あ、いえ。別にバイトとかでつぶれたという意味では無くですね。なにも面白いことがなかったってことでさぁ、はい。
まぁしいて言うなら、友達に誘われてマインクラフト実況を始めたことですね!
今は編集中のようですが、もし完成してうpされたら、活動報告か何かでお教えしますので、この僕の生声が聞きたいという方は是非見に来て、コメントでも残していってください!
ま……そんなやつ…いねぇだろうけどな……(チラッチラッ)
さてということで、タイトルでもわかるように、とうとう紅霧異変が本格スタート!
白滝の運命は! こうご期待! はしないでください! うp主はこのごろスランプな気がして仕方がありません。ま、もともとスランプするような文才もないんだけどね!
ではどうぞ! 温かい目でみていってね!
「はぁ…」
今日も今日とで暇なのでまた霊夢にお茶でもたかりに行こうと、魔理沙が博麗神社に行ったところ、そこには縁側に座ってため息をつきながら番茶をすする霊夢の姿があった。
魔理沙はふわりと箒から降り、霊夢のもとに歩み寄った。
「よぉーす霊夢。どうした溜息なんかついて」
「また来たの? 魔理沙……昨日に引き続き、相当暇みたいね」
「返す言葉もないんだぜっ」
「力いっぱいいうセリフじゃないわよそれは」
「まぁまぁ、私のことはどうでもいいんだって。それよりもさ…」
そういって霊夢の隣にいつも通り魔理沙は座った。それを横目で見ていた霊夢だったが何も言わず、こんなこともあろうかと用意していたもう一つの湯呑と、急須を目理沙の横に出した。
「お、わかってるじゃんか霊夢」
「どうせそんなところだと思ってたのよ。また来ると見込んで正解だったわ」
「さすがだぜ。……はぁーうまいっ」
茶をすすりにっこりと笑みを浮かべる魔理沙に、霊夢も同じように茶をすすった。
「それで、なにがそれよりも、なのよ」
「ん? …ああっそうそう。お前のため息だよ。珍しくなんか悩みごとか?」
「んー……まぁそんなところかしら」
そういって霊夢は空を見上げる。今日も雲一つない晴天である。
なんだかいつもとは違い、少々歯切れが悪そうな感じに見えた魔理沙は霊夢に素直に聞いてみることにした。
「なんだなんだー? 友達である魔理沙様に話してみるといいぜー?」
「はぁ? なんであんたなんかに」
あからさまに嫌そう…というかめんどくさそうな顔を霊夢は作る。だがそんなの気にしないのが魔理沙である。
「えー? 聞かせろよー。気になって夜も眠れないぜー」
「そんなの私の知ったことじゃないわよ」
「ぶーぶー、霊夢のけちー」
「あーはいはい。ケチで悪かったわね」
霊夢のそでをもってぶんぶん上下に振り回しながら魔理沙は駄々をこね始めた。
「聞かせろよー」だとか「知りたいぜー」だとかを連発している。
最初は素知らぬ顔をしていた霊夢だが、イラついてきたのか次第に表情が変わり、終いには「あーもうっ!」と魔理沙の手を振り払った。そして…
「うっとうしいわねっ! 魔理沙なんかに、異変のことなんて言えるわけないでしょ!!」
と、そう怒鳴って「しまった」という顔を霊夢はした。慌てて口を紡いだがもう遅い。
……確かに今、幻想郷で異変が起きている。それはもう人里の様子を見たり、話を聞いたりして、そう確信しているところである。そして…その異変を起こした人物、つまり主犯の存在も、居場所も、だいたい見当もつけていた。それが今の発言で異変には関係ない一般人にバレそうになってしまった……ということを、霊夢は恐れているのではない。
そのことをばらしてしまった相手が「魔理沙」であるということに慌てているのだ。
そして…その霊夢の発言を聞いた魔理沙は、
「異変……? ……なんで……」
「まっ魔理沙?」
「なんでそんな面白そうなこと教えてくれなかったんだぜぇぇぇっ!?」
なんか涙目になっていた。その様子を見て霊夢はまたもため息をつく。
