東方一年郷   作:トーレ

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ども! トーレです! 夏コミケ、泣く泣く行けなかったトーレです。まぁでも死にそうに暑そうだったから、熱中症にならず、良かったのかもしれません。

さてさて、生活不安定ながらも投稿です。楽しんでくれると何よりです。

感想ありがとうございます! 元気もらってます!

そして、アンケートに答えてくださった皆様、ありがとうございます!
途中結果はですね…

咲夜 2票
妹紅 2票
映姫&小町 1票
にとり 1票
芳香 1票
妖夢 1票

となっています。さて、どの順番にしようかなぁ。
締め切りは20日となっていますので、活動報告の返信欄、または、トーレ自身にメッセージをどんどん送ってください。楽しみに待ってます!

ではどうぞ! 温かい目で見ていってね!





第十六話 ~存在の確認、新たな計画~

 

 

「なん……だと……」

 

「……ふむ。何年に、とか細かいことは分からないわね。本は痛んでいないけれど…字までは守れないみたいね」

 

 霊夢がため息をついて本を閉じる。……そんな……フランは…父親に?

 

「父親っていうと……レミリア様の前の紅魔館当主ってことだよな」

 

「それはさっきも言ったけど。ま、そういうことね」

 

「なんでそんなこと……」

 

「そんなのは分かるわけないでしょ? …今あなたが悔しがっても、恨んでも、憎んでも、状況は変わらないってことよ」

 

 ため息をつく霊夢の言葉に、俺は自分の手を血が出るほどに固く握っていることに気付いた。いけないな…そんなことは分かっているのに。

 霊夢は少し思案顔を作ってから、俺の顔を見る。

 

「そうね。1つ分かることは、理由はどうであれ、娘をわざわざ封印させたってことは……そのフランって子がすごく強大な力を持っているってことね」

 

「ああ、そうなんだ。フランは『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持ってる。まぁそれで、俺のお腹に大穴空いちゃったんだけどねぇ! HAHAHA!」

 

 俺の様子をみた霊夢がため息をこぼす。

 

「あんた……はぁ。死んでもそのテンションは直らないのね」

 

「あっ、それ紫様にも言われた! ……そんなに変かなぁ」

 

「だいぶ変ね。紫がおっとりとした口調で『あらあら、うふふ♪』って言ってるくらい変よ」

 

「うわぁー、それめっちゃ変ですやん」

 

 紫様ごめんなさい。そういうキャラの紫様もいいと思うよ! うん!

 ……でも、そうか。あの力を持ってるなら…封印されてもおかしくないのかな……でも、そんなの悲しすぎる。あんなに可愛い子なのに……このままじゃ、いいわけないよな。

 俺はぎゅっと、決意するように拳を固く握る。すると、霊夢が目を細め、怪訝そうな顔をする。

 

「あなたまさか……フランを救いに行こうとか思ってるんじゃないでしょうね?」

 

「えっ……良くわかったな。その通りだ」

 

「ふざけないでちょうだい」

 

 俺の答えに、霊夢が少し怒ったように反応した。むぅ。

 

「ふざけてなんかないさ」

 

「いいえ、ふざけてるわ。目の前のことだけを考えて、後先のことは考えない。無計画すぎてふざけているとしか思えないのよ」

 

「その言い方は少し気になるな。俺だってそんなに無計画じゃない」

 

 俺の少し怒ったような口調に、霊夢はため息で返す。

 

「ならどうやって救うのよ。詳しく説明してくれるかしら?」

 

「う……それは」

 

「ほら、無計画じゃない」

 

 むう…確かに考えてなかったけど。どうしてそう頭ごなしに否定するんだ。それは分からないが…別に霊夢の同意を得ようとは思っていない。

 

「霊夢がどう言おうと関係ない。俺はフランを助ける。そう決めたんだ」

 

 そう言って俺は立ちあがる。霊夢には悪いが……俺は行くことにする。さて、どうしようか。まずは洞窟に着かない事には意味がない。結界がどうとかいっていたが、なんとかなるだろう。

俺は一歩、足を出す。だが、その足が地面に着く前に――俺の顔面が地面にすりつけられていた。……どういうことだ…? 理解が追い付かない。

なぜか動かしにくい頭を無理やり動かし、ちらっと上を見る。すると霊夢がマウントポジションをとって、俺の頭を押さえつけているのに気がついた。

 

