「ぐぐ……紅魔の主人たるもの、このまま負ける訳にはいかないわね……」
「しかしながら、流石に先ほどの白玉楼の人たちは皆、強者ばかりです。相手が悪過ぎます……」
「でも!悔しいのよ!次は寺子屋チームだったよね?」
「そうですね、勇人さんの格闘術は少し興味があります。是非闘ったみたいですね」
「そう、なら美「いいえ、私が」……咲夜?」
「も、申し訳ありません……しかし、私は1度彼に敗北しています……相手が万全な状態での敗北なら少しは納得できますが、手負いの状態なのに敗北してしまいました。このままでは私の面目が立ちません」
「……そう、私も彼に負けたけど今回は貴方にリベンジのチャンスをあげるわ……分かってるわよね?」
「ええ、必ず勝利してみせます」
ふふ……咲夜がこれほどやる気を出すとは……楽しみね。なら、私が先鋒でいこうかしら。相手はフランでくるでしょう。確かにあの娘は恐ろしい戦闘能力を持ってるけど頭が追いついてない。勝機は十分にあるわ。その次はあの半妖とさとり妖怪。パチュリーと美鈴なら勝てる相手ね。最後は咲夜と勇人……これは見ものね。
「お疲れ様です、勇人さん」
「ん?ああ、妖夢もお疲れ。美鈴との試合良かったぞ?ますます腕を上げたな」
「いえ……//ゆ、勇人も流石の策略でした!」
「ああ、椛は少し頭が固いからな、あんな単純なものでも案外引っかかるものだ」
「そうですね、私もまだ柔軟に思考はできてません……」
「なぁに、戦っていくうちに分かるようになるさ」
「そうですね」
でも、勇人さんにはどう頑張っても敵わない気がします。勇人さんは何を考えてるか全く分かりません。それどころか、考えてるかどうかも分かりません。分かった時には既に勇人さんの術中の中です。
「ああ!ここにいた!」
「本当だ!」
「おお、どうした?フランドール、こいし?」
「慧音先生が次の試合も最後を頼むって!」
「おう!任せとけ!」
「それでね!私が最初なの!」
「そうか!期待して観てるぞ!」
「うん!頑張る!」
「こいしも頑張れよ!」
「うん!」
ジーーッ……
「ど、どうしたんだ?こいし。そんなに見て……」
「ん?先生はこの人とどんな関係なの?」
「「!?」」
「そうだね、勇人先生って妖夢と一緒にいる時多いよね」
「え!あ……いや……その……」
「あ!もしかして彼女さん?」
「え?そうなの?先生?」
「そ、そうでは……」
「……」
黙ってこっちを見ないで!付き合った記憶はないだろ?
「わ、私たちはそんな関係に見えますか?」
「うん、だって仲よさそうだもん」
「た、確かによくさせてもらってますが……」
「そうだね、いつも堅苦しい顔をしてるのに先生と話すときは楽しそうだもんね」
な、なんという観察力……子供はあなどれないな……あ、俺よりも年上か……そ、そこが問題じゃない!
「で、どうなんですか?」
「そ、そうですね、わ、私たちはつ、つ、つきa「おーい!次試合だぞ!」
「ほら!慧音さんが呼んでるぞ!行くぞ!」
「え、でも答え聞いてない……」
「後で聞けるだろ?とりあえず、試合だ!」
ダッ!
