東方一年郷   作:トーレ

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ども! トーレでございます!

正月小話Part3です。
とはいえ、第三章の続きです。

~注意事項~
・「東方一年郷」の世界観であり、また同作品の登場人物が出てきますが、この小話はIFストーリーです。誤解無きよう。
・本文の形式が小説型でなく「台本型」となっています。読んでいただければ分かります。抵抗のある方は、ごめんなさいです
・東方一年郷未登場のキャラが多数出ます。ですがあくまでIFなので、本編と同じキャラクター設定になるとは限りませんのであしからず。

ではどうぞ! 温かい目でみていってね!


正月特別小話 『白滝殺人(?)事件!!』 Part3

 

 

 

第三章 ~反応~ その二

 

 

 

 

 場所は、地上から離れ地下へ。地霊殿内部。

 主である古明地さとりと古明地こいしは紅茶とお菓子にパクついており、その隣で火焔猫燐と霊烏路空が何やら取り組んでいる模様。

 そこに水橋パルスィを連れた星熊勇儀がやってくる。

 

勇儀「よぉっす、さとり! お前に面白い情報持ってきてやったぜ」

 

お燐「あれ? 勇儀さん? こりゃまた珍しい」

 

お空「おお! 勇儀! 明けましておめでとう!」

 

勇儀「おおっと、私としたことが、新年のあいさつを忘れてたね。明けましておめでとう、だ」

 

さとり「あけましておめでとうございます、勇儀、それにパルスィも」

 

パル「……ふん、何がおめでとうよ。新年ってだけで、特別扱いかしら。妬ましいわね」

 

勇儀「お前、正月をねたんでも仕方ねぇだろ」

 

さとり「それで、なんですか? 面白い情報というのは」

 

勇儀「おお、そうだったそうだった。さっき地上のブン屋が私のところに来てな、これを地霊殿にってさ」

 

こいし「……新聞?」

 

勇儀「ご名答だ」

 

さとり「まぁみれば分かりますね。それで、これのどこが面白いのですか?」

 

勇儀「その一面読んでみな、すぐにわかる」

 

お空「私が読む!」

 

お燐「バカお空! あんたこんな漢字ばっかりの文章読めないでしょ!」

 

お空「もーバカにしないでよ。これくらい読めるもん! えっとなになに……『もとにちの』……」

 

さとり「読めないって思うなら、意地張らずに素直に言いなさい。空、貸して」

 

お空「はーい、さとり様」

 

さとり「どれ……『元日の悲劇。幻想郷の無計画男・白滝氏、何者かに襲われる!?』ね。なるほど、確かに面白い」

 

こいし「ええ? 白滝さんどうしたの!?」

 

お燐「そうですよ! 白滝の奴、大丈夫だったんですか?」

 

さとり「ええ、命に別状はないって書いてあるわ」

 

お空「良かった! 白滝さんが死んじゃったらどうしようかと思った」

 

こいし「お空? 不謹慎だからそう言う事言っちゃだめだよ?」

 

お空「ふきんしん? 新しい掃除道具か何か?」

 

お燐「なわけないでしょ。白滝さんに失礼ってことよ」

 

お空「そうなんだ。でも白滝さんが元気なら安心したよ! また頭撫でてもらおうっと」

 

お燐「あんたそればっかりだね……」

 

パル「元日から新聞に載ってこんなに心配されるなんて、ほんとあの男は妬ましい」

 

勇儀「内容は羨ましいもんじゃないけどな」

 

さとり「……なるほど。それで今は犯人捜しをあの巫女と白黒の魔法使いがやっているわけですね」

 

勇儀「みたいだ。可能なら地上に行って、話を聞かせてほしいだってさ」

 

こいし「それって、私たちが疑われてるってこと?」

 

お空「えー! 白滝さんを襲うなんてことしないよー!」

 

お燐「こればかりはおくうに賛成に同意ですね。なんであたい達なんでしょうか?」

 

さとり「ふむ、この記事を読む限り、幻想郷中の『白滝さんに関わりを持つ人間・妖怪』そのほとんどに声をかけてるらしいわ。まぁきっとあの巫女の事でしょうから、これを機会に初詣にでも来いってことなんでしょうね」

 

