東方一年郷   作:トーレ

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ども! トーレです! いうなれば風のヒューイでしょ!なトーレです!

みなさん明けましておめでとうございます! この年末年開けどのようにお過ごしだったでしょうか
僕は毎年恒例のガキ使をみながら、そばをすすりつつ、スマホでガールフレンド(仮)をプレイしつつ、艦これにいそしんでおりました。

なんかもう……人間終わってんな、僕…orz

さて、ずいぶん投稿が遅れておりました。申し訳ねっす!
これも僕のふがいなさの結果です! アーマードコア4の誘惑に負け、デッドライジング2の誘惑に負け、地球防衛軍4をみんなでワイワイやってた結果でございます!

なんかもう……まじで人間終わってんな、僕…orz

さて今回は、特別号小町&映姫様の出番です! もはや「誕生日」は消しましたww

ではどうぞ! 温かい目で見て行ってね!




特別号 ~小野塚小町&四季映姫編~

 

 

 

 

 

 In此岸なう

 

 俺の携帯が電波を受信していたら、俺はツイッタ―にこう呟いただろう。

 そして友達から「お前が死んだなら静かになって助かる」とか「良い病院知ってるぜ? あぁ精神科ね」とかいう返信が来るのだろう。大学の友達なんざこんんなのしかいねぇ! でもそう言うノリ嫌いじゃないけどね!

 

 さて、なぜに俺が此岸にいると言うとだな。俗に言う待ち合わせというやつだ。勘がいいやつはもう誰を待っているか分かるだろう。まぁぶっちゃけ今回の題名がもはやネタばれ――メタタァ

 

「小町たち……おそいな」

 

 俺は懐から1つの手紙を取り出した。おくり名のところには「四季映姫」とひどく丁寧なできれいな字で書いてある。それでと……うん、場所はまちがっていないな。

 さて、何を隠そう俺はこれから映姫様と小町とおでかけなのだよ! どうよ! うらやましいだろぉ、パルパルしいだろぉ。はっはっは!

 

 この手紙が来たのは、ほんの数日前だ。

 俺が夕飯を平らげていた時、いきなり目の前の空間が裂けて、中からこの手紙が放り投げられたのだ。

 

「今起こったことをありのままに話すぜ。俺の目の前にスキマが出てきて、手紙を置いて消えやがった。年増だとか、大老だとか、そんなちゃちなもんじゃ断じてねぇ。もっとおそろしい……そういうなればババ―」ピチューン!!

 

 といういきさつがあったわけだよ。みんな、年上の人には失礼なことは言っちゃだめだぞ☆ お兄さんみたいに爆発四散させられちゃうからね☆

 

 手紙の内容はざっとこんなものだった。

 

「白滝様へ 前略 本当は小町に書いてほしかったのですが、小町に任せたら手紙の中央に『全略』と書いてあっただけの手紙になってしまったので、小町は減俸にして、私が書くことになりました。さてさっそく用件なのですが、珍しいことに私の休日と小町の休日がちょうど重なった日があったのです。『私の休日なんか考えなくてもいいのに』とぼそっと小町が呟いたのでさらに減俸にしましたが。それで、せっかくだったら、前に白滝が言っていた、幻想郷ぶらり旅でしたっけ? それをしてみようということになりました。明後日の辰の刻、此岸を待ち合わせにしようと思いますので、都合が良ければ、返事をください。返事の受け取りは八雲紫に任せてあるのでそのように 四季映姫」

 

 とまぁこんな感じだったな。しかし映姫様ホントに字がお綺麗で、わしゃびっくりです。それにあのぶらり旅は半分冗談だったもんだから、ほんとに嬉しくてね。明後日の予定とか確認せずに二つ返事でOKしちゃったもんね! 実は境内の掃除を頼まれていたことを忘れていて、霊夢にめっさ謝ったけど仕方ないね!

 

 というわけで、俺は今映姫様と小町を待っているわけだ。ぶらり旅ってのは、前の宴会で映姫様たちと話していたときに考えたことだった。実は映姫様あんまり幻想郷の事知らないんだってね! 原作設定でも、休日は幻想郷に来て説教ばかりらしいし。まぁこっちの世界の映姫様は分からないけど、それでももったいない。だから、次の休日に来てみたらどうですか? と尋ねたわけだ。映姫様は「いつ休みなどとれるか分かりませんが…」といいながらも、笑顔で承諾してくれたのだった。ダメ元だったからなぁ。こうやって叶ってよかったぜ!

 ……でもその宴会だいぶ前の話だったから正直わすれてたよテヘペロっ

 

「しらたきー」

 

 遠くの方から俺を呼ぶ声が聞こえた。此岸と彼岸をつなぐ三途の河。ここは霧がむちゃくちゃ濃い。なので姿かたちは全く見えないが……きっとこの声は小町だろう。

 

 少したった後、ぼんやりと船の影のようなものが見えてきて……徐々にそこに乗る三人の姿も見えてきた。……あれ? 一人多いような。

 

「いやー、待たせちゃったね」

 

 そういって小町が船を岸に止め俺にはなしかけてくる。その顔はいつものように笑顔だった。

 

「いや全然。待ってないよ」

 

「ならよかったよ。ほい四季様、降りて大丈夫ですよ」

 

「ありがとう小町。でも次からはちゃんと早めに用意をしてください。時間遅れは厳禁です」

 

「ははは……まぁ今日は勘弁してください」

 

 映姫様が口にあの棒をあてながら、嘆息するように言うと、小町は頭をかきながら苦笑いを返す。まこと、二次創作やらでありそうな主従コンビである。いやーよいね! 俺コンビってことだったらこの二人一番好きかもだもの。

 小町は苦笑いの表情を浮かべたまま、もう一人の…全く知らない女性に話しかける。

 

「それじゃあ、あたいと四季様はここに残るから、あとはよろしく頼むよ」

 

「はい」

 

 そう言ってその女性…きれいな黒い長髪が特徴的なその人は、船に亡霊? 幽霊? みたいなものを乗せて、また霧の中へ消えていった。ふむ、きれいな人だったが……誰だろう。…まさかいつのまにやら新作が出ていて、そのキャラとか!?

