真・恋姫†無双 魏伝アフター   作:凍傷

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103:IF/自覚した女の子は強い。そして怖い④

 ある夜のこと。

 自室に戻る頃にはいろいろなものに気を使っていた所為かドッと疲れていた俺は、抵抗する気力もないままに自然と布団へ傾く体をそのままに、どしゃりと倒れた。

 その後ろには目を伏せながらついてきた思春さんがおりまして。

 

「では、今日こそ寝ずの番を」

「寝よう!? 枕元で鈴音構えながら立たれるとすごく怖いんだけど!?」

 

 ……こんな感じである。

 気が休まらない……助けて蓮華。俺、今キミを心底尊敬出来る。

 こんな日常をずっと続けてきたのかと思うと、キミが眩しくてたまらない。

 

「北郷……お前には自分が三国の宝である自覚が───」

「それもう何度も聞いたから! つか思春、それ、蓮華を守ってる時も似たような言葉で言ってなかった?」

「当然だろう」

「……いや、そこで“だからどうした”って顔をされても……。とにかく、もう日課みたいになってるけど寝なさい。べつにここを襲うヤツなんて居ないだろうし、これでも気配には敏感になってるんだから。……誰かさんが気配を殺して後ろからついてくる所為で」

 

 気配に敏感なのはいいことだ。

 でも、敏感すぎて気が休まらない。

 そんな日々の連続のツケが、とうとう今日という日に舞い降りた……そんな心境です。ええ、とっても疲れてます。

 

「お前がどうのこうの言おうが、相手というものは都合を考えて来るわけではないだろう。現に───」

「主様~? 眠る前にお話をしてほしいのじゃ……ってなにゆえにまたお主がここにおるのじゃー!」

「───それが敵のみという可能性は捨てるべきなのだからな」

 

 問答無用で扉を開けて入ってきた美羽さん(大人バージョン)に、溜め息を吐く思春さん。

 ……美羽、ノックくらいしようね。

 

「あ~……まあ、“身内”の気配に警戒はしないもんなぁ」

「うみゅ? なんの話じゃ? ……まあよいの、うむっ! それより主様っ、今日は久しぶりに妾もここで───」

「却下だ」

 

 そしてこの即答である。

 俺に訊いてきたのに、返すのは思春なんだからたまらない。

 

「お主には訊いておらぬであろ!」

「北郷はもう疲れている。話などしている暇は無い」

「え……いや俺、主にキミの所為で疲れ───」

「故に帰れ」

 

 あ、あれ? 無視? 思春? 美羽~?

 

「うほほ、なぜ妾がお主の言うことを聞かなければならぬのじゃ? その許可を出すのは主様であろうに」

「え、あ、いや、思春? 美羽? 俺の話を───」

「その北郷が疲れていると言っている」

「な、なんと、まことなのか……? うみゅ……主様が言っているのなら仕方がないの。ならば、邪魔はせぬから一緒に寝るのじゃ」

 

 美羽は疲れているというのが俺の本心だと受け取るや、急にしょんぼりとして妥協案を出してくる。話はいいから久しぶりに一緒に寝たいと、そういうことなのだろう。

 それくらいなら俺も───

 

「却下だ」

「なんじゃとーっ!?」

「なんだってーっ!?」

 

 ───あまりのキッパリとした言葉に、美羽と同時に驚いた。

 いやいや思春さん!? さすがにそこは俺に答えさせて!? これじゃあ俺がここに居る意味ないじゃない!

 意味……い、意味? ……ハッ! そうか! ここに居るからいけないんだ!

 ここで問答に巻き込まれるくらいならいっそ、スルーされている事実を利用しつつこの場からの撤退を!

 

「…………」

「北郷、何処へ行く」

「主様! 何処へ行くのじゃ!」

「行動はしっかり見てるの!? ひ、人の話は聞かないくせに!」

 

 驚愕の事実でした。もうそっとしといて。

 しかしまあ、なんだろう。こうなると段々と怖くなってくる。

 ……いや、怖いのはこういう会話とかじゃなくてさ。

 これ……もし霞の滞在期間が終わって、次に凪が来たりしたら……どうなるんだろうなぁ。凪もなにかと俺に気を使ってくれるから、思春と衝突することになったりして……ア、アレレー? なんだか急に胃がしくしくしてきたゾー? ───とか思ってたら突然自室の扉がドバァーンと開き、バッと鈴音を構える思春と、純粋に驚いて「ぴきゃーっ!」と叫んで俺に抱きついてくる美羽。そして……

 

「一刀っ、一刀ーっ♪ ようやくお勤め終わったでーっ♪ “雰囲気作り”のためにやさしい口当たりの酒持ってきたから、一緒飲もー♪ ……お?」

 

 ……俺は静かに、今日は眠れないのでしょうねという言葉を頭が勝手に受け入れるのを感じていた。

 仕事を終えた達成感に満ちた、どこか照れ笑いを浮かべた霞が部屋に入ってきたのだ。

 そんな彼女が鈴音を構える思春と俺に抱きつく美羽を見てきょとんと。

 しかし臆することなく寝台まで歩いてくると、俺の手を取ってトスンと酒徳利を乗せてきて、くすぐったそうな顔で「……ええやろ?」と照れ笑いのままに言う。

 さすがに頑張った霞を相手に断るなんてことは「却下だ」思春さん!? さすがにそこでこの即答はないと思うんですが!?

