真・恋姫†無双 魏伝アフター   作:凍傷

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27:蜀/それが大切なものだと気づいた時、人は少しだけ強くもなり弱くもなる①

51/それが大切なものだと気づいた時、人は少しだけ強くもなり弱くもなる

 

 すぅ……と息を吸い、ざわめいていた心を落ち着かせる。

 そうしてから真っ直ぐに関羽さんの目を見て、はっきりと。

 

「俺が帰ってきたいって願ったこの大陸。三国が手を取り合うことで守っていける、今この場にある平穏が……きっと俺の拠り所だ」

「……人ではない、と?」

「うん。俺は家族を置いてこの大陸に下りた。最初は偶然、次は望んで。それは本当の意味での家族との別れであって、俺はこの大陸で生きることを望んだ。そして今、俺はこの三国を御遣いとしても北郷一刀としても、もっともっと豊かで平和な場所にしたいって思えたから」

 

 だからこの大陸こそを拠り所に。

 三国何処へ行こうとも───自分が、皆が微笑んでいられるような、そんな場所を作りたい。

 そう。手を繋ぎ、国に返すことで。

 

「……? 待て。見つかった、と言ったな? それまでの拠り所はどうだったのだ?」

「拠り所っていうか……依存だったのかなって。確かに与えられた仕事もやってたし、警備隊の隊長としてやれるだけのことはやってた……はずなんだけどさ。魏を離れてからの自分を振り返ってみると、もっと出来ることがあったってことに気づけて……はは、関羽さんと同じだ。俺もその時の自分で満足してたんだ。警備隊が天職だ~みたいに考えて、それ以上もそれ以下も求めなかった」

 

 民を守ることは大切なことだ。疎かにしていいことじゃない。

 でもそれが出来るのは俺だけってわけじゃなく、それが凪に委ねられたところで、俺よりももっと上手く出来ると確信が持てる。

 凪を信じればこそ、真桜や沙和を信じればこそ。

 現に呉へと出発する前に見た許昌は穏やかなもので、それが警備隊によってもたらされたものだと理解したら───俺じゃなくてもそれは出来るってことだから。

 

「俺は知識を提供することで役に立てた。警備隊のことも、地盤さえ出来ていれば信頼のおける誰かに任せることで誰でも担うことが出来る。もちろんがっつくみたいに出世したいとか、そんな願望はないよ。俺はただ、役に立てるところで役に立ちたい。利用できるところがあるうちは使ってくれって、最初に華琳に言ったようにさ」

 

 じゃあそれが“利用”の域から出ることができるとしたら?

 華琳が利用ではなく、信頼から俺のすることに頷いてくれるのなら、俺はいつまでも自国の民や兵の笑顔で満足していていいんだろうか。

 大それたことだっていうのはわかりきっていることだし、言うほど思うほど簡単じゃないことだってわかりきっている。

 現状からの進歩を望みすぎれば、待っているのは自滅や落胆ばかりだろう。

 そんなことを起こさないためにも、彼女は───華琳は言った。

 頬を引っ張ったりいろいろと騒ぎながら、だったけど……うん。根回しはいけないよな、華琳。

 

 自分で“これはいい考えだ”って思っても、それは否だと言ってくれる人が居る。自分一人で決めて、上手くやれるのは素晴らしいことだし、正直そんな自分で居たいなーなんて幻想も抱くけど……理想の自分に溺れるだけじゃあ結果は残せない。

 そのために判断をくれる王が居て、本気で怒ってくれる仲間が居る。

 だから……これまた格好悪くて情けない答えになりそうだけど、まずは華琳に直接訊こうか。手紙でもなんでもいい、“俺はこうしたいんだけど、お前はどう思う?”って。

 返ってくるものが笑顔だろうが罵倒だろうが失笑だろうが、全部受け止めた上で目指してみよう。

 

(根回しとは少し違うけどさ。もし好き勝手にその、他国の人に手を出したりなんかしたら……)

 

 ……うん。なんだろうなぁ……首のあたりがスースーする。

 それでも答えはそれなりに纏めることが出来た……と、思う。纏めたことを報告して、その上でこう思うんだけど、って訊いて……まあその、根回しにならないように確認を、とろうか。

 よし。じゃあこれからは───

 

(魏や華琳を理由にしないで、きちんと俺として向き合おう)

 

 それが俺に出来る、俺らしい在り方のはずだから。

 普通だ普通、今までの自分で。その、構える必要なんてきっとないぞ?