 

「今の人は?」

 

「ん? あぁ、今のは別の死神の奴さ」

 

「ほぉ……別の子か」

 

「白滝……お前さんねぇ。死神があたいだけなわけないだろ?」

 

「おおっ! そりゃそうだ!」

 

 幻想郷にいるのが「東方project」のキャラだけなわけないものな。うん。まったく俺は何を考えているんだ、てへりんちょ♪

 

「死神があたいだけだったら、あたいの仕事が増えちまうだろ?」

 

「私としては今の倍は仕事をしてほしいのですが……ねぇ小町」

 

 映姫様のジト目に、小町

はまた苦笑いで返した。俺はそんな二人の様子を見てつい吹きだしてしまい、今度は俺が二人からジト目を食らうのであった。

 

 さて、そんないつも通りな雰囲気で、「白滝、小町、映姫のゆく。幻想郷ぶらり旅」は幕を開けるのだった――

 

 ……映姫様を中心にして、俺、映姫様、小町で並んで歩くと、なんだか映姫様が俺と小町のむすmピチューン!

 

 

 

 

 

 

 さて俺の旅プランなのだが、「今まで起こった異変の名所を旅しよう!」という風にした。なんと今のところ、俺の東方知識のほとんど順番通りの進んでいる。だから、紅魔館から始まり、白玉楼、永遠亭、花映塚関係の場所は当本人たちの異変だから抜きとして、守矢神社、地霊殿は無理だから、命蓮寺へと。こんな感じのコースであれば、色々な幻想郷の名所に行けるだろうと考えたのだ。一日で回れるのか?なんて質問を持っているあなた! 小町の「距離を操る程度の能力」があれば大分時間短縮が可能なのだよ!

 という事で、俺たちの旅をお送りしていこうではないか!

 

 

 

 

 

 

「右手に見えますのが紅魔館でございます」

 

「噂には聞いていましたが……本当に赤いですね」

 

「周りの風景と合ってなさすぎじゃないかねぇ…」

 

「そしてこちらが、シエスタで有名な紅美鈴さんでございます」

 

「……こいつ、門番じゃないのかい?」

 

「門番だぜ?」

 

「寝てるじゃないか!?」

 

「小町と同じにおいがしますね…」

 

「さすがのあたいも、職務中には寝ませんよ」

 

「映姫様においフェチだったの? まぁ確かに美鈴はいい香りがしますけど」

 

「そう言うことではありません!」

 

「てかなんでお前さんがこいつのにおいを知ってんだい…」

 

「しかし…さすがに感心しませんね。こら、起きなさい」

 

「んん…」

 

「あなたは門番なのでしょう? 寝ているなんて説教ですよ」

 

「あー、映姫様。あんまりそうやって乱暴に起こすと――」

 

「はっ!? 侵入者!?」

 

 特に理由のない正拳突きが映姫様を襲う! だが映姫様これを右から左へ受け流す!

 

「なりふり構わず訪問者を殴る門番がいますか」

 

「へ……はっ!? 閻魔様!? どうしてここに!」

 

「ちょっとした散歩ですよ」

 

「散歩にしては四季様。いつもより表情が柔らかいですけどね。誰のせいやら」

 

「そこ、うるさいですよ。まったく……中まで見たいのですが、いいですか?」

 

「あっはい! どうぞ」

 

「ありがとうな美鈴」

 

「いえ! 全然これくらいは。……あの、白滝さん?」

 

「なんだ?」

 

「…その…また、紅魔館に顔…出してくれますか?」

 

「なんだ、そんなことか。もちろんさ」

 

「あっ…ありがとうございます」

 

「へーん、ふーん、ほーん」

 

「なんですか、そのゆるみきった顔は」

 

「いやー、白滝も、あの門番も若いなぁと」

 

「なぜいきなり老けこんでるんですか…」

 

 

 

 

 

「右手に見えますのが、大図書館。そしてティータイムを楽しむレミリア様でございます」

 

「何をしてるのよ、白滝」

 

「お久しぶりです、レミリア様。まぁ…ちょっとした旅行みたいなものです」

 

「あなたが代替わりした紅魔館の主ですか」

 

「あら、珍しい客ね。あなたは地獄に引きこもっているものかと思ってたけど」

 

「初対面でその発言ですか。豪胆なのか…はたまた礼儀知らずか」

 

「どちらでもないわね。私は今あなたの立っているこの場所の主である。それだけよ」

 

「…なるほど。噂通りの方のようですね。いい意味でも悪い意味でも」

 

「褒めことばとして受け取っておくわ」

 

「いやー、あれが真祖の吸血鬼のカリスマ…こわいねぇ」

 

「慣れればどうってことはないぞ?」

 

「お前さん、変なところ強いねぇ…」

 

「それで、すこし本などを見て回りたいのですが、よろしいですか?」

 

「パチェ? 閻魔がああ言ってるけど、どう?」

 

「……丁重に扱ってね」

 

「分かっています」

 

「あと、私たちのティータイムは邪魔をしないでほしいわね」

 

「そのようなこと、毛頭にも思っていません」

 

「……あれ? なんか険悪な雰囲気? 何かこの二人の間であった?」

 

「いんや、きっとカリスマをぶつけ合ってるだけさね」

 

「……なるほどなぁ」

 

 

 そんな感じで、俺たちは紅魔館で本を読んだりして充実の時間を過ごした。……なぜか映姫様が途中からティータイムに参加していたが……何というかだな、すさまじいカリスマを放っておきながら、見た感じは幼女のお茶会という何とも言えないほほえましさを―ピチューン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて一向は、紅魔館を後にして、次の目的地へ行くことにした。

 

「正面に見えますのが、白玉楼にございます」

 

「どうしてあたいが、白滝をおぶってここまで飛ばなきゃいけなかったんだい」

 

「俺飛べないからさ、ここまで誰かと一緒じゃなきゃ来れないんだよ。ありがとうな小町」

 

「まったく…」

 

「しかし…けっこう長い階段ですねここ」

 

「というか生者が冥界にきていいのかい?」

 

「あの異変以降、境目がゆるくなってしまったらしいんだよ。だから入れるようになったという」

 

「白滝は良く来るのですか?」

 

「ええ、まぁ。なんだかよく食事に誘われるんですよ」

 

「あの幽々子が人に自分の分け前を与えるようなことを!?」

 

「四季様……それは失礼では…」

 

「さて、もうすぐで庭内に――」

 

「曲者覚悟おぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 特に理由のない斬撃が映姫様を襲う! だが映姫様はそれを右から左へ受け流す!

