東方一年郷   作:トーレ

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ども! トーレでございます!
最近部活で遊戯王が流行だし、自分も中学時代使っていたデッキを実家から持ってきたトーレでございます! デッキはマシンナーズ。懐かしさを感じました。

さて最新話投稿です! 
こんなペースでこれからも投稿していけたらなぁと思います。
そしていつもより短い話。というかめっちゃ短いです(笑) いつもの分量期待している方はごめんなさい。

あ、あと新年に向けてアンケートを取ってます!
後書きでも詳しく書きますが、気になる方は僕の活動報告まで!


さて本編です。
鈴仙の態度を受け、白滝はどう反応するのでしょうか!

ではどうぞ、温かい目で見ていってね!


第二十七話 ~疑心~

 

 

 

『……』

 

 俺達三人はまったく動けないでいた。

 俺はイナバさんの言葉によって心が傷つけられたため。

 妹紅さんは現状を把握できていないようであるため。

 そして鈴仙・優曇華院・イナバさんは俺を警戒しているためだと推測される。

 

『……』

 

 事態は膠着していた。……なんというか気まずすぎてこれはやばい! それに鈴仙さん――もといイナバさんからの視線が痛すぎる!! 何とか俺が突破口を開かなくては!

 

「…え…えっと」

 

 俺がゆっくり唇を動かしそう言うと、二人の視線が一気にこちらを向く。ってかこわっ!? イナバさん怖い!? まだ幻朧月睨使ってないよね!? まるで六面ボスさえ倒してしまうような眼光だ…っ。何とも言えない恐怖心が俺の中で湧き上がってきた。

 だが、その恐怖心と同時に一つ気づいたことがある。普通この状況でこんなことに気づく俺もどうかしていると考えざるを得ないんだが……仕方がない。環境が…環境が悪かったんや…っ。

それでだ、俺の気づいたある一つの点。それは、イナバさんが優しいということだ。うん、優しい、この人は絶対根はやさしい人だ。今はこんなだけど。

 普通睨んでくる相手を優しいとは思わないだろうって? ちっちっちっ、甘いなぁ。『睨んでくる』だけだから優しいんじゃないか。『睨む』という行為でとどまっているのが確固たる証拠だ。例えばだぜ? 今の相手が初対面頃の咲夜だったりしてみろ。いいか……?

 

(『……』

 

 事態は膠着していた。……なんというか気まずすぎてこれはやばい! それに十六夜さんからの視線が痛すぎる!! 何とか俺が突破口を開かなくては!

 

「…え…えっと」

 

「黙っててください、あなたがしゃべると虫唾が走ります」

 

「……はい」)

 

 こうなることが安易に予想ができた。睨むだけでなく罵倒が追加される。いや、ほんとに初対面はこんなんだったんだよ。……あぁ今も思い出す。あの時の咲夜の顔。ほんっと、俺を毛嫌いしてる顔だった。ガチの顔だった。そう考えると、俺と咲夜さんの仲は良くなったんだと思うぜ。

 そしてだ、そんな経験をしてきた俺から言わせてもらうと、イナバさんは優しい心の持ち主だということだ。無論咲夜が優しくないという気はないがな。……なに? ほかの人がドSなだけ? ばか! 我々の業界ではご褒美だよ!

 さて、それを認識したところでどう切り出そうか。イナバさんは俺を「紅魔館の男」だと言った。つまり俺のことを知っているということになる。もしかしたら紅魔館で俺が診療してもらった時にいたのかも知れないだが、今睨んできているのと「げぇ」といった点を考えると、きっと悪い印象を抱いているのだろうと予想がつく。……なんだか、妹紅と一緒な感じがするぜ。つまり……原因はあの新聞か。その可能性は十分にある。

 そう結論に至り俺はイナバさんに話しかけようとする。だが

 

「……」

 

「……なによ?」

 

「あ、いや、その…」

 

 俺が何も話し出さないことに疑問を持ったのかイナバさんがさらに睨みを強くしてくる。

 俺は今焦っていた。何を隠そう、俺は今、

 

