ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方Projectの二次創作です。

私の説明力が無さすぎて言いたいことが伝わらない可能性が大きいです(涙目)


【第37話】根比べ

「紫様!」

 

八雲紫の式神である八雲藍は、紫をみながら心配していた。

 

「大丈夫よ…まさかスーパーサイヤ人になってここまで気が上がるとは思ってなかっただけ」

 

紫は幻想郷に強力な結界を張った。その結界はベジータの〝気〟で作られており、現在幻想郷に張られている結界よりも丈夫なものだった。

 

 

「この指輪に貯めてた〝気〟で結界を作ろうとしたのはいいけど…まさかこれほどまでの力が必要になるとは思わなかったわ」

 

バラバラに壊れている指輪をみてから紫は呟く。

 

紫は『力の封印』時に指輪に貯めた気で結界を張ろうとしたが、その結界を紫では扱うことができなかったのだ。

 

しかし指輪にはベジータの〝気〟が込められている。

なので紫はそのベジータの〝気を操り〟結界を作って幻想郷に張ったのだ。つまり、溜めていた〝気〟の大部分で結界を作り、後の部分の〝気〟で結界を張ったのだ。

 

そして指輪には2つの効果がある。

 

1つはベジータの〝気を〟蓄える(・・・)こと。

そしてもう1つはベジータ自身の〝気〟を指輪をはめた対象者が操れる(・・・)ようにすることだ。

 

操れるといっても力を引き出せるのはより〝気〟のデカイ方だ。『力の封印』をしていて、かつ普通の状態のベジータなら紫の方が〝気〟が大きく、力を引き出すことができる。

しかしスーパーサイヤ人となれば話は別だ。当然の如く紫よりベジータの方が〝気〟がデカイため、紫はベジータの力を使えなくなったのだ。

 

そしてベジータがスーパーサイヤ人になった衝撃に耐えられず指輪は壊れてしまった。力が均衡していたのならこうはならなかっただろう。

 

「紫様…これで彼はもう…」

 

「ええ。『力の封印』をしてはいるけど…これで正真正銘ベジータを止めることはできなくなったわ」

 

遅かれ早かれこうなることはわかっていたので、それほど衝撃的なことではないと紫は思った。

 

同時に藍もあることに違和感を覚えていた。

指輪をはめ、ベジータと〝気〟で力の引っ張り合いをしていた紫に対してである。

いくらベジータがスーパーサイヤ人になったとはいえ、こんなにも一方的になるはずがない。要するに紫の力はこんなもの(・・・・・)ではないとわかっていたのだ。

 

 

「……彼は大丈夫なんですか?無茶な戦いをしていそうですけど」

 

 

「相手は恐らく霊夢だから大丈夫…だといいわね…」

 

 

よくよく考えると不安しかない…と紫は今気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夢想天生…」

 

霊夢が小さくそう呟くと、ふわっと少し浮き上がった。心なしか先ほどより霊夢が透明質に感じた。

 

 

「………」

 

今までとは雰囲気がまるで違う霊夢をみたベジータは、2、3歩後ろに下がり様子を伺っていた。

 

ベジータほどの戦闘経験があれば、相手がどんな技を使ってもすぐさま対応できるので間を置く必要はない。しかしそのベジータですらも何も考えずに突っ込むのは躊躇うほど、今の霊夢は〝異質〟であった。

 

 

「どうしたの黙り込んじゃって。怖気ついた?」

 

霊夢はまたベジータを挑発する。しかし決して油断をしているわけではない。状況を冷静に把握していた。

 

 

「一応聞くが…どんな能力だ?」

 

「……さあね。お高くとまってる誰かさんの鼻をへし折る能力とかどう?」

 

「…フンッ」

 

自分の能力を意味なくペラペラと喋る者などいるわけない。

 

 

「はあああああッ!」

 

 

霊夢は自分が動くまで動かないと察したベジータは、気を高めまっすぐに向かっていた。

霊夢とあの少しでぶつかると思ったところで高速で後ろに回り込み、うなじにめがけてパンチを繰り出した。

 

 

 

「っ!!?」

 

 

