東方一年郷   作:トーレ

20 / 51

ども! トーレです! 今季初コンビニおでんで、真っ先に白滝を食べたトーレです! 白滝はやはりうまい!

いやー、お久しぶりですね! すみませんでしたぁぁっぁ!
俺自身ここまで更新が遅れてしまうとは……
言い訳をしますとですね、二つあります。

言い訳その1「バトルフィールド3が予想以上に楽しかった!」

言い訳その2「にとり&雛のネタが思いつかず!」

以上のことです。完全に私事ですね申し訳ありません(土下座)
一部の方からは「まさか失踪…?」なんて言われましたが、大丈夫ですよー! めったなことが無い限り失踪はしないつもりです!

さてということで、かんばってネタを作りだした、誕生日……いや、もう誕生日一カ月も過ぎてるんで、誕生日(笑)特別号、「にとり&雛編」をどうぞ!

温かい目で見ていってね!






誕生日特別号 ~河城にとり&鍵山雛編~

 

 

にとり&雛編

 

 

 

「あれ? おかしいな…」

 

 とある日の昼下がり。特に用事もない日で暇を持て余していた俺はふと、カメラでいろんなところを回って写真を撮ろうと思った。最近は慧音さんの寺子屋を手伝ったり、魔理沙の家に出張執事をしたり、アリスと一緒に藁人形作ったり……いろいろ忙しかった為、いざこうやって暇になると、何したらいいか分かんなくなったんだよな。

 それで、風景とかいろいろ撮ってみるか、と思って押入れからこの一眼レフカメラを取りだしたんだが……まったくシャッターが切れない。フィルム入れを開けてみても、別段壊れてはいなさそうだが…

 

「故障かなぁ。まぁいかんせん、古いやつらしいしな」

 

 俺はため息をついた。ま、落ち込んでも仕方ないな。

 

「仕方ない。修理してもらおう」

 

 そう言って俺は、カメラ鞄にいれ肩にかけ、自分の玄関の扉を開けた。

 このカメラは、文からもらったものだった。今使っているカメラの前に使っていたものらしい。まぁ俗に言うお古だな。まぁ貰った流れには少し深い訳があるのだが、簡単にいえば

 

「あやや? まぁ…もう使っていないものなので、このカメラを差し上げるのは構いませんが……そうですね、では条件として。もしもスクープに出会ったらそのカメラで激写して、私に下さい。つまり、文々。新聞の情報提供者になって頂ければ…ということです」

 

 ということだ。なんとも使いっぱしり感がぬぐえないが、それでもこれがもらえたのだから不満はない。

 

 さて修理だが……俺が知ってる中で、そう言うのが得意なのは一人しかいない。

 

「かっぱっぱー、かっぱっぱー、にーとりー」

 

 そう、河城にとりだ。きっと彼女なら直してくれるだろう。

 にとりとは大分仲良くなったと思う。初めて会った時以来、妖怪の山メンバーと一緒に将棋をしたり、人里からもらったキュウリをおすそ分けしたり、俺の知識を生かして新しい発明品を作ったりなどなど、結構いい交友関係を作れているのでは、と思う。まぁ俺が思ってるだけかもしれないけどね!

 

 さて河城にとり工房に到着っと。俺はドアに手をかけた。

 

「おいーす。にとりいるか?」

 

「んー? その声は白滝かー?」

 

 俺の声に反応して、奥からにとりの声がした。足音がしたので待っていると、にとりがひょこっと顔を出した。その手にはキュウリが。

 

「こんにちは、にとり。あぁ…食事中だったか? 悪い」

 

「んぁ? 気にすんなよ。ちょっと小腹がすいてただけだし」

 

「それでも食事中なら、また後にすr――ぶはぁ!!」

 

「おおおぅ!? なんでいきなり鼻血出してんだー!?」

 

 俺は鼻を押さえ軽く上を向きながら答える。だってお前…

 

「タンクトップにホットパンツとか……エロすぎるっ」

 

「鼻血出しながらガッツポーズすんなよぉ……そんなに変か? この格好」

 

「変じゃない! なんかもう汗ですこし密着してる感じとか…エロいんだよ! 可愛いんだよ! 厚着が多いこの世界においてその露出は魅力的すぎるんだよ! もう俺はにとりにメロメロなんだよ!」

 

「なっ! やっやめろよぉ。恥ずかしいこと言うなよぉ」

 

「いや、でも本心だし」

 

「もう…メロメロとか真顔でいうなよ……本気にしちゃうだろ……」

 

「ん? なんか言ったか?」

 

「なんでもない! ばかぁ!」

 

 はい顔真っ赤でバカ頂きました! 最後はホントに聞き取れなかったけど、もうにとり可愛いなぁ。

 

 

 ……残念だが、にとりは着替えてしまった。改めて指摘されると、恥ずかしかったらしい。うー、まっこと残念でござる。

 にとりは俺と自分、二人分のお茶を用意して「まったく」とつぶやいた。

 

「あんまり調子に乗ると怒るぞー?」

 

「ははっ、ごめんごめん。にとり反応が可愛いから、ついね」

 

「あぅ、また可愛いとかいう」

 

 そう言ってにとりはうつむいてしまった。

 