 桃香だって言ってたじゃないか、“もしも”って。

 なにも本当に俺が大陸の父になるって決まったわけじゃない。

 というかそもそも俺なんかがそんな大それたものに宛がわれるはずが……そう、そうだようん……浮かれるな、北郷一刀……求められていた時に魏を理由に逃げていた俺が、気づけたからって受け入れますとか言えるはずも、受け取ってもらえるはずもないじゃないか。

 この際、大陸の父とかそういうのは忘れよう。

 俺はただ自分として、自分に出来ることをこなしていく。

 鍛錬や人脈によって出来ることが増えたなら、もっと出来ることを増やして、笑顔を増やしていこう。

 好いた惚れたよりも、天の御遣いとして世と人の心に安寧を。北郷一刀として、人々に絆ってものの暖かさを広めていこう。

 出来るかどうかよりも、まずは立ち上がるところから。

 

「関羽さん。えっとその……いきなりでなんなんだーって思うだろうけど、聞いてほしい」

「ああ、聞こう。いろいろと考えていたように見えたが、纏まったと受け取っても?」

「ん。で……その、えーと……うん。お、俺……さ。たた大陸の父の話、受けてみようと……思う。あっ、もちろん重要なのは、俺が三国の支柱になるってところね!? 男と女って関係よりも重要なのはそこということでっ……!」

 

 偃月刀を向けられてはたまらないと、すぐに自分で自分の弁護に回る……が、関羽さんは真面目な顔で続きを促すだけだった。

 

「……それは。いったいどういう風の吹き回しでだ?」

 

 話が始まってからは否定的な態度や言葉ばかりだった俺に対し、それは何故なのかと真正面から問うてくれる。

 ありがたい。聞く姿勢を取ってくれない人って中々多いから、この冷静さがとても嬉しかった。

 

「俺に出来ることを探すため……かな。俺は俺に出来ることで、いろんな人の笑顔が見たい。些細なことで微笑むことの出来る世が欲しい。けどそれは、宴の中で桃香が言ったように、自国の中だけで手を伸ばすだけじゃあ叶わない夢だ」

「……うむ」

「警備隊の仕事を、俺は誇りに思ってる。自分が警備することで、安心していられるって喜んでくれる人が居ることが嬉しい。誰かを守れてるって自覚出来た時、たまらなく嬉しかった。だから……そんな喜びを、安堵を、もっといろいろな人に知って欲しいって思った」

 

 手を繋げる喜びを、安心して暮らせる喜びを、もっともっといろんな人に。

 それは自分の素直な気持ちであり、そこには誰かに好かれるためだとか、そんな打算的な考えはちっとも沸いてこなかった。

 笑顔があればそれが嬉しい。笑顔で溢れる街を、城を思い浮かべるだけで、心がとても暖かくなる。

 民だけじゃない、兵にも将にも、そして王にとっても……暖かな笑顔を浮かべられるような、平和な大陸をみんなで築いていけること。

 それを思い描くだけでもこんなにも心が躍る。

 一国だけじゃあ全てが揃えられないのなら、三国全てが協力して作り上げる平和。それを、国に生きる一人一人が国へと返すことで築いてゆく。

 やさしさだけでは届かないから厳しさがあり、厳しさだけでは築けないから統率があり、統率だけでは築けないからやさしさがある。

 そうして三国で支え合いながら、ゆっくりと目指せばいい。

 みんながみんな夢を見れば、理想にだってきっと届くから。

 

 ……と、そういったことを真面目な顔で関羽さんに話してみたわけですが。

 