彼女をどう呼ぼうか分からなくなっているのだ。

 

今こうして心の中でイナバさんと呼んでいるのは、相手に悪い印象を持たれないため。つまり安全策ということだ。ならそれで呼べばいいじゃないかと思うだろうが、これはそんな簡単な事案じゃない。

 イナバさんはまだ俺に名前を名乗っていない。俺が彼女の名前を知っているのは当然だ。俺には「東方Project」の知識があるんだから。だが彼女は当然ながらそんなこと知らないし、きっと俺が外来人だということも知らないだろう。別にそれを隠す気はないが……さすがに初対面で名前を呼ぶのはいかん。ここで名前を読んだら状況がもっと悪化する未来が簡単に予想できる。さてどうするか…

 

考えること数秒。やっと答えの出た俺は、イナバさんをこう呼ぶことにした。

 

 

 

「えっと……ウサギさん?」

 

 

 

『ウサギさん!?』

 

 二人は驚きの表情を俺に向けた。……ふむ、ミスチョイスだったか。二人とも唖然としているもんな。……うん、ウサギさんって……俺は子供か?

 俺がある種の恥ずかしさを感じるのと同時、妹紅が吹き出すように笑い始めた。

 

「くふふっ……はははっ! ウサギさんってか! はははっ!」

 

「ちょっ!? 妹紅さん!?」

 

 笑い出した妹紅に驚いたようにイナバさんは顔を向ける。

 

「いやーはははっ! そのまんま過ぎて…おもしれぇ、ははは!」

 

「くぅぅ! あんたねぇ、何考えてんのよ!」

 

 自分のことで笑われてるのが恥ずかしいのか顔を赤くしながらイナバさんは俺にかみついてきた。

 ふーむ…そう言われてもなぁ、結構悩みぬいた末の答えだったんだけど……でも気分を害してしまったなら……うん、素直に謝っておこう。

 

「えっと…ごめん。でも君の事、なんて呼べばいいか分かんなくって……」

 

「あっ確かに名乗ってはなかったわね。でも、ウサギさんは、無いわよねぇ…?」

 

「でっですよねー」

 

 一瞬納得したような顔をしたイナバさんだったが、すぐに俺を睨んでくる。うむむ、風当たりが強いなー。でも挫けたらここでずっと嫌われたままになってしまう。

 

「だっだから、君の名前を教えてくれないかな?」

 

 素直に俺はそう聞く。だがイナバさんはふんっと鼻を鳴らすようにしてそっぽを向く。

 

「誰があんたなんかに教えるもんですか」

 

 イナバさんは答えてくれない。名前さえも教えてもらえないか…嫌われてるな。

 仕方ない、ちょっと意地悪な聞き方だが…

 

「……じゃあ君の事ずっと『ウサギさん』って呼ぶことになるけど、いい?」

 

「なんでそうなるのよ、もう!」

 

 むきーっと言わんばかりにイナバさんは言葉を荒げた。……なんだろ、イナバさんってこんなキャラだったんだね。すごく表情豊かだ。まぁ原作でも陽気な感じではあったし、こんなものなのかもしれない。なにより可愛いからOK。

 少しの間俺を睨んでいたイナバさんだったが、何故か顔を俯かせた。…どうしたんだろ?

 

「…い…んよ」

 

 イナバさんがぼそっと何かをつぶやいた。だが俺は聞き取れず聞き直す。

 

「ん?」

 

 次の瞬間、イナバさんはばっと顔を上げた。

 

「鈴仙・優曇華院・イナバ! それが私の名前! もう二度と名乗らないからねっ」

 

「…ははっ、ありがとう。俺は白滝。よろしく、イナバさん」

 

 最後には名乗ってくれるあたり、やはりイナバさんは心が優しい人なのだろう。てか若干顔紅くてほんと可愛いです。

 俺は笑顔で感謝の気持ちを述べた。だがなぜかイナバさんは先ほどよりも怒ったような表情を浮かべた。

 