 

「相当な手だれとお見受けした! その命、拙者が貰う!」

 

「待て待て妖夢! 俺だよ! ハイテンションに定評のある白滝だよ!」

 

「へ…? ああ!? 白滝様! すみません、お怪我はありませぬか!?」

 

「まぁ俺は大丈夫。それよりも」

 

「申し訳ありませぬ。白滝様のお連れの方とはつゆ知らず……ってああ!? 閻魔様!? それに死神!」

 

「あたいだけ不憫な気がするねぇ…」

 

「まったく…幻想郷にはもともな門番がいないのかしら」

 

「申し訳ありません…拙者が未熟なばかりに……」

 

「未熟とは違うんじゃないかねぇ…」

 

「まぁ元気出せって妖夢。これで学んでいけばいいんだから」

 

「みょん……そうでござるな。めげちゃだめです!」

 

「そうそう、その意気だよ!」

 

「はい、いつもありがとうござりまする! 白滝様!」

 

「ずいぶん仲が良いようですね」

 

「へ?」

 

「青春だねぇ…」

 

 

 

 

「あらぁ、珍しいお客さんねぇ」

 

「お久しぶりね、幽々子」

 

「お久しぶりねぇ、でもどうしたのいきなり」

 

「休日ができたから、幻想郷をゆっくり見て回ろうということでね」

 

「そうなのぉ。相変わらず、忙しいみたいねぇ」

 

「ええ、まぁ閻魔として、当たり前のことよ」

 

「……なんか仲良さげだな」

 

「昔からの知り合いだからねぇ。気が置けない仲ってやつなのさ」

 

「なるほど……数少ない口調が砕ける仲ってやつか」

 

「おや、気づいていたのかい」

 

「さすがにね。紫様やら大天狗様やらに対して変ると、もしやって感じだった」

 

「なるほどね」

 

「みなさま、お茶とお茶受けをお持ちいたしましたぞ」

 

「お茶受けってレベルの量じゃねぇぞこれ!」

 

「ありがとう妖夢。妖夢も一緒にどうかしら?」

 

「いえ…拙者は稽古をせねばなりませぬので」

 

「そう、がんばってねぇ」

 

「じゃあ、見学してもいいか?」

 

「あっはい! 見られると思うと恥ずかしいですが…ぜひ!」

 

「あたいもお茶をもらったら桜でもみてきますね」

 

「ええ、いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

「今の子が、妖忌の孫の?」

 

「ええ、新しい庭師よ」

 

「素直で真面目でいい子じゃない」

 

「そうなのよぉ。自慢なの、大好き」

 

「そう」

 

「あなたの方も、いい子そうじゃない」

 

「小町は不真面目すぎるのよ」

 

「でも嫌いじゃないんでしょ?」

 

「……えぇ…まぁ」

 

「それに、白滝さんのことも」

 

「なっ、なぜここで白滝の名前がでるのよ」

 

「あら、嫌いだったのかしらぁ」

 

「いや……その、嫌いじゃないけど」

 

「そうよねぇ。嫌いだったら、わざわざ白滝さんを連れて行かないわよねぇ」

 

「…どういうこと」

 

「この幻想郷を見て回るって、あの宴会で白滝さんが言ってたことでしょ? でもあの時白滝は『映姫様と小町の二人で見て回ったら』っていってたと思うのだけれど」

 

「それは……そう…だけど」

 

「ふーん……なるほどねぇ」

 

「…?」

 

「あなたでも、白黒つけれない気持ちがあるのねぇ」

 

「なっなっどういう事ですか!」

 

「知りたいかしらぁ?」

 

「……えぇ。森羅万象、物事には白黒つけなければいけませんから」

 

「そう。…実わね、あなたは――」

 

 

 

 そんな感じでゆっくりした後、俺たちは白玉楼を後にした。いやー、妖夢すごいや! なんだあの斬撃! 全然見えないよ。小町も、桜がきれいだったと笑っていたし。なぜか映姫様が、俺を見た時顔を赤くしていたが、どうしたんだろう……まぁいいや。というか、その顔がすごくすごくとてもとても可愛らしかったから! 俺はなぜか隠し持っていたカメラでシャッタを――ピチューン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてここで、次は永夜抄だから、永遠亭やらを訪れようと思ったのだが、案内を頼もうともっていた妹紅がいなかったこと、それに「あそこは別に…」と二人に言われたので、いくことを中止した。まぁあそこは特殊な雰囲気というか、あんまり心地よく過ごせそうなところではない気がするのは、同意である。

となると、次は――

 

「正面に見えますのが守矢神社へと続く道でございます」

 

「ここがあの…問題ばかりおこすという非常識な神がいる神社ですか」

 

「ははは…そうなります」

 

「否定はしないのかい?」

 

「否定の余地がなった」

 

「どんな魔窟だいここは」

 

「……? なにか騒がしいですね」

 

「ほんとですね」

 

 

 

「ほぉ、良い飲みっぷりだねぇ天狗。気に入ったよ」

 

「あやや、このくらい軽いもんですよ」

 

「ケロケロ、そっちの白いのは飲まないの?」

 

「ボクは遠慮しておきます。酔って神様方にそそうをするようなことは、白狼天狗の名に恥じますから」

 

「はっはっはっ、相変わらずお固いねぇまったく。今日は無礼講と行こうじゃないか。ちょっとしたそそうなら、許そうじゃないか」

 

「神奈子様もそうおっしゃいましたし、どうぞ、椛さん」

 