「どういう……つもり――」

 

「分を弁えなさいよ……白滝」

 

 俺の言葉を遮ったその霊夢の言葉、そしてその目は…有無を言わせない威圧があった。

 

「あんた何様かしら? あんたは……人間よ? ちっぽけで、非力で、貧弱で……この幻想郷で一番弱い存在なのよ」

 

 その言葉には、少しの悲しみが含まれているように聞こえた。

 

「そんなあなたが、フランを救えると思う? 吸血鬼を救えると思う? 妖怪を…助けれると思う?」

 

 霊夢が吐き捨てるように俺に話す。……そんなの…そんなこと…

 

「無理よ。不可能よ。なんの力もない人間がそんなことをするのは、自殺行為……ううん、自殺よ。あんたじゃ……フランを救えないわ」

 

「っ! そんなの…やってみなきゃ…分からないじゃないか!」

 

「なら、同じ人間である私のこの手を振り払ったらどうなの!」

 

 俺の答えに、霊夢は叫んだ。……無理だった。今俺は、頭を動かすのでギリギリなのに、手を振り払うなど……到底無理だった。……くそっ! 俺は…。

 

「……そんなこともできないあんたに、妖怪は救えないわ。悪いことは言わない、この件からは手を引きなさい」

 

 その霊夢の発言を聞いたすぐに、体にかかっていた重みが消えた。霊夢が俺の体から離れたようだ。俺はゆっくり体を起こした。

 ……言い返せないな。悔しいけど……正論だ。正論すぎて涙が出る。……そうだよな、俺は…ただの人間だもんな。

 

「あんただけじゃ……無理よ」

 

 止めと言わんばかりに、霊夢がそう言い放つ。その言葉は俺の心に深々と突き刺さった。

 ……くそっ! 言い返せない自分が悔しい…っ! でも、そうなんだよな。霊夢は、能力ももった特別な人間だ。でも『人間』なんだ。その手さえも振り払えないのに…フランを救うなんて、ふざけてるよな。そうだ……俺だけじゃ無理だよな……ん? 俺…『だけ』? 逆に取れば……俺『だけ』じゃなかったなら、なんとかなる? そうか! その手があった!

 

「なるほどなっ!」

 

「!? いきなりなに?」

 

 体をビクッと震わせた霊夢は、俺の方を怪訝そうに伺う。

 

「霊夢……俺を心配してくれたこと、ありがとう」

 

「はぁ? 誰が心配なんてっ」

 

「でも、俺は諦めれないんだ。たとえ……あのフランが、俺の考えてるフランじゃないとしても、絶対に救いたいんだ。だから…」

 

 俺の言葉に少し目を見開いた霊夢だが、諦めたようにため息をついた。

 

「勝手にしなさい」

 

「ありがとう」

 

 俺は霊夢にお礼を言う。霊夢には悪いことをしたと思う。せっかくの好意を無駄にするようなことだったが…やっぱり諦めれないんだよな。

 ふと空を見上げる。もう太陽は昇りだしている。気絶していた間に、結構時間が立っていたようだ。

 ……あれ? なんか忘れてる気がする? 

 

「なぁ霊夢。なんか俺忘れてると思ってるんだけど……何だと思う?」

 

「知らないわよ、そんなこと」

 

……………………………………………………………………………………………………………………………おおっ!

 

「俺、紅魔館に帰らなきゃ!!」

 

「えっ! 忘れてたってそのこと!? 一番大切じゃないそれ!」

 

 やべぇー、土下座地獄が始まるぅぅぅぅー

 

 

 

 

 

 

 という事で、嫌がる霊夢に頼みこんで、紅魔館となりの湖まで送ってもらいました。また迷うと嫌だからね! 空飛ぶのすごいねやっぱり! ジェットコースターみたいな感じだった!