「…イナバっていうのは、姫様がつけてくれた名前なの。気安く呼ばないでくれるかしら」

 

 そういえばそうだったな。名前も呼ばれたくないのに、それに加え自分の姫様――蓬莱山輝夜さんがつけてくれたありがたい名前呼ばれたくはないだろう。俺はすぐさま訂正する。

 

「ああっ、ごめん。じゃあ…優曇華院さん?」

 

「そっちはお師匠様がつけてくれた名前なの」

 

「……じゃあ、もう名前呼びになっちゃうけど……鈴仙さん?」

 

「ま、特別にそう呼ぶことを許してあげるわ」

 

「へへー、ありがたき幸せ」

 

 というわけで、俺は、鈴仙さん、と名前で呼ぶことが許されたのだった。名前呼びって許す許されるの問題じゃないと思うんだが……はぁ、前途多難だな。まぁいい風に考えれば、鈴仙はツンデレなんだということにしよう。ほっほら、ツンデレキャラってはじめはこんな感じじゃんか!?(白目)

 はぁ、というため息が聞こえ妄想の世界から俺は我に返る。ため息をついたのは鈴仙さんだったようだ。

 

「名前は許してあげる。社交辞令として仕方ないわ。でもね」

 

 不意に、鈴仙さんがそう俺に対して言った。なんだろう?

 

「永遠亭に…」

 

 続いて鈴仙さんが口にした言葉には、少しの怒気のようなものが含まれていて――

 

「永遠亭に行くことだけは、絶対に許さないわ!」

 

 しっかりと俺の目を捕らえる鈴仙さんのその言葉からは、なにか強い意志のようなものが感じられた。

 しかし、永遠亭に行かせないって、いったいいきなりどうしたというんだろうか?

 その疑問は俺を永遠亭へと案内してくれている妹紅も感じたようで、俺の代わりにその疑問を鈴仙さんへと投げる。

 

「いきなりどうしたんだよ。私はこいつを永遠亭に連れていくって慧音に頼まれたんだ。……どんな事情があるか知らないけど、慧音との約束を破るわけにはいかない」

 

 あくまで慧音の為という言い方に若干傷つく俺。いやこればっかりは仕方ないというか当たり前だけどね。

 妹紅のそんなお願いの言葉だったが、それを聞いても鈴仙さんは首を横に振る。

 

「ごめんなさい妹紅さん。妹紅さんの頼みでもこればっかりは譲れないんです」

 

 そう言って鈴仙さんは妹紅の願いを断る。どうしても俺を永遠亭に向かわせたくないという事か。

 ……やはり、きっと原因は『あれ』なんだろう。それ以外想像ができんし、それ以外の理由が全く思いつかない。……はぁ、ほんとにあの人のおかげでめんどくさい状況になったな……次会った時はなんて言ってやろうかしら。まずあの人権限で犬走さんをhshsさせてもらおうそうしよう。

 さて理由は大体予想できた。でも確証はない。だから俺は確証を得るために行動を開始した。

 

「鈴仙さん」

 

「なに?」

 

「俺が嫌いならそれでいい。人間も妖怪も、誰しも好き嫌いってのはある」

 

「……」

 

 俺の言葉を鈴仙さんは不機嫌そうではあるがしっかり聞いてくれている。うん、ありがとう、やはり君は優しいお方だ。

 俺は言葉をつづける。

 

「でも、理由は教えてくれないか? どうして俺は永遠亭に行ってはダメなんだ? 理由があるなら知りたい。何か事情があるならそれを聞きたい。もしそれが治せる問題ならば、俺はそれを治そう。そうしてまた出直すとするよ」

 

「白滝…」

 

 妹紅がなぜか感動したように俺を見てくる。…何かすごいこと言ったか俺? まぁ今はそんなことどうでもいい。

 最後に俺はもう一度、鈴仙さんに問いかける。

 

「永遠亭はこれからの人生絶対に必要になってくるところだ。だから俺は訳を知りたいんだ。教えてください、鈴仙さん」

 

 俺はそう言って頭を下げた。その様子を見てか鈴仙さんは少し驚いた様子を見せる。だがすぐに表情を先ほどまでの警戒するような顔に戻して、こう俺に言葉を放つ。

 

「ふ、ふんっ! そんな誠実そうなこと言っておいて、それもどうせ演技なんでしょ?」

 

「…へ?」

 

 演技? 何のことを知っているんだ?

