東方一年郷   作:トーレ

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ども! トーレです! 黄昏フロンティア様の「ダイナマリサ3D」を絶賛プレイ中のトーレです! あれどう見ても地球防衛軍やん!!

さてさて、すみませんでした。やっぱりなかなか執筆時間がとれず……時間がかかってしまいました。
ですが、失踪は絶対に致しませんので、大丈夫です!
また、更新が二週間以上遅れそうな場合は、活動報告の方をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

感想ありがとうございました!! いやー、今更ながら、感想をいただけるって素晴らしいなって思います。ありがとうございます!

あと、みなさんに少しアンケートをとりたいと思っています。詳細は後書きの方にありますので、最後まで読んで行ってください!

ではどうぞ! 温かい目で見ていってね!




第十五話 ~衝撃~

 夢だった。そう、これは夢の出来事だった。それを思い出したわけだ。

 思い出した……そう、あの夢の中で出会った少女も……フランだった。……なんで俺はこんな大切な事を忘れてたんだ……っ!

 

「誰? …お兄さん?」

 

 フランは俺の目をじっと見てくる。……ほんとに…ほんとにフランドール・スカーレットだ。幼い容姿、金髪に…背中の特殊な翼。服はボロボロで分からないが……手首、足首に鎖がつながれている。やはりあの金属を引きずる音は、これだったんだ。

 

「わかったぁ…お兄さんも、私と遊んでくれるんだね?」

 

 フランが笑顔を見せる。だがそれは、歪みの笑顔だった。悲しみとか憎悪とか、そんな感情が全てまぜこぜになったような笑顔だった。

 

 フランに会えた。それはすごく嬉しいことだ。もはや存在しないと思っていたのが……今目の前にいるわけだ。だが……。

 俺の知ってるフランドールと違うっ! このフランは狂気……というより「絶望」と言った方が似合うような姿である。ボロボロの服、ぼさぼさに汚れた髪、やせ細った体、見るからに痛々しい。

 目をそむけたくなる現実だ。俺は「狂気だけど元気いっぱいな美少女」というイメージだったのだ。……その俺の勝手なイメージが強すぎたのだ。今の光景に俺は涙が出そうになる。だが俺は目を逸らすことができないでいた。なぜだかは分からない。分からないが……どうしても、この光景を見つめることしかできないでいたのだった。

 

「お兄さんは……前のおもちゃみたいに……すぐ壊れないよね?」

 

 フランが開いた右手を俺に差し受ける。……夢の通りだ。通りといっても、言動全てが夢の通りではないが、ほぼ同じである。……つまり…次は…

 

「きゅっとして……」

 

 汗が止まらない。体中も震えている。……「きゅっとして」の次のセリフなんて分かりきっている。あの能力を発動する気なんてのも分かりきっている。

 だが俺は動けないでいた。どうしても足に力が入らない。腕も動かせないでいる。

 ……あぁ…詰んだな。なんで好奇心に負けたんだろうね、俺。忘れていたとはいえ、どうして夢の通り行動をしたんだろうか…。

 ……やはり、人間の俺では幻想郷は生きていけないらしい。俺は…諦めることとした。紫様…レミリア様…すみません。

 

 フランはもう一度ゆっくりと歪んだ笑みを見せて、手を閉じて……もう一度大きく開いた。

 

「どかーん」

 

 腹に激しい衝撃が入る。痛みともなんとも言えない感覚が体中を走る。衝撃を受けたところを見る。……なにもなかった。その言葉通り、腹があるべきところから地面が見える。地面が真っ赤に染まり、液体が噴出している。

 

「フ…フラ……ン…」

 

 それだけ呟けた俺の視線はぐるん回転した。……熱い…熱い……

 あぁ……死ぬんだな…俺。もう…さすがに生きかえれないよな……こまっちゃぁーん、今行くよぉー……

 俺は遠くなる意識の中、視界に赤と白の何かを目にしながらゆっくりと目を閉じた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あれ? なんで意識があるんだろうか。俺は死んだはずじゃ……あぁ、冥界か。納得納得。しかし視界が暗い。おいスタッフ! もっと光量あげろよ! 役者の顔見れねえだろ! ……あっ、俺が目を閉じてるのか。失敬失敬。あと同じネタを使ったのも、失敬失敬。

 

 俺はゆっくりと目を開ける。明るい光が視界に入る。俺は目を少しパシパシさせた後、ピントを合わせる……すると。

 

「目……覚めたのね」

 

 あるぇー…なんで霊夢さんなん? こまっちゃんじゃないの? まさか霊夢も死んだっていうのか!

