「んん!んー!」
「ヒヒヒ……足掻いても無駄だ、あいつ、まともに車に当たったからタダじゃすまないだろう、それに俺らがどこに行ってるのかも分からまい」
くっ、 こいつ……!でも、本当にそうだから、余計に腹が立つ。勇人は携帯を持たない、連絡手段が無い。それに大怪我してるに決まってる……
本当にこの男、最低!
「そんな目で見るなよ、安心しろ、俺が養ってあげるからよ〜」
それなら、死んだ方がマシよ!でも、何もできない。
どうしたらいいの?
「蓮子は上手くやってるかしら?」
今日は、勇人とデートに行くんだとか張り切っちゃって……まぁ、たのしんでるでしょうね。
やっと、蓮子は積極的なタイプだけど、変なところで引っ込まんだから……
最初は、死んだ人を生きてると言ってた時は変な人と思ってたけど、今までの不思議な体験によって本当にそうなんじゃないのか?とおもいはじめたわ。実際、生きてたけど。
蓮子の好きな人にしては随分と地味でそういうことには無縁な人に見えたけど、違う世界にいるとか霊力を扱えるとか、普通な人から見たら、頭がぶっ飛んでる人に見えるだろうけど、不思議と本当の事だと思えた。いや、本当なのよ。ますます、面白いわよね。なんとなく、蓮子が惹かれてる理由もわかる気がするわ。
「あら?何かしら?」
少し考え過ぎてたかしら?目の前に人が大勢集まってるわ。事故かしら?
「すいません、何があったのですか?」
「ん?事故みたいだ、どうやらひき逃げらしい」
ここでね……確かに人通りは少ないからね……今は別だけど。あ、見えるわ、誰か……し……ら?
「え!?」
「どうした?お嬢さん?」
「勇人!?」
「お知り合いか!?おい!知り合いがいるぞ!」
「何!そうか、君こっちに来てくれ!」
「ちょっと!勇人!?大丈夫なの?」
頭から血が出てる……
「ん……は!」
「目が覚めたぞー!」
「れ、蓮子は?あいつは!?」
「とにかく、落ち着いて!」
「とりあえず、病院に行くぞ!」
「そんな場合じゃない!」
「ちょっと、勇人!どこに行くの?」
「蓮子を探しにだ!」
「兄さん!怪我してるから安静にしなきゃ!」
「こんぐらい、何でもない!」
「わ、私が連れて行きますから!もう大丈夫です!」
「そ、そうか、頼むよ嬢ちゃん……」
「ほら!こっちに来なさい!」
「病院には行かんぞ!早く蓮子を……」
「蓮子がどうしたの?」
「あいつだよ……あの大学生のやつ」
「須藤ね……そいつが?」
「車で俺らに突っ込んで来て……俺が轢かれて、その後……蓮子の叫び声が」
「あの野郎ね……」
バチッ!バチバチバチバチバチバチバチ!
「はぁ……はぁ……あのクソッタレが……」
キレてるわね……霊力が漏れてるわよ……
「少し待ってくれ……蓮子の居場所を特定する……」
「例の結界?」
「いや、結界だと限界がある……蓮子にネックレスを渡したんだが、その時にそいつを媒介に霊力による守護霊を宿らせた……あの本読んでて良かったぜ……」
「で、どうやって?」
「そいつが発する霊力を、探知する」
「できるの?」
「この範囲は初めてだが、できるかじゃない、するだよ!」
「……分かったわ」
ここは勇人を、信じるしかないわ。こんな時、私は無力だ……
「ほら、降りろ」
「……」
「ヒヒヒ……あいつはこの場所は知らない、もうゲームオーバーだ」
「……」
「だが、念のためというものがある。ゴロツキをたくさん雇ってある、警備させるか……」
「俺らは奥の部屋に行くぞ、ほら」
「……」
「そんな目で見るんじゃねぇよ、あんな男より俺の方がいいことを教えてやるからよ……」
ここは……?移動時間的にそんなに遠くないはず。
「ここはだな、俺の家だよ、知らなかっただろう?いつも、人を呼んでる家は別の家だ」
「そして、ここはセーフティルームだ、この頑丈なドアの向こう側に行くんだ」
くっ……計画してたわね……準備が良すぎるわ……
「あいつには借りがあるからな、この顔だってあいつのせいだ、だから、お前をもって返してもらうぜ、さぁ、行くぞ」
「はぁ……、はぁ……、どこだ?」
「冷静になって、焦りは禁物よ?」
本当に大丈夫なのかしら?汗がすごいわ……血と汗が混じってポタポタ落ちていく……
「クソ!」
「落ち着きなさい!蓮子を助けたいなら、冷静にならなきゃ!」
「……!そ、そうだな」
「深呼吸して、もう一度」
「スー……ハー……スー……ハー……」
再び勇人は目を閉じる……霊力も漏れてない。
「……!いた!」
「本当!?」
「ああ……そこまで遠くに行ってないな……ただ、守護霊と言ってもしっかりとできなかったから一回限りしか守れねぇ……」
「どうやって行くのかしら?」
「ん?そうだな……"飛ぶ"か」
「え?飛ぶ?」
「そっちの方が速い」
「わ、私も行くわよ!」
「え?危ないぞ?」
「私は蓮子の親友よ?黙って見てろと言うの?」
「……分かった、なら背中に乗ってくれ」
「分かったわ」
「酔うなよ?」
「乗り物酔いには強い方よ?」
「よし、待ってろよ、蓮子……」
そう言うと、走り出して、
「ほら!」
タンッ……
「よし……飛ばすぞ!」
「え、ええ」
本当に飛んだ……
ピッピッ……
「扉のロック完了……扉の内側にもゴロツキを配置してと……さらに奥の部屋に行くぞ」
「ほら」
ボスッ
「口のテープ剥がしてやるよ」
ベリッ……
「……」
「そう不貞腐れるなよ」
「お前なんか勇人にまた、吹っ飛ばされるわ」
「はいはい、それより、あいつとキスしたのか?」
「……」
「してないんだな?ファーストキスは俺がもらってやるよ」
「いやよ!あんたみたいなやつとしたくないわ!」
ガシッ!