「そんなの……どうせ異変だなんていったら、また前みたいについて来ようとするんでしょ?」
「当たり前だぜ?」
「……だから言いたくなかったのよ。はぁ……めんどくさいことになる」
霊夢はひどくめんどくさそうな目で魔理沙を見る。だが魔理沙は凝りもしないようにはっはっはっと笑っていた。
「別に、あんたなんていなくても異変解決はできるのよ。だから、無暗やたらについてこないでちょうだい」
霊夢は魔理沙にくぎを刺した。だがそんなことは、魔理沙にとっては釘でもなんでもなかったようで、魔理沙は人差し指を「ちっちっちっ」と左右に動かした。
「違うな霊夢」
「なにが違うのよ」
「私は異変解決をしたいんじゃない。ただ、面白そうなことに首を突っ込みたいだけだZE☆」
ものすっごい決め顔をした魔理沙に、霊夢はもう先ほどまで感じていたイラつきやら、めんどくささやらいろいろなものを通り越して
「…もう……勝手にすればいいじゃない」
と言ってため息をつくしかなかった。まぁもうあそこで魔理沙のウザったさに負けてしまった私の責任だ。戦力は多いに越したことはない、そう霊夢はプラスに思うことにした。
ともあれ、一緒に行くことになってしまった以上、主犯やらなんやら話すべきことは話しておかねばならない。何も知らずに闇雲に行動されてはたまったもんじゃない。霊夢は今日何度目かわからないため息をついてから、魔理沙に話しかける。
「それで魔理沙」
「なんだぜ?」
「もう明日にでも異変解決に行こうと思うのだけれど――」
霊夢と魔理沙の紅霧異変解決コンビが今ここに結成したのだった――
「そういえば、この異変、人里では結構な大事になってたんだけど、なんで魔理沙は知らなかったのよ」
「あー…最近ずっと、キノコの研究で家にこもってたからさー」
「……なるほど…ね」
「霊夢が若干ひいてるんだぜ!?」
みんな異変に向けていろいろな準備をしていた。美鈴はいつも以上に鍛錬に励んでるし、十六夜さんもナイフ磨きに余念がない。レミリア様は…まぁいつも通り。パチュリーさんはいつもよりも動いていない。本人曰く魔力を貯めているそうだ。(そんなもんなのか魔力って)こあさんはそのパチュリーさんのお世話と、みんなそれぞれ自分の与えられた仕事をこなしつつ、自分がやるべきことを考え行動していた。
そして、紅魔館最弱を誇る俺が今やっていることと言えば――
「チルノ、みーつけたっ!」
「うえっ! またみつかっちゃったー」
「ふっふっふっ。これで二連勝だな!」
「……っ!」(パチパチ)
「うん、素直にほめてくれてありがとうね、大ちゃん。どれ、お兄さんがなでなでしてあげよう」
「……////」
「もー悔しい! もう一回! もう一回だよ白滝! 今度こそ最強のあたいがコテンパンにしてあげるんだから!」
「いいぜ。望むところだ! それじゃ、次は俺が隠れて進ぜよう」
ということで、チルノたちと遊んでいます。いやー楽しいね! 心が洗われるね! 二人とも今日初めて会ったけども姿かたちも原作通りだし、すっごく可愛くてもう感動した。
なんでもさ、言葉を話すことのできる妖精ってほとんどいないらしいね。チルノがすごく珍しいらしい。だから大妖精は言葉を話せないんだってさ。だから今も俺を称えてくれるために言葉にはできないけれど、拍手をしてくれた。なんていうか、そのすごく健気というか頑張り屋というか、それがもうほんとにかわいくてね!
あと名前を名乗ったらさっそく呼び捨てにされてね。まぁ俺もチルノちゃんとは呼びずらくて呼び捨てにすることにしたんだけどね。あ、大妖精は大ちゃんでいいという本人了承が下りたのでそれで。いやでも二人ともほんと素直でかわいいわっ。
……へ? そうじゃない? もっと他にやるべきことがあるって? 何をおっしゃいますか! これも、すっごく異変対策に関係あることなんですよ!