 理解の追い付かない俺を置いていくように鈴仙さんはさらに続ける。

 

 そして次にはなった鈴仙さんのその言葉は俺の予想を確信へと変えるものだった・

 

「そんな様子を見せておいて、紅魔館の女性を何人たらしこませたのかしら?」

 

『……』

 

 あー、うん。なんかもうね、デスヨネーって感じ。

 妹紅も妹紅で自分と同じ過ちだと分かったためか、唖然としていた。

 固まる俺たちの様子に気づかないまま鈴仙さんは続ける。

 

「知らないとでも思った? 永遠亭の情報収集能力を舐めないでほしいわね」

 

『……』

 

「女性を懐柔させて職を得るとかほんと最低な男。そんなあんたを永遠亭に近づかせるわけないじゃない」

 

『……』

 

「わかった? それが理由よ。わかったのならさっさと帰りなさい」

 

『……』

 

「なっなによぉ。なにか言ったらどうなのよ?」

 

 沈黙を続けていた俺たちの様子にやっと気づいたようで鈴仙さんはあたふたとした様子を見せる。いやー、なんというか…ねぇ。

俺は妹紅に視線を移す。

 

「妹紅、気づいてる?」

 

「あぁ…さっきの私も、こんなんなってたんだな。」

 

「落ち込まないでよ、本当のことを知らなきゃこんな感じだって」

 

「なに二人で話してるの。というか本当の事って何よ。私が言ってることが真実なんだからっ」

 

 俺達の話が聞こえたのか鈴仙さんがずいっと顔を近づけさせてきた。あー、可愛いなぁ。ほんと一昔前に新参ホイホイ言われてただけのことはある。でも…可愛いけど……ごめん、今は残念な子にしか見えない。

 

「妹紅。あの新聞、俺を待ってくれてる間ちゃんと読むとか言って…まだ持ってたよね」

 

「あぁ、持ってるぞ」

 

「……あのお方に、見せてあげてください」

 

「……了解」

 

 俺の願いを妹紅は何も言わずに承諾してくれた。憐みと同情の目と一緒に。……なんだか泣きたくなってきた。

 

 妹紅は鈴仙さんにあの新聞を手渡した。そうその新聞は、問題となった『あの新聞』の次に出された新聞のことである。戸惑う鈴仙さんだったが、妹紅相手ということもあってか渋々といった感じで受け取り、記事を読みだす。

 

 数分後、気まずさやら疑心やらという感情がごちゃまぜになったかのような、何とも言えない顔を俺達に向けてきたことは、言わなくても分かることであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……』

 

 永遠亭への道のりを、俺と妹紅と鈴仙さんは誰一人としてしゃべらぬまま歩いていた。

 新聞を読んだ鈴仙さんは、その真実を知ってなおまだ疑いは晴れぬようで、さらに俺を言及してきた。だが新聞に書いてあることゆえ全否定することもできなかったようで、一回だけ永遠亭に行くことを許可してくれた。後のことはお師匠様に判断を仰ぐと最後にそう付け加えての結果だったがまぁいいだろう。お師匠様とは八意永琳さんのことであろうし、あの人ならしっかりとした判断をしてくれるだろう。なにせ俺は本当に無実であるからな。

 

『……』

 

 永遠亭への道、つまるところ迷いの竹林はさらに道が狭まってきたかのように感じる。当たり前だが、生い茂る竹の数も数を増している。今夜道を照らしてくれている妹紅さんの炎が無ければ、道すらも分からなかっただろう。これは確実に迷ってしまうだろう。うーむ、想像よりも迷いの竹林であった。

 

 

 沈黙は続く。鈴仙さんは先頭を行き、妹紅さんは俺の後ろについてくれている。縦で歩いているのも原因の一つであろうが、俺もなかなか話かける言葉を見つけれないでいた。……正直に言おう。俺はこういう気まずい空気が嫌いだ! 何とかして払拭したい!

