part4です。
これ書いてて思ったんですが、完結は、Part6になりそうです。
つまり最終章が投稿されるのは明後日の6日になる予定です。
~注意事項~
・「東方一年郷」の世界観であり、また同作品の登場人物が出てきますが、この小話はIFストーリーです。誤解無きよう。
・本文の形式が小説型でなく「台本型」となっています。読んでいただければ分かります。抵抗のある方は、ごめんなさいです
・東方一年郷未登場のキャラが多数出ます。ですがあくまでIFなので、本編と同じキャラクター設定になるとは限りませんのであしからず。
ではどうぞ! 生暖かい目でみていってね!
第四章 ~騒動~
場所は博麗神社のとある一室。一人の少女がリンゴを剥いており、そのとなりでは、布団を足までかけて体を起こしている一人の青年の姿がある。少女はアオイ、青年は今回の事件の中心人物である白滝である。
白滝が天井を見上げながら一人語りだす。
白滝「元旦……新年の始まりという幸せな日になるはずの今日。目が覚めたら俺の視界に広がったのは、見慣れない天井だった。あたりを見渡す俺。その行動によって俺が寝ているのは、永遠亭であるということが分かった。そばには鈴仙さんの姿があって、話を聞くとなんと俺は今朝何者かに襲われ、部屋で気絶していたらしい。全く身に覚えがないと言えば嘘になる。確かに俺の記憶の片隅に『意識が遠くなっていったような感覚』がある。だがそれは驚くほど朧げて、消して人に話せるものではなかった……」
アオイ「長い長い長い。状況が状況だから、多少の自語りは目をつむろうかと思ったけど、それは長すぎるよ白滝」
白滝「そこまで思考を巡らせていたら、今俺の隣にいる兎耳をはやした少女、アオイに俺は注意を受けた……なんだろう? 俺が何か悪いことをしただろうか?」
アオイ「ツッコんだのにボケるのはルール違反じゃないかな?」
白滝「アオイは少し蔑んだような目線をこちらに向ける。少女とはいえ幼女に近い体躯で可愛らしい顔からくるその目線。なんとも背徳感がしてぞくぞくするが、このままその視線を向けられたままではつらい。俺はなんとか誤解を解こうと――」
アオイ「そこまでだよ白滝。はいリンゴ!」
白滝「むぐっ……もぐもぐ」
アオイ「まったく、一体いつまで続けるつもりなんだい? 確かに、永遠亭から無理やりここまで連れてこられて状況が呑み込みきれてないのは分かるけど、その思考とやらを口に出すのはいい加減にしてほしいかな」
白滝「ん!? ……ごくん。アオイ! もしかして声に出てた!?」
アオイ「出てたよ! すっごく出てたよ。ていうか気付いてなかったことに驚きだよ。僕のツッコミは何だったんだい」
白滝「まじかー、いやぁごめんごめん」
アオイ「ま、変な行動をとるのは白滝の事だから、全然心配はしてないけどね……ま、僕の事可愛らしいって言ってくれたことに免じで許してあげるよ」
白滝「ん? なんか言ったか?」
アオイ「何でもないよ。気にしないで」
白滝「そういうなら気にしないけど。でもよかったの? アオイまでこっち来ちゃって」
アオイ「僕が白滝について行くから、白滝はこの博麗神社まで来れたんだよ。ほんとは経過観察でもうちょっと永遠亭にいてほしかったんだけど」
白滝「それに関しては俺じゃなくて、霊夢や魔理沙にいってくれ」
アオイ「ふふ、そうだね」
白滝「……なんか、外騒がしくないか?」
アオイ「まぁ仕方ないんじゃないかな。今霊夢と魔理沙が謎解きを開始しようとしてるみたいだし」
白滝「謎解き? どいうことや?」
アオイ「そっか、白滝は今回のこの騒動について何も聞かされてないんだったね……えっと、どこから説明したものかな。まず、部屋で倒れてたのを発見したのはあの霧雨魔理沙だったらしいんだけど――」
その時、不意に障子が思いきり開かれる。驚いてその方を振り返る白滝とアオイ。