「…………失礼だが。そんな貴方が何故曹操の傍に居られた……?」

 

 そしたら本気で不思議に思っている顔で、そんな質問をされた。

 桃香の理想を折られた関羽さんにしてみれば、それは当然の疑問だったんだろう……なまじ似ていると思う俺からの、こんな理想だらけの言葉だ。不思議に思って当然だ。

 

「えーと……実はね、俺は華琳に拾われてから少しした頃、理想を語る口をボキリと折られたんだ。“国を越えて仲良くすれば、飢饉も争いも無くなるだろ?”って言った矢先に」

「……それは」

「俺は、俺が降り立った瞬間のこの大陸とは、真逆って言っていいほどに平和な世界に住んでたんだ。乱世を生きる人々の苦しみをよく知りもしないで、理想だけを口にする。そんな生きかたをしていた。桃香は苦しみを知っている分、俺よりも立派だったろうけど……それでもきっと、俺が桃香と同じことを口にしたところで、華琳がその場で口にする言葉は変わらなかったんだと思う」

「理想にすぎない、と?」

「うん。俺が生きる国は平和だった。戦なんてものはなくて、小さなことで悪友と笑っていられるような、本当に平和な場所だ。でもね、関羽さん……そんな場所でも、みんな仲良しってだけで成り立っている平和じゃないってことくらい、子供でも知ってる。俺はそれを、華琳に言われるまで本当の意味で気づけていなかった」

「………」

 

 そう。それに気づけたからこそ、俺は自分の世界と乱世とのあまりの差に愕然とした。

 理想は……確かに眩しい。苦しみの中で、そんなものを目指す人が目の前に現れてくれたなら。そんな人が、確かな力を持っているのなら、その人に賭けてみたいと思ってしまう。

 現実は残酷だっていうのに、一つ、また一つとその人が目指す理想への階段を上れば、周りはきっと願わずにはいられない。

 俺も連れていってくれ、私も連れていってくれと願うだろう。

 

  ───でも。やっぱり現実っていうのはやさしくない。

 

 やさしさだけで乱世に平和をもたらすのならば、誰かが鬼にならなければいけなかった。

 全てを救うことは難しい。いや、出来ないと言ってもいいくらいだ。

 けれど理想を振り翳してしまった時点で、手からこぼれてしまう誰かを見捨てちゃいけない。

 全てを受け止め、全てを守り、全てを理想が存在する高みへと連れていかなければいけない。

 ……明るいところだけに目を向けて、助けたつもりで笑っているだけじゃあだめなんだ。

 そう心に誓ったところで、暗いところで餓えに苦しんでいる人、自分の知らない場所で悲しむ人の全てを助けることなんて出来やしない。日本で頑張る自分に、遠い国で飢餓や疫病に苦しむ誰かを救うことが出来ないのと同じように。

 

「奇麗事は、名前の通り綺麗で眩しいよ。でも、どんな綺麗事も綺麗なままで保つのはとても難しい。保っていたつもりでいても、気づけば(ひずみ)が出来ている」

 

 それを気づかせてくれる誰かが傍に居ることは、きっと何ものにも代えがたい喜びだろう。

 俺は、そんな理想が志に変わる前に叩き折られた。

 ……それで良かったんだと思う。

 やさしくなるのは戦が終わってからで十分なはずだから。

 

「……では。一刀殿も桃香さまは王になるべきではなかったと?」

 

 ……真っ直ぐに俺を見る目があった。

 それは、言い訳や言い逃れを逃そうとしない、真面目な目。

 向けられるのは当然か。自分が信じた志を真正面から否定された気分だろうから。

 

「華琳はああ言ったけど、俺は“なるべきではなかった”とは言わないよ。桃香や関羽さんたちのお陰で救われた人はたくさん居る。大国を築けるまでに進化したソレは、ある意味で桃香の理想が叶ったって言ってもいいくらいだった」

