真・恋姫†無双 魏伝アフター   作:凍傷

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138:IF2/眼下の日常②

 食事が終わり、結盟の件でいつまでもいつまでもぺこぺこと頭を下げていた二人を見送りつつ……これからのことを考える。

 二人はこれから会議に向けての重要なお報せ的な書類を作るそうだ。

 凪は兵の調練。で、俺は…………昨日の仕事も、結局散歩が終わってからやっちゃったしなぁ。ええ、もちろん気絶から復活してから。

 さて、それはそれとして仕事なんだけど……探せばあるものの、迂闊に首を突っ込んだ仕事の仕方をすると、他の人の仕事を奪うことになりかねないし……そこのところが難しい。

 お小遣い目当てで街での“バイト”を支柱がするのもアレだしなぁ……うーん。

 

「邵」

「ここに」

「いや、ここにじゃなくて」

 

 厨房を出たあたりから後方に気配。

 呼びかけてみれば出てきた邵は、俺を見上げるやにっこり笑った。

 

「お呼びですか父さまっ! 私はべつに、父さまの首を狙ったりなどしていませんよっ!?」

「だから首って言い方やめよう!? 意味はわかるけど怖いよ!」

 

 首に抱き付くのが好きかぁ……面白い“好き”を持つ娘に育ったもんだなぁ。

 

「こほん。いやな、わざわざ待ってたみたいだったから、何か用なのかって思ってな」

「あ、いえその、用というほどのことではないのですが……ひとつ相談が」

「相談?」

 

 それが用なんじゃないか、なんてヤボは言いません。

 そんな細かさを気にしていたら、三国同盟の証なぞやってられませんので。

 立ち話もなんだし、東屋にでも行こうと言って歩く。途端に首に飛びついてきた邵に、「狙ってないんじゃなかったのかー?」と苦笑交じりに言ってみても、くすぐったそうに笑うだけで……返事らしい返事もない。

 ああ、本当に和解出来て良かった。出来ていなかったら、こんなくすぐったさすらずぅっと感じられなかったかもしれないんだから。

 軽く鼻歌なんぞを奏でながら、中庭を歩いて東屋へ。

 すとんと邵を下ろして自分も椅子に座ると、少し緊張した面持ちの邵が相談の内容を投げかけてきたのでした。

 

「───琮が?」

「はい。お気づきの通り、琮は……どうしてか父さまのことをお手伝いさんと呼んでいます。理由を訊いてみても、お手伝いさんだからですとしか言わないのです」

「お、オテツダイサン……」

 

 父ですらないのですか呂琮さん。

 や、俺も何度かお手伝いさん発言は聞いていたけど、冗談抜きで俺のことだったとは……!

 

「え、えと。それで、誰のことを父だと……?」

 

 誰が、いったい誰が?

 もし俺の前で琮に父上とか呼ばれている存在が居たならば、途端に俺の拳が血を求める可能性が……!

 

「いえ、それが、偉大なる父は死んだと」

「あれ本気だったの!?」

 

 お……おぉおおお……! まさか本当に死んでいることになっていたとは……! 校務仮面になってた時もそうだけど、凪からもそれっぽいことを聞いてはいた……けど、なにかの冗談だって思っていたのに……!

 

「え……じゃあ俺、琮にとっては……偉大なる父に成り変わろうと、姉妹に手を出す下衆野郎……?」

「と、父さま……さすがに下衆野郎は言いすぎです……」

「下衆以上御遣い未満か」

「返し辛い質問はやめてくださいっ!」

 

 でもね、邵。この都において、御遣いなんていじくられてナンボな立ち位置なんだ。割と本気で。それを考えると下衆以上御遣い未満って…………考えないようにしよう。

 

「で、その琮は? 一度そのことについて、じっくり話し合ってみようと思うんだけど」

「あ、それでしたら今の時間は───」

 