 仕方ない。他愛もない話を振って、花が咲くのを期待しよう。

 

「鈴仙さん」

 

「なに?」

 

 鈴仙さんは振り返らず、そう返してくる。うーん、素気ない。だがここで挫けるわけにはいかない。

 

「永遠亭にはどんな方がいらっしゃるんですか? 俺、治療されてた時意識無かったから全然覚えてなくって」

 

「そんなこと知ってどうするの?」

 

「どうするって…これから会いに行くわけですし、話は聞きたいじゃないですか」

 

「とか言って、邪な気持ちなんて持ってないでしょうね?」

 

 そう言って鈴仙さんはこちらに振り返って、俺をジト目で見てきた。うん、ジト目可愛いよ。ってそうじゃなくて。

 

「…信用されてないっすね」

 

「信用してないもの」

 

 ズバッと言われたその言葉に地味に俺はショックを受ける。その様子に気づいてか俺の後ろから妹紅が「ドンマイ」と呟いてきた。うん、うれしいけど…あなたもさっきまでこんな感じでしたからね? ……果たして鈴仙さんと仲良くなる日は来るのだろうか……

 

 今思い出したけど、鈴仙さんって原作では初対面の相手には敬語だったような気が……でも俺最初っからタメ語だったよね? 容姿年齢が近かったからかな…? でも花映塚では妖夢に敬語を使っていたような。……つまり俺は、敬語を使うに値しない存在だという事だろうか。ぬーん。

 

 何とも言葉にできない理不尽感というか悲しさを感じた俺は、はぁ、とため息をつき、視線を下の方に向けた。これはほんとに前途多難だ。妹紅には異性として見られていないし、鈴仙さんからは毛嫌いされる。これ……俺永遠亭に行ったらもっとひどいことになるんじゃなかろうか…?

 そんなことを考えていた矢先、俺はふと『何か』の異変に気付いた。

 『何か』というのは道のことである。道筋に沿ってこの先、十メートルほど行ったところに竹の葉っぱが落ちていることに気づいたのだ。まぁ竹林というくらいだ、竹の葉くらいなら落ちているのは当然であろう。だが…なにか俺は不思議に思ったのだ。…うーん、この違和感の正体を突き止めるにはあともう少し近づかないと。

 

 

 

 

 それから数歩歩いて、その変な感じの発信元へと五メートルといった所であろうか。その葉っぱが落ちているところの全貌が見えてきた。

 ……ふむ、やはりおかしい。何がおかしいって、竹の葉の量だ。なんだか妙にその箇所だけ葉が多いのである。さっきまでは一メートル間隔に一、二枚といったところであったのに、ここだけ妙に多い。ざっと十五枚前後といったところだろうか。しかも円を描くように、というか、何だろう……まるで何かを隠しているような……まてよ、隠す…?

 その瞬間、俺は、はっとある人を思い出す。永遠亭の住民で、鈴仙さんとは違い地上のうさぎで、そして――いたずら大好きっこ。

 「隠す」というキーワードとその人物、導き出される結論はほぼ出たと言って過言ではない。そうなると……

 

 先頭を歩く鈴仙さんが危ない!

 

 バッと鈴仙さんの方を見る。鈴仙さんは先ほどと同じように何ら変わりなく歩いていた。別に下を向いていることもないし足元に注意している様子もない。これは……気づいてないっ! うん、絶対気づいてないねこれ! 動きというか歩き方にも警戒の色が見えない。これはやばい!