勇儀「はははっ! 確かにあの抜け目ない巫女のやりそうなことだ!」

 

パル「初詣なんて響きがすでに妬ましい」

 

お燐「それで、どうします? さとり様。行きますか?」

 

お空「はいはーい! 私行きたーい!」

 

お燐「お空は黙ってなさい! 今はさとり様に――」

 

さとり「ふふ、良いわよ。燐、空を連れて私たちの代わりに行ってきてくれないかしら?」

 

お燐「ええ? いいんですか?」

 

さとり「ええ。私はここを離れられない。だけど、地霊殿から誰も出さなかったらそれこそあの巫女に疑われてしまう。そうならないためにも、お願いしたいわ。長居されたら困るけれどね」

 

お燐「そんな! 事件さえ解決したらすぐ帰ってきます! 分かったお空?」

 

お空「うん! 私は白滝さんに会えたらそれで何でもいいよ!」

 

お燐「はぁ、あんたは気楽でいいねえ。勇儀さんと、パルスィさんはどうします?」

 

勇儀「遠慮しとくよ。正月なんざで地上にいくより、ここで飲んでた方が私は楽しいからね」

 

パル「……勇儀がいかないなら、私が行く理由はないわね」

 

勇儀「あれ? 行かないのかい? でもお前さっき『白滝には会えるのか』とか言ってたじゃないか」

 

パル「なっ! そっその耳の良さ、妬ましい! 人の独り言を勝手に聞かないでよ!」

 

勇儀「ははは! 悪い悪い。ってことだ、お燐」

 

お燐「なにさ?」

 

勇儀「白滝に、こっちに顔出すように言っといてくれ。パルスィじゃないが、私も久しぶりにあいつに会って話がしたいのさ」

 

パル「……ほんとあんたって妬ましい」

 

さとり「そうね。久しく白滝の顔は見てないし、こっちに来させるのはアリね。お燐よろしくお願いできるかしら」

 

お燐「わっかりました!」

 

さとり「こっちに来てくれたら、こいしも喜ぶだろうし……ってあれ? こいし?」

 

お空「そう言えばこいし様、いつの間にかいなくなってたね」

 

お燐「……またいつものですね」

 

さとり「……はぁ、あの子ったら。お燐、こいしのこともお願いするわ。きっと地上にいるだろうから」

 

お燐「はいー。じゃ、お空、行くよ!」

 

お空「おうともさー!」

 

 燐と空、退室。さとりはため息をつき、その様子を見て勇儀は笑う。

 パルスィは一人、妬ましいと呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって、命蓮寺。

 何やらここの住職である聖白蓮と、修行僧である雲居一輪が言い争いをしている。

 

一輪「聖さま、外出するなんて本当ですか?」

 

白蓮「あら、一輪。どこからその話を?」

 

一輪「寅丸さまからです。もう、住職が外出なんて何考えてるんですか」

 

白蓮「んー、それは分かってるんだけど、でも心配じゃない?」

 

一輪「白滝ですか? そりゃ多少の心配はしていますけど……きっと原因はあの男の気の多さでしょうし。軟派な性格してるから、罰が当たったんですよ」

 

白蓮「一輪、あまり人を悪く言っていけませんよ?」

 

一輪「あう、すみません。でも聖さま、この人だかりですよ? 初詣のお客様で人妖乱れて大盛況です」

 

白蓮「ええ、そうね。嬉しい限りだわ」

 

一輪「こんな人の数、私達修行僧だけじゃ回しきれませんよ……」

 

白蓮「そう? それじゃあ困ったわね……博麗神社に人を出さないわけにはいかないし」

 

一輪「というか、その博麗神社はなにしてるんですか。新年は忙しいはずじゃ……」

 

白蓮「博麗のやり方というものかしら?」

 

一輪「確実に手抜きです、それ」

 

?「困っているようですね、聖」

 

 その言葉と共に、正装をした寅丸星が入室。

 

白蓮「あら、星。参拝の方々の方はいいの?」

 

星「ほんの少しですが落ち着いたといったところなので、少々の休憩をと。」

 

一輪「そうだったのですか。早朝よりずっとでしたからね」

 

星「それはともかくとして……もしかして、白滝さんのことですか?」

 

白蓮「そうなの。誰を使いに出そうか悩んでいて」

 

