山頂の光が指す場所に1人の青年が佇んでいた。
吹雪いているのにも関わらず、青年は外套1枚着ていない。
そもそも、そんなもの必要ない。
何故ならもうすぐ
青年はとある雑誌の記事を思い出す。
《天才少年の再来!!若干13歳でリーグ制覇!》
《R団壊滅!天才少年が関係か》
青年はこの記事を読んだ時、悟った。
まるで古い鏡を見ているような気分だった。
かつての自分と同じことをしている。
果たして、それが仕組まれたものであるかどうかはわからない。というかどうでもいい。
ただ、青年は思った。
彼/彼女と、
戦ってみたいと思った、潰してみたいと思った、嘲笑ってみたいと思った、蹂躙してみたいと思った、軽蔑してみたいと思った、侮蔑してやりたいと思った、絶望させてやりたいと思った、完膚なきまでに叩きのめしてみたいと思った。
だから、青年は噂を流した。
そいつと戦うために、
そいつを倒し、糧とする為に
彼/彼女に敗北し、糧となってやる為に。
青年は単に嫉妬していただけかも知れない。
だが、そんなこと最早どうでもよかった。
彼/彼女との一時を楽しみたい、それだけだった。
負けたら負けたで
それだけの話。
結局、戦いは二種類の人物しか生み出さない。
勝者と敗者。
ワタルを倒した時点で俺は勝者だった。
負け知らずだと言われた事がある。
言った本人に一切悪気はないのだろうが、
そのときひどく傷ついた。
生き物は必ず1回は負けるのだ。
生まれてこの方一度も敗北したことがないという人物がいたら是非ともおめにかかりたいところだ。
しかし、噂をまこうにも1人ではまくことができない。
彼は非常に人脈が広い。
そのお陰であっという間に噂は広まった。
〖シロガネ山の頂上に最強のトレーナーがいるらしい〗と、
噂を流してから少し時が経った。
空を飛ぶ鳥ポケモン達が、
『
と言っているような気がした。
上等だ。
足音が聞こえる。
目の前には
さあ、来い。
無言で告げる。
ボールを構える。
相手が動揺していることがわかる。
しかし、相手の瞳に戦うという明確な意志がみえた。
相手としては不足はない。
さあ俺を倒し、
最強を超えてみろ!