諸行有常記   作:sakeu

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第33話 飲み会の日の青年

「はぁ…」

「何よ、溜息ついて」

「さぁ、なんでだろうな?」

 

本当に何なんだ?俺はもう認識されないとか言ってたのになんで認識しちゃってんの?

 

「あ、ちょっと、トイレ……」

「早くしなさいよ」

 

とりあえず、紫さんに連絡だ。えっと……荷物の中にお札が……あった。確か、このお札に霊力を込めて……

 

「はーい、ゆかりんよ〜」

「あ、紫さんですね、お話したいことが」

「何かしら?」

「俺を認識できる人がいるのですが……」

「え?本当かしら?」

「ええ」

「おかしいわね……その人って人間?」

「もちろんですが?」

「うーん……まぁ、大丈夫なんじゃない?」

「さいですか……」

 

まぁ、確かに蓮子なら問題無いか…

 

 

「すまん」

「早く行くわよ」

「あれ?メリーさんも?」

「ええ、今夜は飲み会よ?」

「あ……はい……」

 

飲み会……お酒……うっ、頭が……

 

「久し振りに勇人がいるんだし、飲むわよ!」

「お願いだから、お酒には飲まれるなよ……」

「とか、言ってたら着いたわね」

「変わって無いな」

「当たり前よ」

「あら?前に来たことあるのかしら?」

「ああ、一度だけな」

「ほら、入りなさい」

「お邪魔しまーす」

 

さすが、女子大生と言ったところか……両親がいないのに綺麗に整頓されてるな……

 

「まだ、飲むには時間が早すぎるな」

「そうね、何をしましょうか?」

「私はもっと貴方の話を聞きたいのだけど?」

「いや、遠ry「そうね!いいわね!」ア、ハイ……」

 

あんまり、面白い話なんて無いからな?

 

「貴方は元々○○高校よね?あそこは一応、進学校だからそれなりに頭はいいんでしょ?」

「いや、勇人はそんなにいいほうじゃ無いでしょ、学年順位は」

「まぁ、ギリ半分より下だな」

「あら?でも、蓮子は彼が頭いいって」

「学力で言ったら、そんなにいいってわけじゃ無いわ、数学は別だけど」

「お前が何で言うんだよ……」

「いいじゃない、まぁ、賢いと言う方がいいのかしらね。時折、想像つかないこと考えてるし」

「そりゃあ、どうも」

「本当に仲良いわね」

「せいぜい、中学校で同じだっただけだろ」

「そうよ」

「ふーん……そうね」

「まぁ、彼の中学校での姿は面白いわよ」

「へー、どんな感じかしら?」

「休み時間は読書か机に突っ伏しているのどちらか。人と一緒にいる確率がかなり低いーー所謂、コミュ障ってやつね。勇人、目つき悪いから、怖いって評判だったよ」

「そりゃあ、ありがたいな。おかげで余計な神経使わずにすんだよ」

「向こうでもコミュ障なのかしら?」

「いや、そういうわけでもない。むしろ、話す人はかなり多いかも?」

「え、マジ?どんな人?」

「うーん……露出多めの巫女さんに白髪の少女剣士とか」

「普通の人じゃないの?」

 

人じゃないのもいるが。

 

「てか、女の子なの?勇人が女の子と話す?……アハハハハハ!!」

「はぁ?何で笑うんだ?」

「ハハ……だってよ、あの勇人がだよ?中学校では女嫌いとまでの評判だった勇人がだよ?」

「悪かったな!だがな、向こうじゃ、しっかり話せてんだぜ!」

 

「あれ?ほとんど女の子じゃね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?もうこんな時間に……」

「あ?もう、7時じゃん」

「そうね、じゃあ始めましょう」

「勇人はお酒飲めるの?」

「まぁ……人並みには」

 

そういえば、お酒を飲む機会がある度に気絶してる気が……まぁ、お酒でぶっ倒れたわけじゃないが…蓮子達は節度のある飲み方をしてくれるだろう。一気飲みはいかんよ、一気飲みは。

 

 

「はい、ビール」

「あ、どうも」

 

なんか、久々だな。缶だなんて。ビールは初めて飲むかな?まぁ、いいか。

 

ゴクッ

 

「うん…」

 

何だろうか…あんまり、美味しく感じないな。

 

「あれ〜?勇人はお酒ダメなのかな?」

「何を、少しずつ呑むのが俺のスタイルだ」

「こう飲まないと!」

 

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ…

 

「プハッ〜、ほら、あんたも」

「い、いや、いいよ……」

「私も」

 

メリーさんは節度のある飲み方をしてくれるだろう。

 

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……

 

「……ふぅー、勇人さん、貴方は?」

 

俺が一口飲んだら、2人は1缶開けたと……

 