「…では、すこしだけ」

 

「あやや、椛がお酒を頂くとは珍しい。さすが神の前といったところでしょうか? ……でも気をつけてくださいね八坂様」

 

「なんでだい?」

 

「椛は、少しでも酒が入ると、完全に犬になりますから」

 

「……狼ではないのかい?」

 

「犬です」

 

「ケロケロ、そいつはいい! 早苗、じゃんじゃん飲ませちゃおう」

 

「わっわかりました」

 

「ごくっ…ごくっ…」

 

「意外といい飲みっぷりじゃないか」

 

「……くぅーん」

 

「……これは確かに」

 

「わんっ! わふっ!」

 

「こりゃ…」

 

『犬だね(ですね)(ケロケロ)』

 

 

 

「神奈子様―! 諏訪子様―! 早苗ちゃーん!」

 

「おぉあの声は」

 

「白滝さん!」

 

「あやや? 白滝さんの他に誰かの気配が…」

 

「ケロっ……へぇ、珍しい二人組だね」

 

「お久しぶりです、山の二柱神。それに現人神」

 

「そんな固い肩書で呼ばないでくれ。それより…この前の宴会振りかね」

 

「そうなりますね」

 

「早苗、この三人にも酒をあげよう」

 

「いえ、お構いなく。この後も仕事がありますから」

 

「ケロっ、あんたたちの酔った姿が見たかったのに、残念」

 

「……白滝さん」

 

「ん? どした椛」

 

「…わふぅ!!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!? いきなり押し倒すなんて! まだ昼だぞってなめるななめるな! これまさか犬モードか!?」

 

「あやや、ご明察です」

 

「文さん! なんでお酒飲ませたんですかぁ!?」

 

「わふわふっ、ちるちる…」」

 

「どわぁくすぐったいって椛! のわぁどこ触ってるんだ! ああ椛の柔らかいなにかしらがぁ!」

 

「あややや! 白狼天狗と人間がくんずほぐれつ! これは売れますねぇ! 激写激写!」

 

「あの三人は……ほおっておこうか」

 

「……いいなぁ、椛さん」

 

「早苗?」

 

「はっ! なっなんでもありませんよ、諏訪子様」

 

「しかし、そっちの死神は良く顔を見るけどね。舟渡しってそんなに楽な仕事なのかい?」

 

「楽なわけがありますか。小町が不真面目なだけです」

 

「どこにいってもその話題になるんですね……逃げ場なしかねぇ…」

 

「その点、早苗は真面目でいい子だよね」

 

「えへへ」

 

「そうですか? その風祝の巫女は常識にとらわれなさ過ぎていると聞きますが」

 

『ははは……』

 

「あれ? どうして神奈子様も諏訪子様も、そんな死んだ魚の目をしているんですか?」

 

「ちなみに、東風谷早苗。あなたは今、どのように人里に布教をしようとしているのかしら?」

 

「えっとですね……アイドルグループ『MORIYA』のデビューライブ『ドキッ☆神だらけの汗だくライブ! 神奈子様のポロリもあるよ!』がもうすぐ開催なので、その衣装作りと作曲活動を今はしています! ふんす!」

 

「……これ、なんて読むか分かるかい早苗」

 

「…つね…しょく? なんですかその漢字」

 

『ははは……』

 

「あれ? 神奈子様も諏訪子様もどうしてそんな、リストラされた中年サラリーマンが家族にどう報告しようか悩む明日の見えない暗い目をしているんですか?」

 

「私は……小町が部下で、良かったです」

 

「あたいも、常識に縛られててよかったです」

 

「職務をさぼるのは常識ではありません」

 

「あたいの中では常識――」

 

「それは説教ですね」

 

「―なわけないじゃないですかー。はは……はぁ」

 

 

 

 そんなハチャメチャな感じで、守矢神社散歩は終わった。

 俺が椛から解放されたあとには、なぜか神二人の目は死んでるし、現人神のほうは楽譜広げてるし、小町は説教されてるし、もはやなんなのこれ!!

 まぁでも、映姫様が小町の目線に合わせて説教できるように、箱の上に登っていた姿を見た俺は、なでなでせずにはいられなkピチューン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて次は、命蓮寺ですね」

 

「命蓮寺…ですか」

 

「どうしたんですか? 四季様」

 

「いえ…正直、そこまで行きたいとは思わない場所なので…」

 

「あー…確かにあたいも抵抗ありますけどね」

 

 二人のその会話に俺は苦笑いで返した。まぁ確かにあそこも、永遠亭と同じで、1つのグループとして完成されすぎて、近寄りがたい気はするけどね。新しい宗派だからあんまり知られてないし。そう考えると、よく紅魔館行けたねおい。

 だがしかし、今の命蓮寺に対しては、そんな考えは捨てた方がいい! なぜなら…今の命蓮寺は……っ

 

 

 

 

 

「お食事処……命蓮寺?」

 

「YES!」

 

「神社じゃなかったのかい!?」

 

「分社的な?」

 

「分社が食事処なんて初めて聞きましたよ」

 

「ま、あたいは酒が飲めればそれで」

 

「まったく、酒ばかりですか小町は」

 

「あははは」

 

「ささ、入りましょうぜ」

 

 カランカラン

 

「いらっしゃいませー、食事処命蓮寺へようこそ」

 

「あなたは…毘沙門天の!」

 

「おおー! 閻魔さまじゃないですか。それに死神さんや白滝さんまで。どうしたんですか?」

 

「いやー、二人にはぜひここを紹介しておきたいと思ってね」

 

「それはそれは、ありがとうございます」

 

「…白滝は、命蓮寺のみなさんと交友があるのですか?」

 

「はい、お世話になっていますよ」

 

「お世話だなんてとんでもない。異変の時に仲良くなっただけですから」

 

「謙遜なさらなくてもいいですよ。白滝さんが考えてくれたこのお店のおかげで、徐々に命蓮寺の知名度が上がってきていますから」

 

「この店、お前さんが考えたのかい!?」

 