 俺は体を起こそうとする。だが、上手く力が入らない。そんな俺を見かねたのか、霊夢は俺の体を押してまた寝かせる。

 

「無理しないで。あれだけの傷を負ったんだもの」

 

 そういって霊夢がため息をつく。……そうだ…俺は…腹に大きい穴が…あれ? それ死んでるんじゃないの?

 

「なんで…俺、生きてるんだ?」

 

「私が聞きたいわよ。なんであんな大穴がふさがるわけ?」

 

「ふさがった!?」

 

 信ジラレナーイ。

 

「ええ。ゆっくりふさがっていったわ。どういう能力をつかったわけ?」

 

「能力って…そんなの使った覚えはないけど…」

 

「まぁそうよね。あんたはただの人間だもの。あんな芸当、ふつうは無理よね」

 

 んーっと霊夢は少し思案顔になる。……えっと、なんだ? つまり俺は生きていると。あっよく見ると境内じゃないか。わーい!

 しかし……ふさがったって…どういうことやねん。霊夢じゃないが…なにか俺の能力なのか? え、でもそれって俺最強じゃね?

 霊夢は「まっいいわ」と言っていつもの顔になる。

 

「まぁどうせ紫が噛んでるんでしょう? 気にしないわ。それよりも、どうしてあなたがあそこにいたわけ?」

 

「あそこ…?」

 

「封印の祠よ。あの洞窟」

 

「ああ…あそこ…そんな名前だったのか」

 

「普通の人間……いや妖怪もそうだけど、あそこにはたどり着けないはずよ。結界で空間を捻じ曲げているから、入口すら見つけれないはずだけど?」

 

「そうなのか? 普通に見つけれたんだが……」

 

「普通って……どういう事よ。さっきの事と言い、あなたホントに人間?」

 

「人間だよ。てかその話で一番驚いてるのは俺だっての」

 

 ため息をつく霊夢に俺はそう返す。……結界? そんなもの全然感じなかったけどなぁ。

 えっ? 人間だよね? 俺。

 それにしても……なにか忘れてるような……そうだ!

 

「フラン…フランはどうした!」

 

「フラン? 誰よそれ」

 

「その風鈴の祠とかいうところにいた女の子だよ! なんであんなところに! くそ、行かなきゃ!!」

 

「封印よ。ふ、う、い、ん。まだ夏じゃないわよ。というか怪我人のあんたを行かせるわけないでしょ! 落ち着きなさいよ」

 

 今にもかけだしそうな俺をベシッと叩いて、霊夢はため息をつく。「それで?」と続ける。

 

「そのフランって言うのは誰なのよ?」

 

「……紅魔館当主、レミリア・スカーレット様の妹様だ。こんなところにいるはずがないのに……というか存在もしないはずなのに…」

 

「存在しない? どういうことよ」

 

「誰も覚えていなかったんだよ、フランの事を。紅魔館の住人なのに…姉妹なのに…」

 

「…そう。それをあなたは知っていたってことは、現世ではフランは存在しているってことね?」

 

 さすがは霊夢。頭の回転が速い。

 

「うん。それに……俺の知っているフランは、あんなにひどい様子じゃなかったんだ……確かに、幽閉されてたりとか…閉じ込められていたとか、そういう事はあるんだけど……あんな……あんなやせ細って…弱々しくないはずなんだ…」

 

 俺は手を強く握る。……正直、今泣きそうになっていた。だって…あんなのはひどすぎる。家族とも離れて…あんなところに。それも存在すら忘れ去られている。そんなの可哀そうとしか言いようがない!

 霊夢は俺を気遣ってか、俺の方を見ない。番茶を一口すすった霊夢は、話をしだす。

 

「封印の祠は、強力で強大すぎる力をもつ妖怪を縛りつけて、この幻想郷に影響を与えないようにするためのものよ。博麗の巫女がその力を使い、祠に封じ込め、けして誰も近づかないように、結界を張る。そうして、この幻想郷のパワーバランスを保つの」

 

「そこに、フランがいたってことは…」

 

「ええ。その子はその力を危ぶまれたってことね。博麗の巫女が動くほどに」

 

 ……なるほど。確かにフランは強い。あの…俺を殺そうとした能力…「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」はまさに恐怖だ。……だが、封印されるほどだろうか? それならば、幽香さんとかを封印した方がいい気がするが。

 

「その子は何の妖怪なのかしら?」

 

「吸血鬼だ」

 