「……!このネックレスはあいつからもらったやつだな?趣味悪いやつだな。俺が新しいのをやろう」
「触らないで!」
「こんなボロボロなネックレス、外した方がいいぜ、ほら?外してやるよ」
「触るなって言ってんじゃない!」
ドンッ!
「ガハッ!」
「え?」
「ボウギョカンリョウ」
喋った?何が起こったの?
「レイリョクブソクニヨリ、ツギノボウギョハデキマセン」
「な、なんなの?」
「クソが……」
「あ、あれ?」
ま、また、普通に戻った……そうだ!今の内に!
ダッダッ……
「な!?待ちやがれ!」
「……!霊力の反応が消えた?一回防御したのか!」
「え?場所は大丈夫なの?」
「それは大丈夫だが、今の蓮子には防御する手立てが無い!急がないと!」
「はぁ……、はぁ……」
「くそっ!どこ行きやがった!」
行ったわね……
それにしても、どんだけ広いのよ!入り口が全く見つからないわ!腕を縛られてるせいで走りにくいし。とりあえず、隠れてるしか無いわ……大丈夫よ!勇人が来てくれる……
ガチャッ……
「……!」
「どこだ?蓮子、出てこいよ」
ど、どうしよう?そ、そうだ、小銭が……あった。
タイミングを見計らって……あっちを向いたわね!
ドアの向こうに小銭を投げた。
チャリーン……
「な!?向こうに行ったのか!あの女!」
ダダダダダ……
「はぁーー……危なかった」
早く来てよ……
「あそこだ!」
「あの家?」
「ああ……ご丁寧に警備を配置してやがる、バカなのか?俺らに場所を教えてるようなもんだろう」
スタッ……
「で、どう行くのかしら?」
「正面突破だ」
「それは……ちょっと……」
「4,5人ぐらいしかいないから、余裕だ」
「あ!まちなさいよ!……もう……」
「これだけで金がもらえるとかラッキーだよな!」
「本当だぜ」
「見張るだけでな」
「何も起こらなさそうだしな」
「へー、そうなんだ」
「そうだ」
「「「「は?」」」」
「寝とけ」
バキッ!
「アガッ……」
「て、テメェ!」
ベキッ!
バキッ!
ゴスッ!
バタッ、バタッ、バタッ……
「もういいぞ」
「本当にあっという間ね……」
「この先だな……」
「えらく頑丈そうな扉ね……パスワード制のロック……どうしますかね?」
「はぁ……オラァ!」
ドゴーン!
「ふぅ……」
バチバチバチ……
「あ……何なのよ……」
ドゴーン!
「ん?」
なんの音?何が破壊された音よね?
「まさか?勇人?」
なら、急いで行かなくちゃ!音のした方は……あっちね!
「はっはっはっ……」
居た!メリーもいる!
「勇人ー!メリー!」
「!?れ、蓮子!」
「……!?蓮子、後ろ!」
「え?」
ガシッ
「キャッ!」
「ほーら、捕まえた〜、ここまで、ご苦労さんだな」
「須藤!」
「このクソカスが!」
「ハハ!言っとけ!だが、勝者は俺だ!野郎ども!こいつを始末せよ!倒したやつは金をもっとやるぞ!」
「テメェーだけは許さねぇぜ……」
「ふんっ、ここまでこれたらいいがな?ほら、蓮子!ついて来い!」
「いやよ!離しなさいよ!」
「蓮子!」
「おっと、先には行かせないぜ?」
「ヒヒヒ……」
「ククク……」
「メリー」
「何?」
「とりあえず、下がっててくれ」
「分かったわ」
バチバチバチ……
また、キレたわね……今度こそ本気でプッツンしたってところかしら?
「金をもらうのは俺だぜー!」
ベキッ!
