183/クラゲは引力に引かれ、“位置”に到達すると加速する
-_-/甘述
……楽しそうにしていた父が、その表情から突然“笑顔”を消した。
誰かの前で、自信が無さそうな、少し情けない顔をすることはあっても、こんな顔はしたことがない父が。
声をかけてみても反応はなくて、ただただ、その瞳が不安に揺れていた。
この目を、自分はよく知っている。
登姉さまが、そして恐らくは自分がよくしていた目。
姿見の前でならほぼ毎日見ていた目だ。
「父上……」
知らなかった。
大人がこんな目をするなんて。
大人になる過程でこんな目とは無縁になれるのだ、なんて思っていた。
成長がそうさせると勝手に思って、早く大人になりたいとさえ思っていたのに。
「父上」
呼びかける。
けれど、父はぶつぶつと小さな声で何かを呟いて、目は私に向いているのに私を見ていない。
もう一度呼びかけようとして、その目がふと私を捉えた。
向けられていた視線が、ようやく私を捉えた。視線を感じるって言葉があるけれど、それって多分、こんな感じ。
「……なぁ、述」
「え、あ、はい……?」
急に声をかけられて、驚く。
こんな顔で声をかけられたことなんて無かった。
目を見ただけで、“助けて、助けて”って言いたいのがわかるくらい、不安に溢れた顔。
「もしさ。自分なんかじゃ無理だろって難題を押し付けられたら、どうする?」
「え……」
父の口からこぼれたものは、漠然とした不安。
求められたのはきっと、不安の解消。……ううん、違う。たぶん、少しでも不安を軽くしたいだけだ。解消なんて最高の結末、求めても無駄だって思っている……それがわかる。私も、そうだったから。
「……助けを求めます」
「うん。でもさ、周りにはもう、自分を慕ってくれる人は居ないんだ。感謝を抱いてくれる人も居ないし、自分を支えてくれる人も居ない。そんな時、どうすればいいと思う?」
ふと、それは娘に訊くべきことなのですかと言いそうになる。
言いそうになったけど、それより先に掴めるものがあったから口を閉ざした。
“じゃあ、誰になら言っていいのか”
父は支柱だ。
柱は立っていなければいけない。
不安に揺れる柱を信頼し続ける人は、きっと居ない。
でも、じゃあ、柱はずっと不安を抱かずに生きていかなきゃいけないのかな。
抱いても、誰にも打ち明けちゃいけないのかな。
私には登姉さまが居た。同じ悩みを打ち明けて、一緒に頑張れる姉が居た。
じゃあ、支柱にはそんな相手が居るのか。
“上手く出来ないから、見る目ばかりが養われた自分”が見る父は、とても小さく見える。
不安に揺さぶられ、けど……きっと、そんな不安も飲み込んでしまうのだろう。
覚悟完了と呟いて、胸をのっくしてしまえば。
そうやって覚悟と一緒に溜め込んで、その先で…………
(……その先で、どうするんだろう)
普段から何かを我慢しているとして、どうして父が私に打ち明けたのかはわからない。
なにか私にだけ感じたものがあったのかもしれないし、ただ単に“弱いところ”に自分と似たなにかを感じたのかもしれない。
……それは、私にしか出来ないことなのだろうか。
そう考えたら、受け止めなきゃいけないって思えた。
たぶん、これが丕姉さまが言っていた“私にしか返せないなにか”。
一方的に傷つけてきたのなら、今こそ何かを返したい。
「……父上。その難題は……具体的には、どういったものなのでしょう」
でも、まだ訊かれたことが漠然としすぎていて、何をどう考えていいかも……自分の理解の範疇に届いてはくれない。
だからと訊いてみれば、たった一人で強大な相手と戦うことになるかもしれない、とのこと。相手は個人かもしれないし、もしかすれば軍隊かもしれないというのだ。
そんなもの相手に、立ち向かわなくてはいけないのだと父は言った。
そしてそれは、この父の表情からするに、比喩表現なのかもしれないけれど……いつか本当に来るかもしれない困難なのだ。
じゃあその“いつかは来るもの”という、軍隊かもしれなければ個人かもしれないものとはなんなのだろう。
まず、そんなことを考えたけど───ふと思う。
たとえ周囲にもう父を慕う人は居なくても。
たとえその時に父が孤独なのだとしても。
「父上」
「うん?」
「その難題で立ち向かうべき相手というのは、怖い人なのですか?」
「ああ、怖い。俺じゃあ勝てないってどうしても思っちゃうくらい、怖いんだ」
父はやっぱり覇気も無く言う。
その姿を見て、ふと思ったことを口にしてみた。
「それは、この都に集う皆様よりもですか?」
「───」
たった一言。
それだけで、不安に揺れていた父の表情はびしりと固まった。
……固まって、視線をあちこちに飛ばしたのち……私をじぃっと見て……弾けた。
「い、いやっ……ぶふっ! はっ……あっはははははは!! 述っ、お前っ……あはははははは!!」
「え? え?」
こちらにしてみれば、どうして笑われたのかがわからない。
べつに笑わせようとなんてしていないし、普通に疑問に思ったから訊いたのだ。