「……そりゃ嬉しいけどさ…どきっとするし……でも、ホントにただからかわれてるだけなんだよな、白滝だし……それは分かってるんだけど……あぅぅ…嬉しくなっちゃうんだよなぁ…」

 

「?」

 

 なにかにとりがぶつぶつ呟いているが聞き取れない。うーむ…少しからかい過ぎたか。ここら辺でやめて、本題に行くか。

 

「でさ、本題なんだけど」

 

「……あぅぅ…どうしよう……でもこいつ、私の気持ちなんて分かってないだろうし……」

 

「にとり?」

 

「おっおう? なんだー?」

 

「本題なんだけど…大丈夫?」

 

「うっうん。大丈夫だぞ」

 

 そう言ってにとりは笑顔になる。どこかぎこちない気がするが、気のせいか。

 

「実は、カメラが壊れちゃって」

 

 俺はそう言って、カメラを鞄からだし、にとりに見せた。するとにとりは「あー、このカメラかぁ」と妙に納得したようにカメラを受け取った。

 

「もう古いからなぁこれ。いつ壊れてもおかしくなかったんだよな」

 

「知ってるのこれ?」

 

「もちろんさ。何回修理してやったことか。どうせ文からもらったんだろ? 新しいカメラをあいつにやったからな」

 

「そうだったのか。それなら助かる」

 

 まぁ考えてみれば納得はいくな。文自身、にとりには良く世話になったって言ってたし。

 にとりが慣れた手つきでカメラの中を見ていく。時々頷きながらドライバーを回した。

 

「うん、これくらいなら直るな。そんなに時間もかからないし……今日中には終わるだろう」

 

「ほんとか、ありがとう」

 

 良かった、と安堵のため息を漏らす俺に、にとりは「ただし」と続けた。

 

「他の所もけっこうガタが来てるみたいなんだ。またいつ壊れるか分からないぞ?」

 

「あー…やっぱりか」

 

「だから、もう使わない方がいいかもしれないぞ?」

 

 そうにとりが、カメラから目線をはずし俺に聞いてきた。……確かに古いしな。買い替えとかも考えるべきかもしれない。でも

 

「いや、いいよ。このまま使うさ」

 

「いいのか? 何なら変えのカメラ用意するぞ?」

 

「ううん、そういう問題じゃなくてね」

 

 俺は、カメラを優しく撫でた。

 

「これは…文の大切なものだと思うんだ。それに、俺も大切にしたいと思ってる。……前に文が言ったんだ。『妖怪が妖怪として扱われなくなったら、その妖怪は終わりです。だから私も、このカメラを最後まで…完全に壊れるまでカメラとして扱ってほしいんです』って」

 

 この言葉は、カメラをもらった時に言われたものだ。なんだか、妙に心に響いたというか……。俺も人間として見られなくなったら、嫌だもんな。だから俺はこいつの一生をカメラとして過ごさせてやろうと思ったのだ。人間や妖怪が死ぬように……このカメラが本当に壊れてしまう時まで。

 

「……そっか」

 

 そう言ってにとりは微笑みながら、カメラを手に取り「頑張れよ」と呟いてそっと撫でた。……やっぱりにとりは、優しいやつだな。こんな考え、笑い飛ばされてもおかしくないのに。

 改めてにとりに尊敬の念を抱いていると、なぜかにとりの顔がいきなり不機嫌そうになっていた。

 

「もしかして…お前と文って、付き合ってたりするのか?」

 

「へ? 付き合う?」

 

「その、恋人同士だったりするのかって事だよぉ」

 

 いきなり何を言い出すんだこの子は。んなこと…

 

「ははっ、付き合ってなんかないよ。文が俺のことを好きだなんてありえないし」

 

 話す機会は増えたけどね。残念だけど全然そんな良い雰囲気はない……残念だけどっ……残念だけどっ!

 だが俺の心情とは裏腹に、にとりは

 

「そっそうかぁ」

 

 と、なぜか安堵したように言った。どゆことなの。

 

「第一俺の事そうやって好きなやつなんか、この幻想郷にはいないだろ。まだ幻想郷に来て日は浅いし……」

 

 そうなんだよね。文に限らず、良い雰囲気になったお方が全然いない。あったとしても美鈴と二人の時だけとか。まぁそれも基本仕事中だし……

 そう言ったのだが、にとりが優しい子なわけだった。

 

「そっ…そんなことないと思うぞ?」

 

 と慌てたようにフォローをいれてくれた。んー…でもなぁ

 

「嘘つけよー。にとりも、男として俺が好き、とか思ってないだろ?」

 

 という俺の少しひねくれた意地悪な問いに、にとりは凄く驚いた顔をして、凄くおどおどして、目線を宙に泳がせて、顔をなぜか赤くして、そして最後にはうつむいて妙に力がこもっていないように答えた。

 

「私は……お前は友達として好きだ」

 

「だよねぇー。ごめんな、変な事聞いて」

 

 うー……間があったからもしかしたらっ! とか思ったけど、予想通りだよ! ちくせう……なぜかにとりが今にも泣き出しそうな顔をしているが、泣きたいのはこっちだよまったく。……いや、にとりは悪くねえけど。むしろ変な事聞いた俺が悪いけど。

 

 

 すこしの気まずい間があって、それが落ち着いた後、本格的ににとりが修理を始めた。

 ふむ、さすが手慣れているというか、ドライバーの扱いなどを見ていると、美しさすら感じる。さすがはにとりん。てか幻想郷ドライバーとかあるんだな。意外と近代的?