確実に当たると思った拳は、霊夢に当たることはなく空振りとなった。

もちろんベジータが目測を誤ったなどということではない。

 

 

「…無駄よ。アンタの攻撃はもう当たらないわ(・・・・・・)

 

「(攻撃が…すり抜けた…)」

 

 

ただ単にパンチが当たらなかった訳ではない。まるで煙のようにすり抜けたのだ。

 

 

「はああッ!」

 

今度は霊夢に向かって気弾を放った。

 

 

しかし───

 

 

「無駄だっての」

 

 

 

当たらない。

 

気弾は霊夢をすり抜け、後方に聳え立っていた大きな木にぶつかって小爆発を起こした。霊夢はその光景を当然のように見ている。

 

 

 

 

「気弾はダメか」

 

「気弾()よ。殴ろうが蹴ろうが今みたいな弾幕だろうが私にはもう当たらない」

 

『夢想天生』とは霊夢の技であり、霊夢自身が不透明な透明人間になり、どんな攻撃すらも当たらない。すなわち無敵になるものである。

 

 

「(どんな技かは大体想像がつく。だが対策ができるかといったら微妙だな…面倒だぜ)」

 

考えながらも再び霊夢に向かって攻撃を仕掛ける。しかしパンチもキックも霊夢には当たらない。

 

「はッ!」

 

ベジータの攻撃がすり抜ける中、霊夢はカウンターを仕掛ける。ベジータの隙を見つけそこへ蹴りを入れたのだ。

 

 

「ぐっ…きさま…」

 

「…今みたいにアンタの攻撃は当たらないけど私の攻撃はアンタに届く。わかったでしょ?私は無敵なの」

 

夢想天生を解いた霊夢がベジータと距離を置いて言った。

 

 

「無敵だと?」

 

「ええ。だってそうでしょ?事実アンタは私に手も足も出てない」

 

「なめやがって…これからだッ!」

 

 

気を高め超スピードで霊夢に向かう。しかしどんな攻撃を当たるわけはなく虚しくすり抜ける。

 

「しつこいわよッ!」

 

「っ!!」

 

 

霊夢はベジータの腹に拳を入れた。そして軽くフラついたベジータに大量の弾幕を撃った

 

ベジータは至近距離であったことから防御もままならずまともに食らってしまった。全身から煙が出ており、服は若干焦げていた。アリスが見たら絶対に怒るだろう。

 

 

「諦めなさいよ。これ以上やったところで結果は変わらないわよ」

 

 

「ククク…諦めるだと?それなら死んだほうがマシだ」

 

「(確かにあの技を使った霊夢に攻撃を当てる手段はない…なら〝あの一瞬〟を狙うしかねえ!)」

 

会話をしながらベジータは考えついた。霊夢の倒し方を。

 

「こんなことで死んで何になるのよ。潔いほうが身のためだと思うけどね」

 

「フン…くだらんな」

 

 

「…はぁ。アンタ元の世界でも───」

 

「(今だッ!!!)」

 

 

右足に全ての体重をかけ、超猛スピードで霊夢との距離を詰めた。

ベジータは霊夢が〝夢想天生を解く瞬間〟を狙っていたのだ。

 

ベジータが見る限りでは夢想天生はすごく体力や気、霊夢でいえば霊力を消費する。だから会話が長くなれば一旦解く可能性が高いと思っていたのだ。

 

霊夢を倒すには夢想天生を解き、僅かに油断しているこの一瞬で決めるしかないと考えたのだ。

 

 

 

「!?」

 

しかしベジータの渾身の拳が貫いたのは空であった。霊夢はまるでベジータがこうする事を知ってたかのようにかわした。

 

 

「…惜しいわね。

 

 そして流石だわ。アンタなら気づくと思った…この一瞬の隙を」

 

 

「クソッ……」

 

ベジータはパンチをかわされた後、目で霊夢を追った。すると自分の真上で今まさに攻撃を繰り出そうとする霊夢の姿が見えた。

 

 

「《夢想封印》……

 

 

  終わりよ…!」

 

 

ベジータの周りに色とりどりの光弾が出現する。先ほどのパンチは一撃で決めようとしていたので、振りが大きくなり隙が生まれていた。防御も回避も間に合わないタイミングである。