「あ……もう……」
「はぁ…はぁ…ただいま到着しました……」
「そんなに急がなくてもよかったのだが……」
「それより、次の試合の相手の確認をしましょう」
「そうだな。相手は紅魔館チーム、全員手強いな」
「レミリアも出てるんだろ?」
「そうだよ!でも、絶対負けないから!目指すは優勝!」
「おー!」
「ハハ、そうだな、優勝目指して頑張ろう!」
「お?前の試合が終わったようだ」
「あうー……霊夢、張り切り過ぎじゃない?」
「ああ、日頃の怠惰な様子と大違いだ」
「むぅ……アリスさんに勝てませんでした……」
「流石、鬼だな、魔理沙はほぼ飾りに等しかったな」
「鬼とは戦いたく無かったのですが……」
「ああ、すまないな、烏天狗」
「いえ、これも勇人さんの裏情報ゲットのためです!」
「お疲れ様です、神奈子様、諏訪子様」
「あ!勇人じゃないか、いやー、負けてしまったよ」
「ドンマイです、次頑張りましょう!」
「ああ、お前も頑張れよ?」
「……」
「どうしたんだ?早苗?」
「……妖夢さんは勝ったのに私は負けてしまいました……」
「ハハ!そんなことか!」
「そんなことかじゃないです」
「負けたからって早苗のことが嫌いにはならないぞ?勝敗だけで物事を決めつけるのはアホのすることだ」
「そ、そうですか……」
「ああ、そうさ。ま、とりあえずお疲れ様」
「はい!勇人さんも頑張ってください」
「おうよ!」
「ねぇ、フランちゃん。先生ってモテるの?」
「うーん……分かんない。でも、私は好きだよ?」
「ふーん……面白い人だなー」
「続いての試合は、紅魔館チーム対寺子屋チーム!」
「ふふ……次こそ勝利して見せるわ」
「まず、第1戦目 フランドール・スカーレット対レミリア・スカーレット!」
「お嬢様!頑張ってください!」
「ご武運を……」
「ええ、必ず勝利して見せるわ。姉より優れた妹など存在しないのだから……」
「フランちゃん!頑張ってー!」
「フラン、怪我には気をつけろよ?」
「思いっきり戦ってこい!」
「うん!」
うーん……姉妹勝負か……フランドールは力はあるがうまく使いこなせていない感じがするからなぁ……ま、どうにかなるか。
「それでは、尋常に……始め!」
「いくよ!」
そういうと、いきなり弾幕を展開した。吸血鬼なだけあってとんでもねぇ量だな。俺と戦った時よりも増えてないか?
「我武者羅に撃っても当たらないわよ?」
流石紅魔館の主人なだけあるな、冷静に弾幕をかわしていく。ただ、フランドールもどんどん弾幕を撃ちまくる。もう、景色が弾幕一色に。
「こっちもいくわよ」
あ、あれは……俺と戦った時にも出した、槍だ。グングニルとか言うらしい。あれって投げたら自動的に相手に向かって飛んでいくんだっけ?あの小さな体とは不釣り合いの大きさの槍を投げる。
「ん!?」
弾幕に関係なく一直線にフランドールに飛んでく……おい!弾幕に集中し過ぎだ!
ドガーン!
「きゃ!」
弾幕に集中していたフランドールを避けれず当たる……んー……もうちょっと周りが見えるようにならないとな……
「ふふ……こんなものかしら?」
「まだだよ」
「!?な、なんで?」
「先生が言ってたんだ、戦いは油断したら負け。つまり、相手を油断させればいいって」
おお!後ろに回り込んでたみたいだ。どうやったのだろうか?もしかして、弾幕を展開してたのは分身か?なかなかやるな、フランドール。
「だから……今がチャンスだよね!」
一本の真紅のレーザーを放つ。後ろにはもう1人の分身が。なるほど、逃げ場が無いな。よく考えてる。
レーザーと弾幕によって一面が真っ赤に染まる……
ドガーン!
「やったか……な?」
煙でよく見えないな……ただ、あれじゃあひとたまりも無いか。
「流石ね、我が妹。でも、まだ私に勝つのは早いわ」
な!こ、蝙蝠?
「少しダメージを喰らってしまったわ」
たくさんの蝙蝠が集まり段々とレミリアになっていく。
「でも、ここまでよ?」
手にグングニルを持ちそのまま薙ぎ払う。
「うぐっ!」
辛うじてガードしたようだが、厳しいな……
「まだよ!」
ここにきて、4人に分身か、数で押そうとするのは焦ってる証拠だな……
「無駄よ」
弾幕によってあっという間に分身が消される。
「うおおお!」
肉弾戦に持ち込むようだ。我武者羅に腕を振る。だが、それでは単調な動きのため簡単に避けられる。
空振りした隙に腹に蹴りがはいる。
「グフッ!」
それでも、立ち上がるが……
「もう貴女の負けよ?」
「ぐっ……」
グングニルをつけたからてなす術なし……か。
「……参ったよ、お姉様」
「勝者、レミリア・スカーレット!」
「うう……負けちゃった……」
「いい試合だったぞ?」
「そうだよ!ナイスファイト!」
「でも、悔しい〜!」
「次は私たちだな」
「うん!フランちゃんのためにも勝つからね!」
「頑張ってね!」
「続いての試合は上白沢慧音&古明地こいし対紅美鈴&パチュリー・ノーレッジ!」
相手は結構チグハグな組み合わせだな。魔法使いと格闘家。どんな戦いをするのだろうか?