 霊夢にお礼を重々言って、次来た時に絶対に賽銭を入れることを約束し、そこで別れた。本人はお金はあると言っていたが、やっぱり欲しいものは欲しいのだろう。

 

「ほーんめいりん、ほーんめいりん♪ 嬉し恥ずかしもどかしい♪ あっ! 歌を歌えばなんとやらだな!」

 

 さぁて、門番が見えてきた。どうやって謝ろうかなぁ、心配かけただろうし……待てよ、もしかしたら逆に、全然心配されていないという可能性はないだろうか? あるなぁその可能性。てか100%じゃね? 十六夜さんとかレミリア様とか絶対そうだわ(泣) でも美鈴は違うと信じたい!

 美鈴は門の前で、拳法の型を流しているようだ。うーん、やっぱりこの世界の美鈴は寝ないのかぁ。ちょっと残念。……えっ!? いやいや、そんなこと考えてないよ!? 美鈴が寝ている間に、その豊満な体に放送コードに引っ掛かるような事をしようとは思ってないよ!?

 なんてバカなことを思ってるうちに、美鈴が気付いたようだ。流すのをやめてこちらを見ているような気がする。

 

「おーい、めーりーん! ただいまー! ……ん?」

 

 ……あれ? 美鈴、走ってきてないか? すごい勢いで近づいてくる。やばい! まさか殴られる!? 相当ぶちギレてらっしゃる!? どうしよどうしよ。

 そんなあわあわしていたら、もうすぐそこに来ていて、俺は覚悟を決めた。

 

 

 

 

「ぐすっ……良かったですぅ…えぐ……妖怪に食べられたのかと思ってましたよぉ」

 

「心配させてごめんな? 大丈夫だから……ほら美鈴、泣きやめ?」

 

「ぐしゅ…はい」

 

 あるぇー、なんで俺、美鈴を慰めてんだろうね。なんで美鈴、泣いてるんだろうね。殴られることを覚悟していた俺からしてみたら、いきなり抱きつかれて、泣かれるもんだから困っちゃったんだよぉ。

 でも、心配をかけたことは事実なんだよな。それに泣いてる美鈴、凄く可愛いぃぃぃ! hshs、prpr。

 

「でもまさか…こんなに心配してもらえてたとは…」

 

「当たり前です! 凄く心配してたんですよ! ぐす…」

 

「はは、ありがとう。ほら、ハンカチ」

 

「ありがとうございます……///」

 

「……もしかして、十六夜さんとかレミリア様も心配してくれてたのか?」

 

「あっ、おふた方は全然心配されてなかったです」

 

「ですよねー」

 

 予想通りだよ! チクショウ!

 

 

 

 

 

 

 

 そして、遅れたことを十六夜さんとレミリア様に謝りに行ったが、ホントに予想通りだった。

 

 

「十六夜さん、すみませんでした! 昨日の夜までに帰れなくて…」

 

「ああ、そういえば居ませんでしたね。気づきませんでした」

 

 ちくしょう!

 

 

「レミリア様、すみませんでした! 昨日の夜までに帰れなくて…」

 

「……咲夜? 紅茶のおかわりを」

 

「スル―!?」

 

 畜生!

 みなさんドSすぎるぜ! はぁはぁ。

 

 とはいえ、なんとか二人にも許しをいただいた、ありがたい。美鈴も頭を撫でたら泣きやんでくれたし、一件落着といったところか。……もう美鈴は俺のことが好きなんじゃないか? とか思うがそんなことありえないし……なんだか悲しい気持ちになった。

 そんな俺は今、大図書館への廊下を歩いている。なんでかというと、パチュリーさんに頼みごとがしたいからだ。頼みごとというのは……まぁ後でのお楽しみだ。

 着き次第、俺は扉を開く。なんと驚いたことに、ほとんど図書館がもとの姿に戻っていた。いや、まぁもとの姿とか二次創作でしか見たことないけど。あの廃墟からの進展は凄い。美鈴と小悪魔、頑張ったんだな。

 あっ見つけた見つけた、パチュリーさん。周りが戻っても、この本の山は何ともなっていないようだ。自分で片付けようよーパチュリーさん。

 

「パチュリーさん、こんにちは」

 

「……」

 

「パチュリーさん?」

 

「……」

 

「パチュリー様?」

 

「……」

 

「もやし」

 

「せめて『紫』をつけなさいよ」

 

 そういってやっと本から目線を離す。えー、同じネタ使っても面白くないじゃん。

 まぁパチュリーさんいじりはいいや。本題本題。

 