 

「…………なんや~、思春ちん。やることやって帰ってきた相手に向けるのが武器なんか?」

「待て。北郷は疲れている。そういうことをするなら後日好きなだけしろ」

「エ? 俺の意思は───」

「それ決めるんは一刀やろ。ちゅーか、武器構えながら言われてはいそーですかなんて頷けるわけないやろ」

「そ、そうだよ思春。とりあえず武器はしまって」

「…………。すまない。少々気が立っていた」

「ん、まあわかってくれれば別にウチはなんも文句なんてないし、ええよ。それよりやっ、な、一刀?」

「……まずは、お疲れ様。あとお帰り、霞」

「~っ……うん! うん! ウチ頑張ったで! それ、お勤め先の邑で作ってる酒なんやけど、選別やって特別に貰てきたんや! 一刀と雰囲気作りしたいなー、思て───」

「だから待てと言っている。そういうことは後日しろと言っただろう」

「………」

「………」

 

 みしりと空気が凍った気がした。

 ま、真名を許してるってことはちゃんと親しい間柄な筈なのに、なんだろうねーこの空気。

 そして美羽さん? 人に抱きついといてそのまま寝るのは勘弁してください。

 これじゃあいざという時に逃げられな……いやゲフッ! ゲフフンッ!

 

「んー……? な~んやおかしいなぁ。思春ちんの態度……っちゅーか空気? 前と違てへん? 一刀を見る目がやさしいっちゅーか…………一刀? まさかウチが居らんかった間に───」

「ししししてないっ! してないぞっ!? 大体思春がそんなこと許す筈がないだろ!」

「ん。まあ、せやな。せやったら思春ちんの言う通りにしよ。一刀は疲れとる。理由はわからんけどそれが事実ならウチも無茶は言えんもん。でも無茶かどうかを決めるのは一刀やってことを否定する気ぃもない」

「エ」

「やから一刀が決めたって。ウチは早くご褒美が欲しいけど、無理してまで欲しくない。そこは我慢する。でも一刀が無理なんてしてへん言うなら……な?」

 

 むず痒いような緩む笑顔で、霞はついついと胸の前で人差し指同士を合わせつつこちらを見る。

 思春はそんな様を見て小さく喉を鳴らすと、少し顔を赤くしたままに俺に向き直った。

 エ? 結局俺ですか?

 つーか霞さん!? もし俺がそれにOK出したら、思春と美羽に“そういうことをいたしますから出てってください”って言わなきゃいけないんですけど!? むしろ美羽さん熟睡中なんですが!?

 ……でも約束は約束……ん? 約束? これって約束なんだっけ……?

 あれ? なんか俺の知らないところで勝手に話を進められただけな気もするんだが。

 ああいやいや……待て。まず考えてもみろ。

 頑張って働いて、やっと帰ってきて、雰囲気作りのためのお酒まで用意してくれたのに帰れとか言えるか? ……言えるわけないだろ、どんな鬼ですか俺。

 つまり天秤はこうですね?

 

 『いたしますから二人とも出てって? VS 疲れたから明日ね?』

 

(…………ッ……!!)

 

 神様……これはどういった試練で……?

 後者は明らかに鬼であり、前者は自ら“今まで黙ってたけど俺…………種馬なんだ”って言うようなもので……! イ、イメージが! 今までいろいろと耐えてきたお陰で培われてきた御遣いや支柱としてのイメージがぁあ!!

 

(……今……何処かから今さらだろってツッコミがご光臨あそばれた気がした)

 

 今さら……フフ、今さらか……。

 そりゃね、華琳といたして、そののちに美羽と七乃といたしました。

 魏国の相手ならまだしも、自分で三国に降ってもらったらどうだって提案した二人をです。……なるほど、思う人が思えば、いたすために降ってもらったとか考えてしまうのかもしれないなぁ……。確かにそれなら“今さら”なのかもなぁ……。

 ───大丈夫、答えは出た。

 いくらなんでも後者はない。

 こんな、ご褒美に期待して頑張ってきた娘相手に寝るから出てけとか無理。むしろ言いたくない。だから、だ。

 

「あの、思春。その……」

「…………」

 