 さて、にとりは時間はかからないと言っていたが……

 

「どうやって暇をつぶすか…」

 

「そうだな…」

 

 と俺のつぶやきに、にとりが手を動かしながら返した。そして思いついたように顔を上げた。

 

「そう言えば、今日雛が来るんだよ。昼過ぎに行くって言ってたから、そろそろ河のほとりに着いてるんじゃないかな」

 

「ほんとか! なら迎えに行くついでに、少し世間話でもしてようかな」

 

「そうしてくれるか? 雛も喜ぶぞ。直ったら教えるから、よろしく頼む」

 

「おう! さんきゅーな!」

 

 そう言って俺は立ちあがった。やったぜ! 久しぶりに雛に会える!

 あれ? 厄は大丈夫なの? とか思ったあなた。残念! なんと俺とにとりは、厄を人並みに受けることができる「にとりのシュシュ」を開発したのだ! よって雛の厄ハザードの心配などはナッシング! いやー、東方M-1であったのをダメ元でにとりに言ったら、本当に作れるとは……河城技術、恐るべし。

 だから、そのシュシュのおかげでいろいろな場所に行っているらしい。うん良いこと良いこと。ま、俺にはシュシュとか関係ないけど。

 俺はにとりにお礼を言って、工房の扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 美しく流れる川のほとり。厄神である鍵山雛は、一人ため息をついていた。

 別段体調が悪いとか、厄があまりたまっていないとか、そういう理由ではない。

 

「身につけてないと、意味無いわよね…」

 

 雛は手首を見て、またため息をついた。そこには今日身につけておくべきだったものが無かった。それはシュシュである。シュシュと言っても侮るなかれ。なんとこのシュシュを付けている間は、人並みに厄を受けることができる……つまり、完全ではないがほぼ人間や妖怪と同じになれるのだ。

 だが今はそのシュシュを忘れてしまったということだ。

 

「せっかくにとりに会いに行こうと思ってたのに」

 

 またため息をつく。シュシュを付けていない自分はただの厄神であり、今現在もどんどん厄がたまっている。そんな状況で妖怪、まして親友のにとりなんかには会えない。会ってしまって、近づいたならば、自分の厄で不幸にさせてしまうからだ。まして、もしかしてあの人がいたら――

 

「はぁ…残念だけど、今日は帰ろうかしら。出直す…というのも格好がつかないし」

 

 雛はもう何度目か分からないため息をついてから立ちあがり、服装を整えた。

 と、そんなときに「おーい! 雛―!」と自分の名前が呼ばれた気がして、下の落としていた視線を上げる。

 そこには、

 

「あっ……」

 

 今の状態の雛にとって、一番会いたくない人間がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい! 雛―!」

 

 雛を見つけた俺は嬉しくて駆け寄った。雛はいつもの黒を基調とした服に、大きなリボン、まぁイラスト通りの服装で、川のそばで立っていた。しかし、なんでこんなところで立ち止まっているんだろう? にとりの工房まで、けっこう距離あるぞここ。

 さっきも久しぶりと言ったが、雛と会うのは初めてではない。初めてはにとりに頼んで会わせてもらったのだ。それからけっこうな回数、にとり経由で交流している。シュシュの件もあるしな。性格もけっこう予想通りのところがあり、嬉しく思った記憶がある。少し……Sっ気があるが。なぜ俺の周りはSばかりなのか…

しかし、話したことはあるが、仲がいいかは分からない。雛が俺をどう思っているかが分からないからなぁ。一応なぜか名前を呼び捨てでいいとは言われてるから、毛嫌いされているわけではなさそうだが……

 いやー、しかし今日も雛は綺麗である。にとりの可愛いさと、雛の綺麗さがあるからこのコンビは凄く華になる。妹紅&慧音先生の次くらいに好きだな、うん。

 なんて風に、俺は会えたことを心から喜んでいるのだが、雛はなぜか苦笑いを浮かべていた。

 

「久しぶりだな、雛。元気にしてたか?」

 

「えっええ、久しぶりね。いたっていつもの調子よ」

 

 ざっ

 

「それは良かった。いやー、実はカメラを壊しちゃってさ。今にとりに修理してもらってるんだ。それで雛が来るって聞いたから」

 

「つまり、私にはついでで会いに来たってことかしら?」

 

 ざっ

 

「ついでなんかじゃないさ。雛に会えるのはすごく嬉しいよ」

 

「あら、お世辞でも嬉しいわ。ありがとう」

 

 ざっ

 

「……なぁ、雛」

 

「なにかしら?」

 

 ざっ

 

「……さっ!」

 

「!?」

 

 ざざっ!