「それで、どうしたのよ」

 

「実は、頼みたいことがありまして」

 

「頼みたいこと?」

 

「はい、きっと博識であるパチュリーさんでしかできないことです」

 

「持ち上げるわね……まぁいいわ。内容によるけど、やらないことはないわ」

 

「ありがとうございます」

 

 よし、承諾。もうすこし渋られると思ったけど、すんなり行った。ありがたい。

 パチュリーさんは、掛けていたメガネをはずし、俺を見てくる。あぁ…メガネも良かったのに。

 

「それで? なんなの?」

 

「えっと、作り方とかも分かんないんですけど。妖怪を簡単に眠らせる薬を作ってほしいんです。たとえば…吸わせるだけで寝てしまうとか」

 

「眠らせる、ねぇ。なるほど」

 

 そう言ってパチュリーさんは本に目を戻す。

 

「……どうでしょうか?」

 

「結論から言うと出来るわ。ちょうど、そういう魔法薬の本を読んだばかりだったから」

 

「ほんとですか! ありがとうございます!」

 

 やったぜい! けっこうダメ元で頼んでたから、すごくありがたい。

 だが、パチュリーさんが「ただし」と続ける。

 

「時間がかかるわ」

 

「まじですか……いつ頃完成になりますかね」

 

「そうね……明日の昼といったところかしら」

 

「ああ、それなら大丈夫です! ありがとうございます!」

 

 明日なら大丈夫だ。この計画ももともと明日にする予定だったし。

 パチュリーさんにお礼を言ったあと、少し大図書館の整理をしていた小悪魔を手伝い、俺はそこを後にした。

 

 

 

 

 その日の夜。俺は美鈴の部屋を訪れようとしていた。目的は1つ、この計画に協力してもらうためだ。きっと、十六夜さんやパチュリーさんや、レミリア様は協力してくれないと考えた結果だ。

 確かこの時間にはもう美鈴は部屋にいるはず。俺はドアをノックした。

 中から「はーい、どうぞ」という美鈴の声が聞こえたのを確認してから、俺はドアを開いた。中は良く片づけられていて、なんともいい香りが漂っている。さすが美鈴。

 美鈴は俺の姿を見ると、少し驚いた様子を見せたが、すぐに笑顔を見せてくれる。

 

「あっ、白滝さん!」 

 

「ごめんな、急に来たりして」

 

「いえそんな! 会いに来てくれるなんて嬉しいです!」

 

「ありがとう」

 

「……どうしたんですか? そんな真剣な顔をして」

 

「美鈴、頼みたいことがあるんだ」

 

「頼みたいことですか? はい! 白滝さんの頼みならいいですよ」

 

 そう言って笑顔を見せてくれる美鈴に、少しの罪悪感を覚えた。……だって、俺の頼みたいことってのは……すごく危険な事だからだ。だが、ここで引き下がれない。これは…どうしてもやらなければいけないからだ。

 俺は、そう決意を固くし、美鈴の目をじっと見つめた。

 

「美鈴」

 

「はい」

 

 

 

 

 

「俺と一緒に、フラン様を救ってくれ」

 

 

 

 

 

 ここに、俺のフラン救出計画が始動した――

 

 

 

 

 

 







お疲れ様です! そして見ていってくださってありがとうございました!

白滝が、己の未熟さを確認し……そしてなにか企みだしましたね(笑)
はたして、フランを救う事が出来るのか! 美鈴可愛いよ美鈴。

前書きでも言いましたが、アンケート、まだまだ待ってます。
詳細は、僕、トーレの活動報告にありますので、そちらにお願いします!
尚、18日に最終中間発表を活動報告の方で、したいと思います。「今、どのキャラにどのくらいの票が入ってるのかなぁ」とか思った方は、ぜひ見てください。

感想、誤字脱字等の指摘も待ってます。まだまだ精進しなくてはならないところも多々ありますが頑張ります。

さて次話ですが……僕自身の用事がいろいろありまして、誕生日特別話を投稿してから投稿しようと思っています。
ですので、「東方一年郷 第十七話」の投稿予定日は、8月末になると思います。お了承ください

では次回、誕生日特別話でお会いしましょう! グッバー!
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