今俺が行ってるのは、このチルノと大妖精の二人との交友関係の形成だ。なぜこの二人の交友関係が必要かというと、俺が考え出した「対霊夢、対魔理沙作戦」の成功率を上げるためだ。
ではその作戦についてまずは説明しよう。まぁ…恥ずかしながら作戦と呼べるほどすごいものじゃないがな。ただ「霊夢と魔理沙をできるだけ疲れさせる」というものだ。
俺は東方projectをプレイする時いつも思っていたことがある。それは「いつも一人で六面までボス倒しながら突っ切るって、めっちゃ体力いるよなぁ…」ということだ。かの人類最強と言われる霊夢でも、スタミナは永久ではないと考える。つまり最後のボスであるレミリア様にたどり着く前に、なるべく体力を削ることがこの作戦の大筋である。騎士道精神とか正々堂々? そんなもんしるか! 勝てばいいんですよ勝てば! ……まぁ…若干の罪悪感というか、こんなことをしていいのかという気持ちはある。でも、この異変はどうしても成功させたいのだ。フランのために……っ。
そしてその作戦のためには、このチルノと大妖精の力が必要なのだ。なぜなら、この二人は基本的に紅魔館近くのこの湖にいるから霊夢たちと交戦する可能性が高いからだ。そして、二人に「もし、霊夢や魔理沙と戦うことになったら、なるべく時間をかけてじっくりと戦ってくれ」と頼んでおけば、紅魔館に近づく前に体力を削ることができる。そうすれば、この作戦の成功率もあがるってもんだ! そうなるとルーミアにも協力を要請したほうがいいんじゃ? とも思った。でも…なんというか……俺の体を食べられてしまった手前、なにか会いづらいというか……ねぇ? まぁそこら辺は察してくれ。
それでだ、初対面のやつに急にそんなこと頼まれても実行するようなバカはいない。……さすがのチルノでも。うん。だからこその交友関係なのだ。
幸い、二人は思ったよりも気さくで「俺も一緒に遊んでいいかな?」っていったらすぐに仲間の輪に入れてくれた。……確かにチルノはすぐバカバカ言われるけど…素直で優しい心を持ってるんだな、と実感した今日この頃である。もちろん、大妖精もだな。
そしてちょうどいまかくれんぼ第三回戦が幕を閉じた。結果はというとだな……
「ふっふっふー、白滝みーつけた!」
「うわっまじかっ!」
「これがあたいと大ちゃんの力だっ!」
「……!」(えへん)
ということで、俺の負けだった。結構本気で隠れたんだが、まさか見つかってしまうとはな。あとチルノのまねして胸を張る大ちゃんめっちゃ可愛いんだがどうしたらいい? お持ち帰りでいい? テイクアウトでいい?
「だー、負けた―! チルノと大ちゃん強いわやっぱり」
負けは負け。素直に認めよう。うん、二人がかりだったとかそういうのは些細な問題だよ。俺はその場で大の字に寝ころがった。暖かい太陽の日差しが心地いい。
俺の言葉にチルノは「ま、最強のあたいだからね!」とまた胸を張り、大ちゃんはほめられてうれしいのか頬を赤らめていた。
……さて、そろそろ本題に移ろうかな。いい感じに仲良くもなれたし。……少しこの友情を利用しているようで申し訳ないんだが、背に腹は代えられない。俺は起き上がり二人を見た。
「なぁチルノ、大ちゃん」
「なんだ?」
「……?」
「こんな…仲良くなってすぐで、すごく悪いんだが…ひとつ頼みごとを聞いてくれないか?」
俺は二人のその、素直でまっすぐな目を見ながらそう頼んだ。二人は一瞬顔を見合わせたがすぐ笑顔を見せてくれた。
「いいよ! 友達のお願いは断らないよ! ね、大ちゃん」
「……っ!」(こくこく)
「チルノ……大ちゃん…ありがとう」
……やっぱり二人は、すごく素直で優しくていい子だわほんとに。お兄さん涙が出ちゃう、男の子だもん。
俺は二人のその気持ちに感謝しつつ「もしも、赤と白の服を着た黒髪の女の子と、大きい黒の帽子で箒にまたがった金髪の女の子と弾幕ごっこをするようなことがあったら、なるべくじっくり戦ってくれ」と頼んだのだった。……決して戦うことは強制はしない。なんというか、この子たちには戦ってほしくない、そう思う俺がいた。