 言って、ちらりと東屋の屋根の端……空を仰ぐように上を見る邵。

 釣られて同じ方向を見てみると、城壁のさらに上の見張り台の、そのまた屋根の上で本を広げている小さな姿。

 

「……高いところが好きなのか?」

「高いところというよりは……琮は目がいいですから。遠くを眺めるのと本を読むのが好きなんですよ」

「へえ……」

 

 亞莎のようにキョンシーハットを被り、長い袖をそのままに器用にページをめくる姿。視線を感じたのか俺と邵に目を向けると……また本に視線を戻した。

 ……ほんと、一度話してみたほうがいいかも。そう思いつつ立ち上がり、邵にそういえばと声をかける。

 

「なぁ邵。琮が本と景色以外に興味を持ってるものは?」

「はい。なんでも仕事をサボって食べるごま団子だとか───はうあっ!? 父さま!? 何故急に崩れ落ちるのですか!?」

 

 なんたること……! 似なくていい部分が思い切り似てしまってるとか、なんたること……!

 よりにもよってサボリか! サボリ癖が似てしまったのか!

 聞いた途端に膝から崩れ落ちた俺に、あわあわと狼狽えつつ席を立つ邵に、大丈夫と言いつつ立ち上がる。

 どれもこれも話としては聞いたことはあったけど、全部が本当となるとダメージがデカい……!

 

(い、いや、まだぞ。全ての確信を得るまでは、落ち込むわけには……!)

 

 さあ質問を続けよう。主に希望を求めて。

 

「ほ、他に好きなこととか嫌いなことは……?」

「え? え、えと……好きなことは勉強で、嫌いなことは鍛錬……だったはずです」

「…………」

 

 わあ、俺だ。

 まるでこの世界に降り立って、戦いは無理だから勉強をと取り組んでいた俺のよう……!

 

「あ、でも琮はすごいんですよ? 目がいいのもそうですけど、身体能力もすごいんです。妙才さまや黄忠さま、黄蓋母さまが褒めるほどですっ」

 

 うん。気の所為だった。

 俺にそんな才能無かったよ。

 

「そっかそっか……どうしたもんかな」

「どうするもこうするも、父さまは父さまなんですから、どどんと向かっていけばいいのですっ! きっと琮も照れているだけに違いないですっ!」

「え……そ、そうかな。そう思うか?」

「はいですっ!」

「そ……そっか」

 

 少し勇気が沸いた。

 そうだよな、俺は……親なんだから。

 もっと構いすぎるくらい前に出るつもりでいかないと、このままじゃ本当にいつかお手伝いさんになってしまう。

 

「よし、じゃあ見張り台におわっと!? どうした邵───」

「え? いえ、私はなにも」

「あれ?」

 

 歩き出そうとした一歩が、服を掴まれることで止まってしまう。

 一緒に居たのは邵だからと振り向いてみても、そういえば引っ張られる方向と邵の位置が一致しない。

 で、振り向いてみれば…………三国無双様。

 

「ああ、ははっ、恋だったか。どうしたんだ?」

 

 ていうかいつの間に傍に?

 

「ご主人様……」

「ん?」

「…………、…………」

「恋?」

 

 目が合うと、まるで霞がそうするように、俯きながら両手の人差し指をついついとつつき合わせる。ぼーっとすることはあっても、こんな行動は珍しい。

 

「───」

「……」

 

 ちらりと苦笑とともに邵を見ると、邵はにっこり笑って席を外してくれた。

 ただし去る際には琮の方をちらりと見たあとにもう一度俺を見て。

 ……琮のこと、よろしくお願いしますってことだろう。

 

「それで、恋? どうかした?」

「…………ご主人様」

「うん」

「……恋と、勝負してほしい」

「───」

 

 うん、と言いつつにっこり、頭を撫でようと軽く持ち上がった手が、びしりと止まった。

 今……なんと?