「まぁね。この方法が一番効率がいいんじゃないかって考えて。あわよくば、信仰も集めれるからいいな、と」

 

「なるほど…確かに理にはかなっていますが…」

 

「さ、立ち話はこれくらいにして、席へご案内いたします」

 

「…毘沙門天の弟子に給仕をされるというのも、なかなか抵抗があったりしますね」

 

 

 

 

 

「さて、なに頼みます?」

 

「なるほど…食事処とはいえ、甘味が多いんだねぇ」

 

「そっちの方が軽く食べられるし、女性にも人気が出そうだしいいでしょ」

 

「ふむ……では私はあんみつをいただくことにします」

 

「おっ、良いチョイスですね映姫様。それ、みんなにお勧めしようと思ったんですよ」

 

「ほほう、店主のお勧めってやつかい」

 

「そゆこと」

 

「では三人ともあんみつでよろしいですか?」

 

「はい」

 

「あと、あたいはこの酒――」

 

「説教ですね」

 

「――って凄い名前だと思うんですよー。ははは……はぁ」

 

「どんまい、小町」

 

「ご主人様―!」

 

「なにかやけに響く声が」

 

「いらっしゃいませー!」

 

「おおっ、響子ってどわぁ、おいおい、いきなり抱きつくなよ!」

 

「えへへ…だって、我慢できなくて…」

 

「……説明してもらえますか、白滝?」

 

「ご主人様? なんのことだい、白滝?」

 

「おおぅ、なんでそんな怖い顔をされてるんですか二人とも。んー…説明と言われてもなぁ」

 

「調教でもしたのかい?」

 

「人聞き悪すぎでしょ! そうじゃなくって…なんというか、凄くなついちゃったんですよ。そしたらご主人様と勝手に……」

 

「調教でもしたのかい?」

 

「なんでつっこんだのに掘り返すの!? あと、なんか…俺の匂いが気に入っちゃったみたいで」

 

「調ky」

 

「はいストップ! なんでおんなじこと三回も言うかな!」

 

「わふわふっ」

 

「…さわさわ……はぁ…ふさふさぁ」

 

「…映姫様?」

 

「へっ? いやいや何でもないですよ!?」

 

「さて、響子。そろそろ注文を取ってくれないかな?」

 

「あっ、そうでした。では注文を」

 

「あんみつを三つお願いします」

 

「かしこまりました」

 

「あんみつだから三つ(みっつ)ってか? はっはー」

 

「……審判『ラストジャッジ――」

 

「それ店内で使うものじゃないですよおい! 謝りますからぁ、勘弁して下せぇ」

 

 

 

「お待たせいたしました。あんみつでございます」

 

「ありがとうございます」

 

「あれ? 白蓮さんが給仕だなんて、どうしたんですか?」

 

「いえ。ただ、閻魔さまがお見えになったと聞きましから、あいさつでもと思っただけですわ」

 

「白蓮…? ということがあなたが」

 

「はい。私が命蓮寺僧侶、そしてこの店の店主の聖白蓮です。お見知りおきください」

 

「ご丁寧にありがとうございます。私は閻魔の四季映姫です」

 

「存じておりますわ。お越しいただきありがとうございます」

 

「ええ……良い店ですね」

 

「ありがとうございます」

 

「それに……雰囲気がいい。これも人徳の高いと称される、あなたのなせる業なのですね」

 

「あら、そんなにお褒めくださっても、割引などは致しませんよ?」

 

「わかっています。ただ本心を述べただけですから」

 

「そうですか。では素直に受け取っておきますわ。ではごゆっくりと」

 

「……珍しいですね、四季様。初対面であんなことを言うなんて」

 

「ふむ…独特の雰囲気と言いますか、あまり敵に回したくないような存在と判断しました」

 

「なるほど」

 

「さぁさぁ映姫様も小町も、そんな難しいことはいいから、食べましょう?」

 

「……そうですね。いただきましょう」

 

「いやー、うまそうだねぇ!」

 

 

 やっぱり、ここのあんみつは非常においしかった。でも、それよりも良かったのは……映姫様があんみつを食べた時の、あの至福そうな表情だった。ほんとなんだろう、めっちゃ可愛いかった! もう抱きしめたい撫でたいお持ち帰りしたいprprしたいhshsした―ピチューン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とまぁこんな感じで、今日という一日は信じられないほど早く夜を迎えてしまった。これからどうするのかを尋ねたら、幻想郷で一泊していくとのことだった。地獄へは朝帰りでもいいらしい。……正直、映姫様は小町を無理やりにでも今日中に連れて帰ると思っていたので、すごくびっくりした。あっちなみに守矢神社での発言は、あの神様たちのまえで酔ってしまってめんどくさいことになるのを避けるためだったようだ。

 さて、いきなりのことだったので、宿がとれるか心配だったが、何とかとれた。とれたのはいいのだが……一部屋しか借りれなかった。俺は自分の家へ戻ろうと思ったのだが、小町が三人分で予約を取ってしまった為、なし崩し的に、三人で泊まることになってしまった。そりゃうれしいけどさ! 嬉しくないわけじゃないけど! ……大丈夫かなぁ、俺の理性。布団が三つ別々なのが唯一の幸いだ。

 その宿では、小町が酒盛りをしよう! と言い出したのだが、明日の事を考えろと説教されて、今日はおとなしく早めに床に就くことになった。

 

 ……だが。

 

 

「すう…すう…」

 

「くぅー……くぅー…」

 

「……布団が別々とはいえ、こんな距離で挟まれて寝られるかよぉ……」

 

 俺はなぜか二人に挟まれて寝ることになってしまったのだった。隣からは二人の寝息が聞こえる。右を向けは、映姫様の可愛らしい寝顔がすぐ近くに見えてしまうし、左を見れば、小町の……その、はだけた服からこぼれ落ちそうになっている、自己主張激しい二つの山がついつい目に入ってしまう。あれ絶対誘ってるだろ! もう理性を吹き飛ばしてパフパフしてやろうかぁぁぁぁ!? っとおい! さすがにそれはやばいぞ白滝! 落ち着けぇ……

しかしどこを向けばいいんだ俺はっ。仰向けだけは厳しすぎるぞこんちくしょう……もうめちゃくちゃドキドキしっぱなしである。顔も熱いし……はぁ仕方がない。外の空気を吸って、ちょっと頭冷やすか。

 

 

「ふう……」

 

 冷たい夜風が俺のほほを撫でる。熱くなってしまった俺にはちょうどいい。

 俺は縁側に座りながら、ふと今日のことを思い出していた。俺はめちゃくちゃ楽しかった。あの二人と一緒にいられるだけでもすごく楽しいのに、さらに遊びに出かけると言うことで、もうホントに至福の一日だった。ほんと幻想郷に来てから幸せの毎日である。二人の笑顔も見れたし!