息を切らせて走ってきた美鈴に、レミリア様が俺を呼んでいると教えてもらったのは、もう一度チルノと大ちゃんと遊びなおそうとしていた時だった。非常に名残惜しかったが俺は二人にお礼と別れを告げ、美鈴とともに紅魔館へと帰った。しかし呼び出しとは、いったい何だろうか。なんでも美鈴も呼ばれているらしい。まさか、フランのことで何か!? いやまぁ、この期に及んでそれはないか。
ということでレミリア様の部屋の前なう。俺は緊張の面持ちで扉を開ける。
『失礼します』
「来たわね白滝、美鈴」
そういってレミリア様は椅子から腰を上げた。まぁ十六夜さんがいるのは納得だが、周りを見るとパチュリーさんや、こあさんまでいる。
「なんだ、みんな勢揃いじゃないか」
「ええ、私がみんなを集合させたの。伝えたいことがあってね」
「伝えたいこと…ですか?」
俺がそう問いかけるとレミリア様は後ろを向き、窓越しに空を見上げた。……あー、やっぱり、なんというか、かっこいいし綺麗だよなほんと。様になってる。さすがレミリア様だ。このごろフランとの一件もあってか、レミリア様がより一層すごく感じることが多くなった。さて、そんなことは置いておいてだな。
俺達は静かにレミリア様の言葉を待った。その厳粛な雰囲気のなか、レミリア様が口を開いた。
「明日。憎らしい太陽が沈んだ後。博麗の巫女が、ここに来るわ」
『!?』
なんと! 明日か! ……意外に早かったな。もう少し時間に猶予があると思ったが…。
「お嬢様、それはお嬢様が見た運命ですか?」
「ええ、そうよ」
「……わかりました」
十六夜さんが俺たちを代表して聞いた。……ふむ、運命ならば、そうなのだろうな。
あ、そういえば。俺も一つ聞いておかねば。
「レミリア様、博麗の巫女のほかに、誰かいませんか?」
「あら、よくわかったわね。そう。白滝の言う通りもう一人、白黒の魔法使いがいるわ。でも戦闘力は未知数ね」
「なるほど…ありがとうございます」
やはり魔理沙もいたか。ふむ、あとでパチュリーさんに図書館が危ないことを伝えておこう、うん。原作通りに行くかはわからないけどな。
レミリア様が、すっと俺たちのほうを振り返った。……いつもとは違う雰囲気だった。いつもよりも、もっとカリスマがあふれて、もっと真面目で、もっとまっすぐだった。
少しの間何かを考えるように目を閉じ、ゆっくりと開く。
それと同時に、言葉を紡ぎだし始めた。
「私は、私の夢をかなえたい」
紡がれた、その言葉はまっすぐで、
「もう一度あの子と一緒に歩きたい。一緒に話したい。一緒に笑いたい。……たとえ記憶がなくとも」
その言葉は純粋で、
「だから私は、この紅霧を守り抜く。そして……あの子に…フランドール・スカーレットに、私の姿を見せたい。勝者である姉の姿を」
その言葉はここにいるみんなだけでなく、今あの場所にいる、フランにもきっと届いただろう。そんな気がした。やはりレミリア様は、優しい。記憶にない妹のために、フランのためにここまでしてくれる。なんという方だろうか。
少しの沈黙。決して掛ける言葉がないのではない。皆が皆、今のレミリア様の思いを感じているのだ。噛みしめているのだ。
レミリア様は、すっと目を閉じた。その表情は、何かを待っているかのようで、
「私はいつも、どんな時でも、お嬢様のそばに」
レミリア様の「思い」に、十六夜さんが答え――
「例えどれほどの強者であっても、門を誰一人通させはしませんっ!」
美鈴が答え――
「図書館は守って見せるわ。もちろん、あの子の部屋もね」
パチュリーさんが答え――
「全力でパチュリー様をサポートします! お任せください!」
こあさんが答え――
そして、
「俺は…レミリア様の夢を叶え……フランを絶対に幸せにする。そう決めたっ!」
俺が答えた。