 

 

「こ………いつッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

光弾はすべてベジータに命中し、大爆発を起こした。先ほどの『ビッグ・バン・アタック』に勝るとも劣らない威力だった。

 

 

「…夢想天生」

 

霊夢は念のために夢想天生を発動させながらベジータに少しだけ近づいた。

 

 

「正解よ。私を倒すには夢想天生を発動していない隙に倒すしか方法はない…けどその隙はあってないようなもの」

 

「隙がその1つしかないなら、私自身そこに意識を持って戦えばいいだけの話。…むしろアンタみたいな勘のいいやつはそこを突いてくるとわかってるから、かわしてカウンターを狙うこともできるのよ」

 

霊夢はベジータが〝一瞬の隙〟に気づくと思い、わざと夢想天生を解除した。そしてベジータが狙ってくるのはわかっているので、それをかわしてカウンターの『夢想封印』を食らわせたのだ。

 

ベジータにはその一瞬は霊夢の隙だと思っていたが、霊夢からするとそれは〝ベジータの隙〟を生み出す囮にすぎなかったのだ。

 

 

「…それにしても思ったよりアンタのスピードが速くて焦ったわ。力を制限してなかったらわかっていてもかわせなかったでしょうね」

 

霊夢はわかっていればどんな攻撃ですらかわせると確信していたが、ベジータのスピードが速すぎて若干焦ったのも事実であった。

 

 

 

「……」

 

「…アンタほんとに化け物ね。今のを食らって立ち上がるなんて」

 

 

砂煙が舞う中ベジータは立ち上がった。スーパーサイヤ人もまだ解けてはない。

 

 

「センスと勘だけで戦っていると思えば…割と頭を働かしているようだな」

 

ぺっと血を吐き、口を拭いながら言う。致命傷というわけではないようだ。

 

「こっちのセリフよ。 …さて、どうするつもり?どうせ諦めないんでしょ?」

 

「ああ。寧ろこれからが本番だ」

 

妙にベジータはやる気になっていた。

 

「よくわかんないけど…お腹減ったからそろそろ終わらせるわよ!」

 

先ほどからはカウンターしかしなかった霊夢が、今度は自分からベジータに攻撃する。

バシッバシッと大きな音を立てながら組手になるが、ベジータはあくまで霊夢の攻撃を防ぐだけで、まったく攻めてはいない。

 

「どうした?終わらせるんじゃなかったのか?」

 

「しつ…こいッ!」

 

 

 

連続の弾幕がベジータを襲う。ベジータからすれば簡単にかわせるスピードであったが、あえて腕でガードした。

 

 

「フッ…」

 

ベジータがニヤリと笑いながら霊夢を見る。しかし自分からは決して攻撃を仕掛けようとしない。

 

 

 

時間だけが過ぎていく。

 

 

何度も何度も同じことの繰り返しだ。霊夢が攻め、ベジータが守る。ガードしているとはいえ、ベジータには着実にダメージが蓄積している……が、表情に焦りが見えるのは霊夢の方だった。

 

 

 

「はぁ…はぁ…フンッ!攻撃をしなきゃ一生私には勝てないわよ!」

 

「…それはどうだかな」

 

 

すると突然にベジータは木の棒を拾い、地面に線を引いた。

 

 

「……なんのつもり?」

 

「これが間合いだ。オレがきさまを一瞬で倒せる距離というものだ」

 

 

勝ち誇った顔で答えるベジータ。霊夢はその意味がよくわからなかった。

 

 

「……? 攻撃が当たらないんだから間合いも何もないでしょ。忘れたの?私には夢想天生が………」

 

 

霊夢の言葉が途中で詰まる。

 

 

そう、ようやく気付いたのだ。

 

 

 

「やっと気づきやがったか」

 

「アンタ…まさか…」

 

 

「夢想天生って技は確かにどうやっても攻撃が当たらねえ。だからこれを使っている時に狙っても仕方ない。だからきさまを倒すには夢想天生を使っていない状態の時しかない。

 だからオレはまずこう考えた。きさまをどうやって普通の状態に戻すか…とな。その中で考えた策はきさまの〝スタミナ切れ〟だ」

 