 俺の声調……申し訳なさそうな声で判断したのか、思春の肩が跳ね、一瞬だけど辛そうな顔をする。なんで辛そうな───とこちらも一瞬考えたが、つまりは……この世界に居るとそういう感覚が麻痺しそうになるけど、そういうことなんだろう。

 もしかして仕事だからかなとか考えなかったわけでもない。

 でも、どうやら思春はちゃんと自分の意思で、自分がしたかったから俺の傍に居てくれたようだ。俺が傍に居てくれって言った途端に気絶なんてしたから、その負い目なのかとも考えなかったわけじゃない。

 そんな思いもどこへやら、好きで傍に居てくれたんだ……とわかってしまったら、なんだかむず痒さと申し訳なさが───

 

「ん? へ? あ、あー……そゆことなん? 思春ちん、一刀のこともうちゃんと好きなん?」

「なっ!?」

「うわ赤っ!?」

 

 ───完全に浮かび終えるより先に、霞の言葉に瞬間沸騰した思春の赤さにたまげた。

 なにか言葉を並べようとおろおろとする思春だが、こんな時に言葉を並べる経験がないのか、おろおろとするだけで声は出ない。

 そんな思春に「なるほどなー」と面白そうに頷く霞が、とことこと思春の隣まで歩くと……ガッとその肩に、むしろ首に腕を絡めて引き寄せた。

 

「よっしゃ、そーゆーことならまずは雰囲気作りからやな! さすがにウチも、一刀とそーゆーことしたいから出てけーなんて言いづらいし。せやったら好きなもん同士、一緒にしよ!」

「い、一緒に? な、なにを、貴様は言って……」

「んーなん言わんくてもわかっとるやろー? まあ口で言うよりやってみぃひんとわからんし。こればっかりは経験者として胸張って言えるわ。雰囲気は大事なんやでー?」

 

 とろけるような緩い笑顔で「にへへー」と笑う霞。

 対してわたわたと慌てる思春だが、逃げようとするも逃げられない。

 今の状況を纏めると……思春を巻き込んで笑う霞、霞に捕まって慌てている思春……眠る美羽に、遠い目をして硬直している俺。

 

(…………エ? 出て行ってくれって言う必要が無くなった代わりに…………エ?)

 

 やがて、抵抗など無駄だと悟ったのか、真っ赤な顔でしおらしくなっている思春が、霞に促されるままに寝台の上にきしりと乗ってきた。次いで、霞が思春とは反対側の俺の隣へ。

 その際、美羽がべりゃあと剥がされて寝台の端のほうへと寝転がらされていたが……たぶんツッコんじゃいけないんだろうね。

 

「あ、あのな、思春? その、嫌なら断ってくれても───」

「っ……わ、私は……こういう経験が全くない……。だから、何をすればいいのかもまるでわからないし、お前がどうすれば喜ぶのかも知らない。だ、だから、その……っ……すっ……好きに、しろ……!」

「───」

 

 断る以前の問題だったようです。

 じょっ……状況に流されないで思春! 断っていい! 断っていいんだよ!?

 とか思ってるのにしおらしい思春が予想以上に可愛いと思えて、なんか自然と頭を撫でようとした手を掴んでなんとか止めた。

 落ち着きなさい北郷。

 相手は、最近やさしくなったとはいえあの思春だぞ?

 きっとこんな状況の熱に浮かされてしまっているだけで、今にハッとなって……そう、たとえば俺が触れそうになった瞬間に俺がひどい目に合うような発言が飛び出すに違いない───!

 なんて思ってると、思春がハッとして───ほ、ほら見たことか! 思春を悪く言うつもりはないけど、これまでの経験上、こういう時は警戒してしすぎるということは───

 

「北郷……」

「ひゃいっ!?」

 

 どんな言葉が飛び出すのか。

 その恐怖と緊張とで声が裏返ったが、恥ずかしがる余裕なぞあるはずもない。

 俺は思わずゴッ……ゴクッ……と重たいものでも飲み込むように喉を鳴らして、やがて思春の口から放たれた言葉に───!

 

「その……っ……自信はないが、それは、少々ならば耐えられるとは思う、が、そのっ……! ~…………やっ……やさしく……してくれ……っ……!」

「───」

 

 ……頭を撃ち抜かれた思いでした。

 目をきゅっと閉じ、ふるふると震えている思春なんて初めてです。

 撃ち抜かれたのは多分、“警戒”なんていう失礼な信号。

 ギギギギ……とゆっくりと反対側の霞を見てみれば、霞も顔を赤くして「……かわええ……」とか呟いていた。それからハッとすると、俺が持っている酒と思春とを見比べて、俺の手から酒を取り上げて円卓の上へと置いてしまった。

 ……うん。なんか、雰囲気が今のだけで十分に整ってしまった。

 