 

「……」

 

「……」

 

「……雛。なんで俺が近付くと、後ずさるんだ?」

 

「…えっ…えーと……気のせいじゃないかしら?」

 

 俺の問いに、雛は目を泳がせた。

 さきほどからの音は何かお分かり頂けるだろうか? あれは雛が後ずさる音である。俺が歩み寄るたびに雛は後ろに下がる。そして理由を聞くと、言葉を濁す。

 まっ…まさか!

 

「俺…嫌われてる?」

 

「えっ?」

 

 俺は驚愕の結論にたどり着く。だって、後ずさるって、近寄ってほしくない証拠じゃんか。あぁ……俺嫌われてんだな…でも…そうだよな。常時変なテンションだし、いつも可愛い子を見たらhshsprprとか思っちゃうし、可愛い子の頭とかなでたくなるし…嫌われて当然かもなぁ……はぁぁぁ。

 俺がそんな深いため息を漏らすと、「ふふっ」と雛が笑うのが見えた。あれがドSの余裕!?

 

「嫌いじゃないわよ。そんなわけないじゃない」

 

「へっ?」

 

 雛は俺に向かって微笑んだ。その表情に偽りはなさそうだが……ほんとに?

 

「でも、後ずさったじゃんか。それは近づかれたくないってことじゃないの?」

 

 俺のその問いに、雛は苦笑いを浮かべる。

 

「間違ってはいるんだけど……正解と言えば正解ね」

 

 そう言って雛は右手を前に出す。えっと、つまりどういう?

 ……あれ? つけてない?

 

「雛、シュシュはどうしたの?」

 

「実は、つけてくるの忘れちゃったのよ」

 

 そう言って雛は頬を少し赤らめながら、恥ずかしそうな顔をする。

 

「今の私には近づいちゃだめなの。だから後ずさったのよ」

 

 そう答えた雛を見て俺は

 

「良かったぁぁ」

 

 と安堵のため息を盛大にこぼした。そんな俺の様子を見て、「ごめんなさいね」と雛が言う。いやー、良かった良かった。

 

「ほんとに嫌われたのかと思ったよ。そんな理由で良かった」

 

 俺は雛に微笑んだ。だが、雛は少し不機嫌そうな顔になってしまった。

 

「あれがないと、あなたは私に触れれないし、近づくこともできないのよ? …それをそんな理由って…」

 

 そう言って雛はうつむく……まったく、だからそんな理由なんだよ。

 俺は雛に歩み寄った。それに雛は驚いたように顔を上げる。

 

「だっだめよ。近寄らないで」

 

 一歩前へ。

 

「だめっ! あなたに厄を移しちゃう!」

 

 一歩前へ。

 

「だめって言ってるのに! あなたを不幸にしたくないの…っ」

 

 一歩前へ。そして、俺は手を伸ばして

 

「あっ……」

 

 雛の頭に手を乗せた。そしてゆっくりと撫でる。サラサラの髪が手の中を流れ、何とも心地がいい。

 

「もう…だめって言ったのに……」

 

 雛は目を閉じ、ため息をついた。

 

「白滝……あなた、私に近づくだけじゃなくて触れるなんて…絶対に不幸になるわよ」

 

「構うもんか。それに俺は雛から不幸じゃなくて、幸せをもらってるんだから」

 

「…頭を撫でるのが、幸せなの?」

 

「もちろん」

 

「……変な人間」

 

 雛は観念したかのようにそう呟いた。そして、少し笑みをこぼした。

 

「初めて会った時も、こんな会話したわね」

 

「そうだったっけ?」

 

「そうよ。忘れたの?」

 

 雛にジト目で見られた。それ自身は可愛いのだが……うーむ…出会った嬉しさは覚えてるけど、会話までな。

 そんな俺の様子を見て「まったく」と雛は少し諦めの入ったため息を漏らした。怒っちゃったかな、なんて思ったが、雛の顔にそういう色は無い。むしろ微笑んでいた。

 

「初めて会った時も頭を撫でられたわ。いくら私が厄神だって説明してもどんどん近付いてきて」

 

「そうだっけか? ……んー、そりゃ初対面でそういうことしたのは謝るけどさ。でも厄神とか関係ないだろ。可愛いくて綺麗な子の頭を撫でるロマンにそんなのはなんの妨げにもならん!」

 

 と俺が力説すると、雛が少し驚いた顔をしてから、また笑いだした。

 

「ふふっ、その時も同じことを言われたわ。白滝…ほんと変ってないのね」

 

 そう言って雛は俺に微笑みかける。むぅ…なんだか過去の自分の話というのは恥ずかしいものがあるな。同じ事言ったのかぁ……うーむ。

 そんなことを考えていたら、雛がこちらを何か物言いたげな目を向ける。

 

「……いつまで撫でてるつもりかしら?」

 

「んー…半世紀くらい?」

 

「予想斜め上を行く返答ありがとう」

 

 雛はまたため息をつく。むぅ、呆れられちゃったかな。だが雛は、少し顔を赤らめて

 

「まぁ…でも、あなたに頭撫でられるの…悪い気はしないわ」

 

 と微笑んでくれた。その顔がなんとも綺麗で、俺は見惚れてしまっていた。なんというか……凄く幸せを感じる。そんな事を思っていた矢先「白滝―、雛―」と呼ぶ声が聞こえた。俺は手を雛の頭から離し、振り返ると、にとりが走ってくるのが見えた。カメラ直ったのかな? ……若干雛が残念そうな顔をしていた気がするが気のせいだろう。

 

「おっにとり! お疲れ様。どう?」

 

「おう! もう治ったぞ! 完璧だ」

 

 と言って、えへんっとにとりは胸を張った。おおぅ、すげぇ可愛い!