なのに父は、憑き物が消し炭にでもなったかのような晴れた表情で、子供っぽささえ感じるくらいの笑い方で笑っていた。
「そうだよなぁっ! そうじゃないかあははははは! 姿が見えない相手をどれだけ怖いって思ってようが、都を敵に回すよりはてんで楽だよなぁ! あははははは! あっは! ぷははははははは!!」
どうやらおかしくて仕方ないようで、話しかけてみてもまともに返事が出来ないくらいに笑っている。
……意地悪な私塾の男なら、笑うことと馬鹿にすることを優先させるのに、父は身振りで私に“まともに返事を出来ないこと”を謝罪していた。……うん、やっぱり父は他の男とは違う。私塾の男もみんな、父のようだったらいいのに。
そうしてしばらく笑った父は、涙の跡さえ拭わなければいけないほどに笑ったのちに、私の頭を乱暴に撫でてからニカッと笑って言った。
「んっ、元気もらった! ありがとな、述っ!」
とても無邪気な笑顔だった。
結局、相手がどんな存在なのかも訊くことは出来なかったけど……父のあんな顔をずぅっと見るよりは全然いい。
「父上。それでも一つ質問をしたいのですが」
「へ? 質問? ……いいけど、“それでも”ってなんだ?」
気にしないでほしい。
考えていたことをそのまま言葉に繋いでしまっただけだ。
「いえ、お気になさらず。それでですけど、あの……まさか、別の場所で浮気相手を作った、などという話ではありませんよね? だから強大な敵と戦うかもしれない、とか……」
「しないよそんなこと! 述さんキミ父をなんだと思ってんの!?」
「いえあのそそそそうですよねっ、相手が大国の娘で、けれど欲しくて大国相手に一人でとかそんなこと!」
「当たり前じゃああっ!! つか誰!? お前にそんな知識を植え込んだの誰!?」
「私塾での勉強会の際、桂花さまが“北郷の生態”という科目で……」
「けぇええええええいふぁあぁああああああああっ!!」
声が裏返るほどの絶叫でした。
「え、あの、違うんですか? もちろん私たちも否定しましたが、“あいつならやりかねないわよ”とか言ってて」
「やるかぁっ! 自ら危険に飛びこむほど阿呆じゃないよ俺!」
「……ご、ごめんなさい……。聞いた話と妙に一致する部分があったから……」
「……今度、華琳に桂花用の罰でも考えてもらおう」
頭を抱えてそう言う父は、本当に疲れた声でそう言った。
「でも、大丈夫ですよ。この都を敵に回すより怖いことなんて、絶対にありえませんから」
「……うん、まあ、そりゃそうだ」
しみじみ頷かれた。
その表情は、さっきまで晴れやかだったのにひどく疲れたものに変わっている。
「まあ……だよなぁ。左慈ってやつがどれほど強かろうが、今の都の総力に比べたらどうなんだって言われると……なぁ。左慈自体も外史連鎖破壊のために、来るのは軍隊だとしても、決着は個人で決めることを提案するだろうし。……提案? 強制かもなぁ」
言葉の途中でまた可笑しくなったのか、父はくすくすと笑う。
そうして軽く笑い終わったら、再び私の頭を乱暴に撫でてから立ち上がる。
見上げたその顔は……晴れやかだった。
「よし述っ、鍛錬するかっ!」
「え? あ」
そうだ。そういえば私は鍛錬をしていた筈だ。
なのにいつの間にか結構重そうな話になっていて…………
「あの。父上は、もう大丈夫なのですか?」
「ん? んー……おうっ、悩んでも無駄だっていうことがよ~くわかった! 悩んでる暇があるならとにかく鍛錬! 打倒愛紗だ!」
言いながらも氣を充実させて、「うおおおおお!」と叫びながら妙な姿勢を取っている。
そのあと腕を組むと、神妙な顔でこくりと頷く…………あの動作に一体なんの意味があるのか。きっと集中をするために必要な動作に違いない。
こう、うおおと叫びながら心を熱くさせて、次に冷静に頷くことで意識は静かに。
なるほど、そう考えると素晴らしい動作なのかも───
「父上。今の動作はいったい……?」
でも直接やり方を訊くのは恥ずかしくて、“間接的に説明してもらえたらいいなー”なんて期待を抱きつつ訊いてみた。
すると……父上は腕を振り上げながら背を向けて、たった一言を言った。
「・・・・すごい漢だ。」
……なんだかいろいろなものが台無しになった気がしてならなかった。
「こらこら、ヘンな目で見ない。硬くなった頭にはさ、こういう悪ふざけが一番なんだよ」
「精神統一の動作かと思った私の真剣さを返してください」
「……お前も時々言うね」
苦笑。
私の頭をまた撫でて、それからは真面目な鍛錬が始まった。
「じゃあまずは身を守る術! 硬氣功を修めよう!」
「こーきこー! 父上は出来るのですか!?」
「出来ぬ!」
「えぇええええっ!?」
周りから見れば、ただ中庭の一角で話をしている親子。
そんな一角でなにを真面目に話していたのだと訊かれれば、私はきっとこう答えるのだろう。
“ただの他愛ない親子の会話だ”と。