「ではっ……!」

「それでも、全てを笑顔にしようとするには急ぎ足すぎたんじゃないかって思う。赤壁での策が成功に終わっていれば、負けてたのはきっと魏で……俺はそんな歴史に“自分”を懸けて挑んだ。じゃあ、桃香は“すぐそこにある理想の成就”のためになにをしてきただろう」

「……あ……」

「あと一歩があれば、赤壁の策が成らなくても桃香や雪蓮が勝っていた。あと一歩が足りなかったんだとしたら、それは桃香自身にある。自分には武の才が無いからと最初から諦めて、鍛錬をしなかった彼女に。もし才を気にせず懸命な努力で武を身に付けていたとしたら、華琳との一騎打ちに勝てたかもしれない。勝って、華琳が言うように武で納得させた上で……手を伸ばして、理想の天下を手に入れられたかもしれない」

「………っ」

 

 適材適所って言葉がある。

 それは、何かを自分より上手く出来る人が居るのに、自分でやってはいけないって効率的な答えや話に繋がっている。

 経済や難しい事柄に関しては、確かにそれは当てはまって作業の滞りを無くしてくれるだろうけど───それが戦に変われば、王と王の一騎打ちともなれば、誰かに“私は戦が出来ないから変わって”なんて言えるはずもない。

 理想ってものに壁があるのなら、桃香にとってのそれは華琳との戦いで……それに向かい合おうとしないのならば、理想を信じて付いてきた人が報われない。

 

「やさしいから武を持たない……それじゃあ生きていけない世界が確かにあった。終始“武”では戦わなかった俺が言えることじゃないけど、必要なことではあったんだと思う。あの時ああしていればって思いはきっと強い。思い出して悔し涙を流すこともきっとある。で……行きつく果ては、“自分以外ならもっと上手くやれてたんじゃないか”。そんな自分に辿り着くんだ」

「否だっ! この道は桃香さまだからこそっ! 私は桃香さまだから、ここまでっ……!」

「……うん。そんな関羽さんや、今でも桃香を支える将や兵、民が居るから。俺は桃香は王になるべきじゃなかったなんて思わないし、言わない。なるべきだったとは言わないけど、なってよかったんだとは断言できるよ」

 

 言えた義理が俺にあるのかもわからないこと。

 それを関羽さんは真正面から受け止め、目を伏せていた。

 俺自身も目を伏せていて、それは“今まで散々と悩んでいたくせに、他の人のこととなれば頭が回る”ことに対して頭を痛めている瞬間でもあった。

 そのくせ、気づいてと言われても気づけなかったりわからなかったりで、ああもう本当に馬鹿野郎、と毒づきたくなったりしている。

 

「人のことを口にするのは楽なのに、自分のことは難しいなぁ……。俺なんか、理想のために自分を削ることしか出来なかったのに……ごめん、関羽さん。キミの志に偉そうなことを言った」

「……いや。あの方はやさしかったが、やさしすぎたのだろう。責があるとしたなら我らだ。武は我らが、と……桃香さまが成長する機会を知らずに奪っていた。足りなかった一歩を想定することもせず、現状で満足していたのかもしれん」

「はは……それは気づけるほうがすごいよ。桃香の徳で人が集まっていたなら、それは余計にだし……逆に桃香が鍛錬ばっかりしていたらどうなってたのか、想像してみると案外怖い」

 

 なにせこの世界の女性は男よりもよっぽど強いから。

 それは民にしたって同じで、呉の饅頭屋のおふくろとかはもう親父でさえ恐れるほどだ。

 今考えている強さの意味からはちょっと外れているかもだけど、うん。女は強い。

 そんな人に俺なんかが鍛錬を……って……あとでどうなるんだろうなぁ。

 でもそっか、趙雲さんが桃香を鍛えてくれって言ってきた理由、わかった気がする。

 ただ泣いていたからってだけじゃない。桃香も自覚があったから「やる」って頷いてくれたんだろう。

 

「俺も頑張らなくちゃな……大陸の父になるためじゃなく、きちんと支柱でいられるために。……ち、父になるかどうかは、むしろそこらへんにかかってるんだと思うし」

 

