諸行有常記   作:sakeu

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第19話 続・宴会の日の青年

さて、未成年飲酒禁止法を存分に破ったところ(良い子のみんなは真似するなよ!)で

 

「おーい、勇人!」

 

声をかけられた、次は誰かね…

 

「慧音さん!?」

「こっちに来い、一緒に飲もう」

 

酔ってるのかな?意外だなぁ。普段はしっかり者なのだが、今は頬を赤く染めすっかり出来上がっている模様。

あと、一緒にいる娘は誰だろう?とても長い白髪に、モンペのようなズボンを履いている。

 

「それじゃあ、失礼します」

「ほら、どんどん飲め」

「あ、ありがとうございます…」

 

本日、四杯目。まだ、大丈夫の様だ。自分が酒に強いかどうかは分かってないので慎重に飲みたいのだが…

 

「ほい」

「あ、ありがとうございます…」

 

少し勧め過ぎやせんかね…

 

「慧音、こいつが例のか?」

「んぁ?そうだよ。いつも世話になっている。本当にありがたいよ」

「へぇ〜、私は学問に関してはもうさっぱりだからな…あ、自己紹介もせず、喋ってしまった様だ。私は藤原妹紅。よろしく」

「碓氷勇人です…よろしくお願いします」

 

サバサバした人だ。そういえば、輝夜という名前に藤原…そして、不死身…まるで、竹取物語みたいだな…あぁ、国語の授業で冒頭部分を覚えさせられてたっけ…

 

「君は"物事を不変にする程度の能力"なんだろ?少し私の能力と似てるな」

「妹紅さんは?」

「私は、"老いる事も死ぬ事も無い程度の能力"だ。要するに不老不死っといったところだ」

「妹紅さんもですか」

「私もって、あぁ、あいつに会ったのか…」

「?」

「いや、何でもない。それよりもさん付けで呼ばないでくれ、呼び捨てでいい、あと敬語もなしだ」

「はあ、了解」

「妹紅、勇人だはな…すごく頭がいいんだぞ!私の知らない数式をたくさん知っている。そして、強い。中々いい男だろ?」

「はいはい、確かに頭は良さそうだが、強いのか?」

「下級妖怪よりは強いと思うぞ」

 

自信持って言えるな。あ?情けないだと?ここの世界が少々おかし過ぎるのだよ。

 

「それでは、他のところも回って来ます」

「おう、いつかまた会おう」

「また、明日ー」

 

珍しい物が見れたな。慧音さんはかなり酔っ払うタイプだとは…ギャップがすごい。

 

「まだ、酔いはきてないなぁぁぁぁぁ!」

 

足元が!?

 

ドスンッ!

 

「いてて…急に」

「あら、お取り込み中だったかしら?」

「紫さんと誰です?」

何人いる?1…2…3…な、なんだ?あのふわふわしたものは?

 

「ふむ、これが例の…」

「本当にそっくりね…」

「……」

 

そんな、ジロジロ見ないでください。恥ずかしいです。

 

「私の名前は八雲藍だ。紫様の式だ」

 

うわぁ…すごい尻尾だぁ。モフモフしてみたい…じゃないじゃない

 

「私は西行寺幽々子よ。よろしくね〜」

 

フワフワした人だなぁ。おっとりという言葉が似合う。

 

「魂魄妖夢です。幽々子様に仕えています」

 

俺的には彼女よりも、その近くにある魂みたいなのがすっごい気になる。

 

「ど、どうも…みなさんはもう知ってらっしゃると思いますが、もう一度自己紹介させてもらいます。名前は碓氷勇人、一応、教師をしています」

 

「ほう、何を教えているんだ?」

「和算を」

「和算か、私も得意だ。そうか、いくつか問題を出そう」

「え?あ、いいですけど…」

 

少女出題中・青年回答中……

 

「全部正解とは…やるな」

「ま、まぁ、教師やってるので…」

 

あの問題はメネラウスの定理とかチェバの定理ですぐだったからなぁ。

 

「ねぇ、紫」

「何かしら?幽々子?」

「本当にあの人の孫なのよね…」

「えぇ、そうよ」

「あの人が若返ったのかと思ったわ…」

「確かに瓜二つだからねぇ…」

 

そこまで似てんすか…

 

「で、何の用で?」

「あら、お酒を一緒に飲もうと思っただけよ」

「あ、はい」

「はい、どうぞ」

「ど、どうも」

 

本日、六杯目。まだ、セーフの様だ。

 

「ところで幽々子さんの種族は?」

「私はね、亡霊なのよ」

 