 と思った矢先、にとりの顔が不機嫌そうに変わった。だがそれは俺に向けられたものじゃなく

 

「…雛。なんで後ずさったんだ?」

 

 その問いに俺と雛は、苦笑いを浮かべるのだった。

 

 事情を知ったにとりは工房にシュシュの予備があることを思い出し、三人一緒ににとりの工房に向かうのだった。

 

 ……その道中、十数回転んだのは、俺の不注意のせいだと、ひどく申し訳なさそうな雛に、そう言い張った俺だった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへー白滝―、なでなでしてぇ?」

 

「まったく! どいつもわかっちゃいねぇんだよ、私の仕事の大変さなんてよぉ!」

 

「ねぇ白滝ってばぁ。なでなでしてよぉー。ぎゅー♪」

 

「なぁ白滝さんよぉ。お前は分かってくれるのかぁ?」

 

「えっ…えっと……」

 

 どうしてこうなった……二人ともべろんべろんに酔っている。妖怪や神様は酒に強いはずじゃないのか!?

 

 事の発端は、にとりが人里から日頃の感謝としてもらったといった酒だった。

 名前はなんだっけなぁ……えっと「生酔忘無」だったか? なかなかの銘酒と言われてもらってきたらしく、せっかく三人そろったのだから、といって開けたのだった。

 それがまた美味だったらしく、二人ともぐいぐいとすごい勢いで飲んでいった……といことなのだが。

 俺は、まったく口をつけなかった。まだ未成年だという理性があるのもそうだけど……大学で酒を飲まされた時のことが思い出されたからだ。俺は、酒に弱い。さらに俺は酒が入ると寝てしまうタイプらしい。それで先輩方に迷惑をかけた覚えがあるからだ。にとりや雛には迷惑かけたくないし、酔った姿を見られるのもどうにも恥ずかしかったから飲まなかったのだが。

 ……なにこれ? なんでこんなことになっちゃったのさ?

 

「えへへ、白滝の体温かいね…」

 

「特に近頃の若い奴らはなんだ! 私の存在をなんだと思ってるんだ?」

 

 一人は絡み酒、一人は幼児退行。

 さて、ここでクイズだ。どっちがどっちだと思う?

 

A「にとり→幼児退行  雛→絡み酒」

B「にとり→絡み酒   雛→幼児退行」

 

 さぁどっち! ヒントはなぁ……俺的(うp主的)には、予想外だな、うん。

 

 さて正解は!

 

「ねぇー、白滝―。ひなの頭なでなでしてよぉ」

 

「まったくよぉ…全自動水やり機は私の発明品だっての!」

 

 ……お分かりいただけただろうか。

 正解は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 B! Bを選んだ方、おめでとうございます! 景品として、俺とにとりの共同開発した全自動挿入マシーン「アッー♂部くん」&「ガチムチパンツレスリングTHE MOVIE」のDVDをプレゼント! 今を持って配送いたします。返品は受け付けません。

 

しかし……冷や汗しか出ねぇ。もうどこに目をやればいいか分かったもんじゃない。だって雛の服は乱れに乱れてしまっているし、にとりは胡坐で座ってるから、その……スカートの中が見えそうだし……あっ、あともう少し足を上げてくれれば見えr…はっ! 何を考えてるんだ! 俺のバカ!

そんな変態的な思考をしている俺を尻目に

 

「えへへー、白滝の香りがするぅ~、ぎゅーっ!」

 

 と言いながら、雛は俺に抱きつき

 

「それなのにあいつら勝手に改造して……それで故障しただぁ? ふざけるのも体外にしてほしいもんだなぁ! なぁ白滝もそう思うだろぉ?」

 

 と俺に酒臭い吐息をかけるほどに顔を近づけてくるにとり。……もう…おらどうしたらいいだ? わかんねぇだよぉ。頭の中はすんごく混乱してるのに、俺の胸はドキドキしっぱなしだ。やっやばいよ!

 そんな俺の顔の目の前にいきなり雛の赤くなった顔がひょこっと出てくる。その好意にさえもうドキドキと胸が高鳴る。……でも、あれ? なんで不機嫌そう?

 

「白滝ぃぃ~! どうしてなでなでしてくれないのぉ! ……私の事……きらい?」

 

「っ!? そっそんなことないぞー? ほらなでなで」

 

「ふにゅぅっ…えへへぇ、きもちぃ」

 

 目を細めて雛が俺にもたれかかってくる。うぅ…雛の顔が…近いぃっ! やばいドキドキが止まらんっ! 雛可愛いよ雛、ハァハァ。

 と、理性を失いそうになっていた矢先、俺は首を後ろからグイッと引っ張られた。目線を上げると、にとりが生酔忘無を片手に、俺を睨んでいた。あれ? いつの間に後ろに?