 

「ぼっ……坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた……」

「……?」

「……ごめん恋。今、なんて?」

 

 大丈夫聞き間違いだ。だって理由がないだろう。

 きっとほら、あれだ。似たなにかが間違って耳に届いたんだ。

 ほらあるだろ? しょ、しょー……

 

「……恋と、勝負してほしい」

 

 うんわかってた。わかってたよ北郷。北郷自分に嘘ついてた。聞き間違いじゃなかったよ。

 

「勝負か。恋、なにで勝負したい? 叩いて守って? ババ抜き? それとも新しい、何かを使ったものを───」

「……模擬の武器……使う」

「………」

 

 必死に遊びのカテゴリに逃げようとしても無駄だった。

 こくこくと頷き、模擬の武器を使うと宣言する恋に、笑顔で返すほかなかったんだ。

 ああどうしようどうしよう。こんなことならこだわらずにバイトでもなんでもしておけば今頃は……!

 

「……癖だよなぁ」

「……? ご主人様……?」

「いや。……………………よしっ、やろうか、恋っ」

「……! ん……やる……!」

 

 あーだこーだ言って逃げようとするのは癖だ。

 けど、逃げてちゃ未来は築けない。

 困ったことに強くなる必要があるのだ……逃げてばかりじゃ始まらない。

 でもね、でも……なにもその一歩が三国無双じゃなくてもいいだろって思うくらい……許されるべきだよね……?

 

 

 

-_-/呂琮

 

 今日も陽の下で読書。

 とても暑く、むしろ熱い。

 けれど私は学んだ。

 お手伝いさんの言う言葉は正しい。

 人とは“じゅんのー”出来る存在。

 つまり暑さに慣れたくば、暑い中にあって、それが当然だと体に覚えこませることが大事。

 それが出来た時、呼吸法のひとつで……たとえば周囲が暑いと言う温度も、なんのことはなく過ごせる。

 ただし水分は摂るように。……お手伝いさんは本当に知識が深い。

 

「慣れてくると、うっすらと掻く汗が体を冷やしてくれる。いい調子です、さすが私。さすがお手伝いさんの知識」

 

 私はこうして知識を武器に、皆さんが暑い~だるい~などと言っている今を乗り切るのです。

 天国の父……見てくださっていますか。琮は……周囲より一歩を先んじて、なおかつさらなる知識を望む勉強熱心な子です。えへん。

 え? 武術鍛錬? 知りません。

 大体私は、目を向ければ鍛錬鍛錬と言う人が好きじゃない。

 まるで“私が知を磨くこと”が無駄だと言われているようだから。

 だから……こうして、今日も読書を。

 

「ふむむ、絵本も奥が深いですね……! 続きが気になって仕方がありません……!」

 

 鍛錬はサボっても仕事はする琮です、多少のお金はありますが……絵本を買うには足りません。

 どうしたものでしょう。

 公瑾さまなら持っているのでしょうが、貸す代償として鍛錬をしろと言われるのが目に見えています。それはいけません。

 

「ならばなにか、知識欲を満たすものを……あ」

 

 ちらりと中庭を見下ろしてみると、先ほどは東屋に居たお手伝いさんが奉先さまと戦っていた。

 ……? はて、邵姉さんは?

 

「琮」

「はわうえぁあああーっ!?」

 

 トンと背中をつつかれる。

 驚きのあまり絶叫してしまい、体勢まで崩してしまい、危うく見張り台から落ちそうになってしまった。

 

「しょしょしょっしょしょ邵姉さんっ! 気配を殺して後ろからはやめてくださいとあれっ……あれほどっ……!」

「鍛錬をしないからです。減点ですよ」

「はっ!? また黄柄姉さまの差し金ですか!? 黄柄姉さまはいつもいつも人が嫌がることをして! くぅうう……いつか眠っているところにご飯粒をつけて、起きた時に黄蓋母さまに“人が寝ている最中に食事とはいい度胸じゃ”と説教をされるよう、仕向けて差し上げましょう……!」