 父になるため……つまり女性を迎えるために強くなるっていうのは、その……かなり違うと思う。

 むしろ女性の前で言う言葉じゃないだろそれ。

 顔が灼熱するのを自覚しながら呟くと、関羽さんはそんな俺を見てくすりと笑った。

 

「いや。貴方ならきっといい父になれるだろう。というより、貴公ならばと頷ける。……やさしいだけでは駄目だった。それは桃香さまに対する私達にも言えたことだったのだな。貴公なら、それを桃香さまに教え続けられると信じている。だから、どうか……御遣い殿。貴方は己を疑わず、魏の御遣いではなく三国の御遣いとして、北郷一刀殿として在っていただきたい」

「い、いやっ……支柱になれたらとは思うけど、蜀のみんなが納得するかどうかなんてっ」

「それはこれからの一刀殿次第だろう。が……なるほど。もし桃香さまと一刀殿が結ばれることがあれば、一刀殿は我が主も同然と───……」

「………」

 

 ああ、なんだろうこの嫌な予感。

 笑顔のままに冷や汗が流れて、とっても嫌な感じです。

 関羽さん? なんなのでしょうかその悪戯っぽい笑みは。趙雲さんあたりがしそうな妖艶な笑みは、貴女には似合わないと思うのですがー……。

 

「支柱になるも、大陸の父になるも、それは一刀殿次第。だが、そんな父を桃香さまが受け容れるかは桃香さま次第……私がとやかく言えることでは……今はない。その、その瞬間になれば突然口にすることもあるだろうが、それはその、受け止めてほしい……というか」

「う、うん……」

「だ、だがもしそうなれば、言った通り貴方は我らの主になるわけであり……ふふっ、慣れるためにもこれからはご主人様、とでも呼びましょうか?」

「やめてくださいっ!? 華琳に知られたらいろんなものが飛びそうだっ!!」

「ふふっ、失礼。遊びが過ぎました」

 

 の、割には敬語のままですよー……?

 まさかこれからは敬語で突き進むとか……ないですよね?

 

「今日、この場に来てよかった。理解出来ることもあり、頷けることもあった。天の御遣いは真実御遣いであると同時に人でもあり、我らと同じく悩み、苦しみ、その上で人々の平穏を願っていた。私には……それが嬉しい」

「……関羽さん……」

 

 どこか吹っ切れたような、軽いとっかかりが取れたようなスッキリした笑顔。

 そんなものが自分に向けられていて、ドキリと来ない人は居ないと思う。

 なにせ笑顔よりも冷たい目線を向けられることが多かったのだから。

 俺としてはもう、覗きのことを許してくれるだけで十分なんだけど……あの関羽さん? 何故そこで照れたような笑みをこぼしますか?

 

「やさしさと、己の無力……そして、向上心を持つ貴方ならと思える。どうか桃香さまの迷いや未練を取り払ってほしい。私はもう、あの方の涙は見たくない」

「………」

 

 どこまでも真っ直ぐに、真剣に。

 人にものを頼むことなど滅多にしなかったんだろう。自分の無力さに恥じ入る部分もあるのかもしれない。

 だっていうのに、その上であの関雲長が頼んでいる。他の誰でもない、俺……北郷一刀に。

 それは、いったいどれほど誇っていいことだろう。

 自分が信じた人、自分の武に志をくれた人を頼むと言われ、俺は───

 

「……うん。きっと」

 

 男の沽券だとか意地だとか、そんなものはかなぐり捨ててでも……それは受け取るべき意思なんだって感じた。

 損得ではない、器用ではない彼女のために、自分に出来ることをと。

 無力を知り、それでも道の先を願わずにはいられなかった……歩む道は違ったけれど、最初に求めたものは同じだった似た者同士として、彼女の助けになることをこの場で誓った。




 G級のオストガロアさんがハチャメチャに強い……!
 ラオシャンロンさんは武器なんて正直なんでもいいって感じで討伐できるのに……!

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