諸行有常記   作:sakeu

42 / 105





第5章 幻想郷武道大会
第42話 始まりは終わり、終わりは始まりの日の青年


 

「はあ……戻ってきたと言うのかな?」

 

戻ってきたでいいか。……ここに骨を埋めるんだからな。寂しくないと言えば嘘になる。友達は少ない方だが、家族や蓮子のような人たちのおかげで、あそこで生きていたくないとは一度も思ったことはない。

でも、運命には逆らえないか……

ヘコタレてる場合じゃないよな!もう、ここで生きて行くことにしたんだから!

 

 

 

「「勇人さん!」」

 

「ん?おお、早苗と妖夢じゃないか、わざわざ迎えにとは」

「当たり前じゃないですか!」

「1週間、勇人さんに会えないのを我慢してたんですよ!?」

「ハハハ……」

 

戻ってきたのだから言うべきセリフがあるな。

 

「ただいま、そして これからよろしくな」

 

一瞬、不思議そうな顔をしたがすぐに満面の笑みで

 

「「おかえりなさい、勇人さん」」

 

ここにも俺の居場所はあるんだよな……なんやかんやで、俺は幸せ者だな。

 

 

「感動の再会は終わったかしら〜?」

「紫さん!?」

「驚かないでよ〜、慣れたもんでしょ?」

「いや、久々なもんで……」

「ふふ……それより、貴方の住む場所だけど……」

「ああ……また、早苗たちにお世話になるんですね?迷惑かな……」

「違うわ、一人暮らしをしてもらうわよ?」

「一人暮らしねぇ……は? 一人暮らし?」

「そうよ、萃香に頼んで家を作ってもらったわ」

「萃香って、あの飲兵衛の?」

「その通り あとでお礼言いなさい」

「は、はぁ……」

 

1週間で建てたのか?うーん……酷くこざっぱりしてなきゃいいんだが。柱とかが結構ゆるゆるなんてシャレになんねぇからな……

 

「場所はどこですか?」

「妖怪の山の麓よ」

「へぇ……よく、天狗たちが許可しましたね」

「まぁ、貴方なら襲うこともないだろうし、襲われても問題ないでしょうからね」

「素直に喜んでいいのか……?」

「荷物は既に運んであるからあとは貴方だけよ」

「そこまで……重ね重ねありがとうございます……」

 

お世話になりっぱなしだなぁ……あ、萃香さんにお礼をしないとな……お礼の品は酒かな?

 

 

 

「もう、話はいいですよね?」

「ええ、いいわよ」

 

うーん……酒っても何がいいのか、さっぱりだ……

 

「なら、これまで溜めてきた分をここで……」

「そうですね……」

 

ああ、寺子屋のこともあったな……慧音さんに任せっぱなしだからなぁ……何かするべきかな……

 

「勇人さん?」

 

授業はどのようにするかな?ああ……チルノの対策も講じないとな……

 

「完全に自分の世界に入っちゃってますね……」

 

一人暮らしを、するんだっけ?うーん……家事はある程度できるが、めんどくさがって掃除とかあんまりしないからなあ……

 

「久々の再会なのに……」

「こうなったら……勇人さん!」

 

ガバッ!

 

「ぬぁ!?どうした妖夢?」

「久しぶりに帰ってきたのですから、こっちのことも見てくださいよ!」

「ああ……そうだな」

 

急に抱きつくもんだから驚いたなあ。まぁ、確かに今考えてもしょうがないな。それにしても、妖夢の頭ってこんな低いところにあったけ?撫でるにはちょうどいい高さだな。

 

「あ……ん……」

 

あ、無意識に撫でてしまってた。まぁ、妖夢も気持ちよさそうだしいいかな?

 

「むぅ……妖夢さんだけずるいです……こうなったら私も……」

 

ギュ……

 

「ヘヤァ!?ど、どうした?早苗?」

「妖夢さんだけずるいです、わ、私も頭撫でてくださいよ!」

「分かったから」

 

これじゃあ、サンドイッチじゃないか……

 

 

 

 

 

「あらあら、モテモテね」

「わしの孫じゃからのう、そりゃあモテるわい」

「貴方ってモテるタイプだっけ?」

「そ、そ、そうじゃだぞ!昔なんて人気すぎて大変じゃったわい!」

「そう……貴方はこれでよかったと思うかしら?」

「さあ……これが良いっとはっきり分かるなら苦労せん。じゃが、これしか方法はないのじゃろ?よかったとか悪いとか言ってもしょうがない。とにかくその道を進むだけじゃ」

「そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗と妖夢との再会のあと、とりあえず、守谷神社と白玉楼に行って、挨拶した。ただ、その度に

 

「お?少し男らしい顔になったんじゃない?」

「そうだな、少し成長したみたいだな」

 

 

「あら、すっかりイケメンになっちゃって」

「ふむ……一皮向けたようじゃな」

 

 

そんなに変わりましたかねぇ……3年分成長したとはいえ、急激に変わるもんじゃないでしょうに

そうそう、家のことだが不安でたまらなかったが杞憂だったようだ。ていうか、よくあの短期間でできたなぁと思う。平屋の家だが、一人暮らしには十分すぎる大きさだ。風呂や台所はしっかり完備されている。てか、かなり現代的じゃね?電球があり、古いけど洗濯機がある。電気通ってんの?と思ったが紫さんいわく、

 

「全部霊力で動くわよ〜、お礼は河童にね」

 

河童の科学ってスゲー。こりゃあ、きゅうり一箱ぐらい送らないとな。

とりあえず、その日は新しい家で過ごした。

 

 

 

 

 