「琮が近づいた時点で黄蓋母さまが起きますよ」

「潜入は任せました、邵姉さん!」

「やりませんっ!」

 

 だめですか。人を散々と驚かせておいて、人のお願いは聞いてくれないとは……周邵姉さんも中々にいじわるです。

 

「琮、気配察知くらいは出来るようにしておくべきですよ? 遠くも見れて近くにも敏感。強くなれますです」

「では“こつ”だけ教えてください」

「そんなものはありません。努力あるのみですっ」

「じゃあいいです。私は知さえ磨ければ十分ですので」

「あぅう……」

 

 別に目が悪いわけでもないけれど、半眼になって中庭での攻防を見守る。

 奉先さまの攻撃を避けて、避けて、避けて……反撃しないお手伝いさん。

 

「うわー……速いですね」

「……お手伝いさんは相変わらず見事です」

 

 きっと、今は亡き父の姿に追いつこうと努力を続けたのでしょう。

 みんなが彼を父と呼んでいるのがいい証拠だ……きっと強くあることで、みんなを落胆させないために……私たちに気づかれぬよう表ではぐうたらを、裏では血の滲むような努力を……!

 もうあれですね、お手伝いさんは立派な人だ。

 

(そういえば……)

 

 偉大なる母によると、偉大なる父は輝いている人なのだそうだ。

 驚いた。人とは輝くのだなぁと。

 なんでも、良い眼鏡をかけて見てしまうと眩しすぎて直視できないほどに輝いているらしい。すごい、やはり偉大な父はその姿だけでも偉大なのだ。

 そんな父に会えなかったことは残念だ。

 この、無駄に視力だけはいい目で、その輝きというものを見てみたかった。

 ……実際にそうして、目が潰れてしまわないか心配ではありますが。

 お手伝いさん知識によれば、輝いていることを“しゃいにんぐー”とか言うらしい。なるほど、お手伝いさんが時折ぶつぶつと言っていた“しゃいにんぐ・御遣い・ほんごー”というのは偉大なる父のことだったのだ。

 きっと乱世の時代、敵国に夜襲をかける時もご自分の輝きにご苦労なされたに違いない。いや、むしろ堂々と戦ったのだろう。さすがだ。かつては後方で戦を見ていただけとも聞いたけれど、その際も全体を見ていろいろと知恵を絞ったに違いない。素晴らしい。

 ……うっ? いや、そうなると呉や蜀と戦ったことになるのだから、敵国ということに……うう。

 なるほど……偉大なる母のご苦労も窺えるというものです。かつての敵国の相手に恋をし、さぞご苦労なされたことでしょう。

 

「ふわー……父さますごいです」

「お手伝いさんはさっきから避けてばかりですが……なるほど、相手の動きを見切る練習ですね」

「おお、わかりますか琮」

「目にだけは自信があります。えへん」

 

 言いつつも、そうじゃないかと思ったことを口にしただけです。

 だって鍛錬嫌いですから、きっとそうなのだろうという知識しかありませんし。見切りなんて言われたってわかりませんよ。

 “よく見える”=“絶対に躱せる”ではないのですから。

 

「琮は奉先さまの攻撃、見えますか?」

「よく見えますけど、躱せはしません。それは絶対です」

「うう、もったいない……。琮はもっと鍛えるべきです」

「わかっていませんね邵姉さん。例えば私がどれだけ目が良くとも、鍛えた程度であれを避けられると思いますか? 思わないでしょう。見えていても事故は起こるから事故なのだ。お手伝いさんはとてもよい言葉を私に教えてくれました」

「あぁああ父さまぁあーっ!!」

 