「グハッ……」
1発でノックアウトね……ただ、少し多くないかしら?
「全員でいけぇー!」
「ヒャッハー!」
「グハハ!」
「スー……はっ!」
ドンッ!
「!?」
「グギャ!」
「ガハッ!」
え?勇人を中心に衝撃波みたいなのが……
「な!?怯むな!いけぇー!」
「オラァ!」
バキッ!
「ゴフッ……」
「ドラァァ!」
「勇人!後ろ!」
「な!?」
ガコーン!
「仕留めたぜ!」
金属バット!?あれではひとたまりも……
「俺が…… バキッィ! ウギィ!?」
「はぁ……クッソが……頭殴りやがって……」
「大丈夫なの!?」
「大丈夫だ……」
血だらけでよく言うわよ……
「さぁ、もっと来やがれ!」
ボスッ
「くっ!」
「そう、怖い顔すんなって、可愛い顔が台無しだぜ?」
「あんたに言われても嬉しくないわよ」
「ありゃ、厳しいねぇ〜、関係ないが」
「!?触らないで!」
「あ?どうせ、俺のもんになるのだからいいだろう?意外と胸あんじゃん」
「だから、触らないで!!」
ドスッ!
「痛っ!何すんだ!これはお仕置きが必要だな」
ガシッ
「安心しろ、俺が居ないといけないようにしてやるから……」
「やめて……」
「ヒヒヒ……」
スッ……
「触るんじゃあねぇぜ、その汚ねぇ手で」
「!!」
ガシッ!
「なにぃ〜!?」
「蓮子……少し遅れたな……だが……間に合ったようだな……」
「勇人!」
ダラダラ……ズルッ……
「たまげたな……その傷でこっちまで来るとはな……でも、別の見方をすればそのままやられてしまった方が幸福だったのにな……」
チラッ
「いい時計だな、さすが金持ちか……だが もう時間が見れないようにぶっ壊してやるぜ……」
「……」
「きさまのその自慢の顔の方をな……」
「……ハハ、なかなか面白いやつだな……お前の名前は確か勇人だったか?お前のこと色々知りたいところだが蓮子とやるべきことがあるのだよ」
「ムダ話をしている暇はもう ないんだ」
「うぐっ……」
ガクッ
「…………今のお前のパンチだが……すごく『パワー』が弱かったぞ……ピッチャーフライ取るみたいにかんたんに受け止められたぜ」
「さっさとくたばれ!」
ゴッ!
「オラァ!」
バコォッ!
「!?えっ!!え!?なん……ッ?はぐっ!?は……速い…なんだ?全然弱ってねぇじゃねぇか……」
「よく見たら別に趣味の悪い時計だっだな……だが そんなことは もう気にする必要はないか……」
「ヒィ!?」
「もっと 趣味が悪くなるんだからな……顔の形の方が……」
「オラァ!」
ドゴ!
「オグぁぁぁぁぁ!」
「オラァ!」
グシャッ!
「ぶげあああっ!」
「オラァッ!」
ボゴォーン!
「グバッ!」
ガッシャアアアン!
「待たせたな……蓮子……」
「もう……遅すぎよ……」
ギュッ……
「ハハ……少し痛い……」
「我慢しなさいよ」
「いたいた……もう、あの人数相手にしてよく立っていられるわね……」
「これぐらい頑丈じゃないとな……」
「キャッ!?」
「ぐはははははははーっ バカめェェェ〜〜っ」
「め、メリー!」
「……」
「今 この女は人質だ!このナイフを見ろ!動くんじゃねーっ勇人!」
「今から このナイフでてめーの背中をブスリと突き刺してやる!下手な動きをしてみろ!メリーにナイフが刺さることになるぜーっ!そんなわけにはいかねーよなあ〜〜」
「はぁー……いいぜ、突いてみろ」
くるっ
「あっ!?」
「おい!わからねーのか?動くなと言ったは……はず はず……」
「……え、え!?」
「どうした…ブスリと刺すんじゃあねーのか?」
「か…体が動かない…なっなぜ〜〜?」
「ふ、服か?服が一ミリも動かねえー!?空中に引っ付かられたかのように動かねえー!」
「知らないよな……俺は『不変にする』と言う能力があって、物の存在や行動を固定できるんだぜ……もっとも、血をつけなきゃいけないが、今はダラダラ流れてるからな……勝手に着いたぜ……」
「わっ……許してくれーっ!」
「はぁ……前にもそのセリフ聞いたぜ……だが、今回ははじめっからお前を許す気は無いんだよ」
「か、金だ!金ならたくさんある……それをやるよ」
「はぁ……あんた正真正銘の史上最低な男ね……」
「本当だな……この"つけ"は……」
「ヒィ!」
「金では払えねーんだよ!」
バチバチバチ……
「オラァッ!」
ドコーーンッ!
「うげっグアッーー!!」
「戻るか……蓮子」
「そうね、行きましょう、メリー」
「はぁ……やれやれね」
ジョジョパロ多すぎましたかね?