シリアスです。さらに文章が繰り返されます。
そこ注意してください。
「おーい真波。そろそろ練習行くぞー」
「分かりました、東堂さん。今日は勝ちます!」
真波のセリフに東堂はワーッハッ八と笑った。
「出来るものならやってみるが良い!」
「ええ!」
二人で自転車にまたがる。東堂のリドレーも真波のルックも、白く煌めいていた。
「ようし、登れる上にトークも切れる、おまけにこの美形の山神を越してみろぉ!」
「オレ、負けませんよ!」
----閃光。
誰かが、叫ぶ。
「真波ぃぃーーーーっ!!!」
「おーい真波。そろそろ練習行くぞー」
「分かりました、東堂さん。今日は勝ちます!」
真波のセリフに東堂はワーッハッ八と笑った。
「出来るものならやってみるが良い!」
「ええ!」
二人で自転車にまたがる。東堂のリドレーも真波のルックも、白く煌めいていた。
「ようし、登れる上にトークも切れる、おまけにこの美形の山神を越してみろぉ!」
「オレ、負けませんよ!」
これ。
前にもこのやりとり、やった気がする。
----閃光。
誰かが、叫ぶ。
「真波ぃぃーーーーっ!!!」
「おーい真波。そろそろ練習行くぞー」
「!」
東堂はワーッハッ八と笑った。
「抜かしてみるが良い!出来ないがな!」
「...え」
二人で自転車にまたがる。東堂のリドレーも真波のルックも、白く煌めいていた。
「ようし、登れる上にトークも切れる、おまけにこの美形の山神を越してみろぉ!」
「これ...さっきも...」
----閃光。
誰かが、叫ぶ。
「真波ぃぃーーーーっ!!!」
「おーい真波。そろそろ練習行くぞー」
「え?さっきやりましたよね...?」
真波のセリフに東堂はワーッハッ八と笑った。
「何を言っている!さぁ抜かしてみるが良い!」
「...ええ」
二人で自転車にまたがる。東堂のリドレーも真波のルックも、白く煌めいていた。
「ようし、登れる上にトークも切れる、おまけにこの美形の山神を越してみろぉ!」
「オレ...」
----閃光。
また、誰かが、叫ぶ。
「真波ぃぃーーーーっ!!!」
「おーい真波。そろそろ練習行くぞー」
「分かりました、東堂さん。今日は勝ちます!」
真波のセリフに東堂はワーッハッ八と笑った。
「出来るものならやってみるが良い!」
「ええ!」
二人で自転車にまたがる。東堂のリドレーも真波のルックも、白く煌めいていた。そう、また。
「ようし、登れる上にトークも切れる、おまけにこの美形の山神を越してみろぉ!」
「オレ、負けませんよ!」
これ。
前にも、やった。
----閃光。
誰かが、叫ぶ。
「真波ぃぃーーーーっ!!!」
嫌だ。この先は思い出したくない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
赤と白と、紫。
白いカチューシャが空を舞った。
赤い液体が東堂を飾った。
紫の髪がふわりと東堂の額の上に落ちた。
「東堂さーーーーーーんっっっ!!!!」
「どうした、真波。そんなに騒いで」
真波が振り向くとそこには東堂がいつもの笑顔を向けていた。
「東堂、さ...ん...」
「真波。お前は進め、先へ。自由に走れ」
「嫌です!東堂さんも!」
「無理だ」
「何でですか!疲れてるんなら全力で引きますよ!」
真波の必死な声にも東堂は軽く笑っただけだった。
「お前だけ、だ。行け、真波。振り替えるな」
「嫌だ!東堂さん、東堂さん」
どんどん東堂が薄くなっていく。伸ばした手が宙をかく。
「東堂さん、東堂さん」
「真波。
行けまっすぐ。お前は...次の山神だ」
「東堂さーーーーーんっ!!!」
ぱちりと目を開ける。
「...起きたか」
「東堂さん、東堂さんは!?」
荒北は視線を下にむけた。
「東堂のバカは...集中治療室だヨ」
「荒北さん、東堂さんは助かるんですよね!?絶対騒がしく帰ってきますよね!?」
荒北の肩をぐわぐわと揺らしても、荒北は何も言わなかった。
「荒北さん...!」
「じゃあ祈れ」
目が真剣に光っている。
「アイツのしょうもない精神と体が勝つと」
今日もいつもの通り箱根の山道の入り口で勝負を始めた、
最初から東堂さんは少し前にいて騒がしく喋っていた、
ゴール少し前で勝負を仕掛けて前にでて振り返った、
東堂さんの瞳はオレではなく、
箱根にいるはずのない、
大きなトラックを映していて、
東堂さんは自転車でそのままオレを突飛ばし、
東堂さんは----
はねとば、された。
「東堂さん----こんな----お願いします、東堂さんは----山神ですよね!」
目から出てくる涙をぬぐいもせず、真波は祈り続けた。
「東堂さん・・・!」
「靖友!尽八が----尽八が----」
ガン、と扉を開けて新開が入ってきた。
ぜぇぜぇと息を吐き、新開は満面の笑みで----
「手術成功!バイタルも安定してる!!」
ハコガクが喜んだのはつかの間だった。
東堂は目覚めなかったのだ。
病院のベッドで、こんこんと眠り続けていた。
まさしく、スリーピング・ビューティーとして----
「ねぇ東堂さん。オレ、もう2年ですよ。インターハイももうすぐです。いつまで寝てるんですか・・・!」
東堂は、答えない。
「東堂さんはスリーピング・ビューティーじゃないんです!森の忍者ですよね!?」
「・・・み」
「え・・・」
声が聞こえた。
どこか掠れているけれど----聞きなれた声が。
東堂を見つめる。
長い睫毛がふるふると揺れる。瞼が開き、紫色の瞳に光が宿る。
「真波・・・」
「とうどう、さん・・・?」
(いや、これは夢だ!また夢なんだ!)
東堂が植物状態になってから見た夢の二分の一。
東堂が目覚める夢。話しかけるときにかならず覚めてしまう夢。
しゃがみこんで頭を抱えた真波に----東堂の、声が。
「オレは、スリーピング・ビューティー・・・森の忍者じゃないぞ!」
「・・・・!」
顔をあげる。
東堂は完全に覚醒していた。腕が震えながら動き、真波の頭を撫でる。
「よく無事だったな、真波」
「はい・・・東堂さんが・・・東堂さんの・・・おかげで」
残り二分の一の夢。
東堂が真波をかばって跳ねられる夢。
きっと、明日からは見ることもなくなるだろう。
目からこぼれる涙は、綺麗に輝いて床にしたたった。