「なぁー、早苗、私が悪かったて…」
「……」
「お願いだから、無視をしないで…」
「……」
「神奈子ー、どうしたらいいんだ?」
「お前が悪いんだ、私は知らん」
「そんな、冷たいことを…」
「はぁ…早苗、とりあえず話を聞いてくれ」
「……」
「たった1週間だぞ?お前とはもう2ヶ月以上一緒に居るじゃないか、そう簡単にくっつかないって」
「……そうでしょうか…」
「うんうん!そうだよ!それにあんな半人前よりも、早苗の方が魅力的だって!」
「そ、そうでしょうか?」
「あぁ、だから、大丈夫だよ、勇人もじいさんと一緒に過ごしたいだけだって」
「そうですよね!簡単に妖夢の方に転がるわけがありませんよね!」
「お、おう…(だ、大丈夫かなぁ)」
「……!?ま、また寒気が…」
「風邪じゃないの?」
「そうでしょうか…別にどこも悪い所は無いんですが…」
「妖夢、ワシはここを出てから様々ことを学んで来た。今日はその1つを教えよう」
「はい、お願いします!」
「勇人!お主も参加せい」
「え?俺も?」
「お主が教えただけじゃ、不平等じゃろ」
「じゃあ、お願いします…」
「普段、お主らは必ず視覚を用いて、物事を見ているじゃろう」
「そうだな」
「じゃが、視覚は後ろなど、死角や錯覚を生み出してしまう………だから、その視覚を閉ざすのじゃ!」
ま、まさか、ワムウが如く目を潰せと?
「視覚を閉ざして、聴覚や触覚を鍛えるのじゃ」
「ん?それって瞑想か?」
「それもいい方法じゃが、別の方法がある」
「まず、これで目隠しをせい」
な…こ、これは布か…
「これでいいですか?」
「な!?」
な、何だこれ…はたから見れば…少し、いかがわしい感じに…
は!ダメだ、そんな邪なことを考えるな…
「俺もつけましたよ」
「そうか……じゃあ、それ!」
「ぬぉ!」
「きゃっ!」
「うむ、勇人は避けたか…」
な、何を投げやがった!隣でこんって音が…
「ぐぅ…」
「勇人はそれなりに鋭い感覚を持っているようじゃな」
「で、また投げるのか?」
「いや、今度はその状態で庭を一周してみろ、2人で回るんじゃぞ」
「は、はい…」
「あ、色々な仕掛けがあるから気をつけるんじゃぞ」
「「え?」」
「妖夢、行くぞ」
「は、はい」
えーっと…前方には何も無しと…
「妖夢」
「何でしょうか」
「裾を握らないでくれるかな」
「え!?それでは進めません…」
「それじゃあ、特訓にならないだろう、とにかく集中するんだ、そしたら、空気の流れとか、いろんな音が聞こえてくるようになる」
「わ、分かりました…でも、置いていかないでくださいね?」
「了解、ってぬぉ!」
「どうしましたか?」
な、何だ。ただの段差か…少し集中を切らしてしまったらしい。
「大丈夫、つまづいただけだ…とりあえず、進むぞ」
「は、はい…」
「何をしとるんだ、あの子たちは…」
「特訓じゃよ」
「あれでか?はたから見れば阿保にしか見えんぞ」
「ふん、あれをやるとな、感覚が研ぎ澄まされるのよ」
「そうかい…」
どのくらい進んだか?今の所仕掛けらしい仕掛けも無いが…
「ゆ、勇人さん!先に行かないでください!」
「ん、俺の場所が分かるのか」
「あ、本当です!勇人さんが今どこにいるか、分かります!」
「よし、それなら、もう大丈夫だな…」
「それはどうかね?」
ヒュー…
ビシッ!
「いでっ!」
「きゃっ!」
な、何だ!高速で何か飛んできてる。
「ほらほら、もっといくぞ!」
ヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒュー
バシッ!ビシッ!ビシッ!バシッ!
「いたい、いたい!」
な、何だよ!
「お、おい、少々やりすぎじゃ無いか?」
「なぁに、これぐらいがちょうど良いわ」
(いくら何でも、弓矢で射るかね…まぁ、先端は柔らかい布にしとるとはいえ…)
「こんのぉ!」
パシッ
「お、掴みよったか」
「わっ、ほわっ」
「妖夢は避けるで精一杯か…」
「ほらほらほらほら!」
パシッ、パシッ、パシッ
「はっ!」
パシッ
「お?妖夢も掴んだか」
「よぉし!次は近くにある台に登れ!」
え!?近くに台…あ、あれか?平均台みたいだが、うむ、平均台じゃね?