「………」

 

 ───明かりが消され、窓から差し込む月明かりだけが部屋を照らす中で、影が重なる。

 魏のみんな以外を抱くことには、まだ心に抵抗があるのは事実。

 それでも今、自分が相手に向けて抱いている想いの全てをぶつけるつもりで抱き締めた。

 わざわざ躊躇や困惑を口にすることはない。

 罪悪感を持ちながら人を好きになるのは辛いし、相手にも失礼だ。

 受け入れたものをそのままに、好きだという気持ちをそのままに抱き締め続けた。

 

……。

 

 ……そして、翌日。

 

「………」

 

 すっかりと疲れ果て、よろよろしながらも朝の運動をするべく中庭へ向かう俺と……

 

「~♪ んへへへへ、一刀~♪ 一刀、一刀~♪」

 

 俺の腕に抱きつき、猫のようにすりすりと頬を摺り寄せてくる霞と……

 

「…………、!?」

 

 俺の後ろを気配を消しているつもりでついてきて、振り向いて目が合えば真っ赤になって首がもげるんじゃないかってくらいの勢いで目を……もとい、顔を逸らす思春さん。

 そんな真っ赤な彼女の歩き方は、少しよたよたとしている。

 ……決して、歩き方がぎこちないよとかツッコんじゃいけない。

 ていうかね、なんでそんなに離れてるの?

 隣歩いてくれた方が話しやすいんだけど……と声をかけようと振り向くと、ビクーンと肩を弾かせてシュヴァーと柱の影に隠れてしまい、ホワイ!? と思いつつも柱の影まで歩み寄ってみると……居ない!? なにこれイリュージョン!?

 

「え、ちょ、思春!? 思春ー!?」

 

 ……困ったことになったと気づいたのは少しあと。

 思春はどうにも俺の顔を見るのが相当に恥ずかしくなってしまったらしく、まともに俺の前に立たなくなっていた。追ってみれば全力で逃げ出すし、言いたくはなかったけど命令だから出てきなさいと言えば来る……のだが、出てきても以前までの凛々しさが5秒も保たない。

 キリっとしている(つもり)の顔がどんどんと赤くなっていって、目は潤んで、やがてはあちらこちらへ目を泳がせ始めて、ついにはまた逃げ出す。……う、うーん……本当にこういう経験なかったんだろうなぁ。あまりにも耐性がなさすぎる。

 なんというか……どんどんと乙女チックになっていると言えばいいのか?

 錦帆賊の頭として、呉の将として戦ってきた歴史の中で、色恋なんて興味がまるで無かったものにここで落ちてしまい、自分でも初めての感情に振り回されっぱなしなようだ。

 終いには花を手にスキ・キライとか言いそうで怖い。

 七乃は「そのうち慣れて、すぐに元に戻りますよー」なんて軽く言ってくれているが……これ、こっちの心が保たない。落ち着かないっていうのももちろんあるけど、冷静になったあとに自分の行動を思春が振り返ったあと、首とか吊ったりしないかが怖くて怖くて……!

 

「まあ……」

 

 四六時中いっつも見張られていた頃に比べれば……いいのかなぁ?

 ……うん、いいってことにしておこうか。

 今はとりあえず慣れてもらうまでは待つとして。

 

「あ、お兄様ー!」

 

 聞こえた声に目を向ければ、中庭で手を振る蒲公英。

 華雄が強くなっていた事実に驚いたこともあり、今じゃ華雄と一緒に同じトレーニングをしている。

 もちろん俺が思春に付きっ切りで監視……もとい、護衛されていた時もだ。

 

「んあ? あれ? 今日はあの赤いのは居ないの?」

「いや……居る。一応気配だけは感じる」

「えぇ!? ど、何処に───うわ、居た」

 

 蒲公英の言葉に振り向いてみるが、既に居なかった。

 とことん俺の視界には入りたくないらしい。

 こんな状態でずっと監視する人のことを天じゃなんて呼んでたっけ?

 

「………OH」

 

 思春さんお願いします。

 ストーカーだけは。

 ストーカーになることだけは勘弁してください。

 割と切実に、そんなことを願った……とある日のことでした。




積みゲー消化中につき、作業速度低下中。
3月後半に新作が出るため、それまでに……と急いでいるのですが、終わらない……!
仕事時間が半分だった頃が懐かしい……!
あの、社長? 僕たまには長期休暇とか───あ、だめですか、そうですよね!

結論:会社で中途半端で微妙な位置に到達、定着すると、交代できる人材が居ない。

へいじ~つは会社にでかけ~♪ きゅうじ~つは家族サァビス~♪
トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ~♪
……家族サービスって……どうして自分へのサービスが……ないんでしょうね……。
同じ家族なのに……オカシイナァ……。
ああ癒される……ゲーム癒される……!

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