障子の向こうに立っていたのは、フランドール・スカーレットと美鈴だった。
フラン、白滝を見つけるなりパアッと笑顔になり、白滝に抱き付く。
フラン「白滝さん! 良かったー! もう、心配したんだからぁ!」
白滝「ふっフラン? あれ、どうしてここに?」
フラン「そんなのどうでもいいの! それよりも白滝さん、お体もう大丈夫? 平気?」
白滝「あ、ああ。もう元気になってるよ。ありがとう、フラン」
フラン「えへへー。やっぱり白滝さんのなでなでは気持ちいなぁ」
白滝「それはよかった。こんなのでよかったらいつでもしてあげるよ」
フラン「うん!」
美鈴「……」
白滝「美鈴も久しぶりだね、元気にしてた……ってどうしたの? 黙っちゃってるけど」
美鈴「…へ? ああっいえ! 大丈夫ですよ! 大丈夫! 別にフラン様羨ましいなぁとか思ってませんから! ええ、決して!」
白滝「……? なんかよくわからんけど、元気そうで安心したよ」
美鈴「……あぁ、私のバカ…」
フラン「白滝さん、白滝さん」
白滝「うん?」
フラン「白滝さん、あのね。美鈴も白滝さんに頭撫でてほしいんだって」
美鈴「フラン様!?」
白滝「えっ? ……そうだったのか、美鈴?」
美鈴「え、ちがっ! ああいえ違う事なんかなくって! えっと、その……あぅ……はい」
白滝「なんだ、そうならそうだって言ってくれればよかったのに、よいしょっと」
美鈴「あっ……えへへ」
フラン「うわ、美鈴すごい幸せそうな顔してる!」
美鈴「なっ、ふっフラン様!」
フラン「へへへー」
白滝「ああそういえば、聞くの忘れてた。何でフランだけじゃなく美鈴もここに? 霊夢と魔理沙が謎解きだとかなんとかってのは聞いたんだけど」
美鈴「あれ、白滝さん聞いてないんですか? 実は『かくかくしかじか』なんですよ」
白滝「なるほど『まるまるうまうま』ってことなのか……」
アオイ「その会話実際にやってる人初めて見たよ」
フラン「魔法の言葉ってやつだね」
白滝「あの二人は元旦からそんなことやってるのか。暇なの!?」
美鈴「それは、レミリア様も言ってましたよ」
フラン「元旦? 元旦……? あー! そうだ! 思い出した! 白滝さん白滝さん」
白滝「ん? どしたフラン?」
フラン、白滝から離れると白滝と向かい合う。
フラン「白滝さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
美鈴「フラン様……」
白滝「フラン……ははっ! こりゃまいった。フランに先に言われちゃうとは」
フラン「えへへ。白滝さん、忘れんぼさんだー」
白滝「ごめんごめん。あけましておめでとう、フラン」
フラン「うん!」
白滝「美鈴も。あけましておめでとう」
美鈴「はい! 明けましておめでとうございます!」
フラン「ねぇねぇ白滝さん、もっとフランの事なでなでしてー」
白滝「おお、いいゾー」
アオイ「言い方が気持ち悪いよ白滝」
白滝がフランの頭を撫でようと撫でようと手を伸ばす。その時障子が再び開かれる
そこには正座をしてお辞儀をする妖夢の姿があった。
妖夢「白滝様、あけましておめでとうございます。いらぬ心配かとは思いますが、少しで白滝さんおお役に立てればと思い、来た次第です」
白滝「おお! 妖夢も来てくれたのか、ありがとう。んであけましておめでとうだ」
妖夢「……『も』? それってどういう――って、ええ?」
美鈴「あれ、あなたは確か白玉楼の」
妖夢「そう言うあなたは、紅魔館の門番さん。それに、紅魔の妹さんまで。どうしてここに」
フラン「ぶー、妹さんじゃないよー。フランにはフランって名前があるんだから」
美鈴「まぁまぁフラン様。きっとあなたと同じ理由ですよ。白滝さんが心配で来てしまったんですから」
妖夢「なっ、なるほど。……まさか先客がいるとは思いませんでした。せっかく白滝様と二人っきりになれると思ったのに」
