インペリアルマーズ   作:逸環

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今回、一部私の趣味が強く反映した内容になっています。
ええ、私の趣味です。(

では、どうぞ!


Iron Claw 掴む

「…言われて並ぶと思いますか。僕たちゃ裏切り(モン)で」

 

 

小吉の怒りの言葉に、劉はヤレヤレといった様子で至極もっともなことを言う。

 

 

「あんた達を囲んでいる」

 

 

劉が、その右手を挙げた。

 

 

パンッ!

 

 

瞬間、炸裂音が響き銃弾が小吉の側頭部へと飛ぶ。

当たれば、致命傷は免れない。

しかし、『オオスズメバチ』をベースとした『バグズ手術』による身体能力の向上に加え。

『バグズ二号』の後から20年もの間研鑽を重ね、空手六段の段位を持つ小吉には通用しなかった。

自身の体で最も硬質な、腕から生えたスズメバチの針を銃弾の腹に当てて弾いた。

 

 

「…え?」

 

 

撃った男は忘れていた。

銃の照準装置は赤いレーザー光。

これは赤い光を視認できないテラフォーマー(ゴキブリ)相手では問題ない。

しかし、相手は人間。

照準機の光は、小吉にこれから撃つことを教えてしまった。

 

 

「フンッ!」

 

「…ガ…ッ!?」

 

 

スズメバチの敏捷さと磨かれた技術によって瞬時に一人の男に近付いた小吉の掌底が、下から男の顎を打ち抜く。

その一撃で脳を揺さぶられた男は、脳震盪を起こしてそのまま気絶してしまった。

 

 

「…よう」

 

「…やあ」

 

 

そして、中国四班班長劉の目の前に辿り着いた。

 

 

 

 

 

 

「よっし、タッチだ。怪我人たちは休んでろ」

 

「「…オォッ!?」」

 

 

幸嶋がアドルフとディートハルトの手を叩き、二人の腰の辺りを掴むとある程度の距離まで後ろに放り投げ、一歩前に出る。

その口元は好戦的な笑みを浮かべ、手は開かれた状態でいる。

手は、開かれている。

 

 

「ま、待て!」

 

 

咄嗟に投げられて倒れた姿勢のまま、アドルフが幸嶋を引き止める。

当然だ。

相手は銃。

テラフォーマーやM.O.手術被験者では持ち得ない、一方的な殺傷を可能とする兵器。

しかし、それでも幸嶋は前に出た。

 

 

「大丈夫っすよぉ」

 

ドンッ!

 

「うおっとぉ!」

 

 

銃口が自身に向いた瞬間、身体を僅かに半身にすることで射線から外れて銃弾を回避。

そのまま更に前に、いっそ不用意とも言えるほど無造作に敵との間合いを詰めていく。

 

 

「オォォォッッ!!」

 

「ハッハァッ!そんな鉛玉に当たってたまるかよ」!!

 

 

その間にも、銃弾は飛んでくる。

前だけではなく、左右からも。

その全てを、避け続ける。

実は、たとえ近距離であっても動く物体を撃つのは難しい。

仮に1cm対象が動いただけでも外れることがある。

それでも、彼らは一流の軍人。

本来ならば、とうに幸嶋の身体には被弾していなくてはおかしいだけの技術は持っている。

だが、当たらない。

弾丸の一発たりとも、当たらない。

 

 

ガシッ

 

「…そぉら、捕まえた」

 

「ヒ…ッ!」

 

 

開かれた幸嶋の手が、一人の中国班班員の頭を掴む。

プロレスの世界には、『アイアンクロー』と呼ばれる技がある。

非常に単純な技で、掌と指を使い相手の頭を掴んで力を入れるだけ。

これがフィニッシュになることは、まずないと言って良い。

しかし、握力が強い者がこれを行えば、その痛みは---------

 

 

「~~~~~~~ッッッッ!!?ギャアアアァァァァァァッッッッッ!!!!!」

 

 

--------測り知れない。

 

幸嶋の手術ベースは、『ヤシガニ』。

その最大の特徴は、その名が示す通り固い椰子の実すら切断する鋏の力。

それが人間大になってより強力となり、幸嶋の手、握力へとそのまま置き換わっている。

 

 

「そぉら、次のヤツ来やがれ!」

 

 

痛みで気絶した男を投げ捨て、幸嶋が咆える。

 

 

「…お前達、下がっていろ」

 

 

それに応えたのは、

 

 

「そいつとは俺がやる…ッ!」

 

 

