「うーん…」
パチッ
ただいま、俺は将棋をしております。誰とかって?
「ふふ…じゃあ…」
この、白狼天狗と。つか、仕事は?
ん?なんでかって?そうだな…あれは今から36万…いや1万4000年前だったか。いや、1時間前の出来事だ。
「ふぁ…あー、眠い…」
「眠いって、もう9時ですよ。少し起きるのが遅過ぎませんか?」
「まだ、9時か…することねぇー」
「今日ぐらいゆっくりしたらいいと思いますよ」
「そうだな、なら、もう一度寝るか…」
「ダメです」
「えー、ゆっくりしていいと言ったじゃんかー」
「だからといって、怠惰に過ごすのはいけません」
「はあ…分かったよ、なら、少し散歩してくる…」
「いいですが…くれぐれも気をつけてくださいね」
「了解」
そうだったな、仕事が休みだからダラダラ過ごそうと思ったのに…
「あややや、こんなとこに勇人さんがいるとは珍しい」
「今日は機嫌悪いから、取材はNGだ」
「えー…せっかく、白玉楼に通っている理由を聞こうと思ったのに…」
「あ?なんで知ったんだ?」
「ふふ…でも、今回の記事は……中々、脚色しやすいですね…」
「……」
「す、すいませんでしたから、そ、その銃を黙ってこっちな向けないでください!」
「あー、暇だ…」
「暇なら、しゅざ スチャ すいません、なら、椛でもからかいにいきましょう」
「あんた、やっぱり性格悪いな…」
「あれ?ここにもいない…なら、あそこですね…」
「あんた、椛の生活を把握してんのかね…」
「ふふ…これで、王手です!」
「なに!……あぁ…参ったよ…椛、最近強くなってないか?」
「いやー、それほどでも…」
「随分と楽しそうですね、椛」
「!?な、なんで、ここに文さんが?」
「俺もいるぞ」
「え、ええ?」
「また、将棋をしてるのね…」
「わ、悪いですか!?」
「いやぁ、別に将棋することは悪くないけどねぇ、今は仕事中でしょう?」
「え?い、いや、別に…」
うむ、結局、文がただ、椛をいじってるだけだな…暇だ…
「へー…君が…」
「な、なんですかい?」
「いや、別に。そうだ、自己紹介をしよう。私は河城にとり」
「俺の名前は碓氷勇人だ」
「ああ、噂は椛から聞いてるよ、なんせ、すごく頭が切れるそうで」
「あはは…なんとことやら…ところで俺の聞いた話によると…君は河童だね?」
「そうだよ、エンジニアとして、外の世界の物には興味があるのだが、君は外の世界の人間かな?」
「ああ」
「そうか、なら君を盟友と呼ばせてもらうよ!」
「め、盟友?」
「ところで、盟友。君は何か、外の世界の機械を持ってるかい?」
「今は持ってない、次持ってくるよ」
スマホでいいかな…ここにきてもう、バッテリーはお亡くなりになっている。
「で、あの2人はまだやってんのかね…」
「いつも通りさ」
それにしても、将棋か…よく中学校の頃やったなぁ。校内大会で優勝したしなぁ…あのおかげで、知名度が少し上がった。それまで、「えっ、君、生徒会だったの?」とか言われたし。
「お、盟友。将棋、したいのか?」
「まぁ、そうだな。暇だし一局」
「!!なら、私と!」
「え?」
「あの日から負けっぱなしでは悔しいので勝負です!」
「あ、あぁ」
「椛は結構強いぞ?」
「とりあえず、指してみるか…」
というわけだ。
「む…これでどうだ?」
パチッ
それにしても、椛は本当に強いようだ。多分、相当先の手まで考えてる…俺の布陣がボロボロに…っていうのは計画通りで、俺の布陣は着々と完成しているのだ。
「それじゃあ…ここで」
パチッ
うむ、勝利を確信してきた顔だな…クク…だが、もうすでに君は俺の策略にはまっている。
「ほい、王手」
「ぬぁ!?」
まぁ、この王手は全然防げるけどな。ただ、問題は…
「ああ…飛車が…」
飛車の犠牲が必須というところかな。角行はやはりバレにくい。いつの間にか、いたということはよくある。
「んでほい」
「むむ…」
椛の左側の陣が壊滅した。いつの間にか、成金が大量にある。
これで、椛は防御に出始めて、攻めるどころではない。
徐々に右に逃れるが…残念、そこは香車と飛車で抑えてる。
「はい、王手」
「!?……ま、参りました…」
「はー….椛が負けるとは…」
「ま、椛も強いけど、少々セオリー過ぎて分かりやすい。戦略は読むことも大事だが、バレないようにもしないとな」
「本当に頭が切れるのですね…」
「なんだ?俺がアホだと思ってたのか?」
「悔しいです」
「まぁ、頑張れよ、俺は少し用事があることを思い出したから行かせてもらうよ」