 

「ふぅ」

 

 もう一度深く呼吸をして、さてそろそろ戻ろうかと思った時、後ろから声がした。

 

「よっ」

 

「小町か…驚かさないでくれよ」

 

「驚かせるつもりはなかったんだけどねぇ」

 

 そういって小町は、俺の隣に座った。……どうしたんだろう。

 

「眠れないのか?」

 

「それはお前さんだろ? 女二人に挟まれて平然と寝れるほど、肝の据わった人間じゃない事くらい知ってるさ」

 

「なん……だと…っ」

 

 バレてーる!? そんな動揺する俺の様子を見てか、小町はいつものように笑った。

 悔しかったので、俺は反撃するように尋ねた。

 

「それじゃあ小町はどうして」

 

「あたいはこれさ」

 

「あっ、それさっきの酒」

 

 小町が俺に見せたのは、先程映姫様に止められた酒盛りの酒だった。

 

「やっぱり飲みたくてねぇ。つい四季様が寝るまで待っちまったんだよ」

 

にやりと微笑む小町に、俺はため息で返す。

 

「また映姫様に怒られるぞ」

 

「バレなきゃ説教じゃないんですよ」

 

「閻魔の部下としてあるまじき発言!」

 

 てかその理念幻想入りしてたの!? いつもニコニコあなたの隣に這い寄る小町!?

 俺のツッコミもあえなく無視され、小町は酒の入ったひょうたんに口をつける。

 

「んく…んく……ぷはぁっ! かぁー、きくねぇ!」

 

「そいつは良かった」

 

 実にうまそうに飲むもんだな。そしてその幸せそうに笑う表情。なんとも小町らしい。そして……俺の一番大好きな、小町の顔だ。

 小町は感受性豊かで、様々な表情を見せてくれる。険しい顔、悲しそうな顔、泣き顔、そんな表情もみせてくれた。でもやっぱり俺が一番好きな小町の表情は『笑顔』なんだよな。心の底から楽しそうで幸せそうな笑顔。見飽きることはない。ご飯三杯はいける。

 っと、つい見つめてしまっていたらしい。小町が俺の視線に気づいたようだ。

 

「なんだい、そんなに見つめて。あたいの顔に何かついてるのかい?」

 

「いや、なんでもない」

 

「んー? まぁ…いいさ。そうだ、見つめるで思いだしたんだけど」

 

 そう言うと小町は、おもむろに自分の胸を寄せ上げて―ってえぇっ!?

 

「お前さん、さっきあたいの胸見てただろ」

 

「んなっ、ななな」

 

 いきなりそんなことを言われた俺は動揺を隠しきれなった。ってかついつい目線が小町の胸にぃぃぃ。

 

「なっ何言ってるんだい! 俺はそんなに…へっ変態じゃないぞ! クマ吉くんじゃないぞっ」

 

「さっきまで起きてたっていったろ? ばれてないとでも思ったのかい?」

 

「うぬぅっ!」

 

「もしかしてあのままだったら、あたい襲われてたのかねぇ」

 

「ぐぬぬぬっ…」

 

 反論できず! 実際にあの少しで襲いそうになってたし!

 俺はため息をつくと敗北を認め、素直に「ごめん」と謝った。それを見た小町はまた楽しそうに笑って「別にいいさ」と答えた。

 

「それに…」

 

 小町はそう呟いて、今度はいつもの笑顔ではなく、微笑むようなでも少し恥ずかしそうに顔を赤くした顔をした。

 

「あたいは別に…襲われても良かったんだけどねぇ」

 

「何を言ってんだか……冗談が過ぎると、本気にするぞ?」

 

「……してくれて、構わないよ。お前さんになら、いいかなって。むしろ期待してたんだよ」

 

「……へ?」

 

 それって、どういうこと?

 そう聞く前に、俺の言葉は、そこで遮られてしまった。今目の前には、小町の顔が。まるでキスしているかのように……いや、違う。キス……してるんだ。

 小町の唇は、しっとりとしていて柔らかかった。

 唇と唇が離れた。俺はもう思考回路が停止してしまっている。それでも小町は、俺の瞳をじっと見つめてきた。その顔にはほんのりとした赤みがあった。

 

「あたいはさ……白滝のことが好きなんだよ」

 

 突然の…告白。小町は、しっかりと自分の気持ちに折り合いをつけるようにゆっくりと言葉を紡ぎだしていく。

 

「何も考えてなさそうにテンションが高くて、バカみたいで。……でも、誰のことも受け入れて、包み込んで……誰に対しても笑顔で、底なしに優しい。……そんな白滝が、あたいは大好きなんだよ。お前さんになら…何されてもいいって、思ってるんだよ」

 

 そう言った小町は、恥ずかしそうに顔をさらに赤らめ、目線を逸らした。

 えっと……ちょちょっと待って。整理させて。……今俺は…小町にキスされて……そんで、告…白…されたのか?