ディートハルトに吹き飛ばされた、ジェットだった。

銃が通用しない幸嶋相手には、実際これがベター。

他の班員ではなく、中でも能力の高いジェットが戦うことが。

 

 

「…へえ」

 

 

幸嶋が左手を前にして右手を開き、腰を落とした構えを取る。

その構えから見て取れるのは、左で捌き、右で必殺のアイアンクローを狙っているということ。

それを見て、ジェットの頬を冷たい汗がつたう。

 

本来、幸嶋の相手をするのなら班長である劉が適任。

しかし、その劉は今。

 

 

「「フンッ!!」」

 

 

小吉と攻防を繰り広げている。

 

小吉の腕から生えている、『オオスズメバチ』の毒針。

一撃必殺ともいえるそれを、劉は絶対に避けなければいけなかった。

対して、劉の拳は確かに強力だが、一撃で勝負を決められる威力はない。

劉は避けながら攻撃しなくてはいけない。

小吉は多少捨て身でも攻撃できる。

その差が二人の間合いの取り方に、攻撃の仕方に違いを生み出していた。

その差が二人に、僅かな差を生み出していた。

 

 

「「オォォォォッッ!!」」

 

「…クッ」

 

 

ぶつかり合う劉と小吉を視界の端で捕らえ、苦虫を噛み潰したような表情をするジェット。

これでは、劉がこちらに来るのは期待できない。

周りの班員に銃で撃たせようとしても、あの二人が相当な近距離戦(インファイト)をしているせいでそれも不可能。

幸嶋に投げられた二人は、もともとボロボロだった身体に限界が来たのか座り込んでいるが、いつでもこちらに来れる体勢を、たとえ銃で撃たれても大丈夫な体勢を整えている。

 

 

「そら、来いよ色男」

 

 

目の前でそう言う幸嶋の手が、ジェットの目にはギロチンの様に見えた。

 

 

「何だ、来ないのか?それなら…」

 

「…あ?」

 

いきなりだった。

いきなり自分の顔のすぐ目の前に、幸嶋の顔が現れた。

5mはあったはずの距離が、一瞬で潰された。

 

 

「お、おぉっ!?」

 

 

急いで後方に下がろうとするも、

 

 

「…どーこ行くんだよ」

 

「…ッ!?」

 

 

足を踏まれて、引けない状況になっていた。

 

ならば、攻めるしかない。

足を踏まれているせいで、詰めることしかできない間合いを、既にかなり近い間合いを更に詰める。

本来、この距離では拳に対した威力は乗らない。

しかし、ジェットの特性を使えば、その理屈は無意味なものと化す。

 

 

「フンッ!」

 

「おっと!」

 

パンッ!

 

 

だが、あっさりと、極あっさりと幸嶋はその特性を使うために繰り出された拳を掌で弾き、方向を変える。。

そして、

 

 

「歯ぁ食い縛れよ…?オラァッ!!」

 

ゴドッ!!

 

「グフ…ッ!?」

 

 

鈍く、重い音をさせながら顔面を殴りつけた。

もちろん、それでは終わらない。

ふらつくジェットの首を右手で掴み、持ち上げる。

まるで、600年前に存在した赤い怪物のように。

 

 

「オオオォォォォッッッ!!!!」

 

ドゴガッッ!!

 

「ガ…ハッ!!」

 

 

そのまま背中から地面に叩きつけて、血を吐くジェットを見下げる幸嶋。

『チョークスラム』。

それがこの技の名前。

かつて大巨人と、赤い怪物のフィニッシュムーブだった技。

 

これが、『路上最強』。

曲がりなりにも、最強を冠する男の実力。

 

 

「…さって、艦長はっと」

 

 

ふと、幸嶋が小吉が戦っていた場所を見る。

丁度その時、

 

 

「静聴ォッ!!」

 

 

戦いは終わり、小吉は劉を持ち上げていた。

 

 

 

 

 




幸嶋から漂うプロレス臭。(

えーと、ちょっと恥ずかしいですけど、OVA・アニメ化を記念した企画物として、コラボ小説をやりたいと思います。
そこで、もしこの『インペリアルマーズ』を読んでいる、テラフォーマーズ二次創作をしている作者さん方の中で、『インペリアルマーズ』とのコラボ・クロス小説が書きたい、書いても良いよ、キャラを出して良いよといった方は、私にメッセージをください。
はい。

先に言っておきますが、誰もいなければ企画倒れ決定です。(
はい。

メッセージ、お待ちしています!
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