レミリア様はゆっくりとうなずいた。そして、俺たちの「思い」を確かめるように、一人一人の名を呼んでいく。
「咲夜」
「はい」
「美鈴」
「はいっ」
「パチェ」
「ええ」
「小悪魔」
「はい」
「白滝」
「はい!」
レミリア様は、目をゆっくりと開いた。その目はすごくきれいで、輝いていて……。
そして――レミリア様は声を上げた。
「私に、勝利を見せてくれ!!」
その瞬間。
幻想郷中に、俺たちの「思い」が響き渡ったのだった――
「ただいま、フラン」
「あ、おかえりなさい白滝さん!」
「うん。元気にしてたか?」
「えへへー、フランは白滝さんが帰ってくると元気になるのっ」
「おうふっ! なんだこの天使は!?」
「えっとえと……でっでもね…?」
「ん? どうした?」
「その……実は…コップを、きゅっとしちゃって……壊しちゃったの」
「あらら……まだ力の制御がうまくできてないんだね」
「ごめんなさい」
「……フラン。ありがとう」
「え?」
「素直に謝ってくれたね。うれしいよ」
「えっと、でもでも壊しちゃったから……怒らないの?」
「素直に謝ってくれるいい子を、そんなに怒れないよ。これからも何か失敗しちゃったら正直に言ってな? 怒らないから」
「うん!」
「よしっ、いい子いい子」
「えへへー。……白滝さん、なんだかいつもより嬉しそう。どうしたの?」
「あ、ほんとに? ……いやぁ、なに。みんなの心が一つになるってこんなにも素敵な気分になれるんだなってさ」
「…? よくわかんないけど、白滝さんがうれしいなら、フランもうれしいよ!」
「はははっ……きっと、明日フランはもっと素敵な気分になれると思うよ」
「んー? 白滝さん何か言った?」
「いや、何でもないよ」
「? ならいいや。ねね白滝さん、頭なでなでして?」
「どうしたのいきなり」
「特に理由はないけど……えへへ、撫でてほしくなっちゃったの」
「……ははっ、了解だよ。どれ」
「ん…えへへ。白滝さんの手、気持ちいいよ」
「それはよかった」
フランは、今日もいつもと変わらない屈託のない笑顔を見せてくれる。
その笑顔に癒されると同時に、改めて決意を固くするのだった。
俺は、この笑顔を守る。
夜が明けた。今日が決戦の時である。
今朝はこの後に戦いが待ち受けているとは思えないほど、いつも通りのものだった。いつも通りフランとともに起き、朝食を作り食べて、フランと遊ぶ。違うとすれば、俺の心情ぐらいなものだ。何分、初めての異変だからな。そしてきっと初めて弾幕勝負というものをしっかり見ることになるだろう。なんというか緊張に近いのかなこの感じは。
てかさ、弾幕って痛いのかな? あれって確か対象を殺さないために作られたとかなんとか。てことはくらって死ぬことはないんだろうけどさ。
ふと前の霊夢に敗北した美鈴の姿を思い浮かべる。すごいボロボロだったし、フラフラだったよな。つまり死ぬことはないが、あれぐらいにはなるということだ。俺に寒気が走った。もしも何か間違えて霊夢の本気の弾幕を受けると考えると、体が震えてしまう。だっ駄目だ駄目だ! 俺がこんな状態でどうする! 真っ向勝負で戦うみんなのほうがつらいんだ。俺がビビッてちゃ笑いもんだ!
俺は拳を強く握り空を見上げる。
今日も晴天。この調子じゃ、夜も雲はなく、月が……紅い月が綺麗に見えるだろう。
決戦にゃあ、うってつけじゃないか。
「レミリア様、あの決め台詞、期待してますぜ」
時は刻一刻と過ぎていき、日が沈ずみ、もうすぐで夜を迎える時間となった。俺という監視がなくなるフランが、みんなが戦い途中にもしも紅魔館内を出歩いてしまわないためにも、睡眠薬を使い気持ちよく眠っていてもらうことにした。パチュリーさんお手製の無害無毒の睡眠薬だそうだ。よっぽどのことがに限り服用させてから12時間は起きないそうだ。よっぽどのことって? とパチュリーさんに聞いたところ「部屋が扉とか壁が爆発するぐらいのことね」なんてしらっと言いやがりました。どんな状況だよそれ!?