「だから、少しずつ飲むのが俺の正義なので……」

「なによ?男らしくないわよ!それとも〜お子ちゃまなのかな〜?」

「な!?そう言うなら!」

 

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……

 

「プハ〜、ほら?飲んでやったぞ!」

「よし!ようやく興に乗ってきたわね!じゃんじゃん飲むわよ!」

「あの〜、メリーさん、蓮子ってお酒に……」

「弱いし、飲んだら面倒になるタイプね」

「ですよねー」

 

もう、真っ赤だぜ?あ、また、飲んだ。

 

「あなたはまだ余裕そうじゃない?」

「まだ、1缶だけですし」

 

「何よー、2人して私を省るつもり?」

「わ、悪かった、ほら、飲むぞ?」

「あんたも飲みなさいよ」

「だから、少しずつ飲むのが俺のジャスティスなんだよ!」

「なら、口移しで飲ましてあげるわ!」

「!?」

 

それはダメだ!

 

「ちょ、超遠慮します!」

「ぶー、つれないわよ」

「まぁ、いいじゃない。ほら、飲むわよ?」

「でも、勇人と飲みたい!」

「分かった、分かった。飲むから、な?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく潰れたか……」

「まぁ、蓮子はすぐに酔うけどそっからがね…」

 

スゥー…スゥー…

 

「でも、貴方は顔色ひとつも変わってないわよ」

「そうか?」

 

結構飲んだと思うが……後ろには大量の空き缶が……俺も5缶ぐらいは飲んだかな?

 

「久々、こんなに飲んだわ」

 

まぁ、ほんのり頰が赤いな。

 

「しっかし、蓮子は黙っていれば可愛いのに……」

「ふふ……これでも、貴方がいない間は寂しがってたわよ?そもそも、このサークルを開いたは貴方にも一因があるのだから」

「え?そうなのか?てっきり、能力を活用しようとしてるのかと」

「それもあるわね…でも、蓮子は貴方がいなくなった時、ずっと神隠しだって思ってたのよ?」

「まぁ、実際、それに近いですけどね」

「そうよね、だって、遺体も無ければ、残ったのはハンカチぐらい、神隠しと思って当然ね」

「ははは……」

「それでも、彼女は明るく振る舞っている。私も親友として、彼女はとても強い子だと思うわ」

「そうだな……」

「あら?そうなのは貴方のお陰よ?」

「いやいや、俺があった時から元気だったと思うが」

「それは、外面的にでしょ?知らないわけじゃないでしょ?彼女の目には不思議な能力があること、無論、私にもね」

「そうだが……」

「あの目を、最初に肯定してくれたのは貴方だって聞いたわよ?」

「まぁ、褒めたことはあるが」

「そうそうにいないわよ、貴方みたいな人。普通は不気味がるもんでしょう?」

「そうかな?だと言っても、俺の方が異常だったと言えるし」

「そうね、少し変な人だと思ってたわ」

「ははは……まぁ、確かに俺もこいつに救われた感じもありますし」

 

「でも、貴方だと言っても、蓮子を傷つけるのは許さないわよ」

「……分かってる」

「もう、お開きにしましょう」

「そうですね、後片付けもしないと」

 

 

 

 

 

「空き缶だけだからすぐに終わったな」

「そうね、後は蓮子かしらね?」

 

あー、確かに……ここで寝かせるのは良くないな……

 

「貴方が寝室まで運びなさい」

「了解」

 

どう、運べばいいんだ?

 

「何してるのよ……」

「どう持とうかと」

「お姫様抱っこでいいじゃない」

「ああ、そうだな」

 

「よいしょっと」

 

やっぱり、女って軽いもんなのかな?

 

「えっと、寝室は……」

「2階よ」

「どうも」

「それじゃあ、私は帰るわ」

「ああ、さようなら」

「さようなら」

 

「よし、運ぶか」

「……ん」

 

首に掛かる力が強くなったな…

 

「ほら、ベッドに着いたぞ、腕離してくれ」

「……いや」

「は?離してくれないと俺、寝れない」

「一緒に寝ればいいじゃない」

「それはだな……」

「今まで、いなかった罰」

「わ、分かったよ……」

 

んー…これは緊張してしまう……妖夢曰く一緒に寝たとか言ってるが、こうやって意識してる状態は、初めてだ。

 

「こっち、向いてよ」

「それは遠慮しておく」

「なによ、男らしくないわよ」

「……それでも、遠慮する」

「なら」

 

「!?」

「これで、妥協してあげる」

「な、何を」

 

抱きつかないで……くっ、女性ってこんなに柔らかいのか?む、蓮子の匂いが……

いかんいかん!ここは無だ、無だ、無だ、無だ、無だ、無駄、無駄、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……

 

 

「スゥー…」

「意気地なし……」

 

ギュッ……

 

 

 

 

 

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