翌日の朝は驚くほど普通だった。自分で起き、飯作って、着替えて寺子屋へ。あら?まるでずっと一人暮らしをしてたみたいだな。

そもそも、自分で起きれたのが驚きだ。

 

 

 

「お久しぶりです、慧音さん」

「おお!勇人か!久しぶりにだな!」

「はい、みんなは元気ですか?」

「ああ、元気過ぎて大変だったよ」

「俺のいない間は本当にありがとうございます」

「なぁに、これぐらい大丈夫さ。ということは、今日からもだな?」

「ええ、頑張りますよ!」

 

久々にみんなに会うか……

 

「そうだ、2人新しく、学びに来た子がいるからな」

「2人ですか」

 

どんな子だろうか?はっきり分かるのは人外ということだけだな。

 

「おーっす、みんな久しぶりだな 君たちは初めましてかな?」

「あ!勇人先生だ!」

「お久しぶりです!」

「久しぶりなのかー」

「へー、この人がフランちゃんたちが言う先生なの?」

「は、初めましてです!」

 

「自己紹介は出欠を取った後にな」

 

えっと……チルノ、大妖精、ルーミア、リグル、ミスティア、フランドールでここからが新入生だな、えとえと、古明地こいし、八雲橙、この子は……藍さんの子供?違うか……狐と猫だもんな……なんか、関係はあるだろうな。

 

「……!?」

 

1人余分にいるぞ!?誰だ?あの子は?って

 

「萃香さん!?」

「おー、勇人だな。あの時以来か?」

 

全然気づかなかった……違和感が……ねぇ?

 

「今失礼なこと考えてたでしょ?」

「いや、まさか……あ、家の件ありがとうございます」

「そう、そのことでここにいるんだ」

「あー、お酒でいいですか?」

「それも悪かないが、これに参加してもらおうとな!」

 

なんだ?幻想郷武道大会?

 

「どうだ、勇人?ってなんでお前が……」

「おお、慧音、ちょうどいいところに!」

「子供達がいるのだから酒はやめてくれ」

「悪りぃ悪りぃ、それよりもこれ参加してくれるか?」

「なんだ?幻想郷武道大会?私はそう言うタイプじゃないから遠慮するよ」

「俺も遠慮しときます……」

「んー?まさか、家の恩を忘れたと言うのかい?」

 

な!?ここでそれを出すとは……

ふむふむ……チーム制か……4人出場?

 

「いや、俺、出れないじゃないですか?」

「ん?だから、ここに来てんじゃないか」

「だからって、生徒たちを巻き込まないでくださいよ……」

「えー……お前だって暴れたいだろ?」

「うん!最近弾幕ごっこもしてないし!」

「こ、こら!何言ってる!」

「慧音も勇人が1人で参加する羽目になるよ〜」

「な……それじゃあ流石にボロボロに……」

 

こ、こいつ、脅すとは……

 

「わ、分かった……メンバーはあとで言う」

「そうこなくっちゃ!勇人、楽しみにしてるよ!」

 

消えた!?はぁ……ここはなんでもありだったな。

 

「慧音さん、本当、すいません……」

「しょうがないさ、流石に1人じゃきついだろ?体育の一環ということにしておこう」

「本当すいません……」

「そんなことより、新しい子の紹介だ」

「そうですね……」

 

 

 

「私は古明地こいしだよー、よろしくねー」

「ああ、えっと……地霊殿?に住んでるのか?」

「うん、そうだよ!お姉ちゃんと可愛いペットと住んでるんだよ!」

「そうか、よろしくな」

「わ、私はや、八雲橙です!」

「えっと……紫さんとか藍さんとかに、関係あるのかな?」

「はい!私は藍しゃまの式です!」

「そういうことな……よろしくな!」

 

「えー、俺は碓氷勇人だ。これからよろしく頼む」

「勇人先生って強い人間なんでしょ?」

「えっ、それは分からないな……」

「フランちゃんたちが強いって言ってたよ!」

「そうだよ、あたいの先生はサイキョーね!」

「確かにお強いですよ!」

 

お、おお……

 

「それに頭もいいって藍しゃまが言ってました!」

「あ、ありがたい話だな」

 

か、過大評価じゃないすかねー……

 

「そういえば、萃香さんと何を話してたんですか?」

「あ、ああ……」

「私が話すよ、今度だな、萃香が、主催で武道大会を開くらしい。それで寺子屋チームとして参加して欲しいそうだ」

 

そういえばルールは……なし!?ありとあらゆる手段でこい!?

 

「4人必要なのだが……2人は我々教師が、そこであと2人なのだが……」

「はい!私が出る!」

「フランか、他には?」

「あたいが……」

「だ、だめだよ!強すぎる人がわんさかいるんだよ?」

「あたいはサイキョーだから問題ない!」

「流石に危ないって……」

「なら、私がー」

「こいしか、この2人なら申し分ないな」

 

「あ!もう、大ちゃんのせいで参加できなかったじゃない!」

(だって、紅魔館の人や霊夢さんたちまで出るって聞いたんだもん……)

 

「決まったな、よしこの話は終了だ、あとは授業だ 久々の勇人の授業だからしっかり聞けよ!」

 

 

武道大会ねぇ……はぁ……ゆっくりはできなさそうだな……身体鍛えとくか……

 

ま、今は授業だな!

 

「よし、今から授業始まるぞ!」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

 

 

「勇人の参加も決まったな……面白くなりそうだ……な?霊夢?」

「勝手に私も参加させないでよ……」

「でも、あいつとは戦ってみたいんだろ?」

「さぁ……」

「私は戦ってみたいね、あ、勇儀んところも、誘うかな」

「やめなさいよ……」

 

いいねぇ、こりゃあ本当に、楽しみだ!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。