まぁなんにせよこれで、フランのことを気にかけず……いや気にはかけるけど、まぁ思う存分戦うことができる。特にレミリア様とかね。フランもフランで、次に目を覚ましたらすべては終わっており、自分の本当の姉との幸せな日々が待っている。なんとも感動的なシナリオだ。そうするためにも、この紅霧を守り切らねばならない。
現在俺は、門の前に美鈴と二人で立っている。目的……と聞かれれば、そうだな。チルノと大ちゃんが霊夢たちと戦うかどうかの確認だ。もしも霊夢たちが二人に合わず、すぐここに来たら、すたこらサッサと紅魔館内の自分の位置に移動するさ。俺がその場にいても、美鈴の邪魔になるだけだろうしな。
「白滝さん」
「どうした?」
「もう…日が沈みます」
美鈴が指さすほうを見ると、確かに日がもう三分の一も見えていない状態だった。あたりも暗闇になりつつあった。まぁ門周辺は灯りがあるから見えるんだがな。
しばし二人でその沈んでいく太陽を見ていた。夕日にてらされている美鈴は、いつも以上に綺麗で、輝いている。その姿をずっと見てみたいと思ったが、無情にも日は……沈んでしまった。そしてレミリア様の運命通りで言えばそれはつまり、決戦の合図だった。
「もうすぐだな」
「はい」
その会話を交わした直後、遠くで閃光が走った。方向は……チルノと大ちゃんのいる湖のほうだ! つまり、戦いが始まった! 俺の予想通り。ならば俺は所定の位置に戻ろう。
「それじゃあ美鈴。がんばっt――」
「まっ待ってください!」
「んん?」
応援の言葉をかけて走り去ろうとしたとき、美鈴に呼び止められてしまった。どうしたんだ?
「なんだ、美鈴?」
「えっとですね……その…ですね」
急に美鈴がもじもじし始めた。どうしたんだ? 心なしか顔も赤いような。
不意にずいっと美鈴が顔を近づけてきた。なっなんぞ!?
「そっその! ぎゅ……ぎゅっと…」
「ぎゅっと?」
「ぎゅっと……抱きしめて……くれませんか…?」
「へ?」
抱きしめる? 俺が? 美鈴を?
「あああっ! えっとですね! そのですね! ひっ人肌というものは時々すごく安心するといいますか元気になれるといいますかそのえとあの……」
なんというか……その、すごく顔を真っ赤にして弁解している美鈴がすごくかわいく見えてだな、うん。すごく愛おしく思えて。
「あっ……」
俺はもう自然と美鈴を抱きしめていた。うあぁ…柔らけえ…。女の子のからだってこんな柔らかいもんだったの…?それも胸とかすごいもうなんかもう……すごいことになってるし。怒られないよね? 美鈴が先に抱きしめてっていったんだから怒られないよね? てかもう今幸せすぎて怒られてもいいや。
美鈴は、俺に抱きしめられている間、何も言わなかった。ただ…熱が伝わってきて、きっと顔が真っ赤であるんだろうなぁという予想はついた。まぁかくいう俺もきっと真っ赤だがな!
……もう、離れてもいいかな? 俺このまま抱きしめてたら理性ふっとんで。、異変とか自分の仕事とかかなぐり捨てて美鈴お持ち帰りしたくなってしまう!
そう思った俺は、「もう…大丈夫か?」とつぶやいた。すると美鈴は静かにこくっとうなずいた。それを確認して、俺は抱きしめていた手の力を緩め、美鈴との間を開けた。
美鈴はやっぱり顔を真っ赤にしてうつむいていた。でもすぐに顔を上げて俺の目をまっすぐ見つめてきた。
「ありがとうございます! 元気、出ました!」
美鈴は、満面の笑顔を俺に見せてくれた。いやまぁ…ありがとうは俺のほうだし、元気が出たのも俺のほうなんだが……でも美鈴の感謝の言葉だ、ありがたく受け取っておこう。
「こちらこそ、ありがとうな」
「はいっ………はぁぁ…幸せだった…」
「ん? 何か言ったか?」
「いっいえ、なにも! では、私はここであの人たちを待ちます。白滝さんはもう行ったほうがいいでしょうし」
「うん、そうだな。そろそろ行くよ」
「はい」
そういうと俺は紅魔館のほうへ足を進め始めた。……が、一つ忘れていたことがあったぜ。
俺は振り返って、美鈴を呼んだ。
「美鈴!」
「はい。なんですか?」
「……頑張ってくれ。俺たちの願いを、叶えるために」
「……はいっ! もちろんですよ!」
うん、いい返事といい笑顔だ。もう思い残すことはない。
俺は美鈴に「じゃ!」と言って背を向け、紅魔館へ走り出した。
振り返った時に見たあの美鈴の背中あれほど頼もしい姿もそうはない。
ありがとう美鈴。俺も頑張るからさ! 見ててくれよな!!