「尋常に……始め!」
「それじゃあいきますよ!パチュリーさん!」
「さっさと終わらせるわよ」
美鈴が前にパチュリーが後ろでサポートするような形か。なかなか嫌らしい戦い方だな。
「うっ!」
美鈴が慧音さんに攻撃をする。やはり、格闘なら慧音さんだと分が悪いな。
「先生、今いくよ!」
「そうはさせないわよ」
こいしが慧音さんに加勢しようとするがパチュリーさんが弾幕で牽制を入れるせいでできないようだ。
「ぐ……」
慧音さんも限界が近いようだ。あの距離だと弾幕も撃てないか……
「むー……攻めれないよ……」
こいしもかなり苦戦してるようだな……パチュリーさんはどうも体の調子がいいみたいだ。弾幕の張り方に隙がない。
「……とりあえず、あのハクタクから仕留めようかしら」
む、弾幕が慧音さんにも放たれる。同時に2人を狙うとかかなり器用だな。
「!?」
弾幕が慧音さんに当たる。同時に美鈴の蹴りもはいる。
「ふう……あとはあの娘だけですね」
「先生!」
「人の心配をしてる場合じゃないわよ?」
あちゃー……これは……こいし1人じゃあ厳しいぞ?
「それじゃあ、いきますよ!」
「あ!」
美鈴の後ろから弾幕が放たれる。
「な!まだ立てるんですか?」
「ハハ……流石に生徒たちの前で恥ずかしい姿はみせられんだろう?」
「なかなかやるわね……てっきり平和ボケしてるかと……」
「確かに運動不足は実感してるさ……」
ボロボロでも立ち上がるとは……流石です!慧音さん!
「でも、寝てもらいますよ!」
「早く終わらせたいしね」
2人が慧音さんにめがけて攻撃をする。だが、その2人に弾幕が放たれる。
「え?」
「きゃ!」
ど、どこから放たれたんだ?あ、あれ?
「やっほ〜、ここだよ」
「い、いつの間に、気配を感じませんでした」
「ゴホッゴホッ……や、やるわね」
ガシッ
「へ?」
慧音さんが美鈴の肩を掴む。そして、頭を大きく仰け反らせ……
ゴンッ!
お、おう……1発KOだと……?
「美鈴!?」
「こっちだよ〜」
「はっ!しm」
後ろからこいしが弾幕を撃つ。避けれなかったようだ。
「む、むきゅー……」
なにやら、奇妙な声を出したようだが……でも
「勝者 上白沢慧音&古明地こいし!」
「やった〜!」
「久々にここまでダメージを喰らったな……」
「すごかったよー!流石だね!こいしちゃん!」
「そうでしょう?」
「慧音さん大丈夫ですか?とりあえず救護班のところに」
「ああ……そうさせてもらうよ。次はお前だろ?頑張ってくれ」
「ええ!任せてください」
慧音さんは救護班のところに向かう。あ、あの娘は……確か……藤原妹紅だっけ?少し怒ってるようだ。それに慧音さんは笑って返す。
「先生!次だよ!」
「絶対勝ってね!」
「おう!ま、任せとけ!」
次は咲夜さんだろ?うーん……
「次は碓氷勇人対十六夜咲夜!この試合の勝敗でチームの勝敗が決まります!」
「頑張って来なさい、咲夜」
「必ず勝利してみせます」
「頑張って〜!」
「あ、ああ!」
は〜、ヤベェ!勝てるか?
「それでは尋常に……始め!」
「始まったね」
「ああ、なんやかんやで私たちは勇人の戦ってるところを見たことが無いからな。今回はじっくり観戦させてもらうさ。ま、早苗が観戦しようと譲らなかったからな」
「その早苗は……食いつくように見てるね……」
勇人さんはどのような試合をするのでしょうか?紫曰く、
「彼、相当パワーアップしてるからね〜」
だそうです。彼の悩みも気になりますがこちらもとても気になります!
「とりま、先手必勝!」
「!!」
勇人さんはいきなり銃を撃ちます。服から銃を取り出して撃つまでが早いです!
スッ
「流石だな、少し動いただけでかわすなんて」
「なら、これではどうだッ!」
ドンドンドンドン!
「このくらい……」
集中して撃ってもかわされてます……あの弾幕は相当速いのですが……流石咲夜さんです。冷静にかわしています。
「チッ!」
「こっちからいくわよ?」
咲夜さんは瞬間移動したかのようにいつの間にか勇人さんの目の前に!
「う!?時か!」
咲夜さんの蹴りが勇人さんの腹に入ります……
「ぐっ!」
そこまでダメージが無かったのか勇人さんは上に飛んで距離をとります。
「逃がさないわ!」
ナイフを投げて追撃しようとしますが難なくかわしていきます。ただ、勇人さんから攻撃を仕掛けようとしません。どうしたのでしょうか?
「逃げ回ってばかりね!」
「そろそろかな?」
勇人さんが止まりました。なにをする気なのでしょうか?
