One day’s things   作:acidaq

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気の赴くままに書きますので遅筆です。
よくて1週間に1度の更新だと…。
誤字脱字とうございましたら気兼ねなく教えて頂けると助かります。


Prologue:day-0

「発端」

 

「はぁぁー。彼女欲しいなぁー。」

「いや、どーせ司のことなんだからすぐに彼女のひとりやふたり、出来んだろーが。顔は整ってるんだし。」

「そうは言っても、現実はそこまで甘くないのです。」

俺が帰宅中に空に投げかけた一言に、光輝が皮肉っぽく返してくる。

 

自己紹介が遅れた。俺は橘 司(たちばな つかさ)。一応高校生。

興味のあることは…まぁ、いろいろって言っておこう。

年頃の男の子にも、いろんな秘密はあるからね。

で、今言った光輝ってのは、森田 光輝(もりた こうき)。同級生かつクラスメイトってわけ。で、中学校も同じだったから、そりゃあ仲はいいわな。

 

「共学って言ってもすぐにカノジョができるわけでもねーし。少ない男子校に言ったやつでもカノジョできてるやつもいるし。なんなんだこの世界。俺の描いていた充実した高校生ライフを返せぇ!」

溜め込んでいた高校生活への恨みをとにかくぶちまけた。

 

高校に入学して早くも2ヵ月。

中学校時代は高校入学後1週間以内にかわいいかわいい彼女ができて、部活でも活躍して…って感じの充実した高校生ライフを送ってやるぜ!って思っていた時もありましたよ、ええ。

 

今になって思う。

その頃の俺、目を覚ませ。

 

都内有数の進学校に進学した俺。中学受験しとけば楽だったのになぁ…。と、いまさらながら死ぬ気で勉強していた中学校時代の生活を思い出す。

 

中学校で遊べなかった分、高校こそは「はっちゃけてやる!」と思った矢先にこれだ。そりゃ精神的にも来る。

これってなにか?今の状況に決まってる。

 

彼女はできない上に、部活も先輩には遠く及ばず、レギュラーで活躍できるなんて夢物語は一日にして砕け散った。

そして何よりもきついのは、人間関係の軋轢。

 

中高一貫校で高校から入ってきたヤツは、中学受験をした人たちから見ると別人種、は言いすぎか。しかも不適切。よそ者、だな。これがいい。

 

既にグループとスクールカーストが存在している中に、よそ者の入る余地はないに等しい。

 

まったく、とにかくイライラする。

もちろん、うまくやれていないわけじゃない。むしろ逆も逆。気を使いすぎて疲れている。

 

くっそー、すっきりしてえ。

 

「あああぁぁぁぁーーー!!!」

ごちゃごちゃは全部吐き出しちまえ!

 

俺はそうに思うや否や、空に向かって言葉を投げつけた。言葉?いや、言葉ですらない。悲鳴だ。叫びだ。

あぁ、とにかく。すっきりしたぜ。

 

「こいつ影でモテてるの知ってて言ってるのか?いつか刺されるぞ?凛に美香に紗菜に…。それと…。」

「ぶつぶつぶつぶつ何言ってんだお前。あ、そだ。

叫んで気分が晴れたかどっか寄らね?」

「よし、乗った。奢りな。」

「いいだろう。この司様が奢ってやる。」

「やーりー!この前から気になってた店があるからそこでいいっすか?」

「んじゃ、そこに行くか。」

「『棚ぼた』だぜ!やったね!」

 

移動することしばし。

新宿駅周辺にある飲食店を2人ではしごしてやろうと意気込んでいた俺らではあるが、今日のオサイフである俺の懐事情とお互いの腹の事情で2軒目でギブアップ。

 

一応1軒で終わらなかったからはしごをしたことにはなるのだが、なんとも納得がいかない。

飯を食う時も、当たり前だけど俺らは相席なわけで。

 

「そういや司、さっきはあんなこと言ってたけど、実際どうなの?」

「あ?なんのことだ?」

「えー?だからさ、カノジョがどうこう、ってやつ!」

「あー、カノジョね。うん。あれは俺が高校生活の中で抱いていた恨みを吐き出してる時に出た単語であってだな…」

「つまり、司はカノジョ、いらないわけ?」

「っ!ばっか、誰が彼女いらないなんて言ったんだよ!必要だわ!めっちゃ必要!」

「ふーん。そっかそっかー。ふーん?」

 

光輝が意味深げな視線を向けながら、自分の前に運ばれた飯に目を輝かせる。といっても、そこらにあるようなちょっとした喫茶店の中だけど。

 

「それ、どういう意味だ?」

「ベーつに。ただ、ひとつアドバイスをすると…。」

「…なんだ?」

「まぁ、もうちょっと周りに目を向けてれば、すぐに君のお望みの関係になれる女の子がいるよ、かな。」

「へ?は?うそ?マジ?誰?だれだれ??」

「その子は自分で見つけろよ、な?」

「ちっ。」

 

ひどく落ち着きながらも、俺をからかってくるような、それでも優しさの込められた視線を投げる光輝に、俺は舌打ちくらいしか返す余裕がなかった。

(俺のことを、そんな気持ちで、見てるやつが、いる、だと…?)

誰だ、誰だ。一体そいつは誰なんだ…。

 

頭の中でまったく同じ問が10周も20周もくるくる回る。

(ダメだ、わからん。)

あっという間に時は過ぎ、光輝に与えられた「難問」に心と頭を奪われたまま帰宅。

光輝と家の近くまで来て別れた時も、ずっとずっと同じ問が、俺の思考をがんじがらめにしていた。

 

もしかしたら、俺に、”初めての”カノジョが…?

やめだやめ。こんな考え。

第一、光輝がただ単に俺をからかってきてるだけだったらどうする?

俺が恥をかくだけだ。

 

んー、でも、

 

光輝に限ってそんなことをするとは思えないんだよな…。

というか、あいつに嘘つかれたら俺は間違いなくシバく。そしてシメる。

 

「やっぱり俺の高校生活は、ロクなもんじゃないかもしれないな。」

俺はただ一言、言い残して、深い深い眠りに落ちた。




というわけで。

これからよろしくお願いします(?)

★編集情報★
2.10 適度な改行と登場人物の読み(ルビらしきもの)を振りました。
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