「……はぁ…はぁ……はははっ……負けちゃいました。でも、相手の体力もだいぶ削げたはずですし……やるべきことは……やったつもりです。……白滝さん、私、頑張りましたよ……だから…褒めてくれるかな……またぎゅってしてくれるかな……そしたら、すごく、幸せです…」
美鈴と別れてからどれほどの時間がたっただろうか。詳しいことはわからないが、相当な時間がたったということはわかる。外の景色もどっぷりと沈んで暗くなってるしな。きっとチルノが、大ちゃんが、美鈴が、みんなが頑張っているおかげだ。
俺が陣取っているのはレミリア様達がいるホールへ行く唯一の廊下だ。ここを通らなくては、レミリア様のところには行けない。あ、達っていうのは十六夜さんのことだ。十六夜さんはレミリア様を守る最後の砦としてレミリア様のそばにいることになった。まぁ妥当だろうな。
霊夢はここに来る。そんな確信があった。頑張ってくれたみんなには悪いが、チルノや美鈴に負けることはないだろう。だからこその相手の体力を削る戦い方を作戦としたわけだし。だから……大分の時がたった今、そろそろ俺の出番だろう。
その俺の思考に呼応するかのように、廊下の奥から足音が聞こえた。……来たか。
暗闇の奥から、声が聞こえてきた。とても、聞いたことのある声だ。
「気配がすると思ったら、あんただったのね」
「まぁな。紅魔館当主を目前とした、最後の敵だと思ってくれていい」
「そんな大層な役にしては、貧弱なのを置いたのね」
「貧弱とか、弱いとか、力がないとか、言われ慣れてる言葉をどうも。ま、主にお前から言われたことだけどな」
「軽口をたたけるだけの器量は身に着けたってわけね」
「日々成長、日進月歩だ」
相手の姿がよく見えてきた。まぁ…なんというか、予想通りの相手だよなうん。
「まったく……道中の相手が妙にねちっこくてあきらめが悪くて、なんだか疲れたわ」
「お疲れさまだな」
うん、作戦はうまくいっているようだ。すこししたり顔の俺。……あれ? そういえば。
「もう一人は?」
「ああ…なんか大量の本のにおいがするぜ! とかいって、どっかに飛んでったわ」
「なるほど」
これまた予想通り。パチュリーさんに言っておいてよかった。
「じゃあ、俺の相手はお前だけってことだな」
「ええ、そうよ。ま、私にとってはボーナスステージみたいなものかしら」
「はははっ、ひどい言われようだな。まぁ仕方がないか」
そう仕方がない。なんてったって紅魔館最弱だしね。
だが、逆に考えてみろ? 俺みたいなこんな弱いやつが予想外の行動をとり始めたら、それは逆に疲れるんじゃないか? イライラするんじゃないか?
「さて、時間もない。そろそろ始めようじゃないか」
「ええ、構わないわ。弾幕勝負でも、ただの殴り合いでもなんでもいいわよ。先手はあんたにあげる」
「ありがとう。その傲慢さに感謝するぜ!!」
俺は目を思いっきり見開き、相手を捕らえた!
それと同時に、両掌を地面に力いっぱいたたきつける!
「さぁ! 始めようぜ! 霊夢!!」
俺VS霊夢。
夢の真剣勝負の火ぶたが今切っておろされた――
お疲れ様でした! そして読んでくださりありがとうございます!
さぁどうだったでしょうか! 紅霧異変 開幕編!
少しでもみなさんが楽しんでくれたらよかったです!
さぁて白滝は霊夢相手にどう対決するんでしょうねぇ。
実はもうそのヒントが本編中に出てしまっているという(笑)
ここで書いたほうが次回につなげやすかったもんですから。
ということで、わかってしまった方もいるかもしれませんが、お口チャックですよ?
まぁ…白滝らしいといえば白滝らしい行動ですな
なんと! 紅霧異変編は次で最後となります! 次話は非常に長くなりそうな予感(汗
頑張って書きますので、お待ちくださいね!
感想、誤字脱字指摘待ってます。
前回「もっと美鈴とイチャイチャさせてもいいのよ?」という声が多かったため、一つ美鈴赤面イベントを入れましたがお気に召したでしょうか?
ではでは次回でお会いしましょう! グッバー!