 俺がもう頭ん中がめちゃくちゃになって煙がでそうになった時、急に小町が笑いだした。

 

「はは……さすがのあたいも、今のは恥ずかしかったよ。……今、恥ずかしすぎて、お前さんの顔…見れないから…先に寝させてもらうよ」

 

「おっ…おう。お休み」

 

 小町はそう言って、逃げるように、部屋の中に入っていった。

 ……情けねぇ。そんな返事を返すことが、今の俺には精いっぱいだった。あの背中を、見つめることしかできなかった。

 告白された。そんでキスまでされて。返事が返せなかった事は凄く情けないし、悔しいけど……

 

「だめだ…顔がにやけちまう」

 

 もうめちゃくちゃ嬉しかった。もうほんとに素直に嬉しかった。けど…

 俺も小町のことは大好きだし、小町が恋人ならそれはもうすごく幸せなことなんだろうけど……だめだ。あの告白に正面から向き合えるほど、俺の気持ちの整理が全然できてなかった。特別な感情が無いとは言わない。でもそれがなんなのか、まだ分からないんだ。

 

 でも

 

「男として、気持ちには答えないとな」

 

 申し訳ないし、情けないけど……小町に対する返事は、しっかり考えてからにしよう。ちゃんと気持ちの整理をつけて、小町の前に立とう。うじうじ考えても仕方がない。俺はそう決めた。よし!

 でも、今は

 

「はー……冷えるわー」

 

 この完全にほてってしまった体を冷やすのに、もう少し寝ることはできなさそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ、大分落ち着いてきた。体のほてりも、頭の整理も、両方ともだ。

 さて戻ろうか、と思って振り向いたその時

 

『あっ…』

 

 なぜか後ろにいた映姫様と目があった。映姫様は恥ずかしそうな顔をして、でもすぐにいつもの凛々しい表情に変わる。

 

「奇遇ですね。あなたも起きてしまったのですか?」

 

「ええ…まぁそんなところです」

 

「いけませんね。睡眠時間はしっかり確保しなくてはいけないのに。……隣、いいですか?」

 

「どうぞ」

 

 俺がそう言うと、映姫様は俺の隣に座った。映姫様は空を見上げる。空には星が満面に広がり、月が俺たちを照らしていた。映姫様は、感銘を受けるかのように、星空を眺めていた。その横顔も月に照らされて、きらきらと光っていて、まるで映姫様が星であるかのように見えた。いやそれ以上だな。

 

「きれいですね」

 

「この星空より、映姫様の方がきれいですよ」

 

「それは説教ですね」

 

「もはやどんな理屈!?」

 

 あれか!? キザなセリフ言った俺への当てつけか!? てかそんなだとただの説教好きじゃないですかやだー。

 

「まったく……どきっとしてしまったじゃないですか」

 

「何かいいました?」

 

「独り言ですから、気にしないでください」

 

 そう言って映姫様はそっぽを向いてしまった。むぅ、気になるけどまぁ仕方がない。

 

 少しの間、何も話さず、二人で星を眺めていた。

 ふと横目で映姫様を見る。さっきのはついノリというかなんというか、そんな感じの発言だったけど、やっぱり、映姫様は可愛らしくて、とてもきれいだった。

 映姫様は、時々こうだからドキッとさせられてしまう。いつもの厳しい感じではなく、ありのままの自分を出すとき、時には可愛らしかったり、時はおとなのようにきれいで。いや実際年齢的にも大人なんだろうけど。

 映姫様は、凄く純粋なのだろうと俺は思う。純粋に、閻魔という職業を重んじて、尊敬して、その職を全うして、頑張って……ほんとにすごい人なんだよな。尊敬めっちゃするし、もはや尊敬のさらに上……もはや神? あがめられる存在?

 それでもやっぱり今日みたいな息抜きは必要なんだよ。だからこそ俺は、映姫様が今日楽しんでくれたかが非常に心配になった。だがそれを直接聞くのもなんだし……そんなことを思っていたら、映姫様が呟いた。

 

「楽しかったですよ。今日のこの旅」

 

「えっ?」

 

「ありがとうございました」

 

 正直、お礼なんて言われると持ってなかった俺はつい戸惑ってしまった。「楽しかった」その言葉だけで十分なのに「ありがとう」なんて……ずるいやそんなの。

 

「こちらこそ。楽しかったです。ありがとうございました」

 

 そう自然と、俺もその言葉を返していた。その言葉を聞いた映姫様は微笑んで、それからまた、星空に視線を移した。

 

 それからまた少しの間、俺と映姫様は星空を眺めていた。幸せだった、ずっとこうしていたかった。でも、夜も完全に深まっていたし、風もさっきより冷たくなっていた。映姫様は明日もあるし。俺はもう戻る事を提案する。

 

「映姫様。そろそろ部屋に戻りませんか? 冷えてきましたし」

 

「……」

 

 俺がそういうと、映姫様はうつむいてしまった。ふむ…まだ星が見たいということか。でも体を壊したら元も子もないし。

 

「星もまた見れますから。今は休みま――」

 

きゅっ

 

立ち上がろうとした俺を止める何かがあった。映姫様の手だ。映姫様の手が、俺の袖を控えめにつかんでいた。

 

「もう少し…」

 

 ぽつりとつぶやく。

 

「もう少し、一緒にいてくれませんか?」

 

 映姫様は顔を上げ、俺を見つめてきた。その顔には少し赤みを帯びていて、凄く色っぽくて…綺麗で

 

「…いいですよ」

 

 断る理由なんて、俺にはなかった。

 そして俺が座ったのと同時に、映姫様はさらに俺の方につかづいてきて

 

「冷えるなら……暖めあえば、いいですよ」

 

 ぴと…っと体をくっつけあったのだ。ってちょちょちょ待って待って! どういう状況なのこれ!?

 あー女の子独特の甘い香りがぁぁぁ柔らかさがぁぁぁって映姫様なんで腕まで組みあうんですか!? うれしいけど! うれしいけどいつもと違い過ぎでしょ!

 落ち着け……落ち着けシロー・アマdもとい白滝……落ち着くんだ。でも心臓バクバクいってら!