 

「でれでれしてんじゃねぇぞ白滝―」

 

「でれでれなんかしてないって」

 

「してるだろぉ。顔がにやけてたぞぉ?」

 

「うぐっ」

 

 やっぱにやけてたか……いや、まぁ、あの状況でにやけない男はいないだろうけどね! だからにやけるのは世の男子みな同じ! 俺は悪くねぇ!

 とどっかのファブレ家の息子のように言い訳をしていると、にとりの表情がいきなり暗くなる。

 

「なんだよ……私じゃなくて……雛の方がいいのかよぉ」

 

「へっ? どういうことだ?」

 

「だいたい! お前が私の気持ちに気付かねぇのが悪いんだよ!」

 

「はぁ? 気持ちって何だよ? いったん落ち着けって」

 

 俺が必死になだめるが、にとりは「うー、うー」と睨む。どうしたんだよ一体。もう相当酔ってしまっているんだな、情緒不安定ってやつだ。さて、そうなると休ませた方がいいか――

 

「白滝―!」

 

「おわぁ! った!」 

 

 いきなり雛が飛びかかってきた! その衝撃で頭部を打ち付けた! 50のダメージ! だが雛が可愛いから全回復!

 

「もうっ! にとりとばっかり話しちゃだめぇ! ひなともいっぱいお話して! なでなでして! ぎゅーってして!」

 

「おいおい、落ち着けって雛!」

 

 なんかもう、幼児退行っていうかただの甘えん坊じゃないかこれ?

 だが……なんというか、この駄々をこねる感じ……めっちゃ可愛いよぉぉ!

 はっ! 危なかった……今完ぺきに理性飛ぶとこだった。この状況で理性が飛んじまうのは非常に危険だ。この酔った二人に何をするか自分でもわからないからな。てか雛いったん離れようか。君の柔らかい双山が俺に押し付けられてしまっているよ。HAHAHA、鼻血がいつでも発射OKですよ。てかシュシュを今雛がつけていなかったら、俺死ぬんじゃないかな。てかあれ効果時間とか大丈夫なのかな……

 っと、まずはそんなことを考えてる場合じゃない。まずは雛の要望にこたえないと離してくれそうにない。

 

「雛、なでなで」

 

「えへへー」

 

「あっ! 雛! ずるいぞお前ばっかり!」

 

「いいもーん、白滝のなでなでは私だけのものなの!」

 

「んなことないぞ! ほら白滝! 私の頭もなでろよぉ!」

 

「ええっ!」

 

 What is this situation?

 

はっ! つい英語を! なんだろう……もうこの目の前の二つの可愛い存在を思いっきり愛で衝動に駆られてしまう! 押さえろぉ…押さえろ白滝。だが…ここは撫でないと俺は殺される勢いだな…。俺はしぶしぶにとりの頭に頭に手を伸ばす。

 

「はぁ…なでなで」

 

「んっ……えへへ」

 

 ……凄く幸せそうな顔してやがる。 くそ…めっちゃ可愛い!

 だが、目を細めていたにとりがふと怪訝そうな顔をした。

 

「白滝! 全然飲んでなんじゃんか!」

 

「あっ…ああ。俺、酒弱くてさ」

 

「そんなこと関係ないだろぉ? ほれ」

 

 と酒の並々入った杯を俺の口の近くに運んでくる。

 だが俺は、逃げるようにして頭を横に振った。迷惑かけたくないし、ここは我慢だ。

 

「俺はいいよ」

 

「遠慮するなよぉ。ほれほれ」

 

「いいって。二人で飲みなよ」

 

「まったく……頑固な奴だなぁ。…それっ!」

 

「うおぁっ!?」

 

 いっいきなり押し倒されたぞっ!? そのままにとりはマウントポジションに。おっおいにとり! なにすんだー!

 そんな俺の抵抗空しく、にとりは口に酒を含み――

 

「んちゅ…」

 

「!?!?」

 

 ……キス…されてるの、俺? 今? にとりに? その証拠に、にとりの可愛い顔が目の前にあって、唇には柔らかい感触があって

 

「ぁむ…」

 

 口の中に酒と思しき液体が注ぎ込まれていく。とたん俺の体が熱くなる。てかこの酒めっちゃ強い…っ。というか…マジでキスしちまったのか!?

 

「ぷはっ……へへ、うまいだろ?」

 

「あっ…あぁ」

 

 なんかもう、生返事しか返せない俺。てかドキドキしすぎて味なんか分からないよにとりん! 心臓がぁ…はじけるぞぉ…

 

「にとりずるいー! 私もやるー!」

 

「……へ?」

 

 にとりを押しのけ、今度は雛が俺に乗っかってくる。ちょっとちょっと!

 

「雛、落ち着け! キスなんてしちゃダメだ!」

 

「……? どうして? にとりはしたよ?」

 

「それはそうだけど……キス…口づけってのは、心から好きな奴としかしちゃダメなもんなんだ!」

 

 そう、だからお酒の勢いなんかでキスしちゃいけないんだ。されるのは……まぁその、正直嬉しいけど…それはとても大切なものなんだ。だから、好きでもない俺にはしたらダメなんだ。

 だが、俺のその言葉に対して、雛はにっこりとほほ笑んだ。

 

「それなら大丈夫だよ」

 

「…へ?」

 

「だって、私もにとりも、白滝の事、好きだから」

 

「…へ?」

 

「男の人として…好きだから」

 

「ちょ、ちょっと待って! それってどういう――!?」

 

「んっ…ちゅ…」

 

「んっ!?」

 

 ……本日二度目のキス。だが、今度は雛の綺麗な顔が目の前に。

 あぁぁ…雛の甘い香りが……あっそれと酒の匂いがー!