「ほら!来やがれ!」
「そう言うセリフを言うってことは大体貴方の近くに何か仕掛けてるのかしら?」
「流石がメイドさん勘がいいな。しょうがねえ、これでも喰らえ!」
ドンドンドンドン!
「フン、無駄なことよ」
スッ……スタッ
バチバチ!
「ぐっ!?これは……?」
な、なんでしょうか?咲夜さんが避けたらバチバチっと音が……どうやら、咲夜さんに霊力を流し込んだのでしょうか?咲夜さんが動くたびに流れていきます。
「もしかして、勇人の『糸』!」
バチバチ!
「ぐっ!糸の結界!」
「チッ!いたるところに!」
「どうだ?触れれば霊力が電気のように流される糸の結界は?まぁ、結界が張られてるのをバレないように霊力は抑えめだから、気絶させるほどないが、お前の体力を削るには十分!」
「すでにお前の周り半径20メートル!お前の動きも手に取るように探知できる!そして、くらいやがれ!」
勇人さんの体から膨大な霊力が、あれを流し込まれたらタダじゃすみませんね……
「知るがいいわ……私の能力を!」
「『私の世界』!!」
「これが…私の能力よ。もっとも『時間の止まっている』貴方には見えもせず感じもしないでしょうけど……」
プツンップツンッ……
「これで終わりよ!勇人!」
ザクッザクッザクッザクッ
「貴方は自分が負けたことにさえ気づかないわ」
「何が起こったのかもわかるはずがないわ」
「安心なさい、ここでは死ぬことはないわ。永琳にでも、治療受けなさい」
「!?」
ブシュッ!
「こ、これはっ!」
ゆ、勇人さんがナイフでメッタ刺しにされてます!と、時を止めたのでしょうか?
「と、時を止めたんだな?」
で、でも、勇人さんはまだ立ってます!じ、自分でナイフを抜くとは……
「でも、貴方はほぼ満身創痍よ?」
咲夜さんが勇人さんの近くに!蹴りを入れる気です!
ピタッ
「ど……どうした?蹴りを入れないのか…咲夜…」
「連続して自分の体に霊力を流し…ガードしているわね」
「霊力入り『糸』を高圧電線のように体に巻きつけているのでしょう?」
「流石、策士ね」
「それはお互いのようだな……まさか見破ってうっかり触らなかったとは用心深いやつ……」
勇人さんの襟から霊力が流れてる糸が見えます。まさか、咲夜さんはあれを見破って蹴らなかったのでしょうか?
「まぁ、お前は『時を止める』といってもほんの短い時間しか止めていられないようだな」
「だからどうだというのかしら?」
「そんなこと知ったところで無駄よ」
ビシュッ
「これで貴方は負けよ!」
ドスッ
「!!うぐっグアア!」
ドバアッ!
「ふふ……リベンジ成功かしら?」
「ぐっ……ハハ、そう言うのは……周りをよく見てから言うんだぜ?」
ゆ、勇人さんにナイフが!ち、血が……
「!?糸!?切ったはずよ?」
「お前、少し俺の能力、忘れてないか?血さえあれば『不変』化できるんだぜ?」
あ!咲夜さんの周りに糸が!血によってはっきりと見えます!咲夜さんを囲うように糸がはられてます!
「時よ、止まれ!」
「糸を切るしか……」
ガチンッ!
「!?糸が切れない!?それにビクともしない!?」
「時を止めたようだが今は無いぜ」
「喰らえ!最大火力の霊力を!」
バチバチバチバチ!
「きゃぁ!」
「あ……が……っ」
「グフゥ……俺も少し限界だな……」
「勝負あり!勝者 碓氷勇人!」
「いてて……ナイフ刺さりすぎ……」
「先生、お疲れ!」
ガバッ!
「!!あ、ああ(死ぬほど痛い!)」
「凄いよ!」
ガバッ!
「……ぐ、そ、そうだろ?」
「こらこら、勇人は怪我してるだろ?ほら、永琳のところに行かせてやれ!
「そうだね」
「なら、フランが連れてく!」
「ああ、頼むよ」
「すいません……」
「いや、貴女はよく頑張ったわ。あいつが上手すぎたわね」
「能力のことは分かってたはずなのですが……」
「そう悲観にならなくてもいいわ」
「はい……」
「咲夜でも敵わないとわね……」
「いでっ!」
「動かないで、治らないわよ?」
「いや、傷口に直で薬塗るのですか?」
「そっちの方がすぐに効果が出るもの。刺し傷はあと6箇所ね」
「痛い!」