 その何かしらとの距離はもう二メートルを切っている。あと二歩でも近づいたら、あの『何かしら』の餌食であろう。

 

「くっ!」

 

 あと二歩なんて短い距離、言葉の伝達では遅すぎる。俺は走り出した。

 鈴仙さんが一歩を踏みしめ、あと一歩だというところで、俺の手が鈴仙さんの背中に触れた。

 

「ひゃあぁっ!」

 

 突然来た感触にか、鈴仙さんは甲高い声を上げる。可愛い――って今はそんな邪念は捨てはらえ!

 触れただけではだめだ。もうひと押ししなければ!

 俺は、踏みしめた足にさらに力を籠め、形として、鈴仙さんを前方に突き飛ばす。鈴仙さんはいきなりの展開に体がついて行っておらず派手に前に倒れた。

 

「いったぁ……なにするのよ! って…え?」

 

 鈴仙さんが俺に睨みを利かせてきた。そりゃそうだ、何の脈絡もなくいきなり突き飛ばされたんだから。だが――

 

「白滝!?」

 

 瞬間、俺の足場が――いや、足場であったはずのものが崩れ去り、同時に俺は浮遊感を感じる。あわよくば鈴仙さんを突き飛ばしたあと俺もその勢いに乗ってこの『何か』を回避しようと考えたんだが……やはり無理だったか。

 

 妹紅の俺の名を叫ぶ声が聞こえる。俺も手を必死で伸ばすが、無情にも手は空を切る。

 光の円がだんだんと小さくなる。ふむ、俺は落ちているようだ。

 

 鈴仙さんが引っ掛かりそうになり、それを助けようとした俺が引っ掛かったその『何か』、それはいわゆる、落とし穴というものであった。しかも……尋常じゃない深さのものであった。

 

 

 

 

 

 だれがこんなもの作ったのか、個人特定、余裕でした♪

 

 

 

 

 

 

 そんなことを思った瞬間、俺の体に思った以上の衝撃が走り、俺の意識は一瞬にしてブラックアウトしてしまった――

 

 

 

 

 

 

 

 





お疲れ様です! そして見てくださってありがとうございます!

いやー、短いですね(笑) 一万文字もいっていないという。
今まで二万とか書いてたので自分的にはびっくりです。

でも速いペースで投稿したほうがいいと考えますので、今後はこの感じで。

しかし落とし穴に落ちてしまうとは、白滝君は情けない。
はてさて彼は無事に永遠亭にたどり着けるのでしょうか…?
次回をお楽しみに!

さて前書きで言ったアンケートについて説明します。
アンケート、新年に向けた特別号のお話です。

貴方は幻想郷のどこで、年越しを、または正月を迎えたいですか?
貴方の要望を、東方一年郷主人公である白滝がかなえて差し上げます。

さぁて、選択肢はこのラインナップになってます。

1.博麗神社で年越し正月
登場人物 → 霊夢、魔理沙、萃香、アリス

2.紅魔館で年越し正月
登場人物→紅魔館住人

3.白玉楼で年越し正月
登場人物→幽々子、妖夢、プリズムリバー三姉妹

4.永遠亭で年越し正月
登場人物→永遠亭メンバー

5.守谷神社で年越し正月
登場人物→早苗、諏訪子、神奈子

6.地霊殿で年越し正月
登場人物→さとり、こいし、お燐、お空

7.命蓮寺で年越し正月
登場人物→白蓮、星、村紗、ナズ、一輪、

8.新霊廟で年越し正月
登場人物→神子、布都、屠自古、青蛾、芳香

以上の8箇所です! 登場人物は予定です。

今回は、獲得投票数上位2つの話を書きたいと思います。
何処がいいか、1人2票で教えてください。

投票は感想欄でなく活動報告の返信か、僕自身にメッセージお願いします!
また、こんなイベントを起こして欲しいなどの要望も受け付けます

締切は12月31日!

一つ目投稿は、1月3日予定!
二つ目投稿は、1月6日予定!

ということです。投票よろしくお願いします!
活動報告にも同じものがありますので!


ではでは、よいクリスマスとよいお年を!

来年も私トーレと『東方一年郷』をよろしくお願いいたします。

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