「俺は受け止めて散らすか装填するかくらいしか出来ん! むしろ知ってるか述。硬氣功って一瞬しか効力が無くて、身を固める拍子を間違えると逆に緩んで、痛みも増すらしいぞ……!」
「そ、そうなのですか!?」
「うんたぶん」
「たぶん!?」
急に呆れるくらいに気安くなった気がする父を前に、私はただただ困惑した。
けれどそれは本当に気安いもので、むしろ私は身構えることもなくそんな父を受け入れられた。ぐうたらだとか立派だとか、それ以前に……“素の父の弱さ”を知ることが出来たからだろうか。
父の弱さは多少は知ってはいたけれど、なんとなく冗談の延長みたいに聞こえていて、それでも自分よりは強く賢いのだからとどこか遠目に見ていた父。
校務仮面様であったり三国無双を吹き飛ばしてみたりといろいろすごいのに、本人は自分が弱いと信じきっていて、ふと中庭を見ればいつも鍛錬をしている気がする。
時間があればそれに混ざるけど、私の氣は長続きはせずにすぐに枯渇する。
追いつきたくて頑張るけれど、やっぱり届かず落ち込んで。
……そんな時に思うのだ。
打倒雲長さまを願う父も、ずっとこんな気分で追っているのだと。
そう受け取ってみればなるほど、私と父はよく似ているのかもしれない。
「あ……では父上! 軽氣功って出来ますか!? なんでも身を軽くするとか……!」
「ぬ、ぬう軽氣功……!」
「? ───? ……、! あ、えと、し、知っているのか雷電」
「……教えた俺が言うのもなんだけど、べつにそれ、言わなくていいからな?」
「そういうことは先に言ってくださいなんなんですかもう!!」
遊戯室で遊ぶ際、いろいろと説明を訊く時に、“こう訊き返すといい”と言われたからやったのに! 本当に父はひどい人だ! すごい人なのにひどい人だ! ……そんなだから、他のどんな立派な人よりも話しやすいんだろうとは思うけど。
私は、外見こそ母に似たが、中身は父に似たのだろう。
いろいろと足りないところも、足りないものをなんとかして補おうとするところも。
……落ち込むと、長いところも。
なんてことを考えている私を余所に、父は軽氣功についてを語る。
なんでもどこぞの“神父”とかいう職業の人が14の言葉を唱えると進化して、壊れた窓枠にしがみつくと空を飛べるとかなんとか……はい、意味がわかりません。
「天にまします主よ、わたしを導いてください……!」
「何処にですか!? わ、ふわっ!? ひゃああーっ!?」
当然父はそんなことは無理だと断じて、代わりに空飛ぶ絡繰“摩破人星くん”で空を飛んだ。
抱きかかえられて飛んだ景色はとても広くて、嫌なことなんて吹き飛ぶくらいに、私を好奇心の世界へと導いてくれた。
……そっか、導いてくださいって、こういう意味なんだ。(*違います)
「父上」
「ん? どしたー?」
「怖くなったら、こうして空に逃げてしまえばいいのではないでしょうか。相手は空を飛べるのですか?」
「逃げ…………うん、そうだなぁ。相手はとっても怖いんだけどな、残念ながら逃げていい相手じゃないんだ。きちんと立ち向かって、勝たないと……今こうして生きている意味さえ折っちゃうかもしれない」
「折る、ですか?」
「そう。天狗の鼻を折られるよりも、そっちのほうがよっぽど辛い。だからさ、どれだけ怖くても……逃げることだけはしちゃいけないんだ。……肯定者としてってだけじゃなくて、みんなと一緒に生きた世界だ。否定なんて、絶対にさせてやらない」
本当は逃げたいけどね、と続ける父は、やっぱり弱かった。途中の言葉の意味は理解できなかったけれど、父の弱音は伝わった。
そして私も弱さを知るからこそ……そんな弱さにこそ、私は頷くことが出来た。
弱くてもいいんだとは言わない。
目指せる強さがあって、そこから逃げようとしない姿に、ただ……憧れた。
「感じたぞッ! 位置が来る……ッ!」
「キャーッ!?」
でも顔から光を放つ父には憧れませんでした。
憧れないけど…………ど、どうやってやるんだろう。
曹丕姉さまに見せたら、びっくりするかな。
「やっぱり、たまには馬鹿やって息抜きしないと駄目だなぁ。馬鹿正直に真っ直ぐに進みすぎると、絶対にどこかで逸れてる……」
「馬鹿って、今のがですか?」
「普段やらないことを全力でやってみるんだよ。結構鬱憤晴らしになるんだぞ~?」
「普段やらないこと……父上にとっては、今のがそうなのですか? その、割とやっているような……」
「ほんと時々言うね、述さん」
そうは言うけど、笑っている父は「確かに」とも頷いた。
「じゃあ俺が普段やらないことといえば……」
「あ……そういえば私、父上が母上に愛を囁くところは見たことがありません」
「ほんと言うなぁもう!! “時々”が今日に集中しすぎだろオイ!!」
引き攣った笑顔で、けれど片腕で私を抱いて、片手で私の頭を撫でた父は、すぅぅ……と息を吸って、吐いて、また吸った。
そして空からゆっくりと中庭の地面へ向けて降りてゆくと、その途中で───
「指弾!」
「ふきゅっ!?」
なんと握り拳から弾いた親指から放った氣の弾で、寝かせたままだった母の額を攻撃!