星「ここはひとつ、私が行くというのは――」

 

一輪「却下です」

 

星「決断が早いですね……」

 

一輪「当たり前です。寅丸さま、あなたはここの本尊様なのですから。特に参拝者が多いこの時に外出なさるなど言語道断です」

 

星「本尊とはいえ代理なんですけどね」

 

一輪「代理とはいえ本尊です!」

 

白蓮「一輪、そう熱くならないで。そうねぇ……そう考えると、あなたか水蜜あたりに行ってもらおうかしら――ふふ、噂をすれば」

 

 ガラガラと扉が開く。入ってきたのは疲れ顔の村紗水蜜。この部屋にほぼ全員が集合していたことに驚く。

 

村紗「あれ! みんなここにいたの? 妙に忙しいと思ったらこういうことか。ちょっとは表の方手伝ってよー」

 

白蓮「あら、ごめんなさい」

 

村紗「まぁ、今は落ち着いてるから大丈夫なんだけどさ。それで何、どうしたの? なんか相談事?」

 

一輪「するどいわね、村紗。ええ、ちょっと……博麗神社に誰を使いとして向かわせようかという話になってね」

 

村紗「博麗神社? あぁ、今朝あのブン屋が言ってたことか」

 

白蓮「ええ、そうなの。でも私も星も、ここを離れるわけにはいかないでしょ? だから一輪かあなたに行ってもらおうと思って」

 

一輪「私は……あの博麗の周りの人たちの雰囲気にはなじめそうにないので、遠慮したいのですが」

 

村紗「ってことはあたしかな? まぁそれは別に構わないけど、使いなら出したんじゃないの?」

 

白蓮「あら? まだ出してないわよ?」

 

村紗「あれ? さっき響子のやつがすごい勢いで人里の方に走っていきましたけど、あれって使いじゃなかったんですか?」

 

一同『……』

 

一輪「あの子ったら! 何も言わずに!」

 

白蓮「まあまあ。あの子にとって、白滝さんはご主人様だもの。心配になるのは仕方がないことだわ」

 

一輪「だとしてもです……いったいどこで聞いたんでしょう。こうならないためにあの子には秘密にしておいたのに」

 

星「ええ!? 秘密だったんですか!?」

 

一輪「……寅丸さま?」

 

星「い、いやー秘密とはつゆ知らず、さきほど話してきてしまいましたよ」

 

一輪「寅丸さまー!」

 

星「ひゃーごめんなさい!」

 

村紗「あはは。じゃあ、あたしは響子の保護者兼正式な使いとして博麗神社に行けばいいかな?」

 

白蓮「お願いできる?」

 

村紗「もちろん。断る理由なんてないさ。白滝の顔もそろそろ見たかったしね」

 

星「私もみたかったです」

 

白蓮「そうだ、それなら白滝さんに命蓮寺にも顔を出してほしいと伝えておいてもらえるかしら?」

 

村紗「了解了解。そんじゃ行ってくるねー」

 

 村紗退室。一輪ため息をつき、星はそれを見て苦笑い。

 その時、外より「ご主人様―! そろそろ頼むよー」というナズーリンの声。星は慌てて退室。

 

一輪「では私も、手伝いに行ってきます。聖様、心配なのはわかりますがほどほどにお願いしますね」

 

白蓮「ええ、わかってるわ」

 

一輪「それでは」

 

 一輪退室。

 一人になった白蓮は、くすりと笑う。

 

白蓮「一輪はちょっと真面目すぎるわね、それが良い所でもあるんだけれど」

 

白蓮「白滝さんと響子ちゃん。今はまだ響子ちゃんの一方通行の想いだけれど、いつかそれが実って二人が結ばれることになったら……うん、いいことづくめになるわね」

 

 白蓮、そう言って掛け軸に書かれている文字『人妖平等』を見て、微笑みを浮かべる。

 その後、一輪の後に続くように退室。

 

 

 

 こうして、この新年の元旦。博麗神社に様々な人々が様々な思惑をもって集まってくるのであった。

 

 第四章へ続く――

 




お疲れ様でした。そして読んでくださってありがとうございます!

白滝の話を受けたそれぞれの勢力の反応回でした。
次回から物語は解決へと向かいます!

ではまた次回―!
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