「そう。まぁ紅魔館当主の妹だから当たり前か……というか、なんであんたはそんなに必死なわけ? 自分を殺そうとした相手よ? 私も何度か結界管理で見たことあるけど……すごく危険そうな子だったわよ?」

 

「そんなの関係ないさ。ただ俺は……あの子の笑顔を見たかっただけなのに」

 

「笑顔ねぇ……そんなに、現世ではそんなにいい子だったのかしら?」

 

 霊夢は心底不思議そうに頭をかしげる。なるほど。彼女はフランの魅力を理解していないようだ。

 

「ふっふっふっ、ならば教えてしんぜよう!! フランの素晴らしさを!」

 

 

~~小一時間~~

 

 

「――で、だからその動きが凄く可愛くてね! お兄様お兄様入ってるのをぎゅーってしたくてね!」

 

「あー、分かった分かった。あんたがどれだけフランを好きで、あんたがどれだけ変態かよくわかったからもういいわよ」

 

「分かればよろしい!」

 

 えっ? なんか違う理解を得たって? 細かいことは気にするな! 分かったって言ってんだから良し!

 霊夢は心底疲れたようにため息をつく。「そこまで言うなら止めないから、好きにしなさいよ」と、呟いて番茶をすすった。……諦めの気持ちが入っている気がしたが気のせいだろう。

 ふと霊夢が思案顔になる。……その横顔びゅーてぃふぉー…そんなこと言ってる場合じゃなかった! ……どうしたんだろう。

 

「……引っかかるわね」

 

「なにがだ?」

 

 霊夢が急に険しい顔をする。なにがおかしいのだろうか。

 

「私は博麗の巫女よ」

 

「急にどした? まぁ…そうだな。だから?」

 

「博麗の巫女の意義はなにかしら?」

 

「意義? んー……妖怪退治?」

 

 俺が不安そうに答えた問いに、霊夢は頭を縦に振る。

 

「正解。だから……基本的に、博麗の巫女が『封印』なんてわざわざすることはないわ」

 

「……んん? そうなのか? パワーバランスの為なら別に封印してもおかしくないんじゃ」

 

「封印はいつか解けるものよ。そんな脆弱なものに頼るくらいなら、その妖怪を殺すわ。だからこそ、博麗の巫女は『妖怪退治』を生業としているの」

 

「まぁ、それが嫌だから私は弾幕ごっこを作ったんだけどね」と付け加えて霊夢は番茶をすする。……なんだろう。霊夢の優しさが滲み出た。さすがは霊夢さん、無駄な殺生を避けるそのやり方、いいぞ俺は大歓迎だ。

……今の話をまとめると……そうか、そう言うことか! つまりだな――

 

「……つまりどういうことだ?」

 

「分かってないならまとめないでよ」

 

「心の中読まないでよ」

 

 やっぱり覚妖怪じゃないですか、やだー。

 

「つまりよ。博麗の巫女自身が、封印の為に動くことはないってこと。あの祠だって本当は使わないはずなのよ。紫がずっと昔に考案したらしいんだけど、意味分かんないわね」

 

「えっと、つまり。……誰かに頼まれて封印されたってことか?」

 

「そういうこと。巫女とは違う、だれかがその能力を危惧したってことね」

 

 ……ふむ、そういうことか。さしずめ紫様とかが危険だとみなしたんだろうか。というかそんなことより。

 

「……フランって、いつから封印されてたんだ?」

 

「分からないわよ。ただ、結構前ね。私も封印の祠に妖怪が今も封印されているって事を聞かされただけだし、先代巫女も自分が封印したわけじゃないって言ってたから……最低50年は前ね」

 

「50年…?」

 

 なんて長い年月だ。しかも最低だ、もっと長い間封印されていた可能性もある。そんな年月、ずっと封印…というか閉じ込められてたなんて。……『絶望』と感じた理由が分かった気がする。

 ふと霊夢が声を上げる。どうしたんだろうか?

 

「そういえば先代が、封印したことについて記録した書物があるって言ってたわね」

 

「ほんとか!? 見せてくれ!」

 

「そのつもりだから落ち着きなさいよ……確か、あの棚に……」

 

 そう言って霊夢は奥に消えていった。

 沈黙。その間、俺は今俺が知っている情報をまとめる事にする。

・ フランドール・スカーレットは存在した。

・ だが、紅魔館住人はその存在を記憶していない。

・ 博麗の巫女が誰かに頼まれて、退治ではなく封印をした。

・ 最低50年間は封印されている。

 

 これぐらいだな。確か……紅魔館は、紅魔館ごと幻想入りしてきたんだったよな。ふむ…いつ頃幻想入りしたんだろうか。もしかしたら、まだレミリア様が当主になる前に幻想入りした、という可能性もあるわけだな。まぁ今は別にこの話は関係ないな。面倒くさいことになりそうだから、考えないようにしよう。

 足音が聞こえてきた。霊夢が戻ってきたようだ。

 

「探せばあるものね。ほら、これよ」

 

 そういって、俺の前にぼんっとものすごくほこりをかぶった本を置いた。……何年使用してないんだこれ?