へ〜、亡霊かぁ。あれ?あんまり驚いてない!?慣れてしまったのかなぁ。

 

「妖夢と白玉楼に住んでいるのだけど、今度来てみない?」

「幽々子?」

「大丈夫よ、死に誘うわけじゃないわ、純粋に誘ってるだけよ」

 

ワッツ!?死に誘うって…やっぱ、やばいぜ…

 

「なんなら、妖夢に修行させてもらったら?」

「いや…霊力の修行ならしっかりしましたので、大丈夫です」

「なら、剣術なんてどう?妖夢は私の剣術の指南役もしているのよ」

「へぇ〜、剣術ですか…でも、俺には銃がありますし」

「…!」

 

な、なんだろう…あの妖夢って娘からすごい睨まれてる…

 

「あら、そう…剣と銃ならどちらが強いと思う?」

「そりゃあ…銃でしょう。剣より遠くから攻撃できますし」

「剣に決まっています!銃なんかでは人間ならともかく妖怪相手じゃ通じません!」

「お、おう、そ、そうだな…」

「あ、すいません…」

 

驚いたなぁ、急に出て来たな、あの妖夢って娘は…

 

「でも、白玉楼に行ってみるのも悪くはないですね」

「そうでしょう、いつか来なさいな」

「はい」

 

「それじゃあ、他のところも回って来なさい」

「ふぇ?」

 

ウァァァァァァァ!

 

「イタタ…急にスキマに落とすのはやめて欲しいな…」

「お?勇人じゃん!」

「あ、諏訪子様に神奈子様、それと…」

「いやー、久し振りですね!勇人さん!今、この御二方に紅魔館での貴方の話を聞いていたのですが、本人から是非聞かせてください!」

「断る」

「そういわずに…」

 

カチャ

 

「わ、分かりましたよ、だ、だから、その物騒な物仕舞いましょう、ね?」

「分かればよろしい」

「そんなことより、勇人も飲め飲め」

「あ、どうも…」

 

本日、七杯目。未だに酒の良さが分かっていない。

 

「ところで、勇人」

「何でしょうか?」

「早苗とはどうだい?」

「…!?」

「そんな驚かなくていいじゃないか、で、どうなんだい?」

「い、いつも通り、仲良くさせてもらってます!」

「ありゃ、まだ付き合ってないのかい、あんたも案外ヘタレだねぇ」

「何を言っているんですか!?」

「ほら、向こうで早苗達がいるから、行きなさい」

「はい、行って来ますよ…」

 

 

「あ!勇人さんじゃないれすか〜」

「うお!?早苗飲み過ぎじゃないか!」

 

少々、呂律が回ってないぞ!

 

「お!勇人か!お前も一緒に飲もうぜ!」

「魔理沙!お前も中々飲んでるな…」

「あら、貴方が噂の」

「ん?あぁ、初めてだな。俺の名前は碓氷勇人、教師をやってる」

「どうも、博麗霊夢よ。見ての通り巫女よ」

 

ふと思ったのだが、ここら辺の巫女は脇を出すような服なのか?

 

「あ、咲夜さんもいるんですね」

「えぇ、この前は悪かったわね…」

「もう、チャラと言ったので気にしなくても構いません」

「む〜、勇人さん、他の人と話ひ過ぎです!」

「ぬおっ!抱き着くな!」

「いいじゃないれすか!」

「お!?こりゃあ、熱いねぇ」

 

そんなこと言わないで助けてください。ほら、こう、あ、当たってるのですよ!俺も男ですよ!確かに、これまで女の子と積極的に関わらなかったけど…って違う違う!

 

「早苗!一回落ち着こうな!な?」

「勇人さんも飲みますか〜?」

「の、飲むから、ほら、どいてくれないと飲めないだろう?」

「む〜、霊夢さん!お酒ください!」

「はいよ、早苗」

「グビッ、グビッ…」

「えぇ…」

 

結局、貴女が飲むのね…

 

ガッ!

 

「な!?」

 

なんで顔を掴んで…

 

「……!?」

 

なんで、早苗の顔が近くに!?

唇に柔らかい感触が…ん?口ん中に酒が流れ込んでくる…

あれぇ、俺、もしかして、口移しでお酒飲まされて…あれ?これってキスジャナイデスカネ…アラ、アタマガボーットシテ…

 

ボフッ!

 

「あれぇ、勇人さん、寝ちゃったのですかー?」

「アハハ!勇人、気絶してやんの!アハハ!」

「本当にこいつ、強いのかしら?」

「意外にウブなのね…」

 

こうして、宴会は終わりを告げた。

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