 

「ん……ちゅ…」

 

「んんー!」

 

 抵抗もむなしく、俺はなすがままになってしまっている。あぁ…もう頭が支配されてしまう…

 

「ぷはぁ……ふふ…えへへ、白滝に初めて、あげちゃった」

 

「っ!」

 

 だあああぁぁ! 可愛いすぎんぞこんチクショウ! きれいな見た目とのギャップが強すぎんぞこれ! はぁ…はぁ…落ち着け俺…落ち着け……

 冷静に考えると、にとりは分からないが、雛のファーストを奪ってしまったわけだし…なんにせよ、二人ともにキスをしてしまったわけだ。これは……責任ものか? どこまで責任を取ればいいんだ…? あぁ…だめだ、酒の影響で、上手く思考が……

 なんて頭の中でぐるぐるぐるぐると考え込んでいると、にとりが盛大にため息をついたのが聞こえた。

 

「これだけやっても……気づかないんだなぁ…」

 

「これだけって……キスは…大切なものなんだよ。こんな軽々しく、それにしたくもないのにしちゃダメなんだ…」

 

「はぁ…なにも気付いてないんだな。それがいいところでもあるんだけど…」

 

 だめだ…頭が痛くなってきた…。そんな中で俺が「…だから…どういうことだ?」聞き返すと、にとりは顔を赤くして、うつむきながら呟いた。

 

 

「私は……お前とキスがしたかったんだから……」

 

 

……へ? つまり…このキスは、俺に酒を飲ませるのが目的でなく……俺としたかったから? 雛も「私もだよ」とにこにこしてるし……その…つまり二人は――

 

「俺のことが……す……k…」

 

 あれ…? おかしい。いろんなものが歪んで見える……ちょ、にとり変顔すんなし……あれ? これ変顔じゃない? あれ? バランスがうまくとれな……い…。

 そのまま俺はぶっ倒れた。遠くからにとりと雛が俺を呼んでいる気がする。だめだ…瞼が重い…うぅ……お酒弱くてごめん…やっぱり妖怪さえも酔わせる酒だ……耐えられんよ…もしかしたら、行けるかもっとか思ったけど……ダメだな…ムリダナ(・×・)

 

でもなんだろう。大変だったけど、なんだかとっても幸せだったな……

 

 そんなこと思いながら、俺はそのまま目を閉じ、意識を手放したのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 という夢を見た。

 

「……え? 夢オチ?」

 

 俺はしっかり自分の部屋で、自分の布団で寝ていた。日光が差し込み、俺は目をこすった。

 ……なんだよぉぉぉぉ…夢オチかよぉぉぉぉぉ……はぁめっちゃ脱力した。あれだけ楽しい時間が夢だったなんて……なんだよそれぇ。

 だが…まぁ……ありえない……よな。あの二人が、俺なんか好きになるわけないもんな。うん、残念だし、なにか悔しいけど、仕方がないな……。

 

「でも……夢じゃなかったらいいのになぁ…」

 

 と俺はポロっと本音を呟いた。だってあの二人が好きだって言ってくれてんだぞ! そんなの最高じゃないかぁぁぁ! くそー! 血涙だよ!

 

 そして……夢だった証拠が出てきた。それは…

 

「カメラ……壊れてるや」

 

 俺はため息をつきながら、にとりの工房に向かうのだった。

 もしかしたら、正夢になるんじゃないか――なんて思いながら。

 

 

 

 

 

 なんて思ったけど。何もなく帰ってきますた。

 にとりとは少し語り合ったけど、普通の服だったし、雛もいなかったし…………orz

 だが、ここでくじけないのが俺、白滝。ここはあの夢が見れただけでも幸せだと考えよう! うん! そうしないと心が折れそう!

 

「さ、くよくよ考えるのはやめて! うまい飯でも作ろう!」

 

 そう言って俺は、非常に重く感じる腰を上げ、台所に向かったのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直したカメラを渡し、白滝が帰った後、にとりはため息をついた。それを見ていた雛が、工房の奥から少々苦笑いを含んだ笑みをこぼしながら歩いてきた。

 

「いつも通り、話せた?」

 

「うっうん。大丈夫だと思う」

 

「顔、赤いわよ?」

 

「えっ!? あっあぅぅぅ…もしかしてバレちゃったかな…」

 

「ふふ、大丈夫よ。あの鈍感な白滝だもの」

 

「そう…だよね」

 

 「ええ」と言って雛は、にとりの隣に座った。たとえ白滝がいなくなっても、にとりの顔は赤いままだった。

 

「でもまさか…お酒の勢いで、白滝に告白しちゃうなんてね…」

 

「うっ」

 

「おまけにキスまでしちゃうし」

 

「うううううぅ……」

 