……聞いたこともないような可愛い声が母の口から漏れ、その声を自分でも聞いたのか、真っ赤になってババッと起き上がる母。
やがて母が宙に居る私と父に気がつくと───
「思春ーっ! キミが好きだーっ!!」
悪戯をされたと思って怒りに震えていた母へと、なんと父が大声で……!!
あまりに突然の事態に私の心は震え、感じたことのない好奇心を抱き、母を見下ろした。
───どんな反応をするんだろう!
頭の中はそれでいっぱいだった。
すると、母は特に何をするでもなく私たちを見上げ……突然、爆発でもしたのかと思うほどに真っ赤になって、狼狽え始めた。
その姿を、私はどう受け止めよう。
ただひたすらに人として、私の感性で受け止めるのなら…………可愛い。
でも口にしたら叱られるだけじゃ済みそうにないので絶対に言わない。
言わないけど、あんな顔も出来るんだ……なんて、母の新しい一面を胸に、感動すら覚えた……次の瞬間。
「───……」
母が地面に手を伸ばして、チャリッ……と。たぶん石……を、拾い上げていた。
そしてあろうことか振り被って、空に居る私たち目掛けて、って───わぁ!?
「ちちちち父上ぇえーっ!! 石! 石がぁあーっ!!」
「
ぞびぃっ、って。石が、物凄い速さで父の頬を掠めていった。
慌てて空に逃げる父と私。そこ目掛けて石を投げる母。
逃げながら「別にからかってるわけじゃないってぇえっ!!」と全力で叫ぶ父だけど、母はそれを聞いて余計に真っ赤に。
下から追いすがってまで石を投げてくる始末で、何も言い返さないところが怖いというか可愛いというか。
父も中庭の範囲から外に出ようとはせず、あくまで中庭の範囲の空から母への説得を続けている。
けれど、母が投げた石が絡繰の一部にカンッと当たり、父の意識が地面から絡繰に移った途端。
「おわっ、当たった!? 大丈夫か!? 壊れてないよな!?」
「───! ち、父上! 下っ! 下ぁっ!!」
「へ?」
慌てて下を見る父だけど、もう遅かった。
私が懸命に下、と告げている内に母は素早く行動して、一気に城壁の上へと飛び移り、壁を蹴って見張り台を駆け上り、一気に“横”と喩えるに十分なこの位置へ───えぇえええっ!?
『うゎあぁアッきゃあああああーっ!?』
一瞬見失って、気配を横に感じたからこそちらりと見た。
そこに、朱の君。
思わず叫んでしまった私と父は、きっと悪くないと思った。
結局、私と父は絡繰ごと地面に叩き落されて。
そんな母なる大地の上で、親子仲良く正座させられて、真っ赤なままの母にがみがみと説教をされた。
こんな自分を情けないなぁとは思うけれど、楽しくもあったことは事実なわけで。
ちらりと隣を見た時、同じ拍子にこちらを見た父と目が合って、笑った。
……母の説教の種が追加されたけど、似た者
一通りの悩み話だったので、30分毎の投稿で一纏めです。
いやー……相変わらず悩みすぎですね。
でも自分ならもっと塞ぎ込む自信がございます。
一介の学生に自分より格上の達人から世界の肯定を守れとか、人生やり直させてあげる代わりに一刀くんやってみてって言われても頷けるかどうか。
え? 代わりにハーレム? あっはっは、やだなぁ。あれはかずピーだから出来るんであって、一般ピープルな僕がかずピーの代わりになったって首が飛ぶだけですよぅ。