 さすがの映姫様も恥ずかしいのか、顔を伏せていた。

 

 少しの時が空いた。不意に映姫様が口を開く。

 

「なにも言わずに…聞いてくれますか?」

 

 いつもとは映姫様の表情が違った。もっと柔らかいような……んー言葉にできない。

 俺はゆっくりと頷いた。それに反応するように、映姫様は、ゆっくりと言葉を紡ぎだしていく。

 

「白玉楼にいた時、幽々子に言われた事があって……じつはそれをずっと考えていたんです」

 

 言われたこと。それがなんなのかは俺にはわからないが、きっととても重要な事だったんだろう。

 映姫様は続ける。

 

「私は、白黒つけることが得意であり、自慢でもあったのですが……このことは、白黒つけることが、すごく難しくて……もしかしたら、心のどこかに、白黒つけたくないと叫んでいる心があるような気がして」

 

 そこまで言って、映姫様は、星空を見上げた。たとえ夜が深まろうと、逆に星は輝きを増すばかりだった。

 

「でも……やっとわかりました。そのことが……私のこの気持ちが、何なのか」

 

 映姫様は、俺を見つめてきた。そして、ゆっくりと唇を動かした。

 

 

「白滝。私は……あなたの…事が……好きです」

 

 映姫様は途切れ途切れに、そういった。

……へ?

 

「あなたの傍にいると楽しい。あなたの傍にいると嬉しくなる。あなたの傍にいると心が温かくなる。そして……あなたの傍にいると、幸せになるんです。だから……」

 

 映姫様はそこで一度言葉を句切って、少しうつむいた。そして、小さくうなずいて

 

「私は、あなたの事が、好きです」

 

 今度は、しっかりと俺の目を見つめて、しっかりとした口調で、そういった。

告白…だった。それはまっすぐな言葉で、俺の心臓は跳ねあがった。「好き」という言葉は、俺の心を駆け巡って……そして、うれしさよりも、先ほど返事を返せなかった悔しさがまたこぼれそうになった。とっさに俺は口に出した。

 

「俺は――」

 

 だがその言葉は、映姫様の人差し指にさえぎられてしまった。

 

「私は、ただ、この気持ちを伝えたかっただけです。恋人になりたいとか、両思いになりたい、そんなことは望んでいません」

 

 そういって、映姫様は、人差し指を俺の唇から離した。そして、ふふっと笑みをこぼし、それから、ゆっくりと立ち上がった。月明かりに照らされた横顔は、やっぱり綺麗だった。

 

「返事はいりません。……でも、私とこれからも…仲良くしてください、ね? 私はそれだけで、幸せですから」

 

 そういって映姫様は「それでは、おやすみなさい」と微笑んで、部屋へ戻って行った。

 俺はまた一人、残されてしまった。

 

「……はっ!」

 

 つい放心してしまったようだ。今きっと、俺は無だったな。あぶないあぶない。

 しかし……まさかあの二人から告白されるとはぁぁぁぁ!

 映姫様の言葉がずっと耳に焼き付いている。いつもとは違った様子で、一段と大人っぽく、色っぽく……やばい、まだ心臓がバクバク言ってやがる。

 

 「好き」という言葉。よもや一夜に二人の女性からその言葉を聞かされるとは思いもしなかった俺は、今も最早キャパシティを超えている。でも、小町と映姫様、二人の言葉はしっかりと胸に刻み込まれていて……とても大切なものになっていた。

 

 映姫様は、返事はいらないといった。それに、恋人や両思いにもなってほしくないといった。きっとそれは、俺の返事次第で心が乱れ「閻魔」である自分に支障がでてしまうからだろう。そしてきっと、俺にも気を使ってくれたのだ。私だけに縛られないように……と。

その映姫様の気持ちに気づいた俺は、やはりまた気づかされてしまうのだ。四季映姫は純粋であると。

 今日は、すごく楽しかった。小町と一緒に馬鹿みたいに笑ったり、映姫様の説教を受けたり、でも最後には、三人とも笑顔になれた。これほど…これほど幸せになれる日は、きっともう訪れないだろうと思う。幻想郷では毎日が幸せだ。だが、今のこれほどの心の温かさを感じた事はなかったと思う。

 だからこそ……この気持ちをくれた小町と映姫様の気持ちに、自分の気持ちを整理して、正面から答えたいと思った。映姫様の言葉には反してしまうけれど、それでも俺の気持ちを伝えよう。そう決心した。

 もう明日には、またあまり会えなくなってしまうけど、今の俺は不思議と寂しい気持ちにはならなかった。だって、心は繋がっているからさ。……なんて、臭いセリフを吐いてしまった。恥ずかしい。

 

 

 月と星はいつまでもこの幻想郷を照らしている。でも今夜は、いつもより一段と輝いて、一段と俺達を照らし出してくれるのだった――

 





お疲れさまでした! そして見てくださってありがとうございます!

どうだったでしょうか今回の話は!
なんかもう今回の特別編、小町&映姫様の話というより、幻想郷の日常を紹介したみたいになってしまいましたね! だらしねぇし!

…あれ? なんか文章力下がってね? 文法いろいろおかしくね?
……なっ泣いてなんかいないんだからね!

へ? 妖夢の口調? あぁ、完全に僕の趣味だよ気にすんな
なんかあいう口調可愛くない? くるせいだーずの紫央ちゃんみたいな! かぁいいよね!
まぁこの口調はいやだわーってなったら教えてください

後今回、分かった人が数多くいらっしゃると思いますが、命蓮寺陣営での設定に、とある絵師さんのものをモチーフにしたものがあります
パクったわけではないので大丈夫だと思いますが、「これはさすがにだめじゃね?」ということがありましたら教えてください。対処いたします

感想、ご指摘とうとういつもありがとうございます。
実は「感想とかいただいた分だけ、毎日腹筋をしていこう!」とかなんかよくわからないことを第一話を投稿した時に決意してしたりいなかったりで、若干腹筋が割れてきましたw
これからも感想まってます!その感想が、僕の腹筋をどんどん鍛え上げていきます。ありがとうございます! 目指せマッチョでポン!

次回は、本編。とうとうフランの調kyもとい教育がはじまります。
はたして白滝は成し遂げることができるのか! 乞うご期待!

あと、また投稿が遅れそうです。ただ絶対に投稿はしますので、気長に待っててください

では次回またお会いしましょう! グッバー!
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