 「話の切っ掛けが欲しかったんでしょうけど、失敗です、それは失敗ですぅうう……!」と、周邵姉さんが頭を抱え始めた。

 文謙さまもそうだった。

 なぜにこう、お手伝いさんの話題になるとみんな一様に頭を抱えるのか。

 そう思った時、ひと際大きい衝突音が耳に届く。

 ぱっと中庭へと視線を戻してみれば、吹き飛ぶ奉先さま───を追って、驚く速さで距離を詰めるお手伝いさん。

 何があったのかは……会話までは聞こえないからわからないけど、ちょっと珍しい。お手伝いさんが中庭で誰かと戦う姿を見るのは、もうあの日から数えれば一度や二度じゃあありません。

 その中でも、多少の距離を詰めることはあっても、吹き飛んだ人に目掛けて全速力というのは……やっぱり珍しいです。

 吹き飛んだ奉先さまも、いつもなら座った状態でお手伝いさんにぽこりと頭を叩かれて負けを認めるだけだったのに、今日は体勢を崩しもせずにお手伝いさんを迎え撃っている。

 

「え、え……? いつもならこれで終わるのに」

「すごい……お手伝いさん、本気です」

 

 いっつも本気ではあったと思う。

 けれど今日のお手伝いさんは……ううん、むしろ奉先さまから感じる気迫がいつもと違う。

 まるで強者を倒さんとするその眼光は、いっそ怖いと思ってしまうほどで───その気迫のままに攻撃をするけれど、お手伝いさんはそれを避けて、いなしてを繰り返す。

 いなす場合は一撃一撃に体を持っていかれているけれど、当たってしまえばほぼ一撃。だったらたとえそうでも無事でいられる方を選ぶとばかりに……氣がどうとかはわかりませんが、見たままの攻防にそのままの感想を述べるなら、すごいの一言。

 

「っ───二ぃいいい回目ぇえええっ!!!」

 

 お手伝いさんの絶叫がここまで届く。

 と、奉先さまの武器の長柄の部分を左手で受けたお手伝いさんが、右手の木刀で奉先さまを吹き飛ばす。

 すぐにまた追うのかな、と思ったけど、受け止めた左手が痛かったのか、腕をばたばたと振るだけで追うことをしない。

 そうこうしている内に奉先さまが走って戻ってきて、その勢いのままに武器……ほうてん、なんでしたっけ、を振るう。

 お手伝いさんはそれを棒立ちのまま迎え入れて……凝視っていうくらいに奉先さまの……肩? を見つめて、振るわれたそれに一瞬で手を添えると、力の向く方向を奉先さまに向けて、……わあっ!? 返した!? すごい!

 結果として大振りの空振りに終わって、体勢を崩した奉先さま───の、がら空きになった脇腹にそっと手を添えた。

 

『あっ!』

 

 周邵姉さんと声が重なる。

 あれは確か、曹丕姉さまと校務仮面さんが戦った時に、校務仮面さんがやった技───そう記憶を過去に遡らせた瞬間には衝撃が徹ったようで、奉先さまがお腹を庇って後ろに飛ぶ───のを追って、その首に木刀を突きつけた。

 ……すごい、あの奉先さま相手にあれだけ───あ、あれ? 優勢に見えるお手伝いさんのほうが、物凄く息を荒く肩を上下させてます……どうしたんでしょう。

 

「邵姉さん、あれは……」

「奉先さま相手にあれだけの行動ですから……それはもうずうっと緊張しっぱなしの筈です。というか奉先さまの攻撃の速度に合わせて手を動かして、武器に手を添えるなんて無茶苦茶ですよ……」

「あれはどういった技なんですか?」

「アイキ、とか言っていた気がします。父さまお得意の“出来たらいいな講座”で語られた技です。相手の力に自分の力を乗せて、相手に返すというものらしいですけど……下手をすると自分が空を飛ぶか、危うくて大怪我、絶命の可能性を考えれば、成功させても精神的に疲弊するのでは……」

「………」

 

 それはなんというか、だめなんじゃないだろうか。

 けれど返して見せた。すごい。

 

「?」

 

 決着がついた……と思ったのに、奉先さまがまた構えた。驚愕のお手伝いさん。

 それからはまた攻防が始まって…………


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