 

ベジータは先ほどまでの戦いで、夢想天生は霊力と体力をすごく消費するものだとわかっていた。どちらかと言うと、超サイヤ人というよりは悟空の使う界王拳に似ている様なものだと。

 

 

「スタミナが切れれば夢想天生(それ)を解除せざるを得ない。しかしこの作戦で懸念されるのは…」

 

 

「私がちょくちょく夢想天生を解除して体力と霊力を回復させること…でしょ」

 

 

「その通りだ」

 

 

霊夢はちょくちょく夢想天生を解除させていたのは油断していた訳ではなく、霊力や体力の回復に努めていたからである。たとえ一瞬解いただけでもかなり回復できていることにベジータは気づいていた。

 

 

「ちょこまか回復されてたらスタミナ切れなどいつになるかわからん。だからオレはきさまに〝意図的には〟夢想天生(それ)を解除させないことにした」

 

先ほど霊夢が夢想天生を解除した時に、ベジータが超猛スピードで攻撃した時にはかわされたが、その時にベジータはわかった事がある。それは、霊夢が夢想天生を解除した瞬間に〝攻撃を当てられる距離〟である。

 

先程は距離が割とあって避けられたが、さらに近づけば霊夢では反応ができないので、絶対にかわされない一撃を食らわすことが可能になる。だから霊夢は夢想天生を解いて回復することはできない。

 

夢想天生を使っている内はしっかりと間合いを守り、霊夢が夢想天生を解除した瞬間に一撃で勝負を決めるようにする。

 

一見アホらしい作戦だが、ベジータにはそれが出来る。いや、例え出来なくても無理矢理やろうとする。霊夢にはそれがわかっていた。

 

 

「その為の間合いって事か…私の攻撃から避けずにわざと食らっていたのもその間合いから離れないためね」

 

「きさまが回復させようと夢想天生(それ)を解除したら、その瞬間にオレがきさまを倒す。回復させないならさせないでいい。スタミナ切れを待つだけだ」

 

「………」

 

 

「言っとくがオレは2度とこの間合いから離れることはない…きさまを倒すまではなッ!」

 

 

ベジータにとっても霊夢を倒すにはもはやこの方法しかない。しかし、勝ち方がたった1つだけとはいえ存在しているのなら、それはもうベジータが戦いを支配できるということだ。

 

「…私がアンタから全力で離れようとしても、ピッタリくっついてるから無理ってことか」

 

「ああ」

 

 

超サイヤ人になったベジータは霊夢より遥かに疾い。それは直線のみならず、横にも斜めにも同じ事だ。霊夢が全力でベジータの間合いから離れようとしても、霊夢のスピードでは不可能だ。どのように逃げてもベジータがピッタリとマークするだろう。

 

 

「フフフ…まるで恋人ね」

 

 

軽い冗談を吐く余裕もあるかと思えばそうでもない。

正直こんな方法で〝追い詰められる〟とは霊夢は思ってもみなかった。

 

 

しかしベジータのこの作戦にはいくつか欠点もある。

 

 

「でも正気?私から離れないってことは全ての攻撃をうまくかわせない。つまり至近距離で食らうって事になるってことよ。さっきのダメージもあるし…アンタそれに全て耐え切るつもり?」

 

その通りである。霊夢から離れられないということは大きく移動して弾幕をかわすことも、一旦距離を取り呼吸を整えることすらできない。

先ほどの『夢想封印』を再び食らう可能性も大きくなる。

 

 

「そんなことはわかっている。それでもやるだけだ」

 

「やっぱり正気じゃないわ…」

 

 

霊夢の顔には先ほどにはなかった焦りが感じられる。反対にベジータは不気味に笑っていた。

 

 

「博麗霊夢…根比べといくか」

 

 

ベジータの目は本気である。そして絶対に勝てるとか確信している目でもあった。

 

 

「こいつ…ッ」

 

 

霊夢は歯をギリッとさせながらベジータを睨んだ。

 

 

 




はい、第37話でした。

霊夢が戦いを楽しむってあんまりなさそうですよね。

ではお疲れ様でした。
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