 雛の言葉に、にとりがさらに顔を赤くして唸った。だが、からかう雛も顔は赤い。

 

「雛だって凄いことになってたじゃんかぁ」

 

「ほんと……私って、あそこまで酔うと、あんなになっちゃうのね」

 

「あんな猫なで声出してる雛、初めて見たよ」

 

「もう、言わないでよ」

 

 雛が顔を赤くしたのを、にとりはお返しと言わんばかりにニシシと笑う、がまたため息をつき、例の問題の酒が入っていたはずのビンをつかんだ。

 

「全部こいつが悪いんだよなぁ」

 

 恨めしそうに見つめるにとりを、雛も思いだしてか、少し恥ずかしそうにしながら見つめて微笑んだ。

 

『生酔忘無』 ……それはただの酒ではなかった。そこらの酒とはかけ離れた非常に高いアルコール含んでいて、酒に基本強い妖怪さえも酔わせてしまう。だが、この酒の本質はそれではない。この酒は……飲んで酔っている間のことを、絶対に忘れることは無いのだ。

「生きるもの全てを酔わせ、忘れることも無い」それがこの酒の名の由来だった。

 さてそういう酒を飲んで、べろべろに酔ってしまった為、酔い潰れ寝てしまった後、起きた時には自分たちで白滝に告白したことを覚えていたのだった。そしてそれは、白滝もにとりと雛に告白されたことを覚えているという事。

それに気づき、慌てた二人は――

 

「それにしても、良く思いついたね、雛」

 

「なにをかしら?」

 

「あの出来事を夢だったことにするなんて」

 

「そうね……白滝には悪いことをしたと思ってるけど、あれを無かったことにするには、夢にすることしか考えられなかったのよ」

 

 と雛は少し困ったように言った。

 そう二人は、白滝をあの出来事が夢オチだという風に導いたのだった。朝、白滝が起きる前に白滝の家に連れて帰り、寝かせ、そして夢だった証拠として、わざわざカメラもシャッターが切れない程度に軽く故障させておいたのだった。そして白滝は……その策にはまり、昨日に本当にあった出来事を夢オチだと勘違いしたのだった。

 

 その計画は完璧に決まったのだが、なぜかにとりは不機嫌そうだった。

 

「これで良かったんだけどね……そうなんだけど」

 

「せっかく気持ちを伝えれたのに?」

 

「……うん」

 

 にとりは静かにこくんと頷いた。その様子をみた雛は、にとりの頭をゆっくりと撫でた。

 

「あんな、お酒の力を使った告白なんかで、白滝が喜ぶと思う?」

 

「……ううん」

 

「だったら、しっかり向き合って、自分の気持ちで、言葉で、伝えなきゃ。白滝はきっとそこまでしなくちゃ、気付いてくれないわ」

 

 そう、雛は半分自分に言い聞かせるようににとりに言った。にとりは少しの間うつむいていたが、顔を上げて

 

「そうだよね……わかった。いつか絶対に、この気持ちを伝えるよ」

 

 と、強い意志を持って、そう言った。その様子を見て雛は、ふふっ、といつものように微笑んだ。

 

「私もいつか……彼に伝えるわ、この気持ち。それこそ、お酒なんて使わずにね」

 

「そうだねっ! 二人で頑張ろう! 雛!」

 

「ええ」

 

 そう言って二人は笑いあった。最後にどちらが選ばれるかなんて…そんなこと分からないが、二人は今、幸せだった。

 にとりと雛の友情に、妬みや憎しみ、そんな感情は不似合いで……不釣り合いで……

 二人は、いつまでも笑いあったのだった――

 

 遠くから

 

「夢オチかよぉぉぉ……少し期待した俺ってやつはぁぁぁ……」

 

 と聞こえてきたのは、気のせいだろう。

 

 

 






お疲れさまでした、そして見てくださってありがとうございます!

まさかここまで長い話になるとは…予想しておりませんでした。やはり二人になると……といった感じですね。なんだか上手くかけてない…っ。僕の力が…足りないっ

でも、すこしでもみなさんが楽しんで2828してくれたらうれしいです!

感想待ってます。こんなに期間が開いてしまったのに感想をくれる人がマイエンジェル
誤字脱字の指摘等もどんどん送ってください。

あっ、あと最後にお礼を! 「とある東方好きの学生」様が、僕のこの拙い小説を自作品内で紹介してくださいました。ホントに…ホントに嬉しかったです! ありがとうございました! とある東方好きの学生様の小説「花妖怪の君と過ごした最高の日々」素晴らしい作品です。いつもニヤニヤさせてもらってます。みなさんもぜひ! 幽香ファンの方は必見ですよー

では次は、東方一年郷の次話、十八話を投稿致します。はたして白滝はフランを救えるのか……こうご期待! なるべく頑張って早め早めに投稿するよう努めますよー

尚、…バトルフィールド3をプレイしている方がいらっしゃいましたら、ぜひフレンドになって一緒に戦場を駆けませんか? 感想ではなく、メッセージの方で待ってます。
もしかしてこういう勧誘系はこのハーメルン様では禁止であるならば教えてください。すぐに消しますので!

では次回お会いしましょう。グッバー!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。