣とか腕力で負けるよりもなんというかこう、ショックがデカかった。

 当然のことなんだ。この時代のめのこに拳を受け止められるのなんて当然のことなのに、大地に四肢を落として項垂れないだけの心が、この時の俺には用意し切れていなかった。

 

「? どうした? 北郷」

 

 片手両膝をドシャアと地面に落とし、がっくりと項垂れる俺へと……やはりきょとんとした声がかけられた。秋蘭なんかは「言ってやるな、姉者……」と言ってくれるが、そもそも引き止めたのはあなたなのですが……。

 い、いや、でも氣を纏った拳を受け止められたわけじゃないし!? まままままだカケラくらいの心は残ってるよ!? 筋力が育たないからしょうがないじゃないか! その分、氣を鍛えてるんだから、きききき氣を纏ってれば───いや無理、やっぱり無理! もし受け止められたら立ち直れない!

 

「じゃ、じゃあ俺はこれで助けてぇえええええっ!!」

 

 ソレジャア、とそそくさと逃げようとしたら、言葉の途中であっさり捕まった。

 叫びもする。

 

「なにをわけのわからんことを言っているんだ? まあそれよりも次だっ。氣を乗せた拳を打ってこいっ」

「いっ……~……いやぁああああーっ!!」

 

 襟首をムンズと掴まれて逃げることを封じられた俺に、赤い大剣さまが無慈悲を下す!

 暴れてみせるがどうしようもなくて……のちに俺は、中庭の隅でT-SUWARIをして落ち込むことになった。

 

……。

 

 宴は普通に進行している。

 むしろみんながみんな好き勝手に飲めや歌えや騒げや踊れをしているのだから、進行もなにもないのだろう。

 そんな中で───

 

「ツーヨイーッテナンダロー……♪」

 

 俺はまだT-SUWARIをして落ち込んでいた。

 どことも知れぬ虚空を見上げ、適当に作った強さへの疑問の歌を口ずさんで、時々ホロリと涙を流す。

 いや……いやね? もうね? 完ッ璧に砕かれた。

 鍛錬しながら夢にまで見ていた打倒雪蓮を果たし、表面上は冷静でも心の中はウッヒャッホォゥイと喜んでいたであろう心が、ゴシャリメシャリと砕かれた。

 拳を受け止め損ねた時だけでは軽くしか崩れていなかったそれは、氣を籠めた拳を受け止められ、素早く振るったそれさえ受け止められ、なにをやっても受け止められ、最後の一粒まで微塵に砕けた。

 

「………」

 

 ならばどうします? ならば強くなろう!

 長くなるであろうこの世界の下、目標が増えるのは望むところ!

 むしろあれだけ強い人が近くに居るのは嬉しいことじゃないか!

 そう考えないと立てそうにないのでそのー……そっとしておいてください。

 

「ま、まあ天狗になった鼻なんて微塵に砕けるくらいが丁度いいよなっ! 自分っ!」

 

 言い聞かせてみた。……心の中が泣いた。

 そうだよなぁ……他に将に追いつけるようなものが無かった俺なのに、ようやく勝てたと思えばこれだもん。折られた鼻と一緒に心まで折れそうな気分だ。

 しかし挫けない。やることはまだまだあるんだし、やれることも増えるさ。

 

「よ、よーしよしよし! 大丈夫! まだ頑張れるぞ、俺!」

 

 どうでもいいけど独り言をぶつぶつ言ってる所為で、無駄に視線を集めている。

 主に桂花の見下した眼差しとか桂花の汚物を見る目とか桂花の───

 

「あの……なんで居るンスカ、桂花さん……」

「べつに? 私はただ、天狗になっていたところを打ちのめされた哀れな猿を見に来ただけよ」

「そこはほっといてやろう!?」

「いやよ。なんで私があんたなんかの願いを聞いてやらなきゃならないのよ」

「願い云々より人として当然だと思うんですが!?」

 

 そう言ってみると、意外にも桂花はとてもやさしい顔をしてみせた。

 ふわりとやわらかな笑顔……華琳の前でならよく見せるが、俺になんてまず見せない笑顔をしてくれたのだ。

 

「じゃあいいじゃない。私にとってあんたなんて人ですらないし。ただの男って名前の種族でしょ」

「そんなことだろうと思ったよ」

 

 予想出来る範囲の状況だった。だって桂花だもんなぁ。

 けどまあ、いろいろ考えてごちゃ混ぜになったら、かえって落ち着いたかもだ。

 そうだよなぁ、俺が負けるのなんて茶飯事的なことだもん。

 これからはその数を減らす努力をしていけばいいんだし、負けるのが当然としてあるのなら、まだ肩の力を抜けるってもんだ。

 

「はぁ……今は諦めて、宴を楽しむか」

「あぁ北郷? あなたの席なんてないから」

「人をいじめるのも大概にしよう!?」

 

 本気で泣きそうになる俺を見てうっとりしてらっしゃるよ! この軍師さま!

 こんな時くらやさしい言葉をかけてくれてもいいのに!

 ともかく中庭の隅から離れると、宴の中へと突っ込んでゆく。

 するとどうだろう……! 国の境もなく、みんながみんな俺を迎えてくれて……!

 

「おう、よく来たのぉ北郷」

「あら、丁度良いところに」

「丁度もう一人欲しいと思うておったところだ」

 

 突っ込む場所間違えた!!

 よりにもよって! よりにもよって祭さん、紫苑、桔梗が酒盛りをしているところに突っ込んでしまうなんて!!

 

「イヤアノチョット僕用事ガ助けてぇええええっ!!」

 

 そして例によって捕まった。

 俺はそのまま三人にこっちゃこ~いこっちゃこ~いと導かれ、伸びてくる六本の腕に抵抗すら出来ないままに酒漬けにされて───!


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