「先に行きますよ!」
「それを渡りきったら修行完了じゃ!落ちたら、やり直しぞ!」
「や、やばっ」
これは、きつい。集中力が必要だな…「ほれ」
ビシッ
「ぬぉぉぉ!」
バタッ
ビシッ
「きゃっ!」
バタッ
く、クソッ。あの状態でもかよ…
「お主、鬼畜じゃぞ…」
「強くなるためにはこんくらいせんとな!」
「やはり、昔とあまり変わっとらんのぅ…」
ー15分後…ー
「はぁ…はぁ…」
ダメだ集中力が…もう、台の場所も探れねぇ…妖夢も同じのようだ…
「何じゃ?もう、お終いか?」
「まだまだだ!いくぞ、妖夢!」
「はい!」
「…そこだ!」
パシッ
「はっ!」
パシッ
「お?行くか?」
「ほっほっほっほ………終わったぁぁぁぁぁ!」
「やりました!」
「ほお!本当にやりおったわい!」
「さすがじゃ!」
「やったな!妖夢!」
「やりましたね!って、きゃっ!」
「おわっ!」
バタッ
「イタタ…大丈夫か?」
「は…い!?」
「な!何をしとる!?」
「あらあら…若いわね〜」
「はわわわわ…」
「なんだ?」
ひとまず落ち着いて考えよう。今、妖夢が倒れたんだな…うん、で、俺も倒れたと…で、今、体の上に何か乗ってると…
「ホワッツ!?と、とりあえず、妖夢、どこうか、ね?」
シュー …
「え?」
ちょっと、メルトダウンしないで!俺も少々メルトダウン寸前だから!てか、周りの人たちもどうにかしてくれよ!
「なんじゃい、お前の孫はウブかい」
「お主のとこだって、男のくせにあんだけで赤面しよって」
と、とりあえず目隠しをとろう…あ、妖夢だ…
「お、おーい」
「はははははい?」
と、とりあえず妖夢の目隠しを取るか…こ、これはな、なんだか、あ、あれだな…
「ほら、とりあえず、どこうぜ?」
「こ、こ、この…」
「ん?聞こえないよ?」
「も、も、もう少し、こ、このまま…で……….も」
プシューっとでもいいそうなんですが。てか、さっきなんて?もう少しこのまま?
「ふぇ?」
「あら、意外と妖夢も積極的に…」
「な!こら!勇人!今すぐ、妖夢と離れい!」
「あ!は、はい!妖夢!ちょっと、俺立つぞ!」
「あ…」
「これでよしと…」
「妖夢もしっかりせい!」
「あ、ふぁい!」
「はぁ…」
「妖忌、妖夢もいい年よ?」
「それもそうですが…」
「いつまでも、貴方の元には居られないわよ?」
「うっ」
「ね?貴方もそう思うでしょ?」
「わ、わしか?まぁ、妖夢も子供じゃあ無いしな…」
「あら、勇人ももういい年なんじゃない?」
「ま、まだ16ぞ!」
「もう、その年齢なら色沙汰もねぇ…」
「なんじゃと…」
「ほら、妖夢、しっかりしろよ」
「あ、す、すいません…」
「ま、まぁ、いいじゃないか、これで特訓終了だし、な?」
「そ、そうですね!」
「ね?」
「じゃが…」
「なら、どんな男ならいいのかしら?」
「それは…妖夢をしっかり支えてくれるような…」
「なら、勇人でいいじゃない、実力もあるし、頭も良く、仕事もちゃんとしてるしね」
「じゃがのう、こいつの孫だと思うと…」
「なんじゃい、わしが悪いってか?」
「あら、貴方はどうかしら?」
「わしはだな、そういうことに首を突っ込む気は無い。勇人が決めることじゃからのう…」
「なら、妖夢だとしたら?」
「勇人が決めたなら何もいうまい」
「だ、そうよ?」
「うっ、た、確かに勇人なら任せられるが…」
「勇人は1週間泊まるからそれでじっくり勇人のことを見ればいいじゃない」
「え?いつの間に…じゃが、それもそうじゃな…」
「いつからこんな話になったんじゃ…」
「妖夢〜、こっちいらっしゃーい」
「はい」
「ん?俺は?」
「貴方は来ないでいいわ〜」
「了解です」
「なんでしょうか、幽々子様」
「今日から1週間彼、泊まるから〜」
「え?何故?」
「ほら〜、勇人とあの人、久々の再会でしょ?だから、一緒にいる時間が必要なのよ」
「そうですね」
「まぁ、それは、守谷神社への建前だけどね」
「え?それは良く無いですよ!ほら、早苗さんが……」
「早苗と彼は別にくっついて無いでしょ〜」
「それも、そうですが…」
「つ、ま、り、貴女もチャンスあるわよ〜」
「な、な、な、な、な、な、な、何を!?」
「あら、嫌なの?」
「そ、そんなことは…」
「もう、妖夢ったら、分かり易いわよ〜」
「え?ど、どこがですか!?」
「まぁ、それはいいとして、頑張ってね〜」
「あ…ちゃ、チャンスですか…そ、そうですよね…まだ、早苗さんと付き合ってるとは聞いたことが無いですしね…」
「あ、授業、どうしよう」