美鈴「……」
フラン「? どうしたの美鈴?」
美鈴「フラン様、そろそろレミリア様たちの元に戻りますか」
妖夢「!」
フラン・白滝「ええー、どうしてー?」
アオイ「どうして白滝がハモってるのかな」
美鈴「フラン様、レミリア様があまり長く白滝さんをお付き合いさせてはいけないと言っていたじゃないですか」
フラン「むー。それはそうだけど……」
美鈴「白滝さん、この一件がひと段落したら、紅魔館に遊びに来てもらえますか? 体調がよくなってからでいいですから」
白滝「ああ、むしろ俺からお願いしたいくらいだよ」
美鈴「ふふ、良かったです。フラン様、白滝さんとはその時にたくさん遊んでもらいましょう?」
フラン「ううー……分かった」
白滝「そんな別に気を使わなくていいのに」
美鈴「いえ、一応レミリア様に言われたことですから。それで失礼しますね」
フラン「白滝さんまたねー! 絶対遊びに来てねー!」
白滝「もちろん! すぐに行かせてもらうよ」
美鈴、フラン退室。
妖夢、二人の背中を見送り少し悔しそうにつぶやく。
妖夢「……貸し一つ、といったところでしょうか」
白滝「うん? 何の話?」
妖夢「いえ、こちらの話です。それよりも白滝様。お加減のほうはどうですか?」
白滝「うん、もう元気元気。心配かけたみたいで、悪かったな」
妖夢「そうかですか、良かった……」
白滝「妖夢も元気だったか? この頃会いに行けてなかったからな……」
妖夢「はい、私も幽々子様も、何の問題もなく。……あ、えっと……ただ、ですね」
白滝「うん?」
妖夢「……会いに来てくれなかったから……ちょっと寂しかった、です」
白滝「……妖夢」
妖夢「あ! いえ、今のはその、私のわがままでした! 忘れてくだ――ってひゃあ! ななっなんでいきなり抱きしめ――」
白滝「ごめん、妖夢。妖夢の気持ちに全然気づいてあげれなかった」
妖夢「いえ、そんな……ほんとに私のわがままですし…」
白滝「妖夢はちょっとわがままになってもいいと思うぞ? 我慢しすぎだ」
妖夢「そうでしょうか……」
白滝「うぬ。妖夢がわがまま言ったくらいじゃ誰も怒ったり笑ったりしないさ。少なくとも俺はそうだぞ」
妖夢「ほんと、ですか?」
白滝「男に二言はない」
妖夢「……それじゃあ、その」
白滝「ん?」
妖夢「……もう少し、このままで」
白滝「? いいのか? いや、俺はこうしてたいんだけど…妖夢実はいやだったりしない?」
妖夢「そんなことないです! 白滝様にこうして抱きしめられてると……心も体もあったかくなりますから……いやじゃないです……むしろ…」
白滝「妖夢……」
妖夢「白滝様……」
アオイ「ごほん! お二人さん、仲睦まじいのはいいけど、僕のいないところでやってほしいなぁ」
妖夢「!!??」
白滝「おおっ!? いきなりだなアオイ」
アオイ「いきなりでもないよね。だいぶん二人の世界に入ってたよね」
白滝「なっ、そっそんなことはないぞ? なぁ妖夢――って妖夢!? どうした!? 顔が茹蛸みたいになってるぞ!」
妖夢「あわわ……私は、私はなんてことを……っ!」
白滝「妖夢?」
妖夢「しっ白滝様の様子も見れたので私はこれで失礼しますね! では!」
白滝「あ、おい妖夢!」
妖夢、顔を真っ赤にしながら退場。白滝それを呆然としながら見送る。
白滝「……いったい何だったんだ?
アオイ「鈍感すぎるよ白滝……いや、僕が焚き付けたんだけどさ」
アオイ、ため息。白滝は理由を分かっていないように首をひねるのだった。
第四章 その二に続く――
お疲れ様でした! そして見てくださってありがとうございます!
まさかのその2に続く。
すみません、なんやかんやあって忙しくて、ここまでとなってしまいました
さて予想はできるかと思いますが、その2もこうして白滝の元へ訪れる人や妖怪たちのお話です。
ではでは、次回おあいしましょう!