 

「これ開けるの? ボロボロになってない?」

 

「特殊な術式がかけられてるみたいだから大丈夫よ。劣化はしてないと思うわ」

 

「せめてほこりは払ってくれよぉ」

 

「嫌よめんどくさい。さ、早く外で払ってきなさいよ」

 

「人使い荒いなおい……まぁいいや」

 

 俺は縁側から、一通りほこりを落として戻ってくる。……確かに劣化は見られない。しっかりしている。薄い本ではあるが、どこか厳かな雰囲気がある本だ。

 

「じゃ、開くぞ?」

 

「ええ」

 

 俺は表紙を開き中を見る。………………う…うーん。

 

「読めぬ。何これ。波線にしか見えないんだが」

 

「あぁー…古語を使ってあるのね」

 

「古語?」

 

「ええ、もう幻想郷でもあんまり使われてない古い字体よ。この字が普通に書かれてるんだから……50年よりもっと前ね…」

 

「そんな…」

 

 もっと長い年月なんて……フランは…どんな気持ちで…

 

「絶望に染まってるところ悪いけど、読むわよ?」

 

「あっ、ああ。頼む」

 

「………………」

 

「どうだ?」

 

「………………」

 

「どうなんだって?」

 

「………………」

 

「なっ…なぁ!」

 

 霊夢は、俺のことなんて気にせず着々とページを読み進めていく。……しょぼーん。

 まぁ落ち込んでても仕方がない。結局は俺は読むことはできないんだし、霊夢が読み終わって、話を聞こう。

 

 

 少したって、霊夢が本を閉じる。心なしか、表情が暗いのはなぜだろう。

 俺は話を聞くことにする。

 

「どうだった? なにか情報は?」

 

「情報もなにも……衝撃の事実よ」

 

「衝撃?」

 

 霊夢の真面目な顔に、俺は生唾を飲み込む。どういう事なんだろうか、衝撃の事実って……

 霊夢は一瞬俺から目を逸らした後、真っ直ぐに俺を見てきた。

 

「そのフランって子を封印するように頼んだ、依頼者が分かったわ」

 

「!? 誰なんだ!」

 

「……前紅魔館当主よ」

 

「……え? それってどういう――」

 

「つまり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父親が、自分の娘を封印したってことよ」

 

 

 





お疲れさまでした! そして見ていってくれてありがとうございます!

さあさあ、いろいろと展開してまいりました!
白滝の特殊体質やら、フランやら……
どうなっていくか、こうご期待!!
そんな凄いものにはならないと思いますが、何せ僕ですから!!(キリッ)
……なんだか、書くたび書くたび下手になってるような気がするんですよね……頑張ります!

さてさて、前書きでも言いましたが、アンケートをとりたいと思います!

実はですね……僕、誕生日が8月25日なんですよ。
だから、それを記念して「誕生日特別話」を投稿しようと思ってるんです!

内容は「もしも○○が白滝といちゃいちゃしてみたら!」
という本編とは全く関係のない、妄想爆発のIFストーリーです。

そして皆さんにはアンケートとして
↑の○○を誰にするかを選んでほしいと思います!

選択肢は21通りありまして……ボクが公平にくじ引きで選びました(笑)
あっ、でもせっかくなので主要自機キャラは全員入っています

1、霊夢
2、魔理沙
3、早苗
4、妖夢
5、咲夜
6、美鈴
7、小傘
8、響子
9、映姫&小町
10、パルスィ&勇儀
11、さとり
12、にとり&雛
13、白蓮
14、アリス
15、妹紅
16、天子
17、神奈子様
18、藍
19、芳香
20、小鈴
21、その他(強い要望があればどうぞ!)

という風になっています!
締め切りは8月20まで! ただし延長するかもです

返答は、ボク「トーレ」に直接メッセージを送っていただくか
「活動報告」に上記と同じアンケートがありますので、そちらの返信に書いてください!
感想での返答は禁止となってますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。

たくさんのご回答、待ってます!

さて、次回投稿は……また遅くなるかもです。ごめんなさい。なるべく早くなるように、努力します!

では、次回お会いしましょう! グッバー!
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