「次もお手合わせお願いします!」
「それじゃあなー、盟友!」
「ああ、じゃあ」
「私には!?」
「んー、次、捏造記事書いたらコロス」
「ええ!?」
んで、その用事は妖夢との稽古だ。
「おーっす」
「あ!勇人さん!」
「ああ、勇人かどうした?」
「えっと、妖夢から一緒に稽古して欲しいと…」
「そうなのか?妖夢」
「そうです!勇人さんの頭の使い方を学ぶためです」
「そうか…ふむ、面白い!それなら、目標があった方がいいな…よし、1週間後にもう一度、勇人と妖夢で一騎打ちをせい!」
「!それはいいですね!」
「ファッ!な、なんでまた…」
「それじゃあ、早速始めましょう!」
「戦う相手に教えを乞うのか…」
「それじゃあ、妖夢の問題点を言うぞ」
「はい、容赦無くどうぞ」
「まず、攻撃が基本的な動き過ぎる、実力はあるのだが、応用されずありがちな攻撃ばっかりで読みやすい。確かに基本は大事だが、応用されなきゃ意味がないんだぜ?」
「た、確かに…」
「あと、大きな技を出したあと、隙が大き過ぎるし、油断もしてるだろう?」
「う…」
「総じて言うと、実力はあるが、一皮剥けず半人前みたいだ」
「まさにその通りじゃな」
「お、お師匠様まで…」
「あと、考えは柔らかくだな」
「問題点がしっかり分かりました!」
「ああ、応用は自分で考えるように、後、戦略もしっかりと練ることも大事だぜ?臨機応変もいいが、しっかり見通しも立てとけば、騙し打ちもできるし、色々幅が増えるぞ」
「なるほど…それじゃあ、早速!」
「よし、相手はワシが練習相手になるぞ」
「そうだな、剣なら妖忌さんの方がいいだろう」
「あら、勇人今日も、来たのね〜」
「あ、お邪魔してます」
「いいわよ〜、妖夢も楽しそうだし、ところで、妖夢にあんなに教えていいの?」
「大丈夫です。頭で負ける気はやはりしませんので」
「随分と自信あるのね〜」
「まぁ、それぐらいしか実力では匹敵しませんからねぇ」
「そんなことはないと思うけど…」
「まぁ、こうやって暮らしていければそれでいいです」
「それじゃあ、もう外の世界に未練は無いのね」
「………それは……」
「あるようね」
「……」
「まぁ、そんなことは置いといて、今日はここに泊まりなさいな」
「はい…って、え?」
「はいって言ったね」
「いや、ちょっとさすがにそれは…」
「あら?問題は無いわよ〜、ちゃーんと守谷神社の方にも連絡は入れたわ」
「え?もう、入れたんですか?」
「ええ、渋々だったけどいいってよ〜」
「でも、やっぱり…」
「あら、人の好意を無下にするのかしら?」
「いや、そんなことは…」
人じゃないでしょとはつっこまない。
「それじゃあ、決まりね〜」
「ア、ハイ…」
連絡入れてるそうだから大丈夫でしょう。
「それじゃあ、1週間よろしくね〜」
「よろしく…ええ?1週間!?」
「そう伝えてるから大丈夫よ」
「マジかよ…」
その頃、守谷神社では…
「うーん…」
「どうした、諏訪子?」
「いや…ちょっとした問題が…」
「なんだ?信仰か?」
「いや、勇人のことなんだが…」
「まさか、勇人が!」
「無事だよ…ただ」
「なんだ?歯切れの悪い」
「勇人が白玉楼に1週間泊まることになった」
「は、はあああああ!?」
「いや、最初は断ろうとしたんだよ?」
「な、なんで、承諾したんだ!?」
「ほら、じいさんとの再会があったわけでしょ…ね?やっぱり久々に会ったから、少しぐらい一緒に居させても…」
「本当は?」
「あーうー…このお酒を…」
「はぁ?お酒でつられたのか?」
「だって、これなかなか珍しい物だよ?」
「だからって…お前…早苗にどう言うんだよ…」
「う…で、でも、妖夢とすぐに仲良くなるわけじゃあないんだし…」
「もし、妖夢も惹かれたら?」
「だ、大丈夫だよ、早苗の方が魅力的でしょ?妖夢はね?少し貧相だろ?」
「お前もな…だが、勇人がそっち派ならどうする」
「きっと、勇人はそっち派じゃないよ、ハハハハハ…」
「はー…まったく…」
「ただいま、戻りましたー!」
「「!?」」
「か、神奈子、お前が言ってくれないか?」
「はぁ!?原因はお前だろ!お前が自分で言え!」
「だ、だって、しょうがないじゃないか!あんなお酒を見せられたら…」
「神奈子様、諏訪子様…ど、どうなさったのですか?」
「ん?諏訪子がな、勇人を1週間白玉楼に泊まることを許可したんだよ!」
「え?」
「「あ」」
「う、さ、寒気が…」
「風邪か?」
「い、いや、何か恐ろしいものを…」