諸行有常記   作:sakeu

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少し投稿が遅れました。WBCの試合を観るとか部活とかで大変で……あい、すみません。


第47話 第4戦(白玉楼チーム)の日の青年

「勝者!碓氷勇人!」

 

「ハァ、ハァ……やったぜ」

 

バタッ

 

「先生ー!」

「勇人!」

 

 

「だ、大丈夫です。疲れただけですから……」

「だが、とりあえず、永琳のところに行け」

「ハハ……そうします……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ……神奈子が負けるとはね、流石勇人だ」

「前よりも霊力が強くなってる気がします」

「やっぱり?まだ成長してるようだね」

 

もうかなりの実力者なのではないのでしょうか?神様である神奈子様まで倒してしまったのですから。確かに純粋なパワーでは神奈子様の方が圧倒的に高いと思いますが……それを覆すだけの知略を勇人さんは兼ね備えてるようです。神奈子様も裏をかくような戦い方をしてましたが、さらにその上をいってましたね。

 

「ハァ……負けてしまったか……」

「お、神奈子 お疲れ」

「お疲れ様です」

「ああ……不甲斐ない試合で申し訳ない」

「そんなことないさ、あれは勇人が相当成長していたから、しょうがないさ」

「成長はしているな、霊力なんか相手を感電させるかのようなダメージを与えるし、肉体強化にも使ってるようだ」

「ほぇ……器用な奴だな」

 

肉体強化は最後のパンチでしょうか?普通のパンチで神奈子様がKOされることは無いでしょうから。どこでそんなことを覚えたのでしょうか?

 

「ただ、早苗との婚約を賭けたのにな……まぁ、ますます早苗のお婿に来て欲しいもんだ」

「そうだねぇ」

「え!?何、勝手に賭けをしてるのですか!」

「別に勇人婚約しても構わんだろう?むしろ、大歓迎だろ?」

「そ、それは……そうですけど……」

 

た、確かに戦っている時の勇人さんはカッコよかったですよ?普段無表情が多い分、戦っている時の必死な顔はいいものです……

 

「ま、あの半霊には負けないようにね」

「え、あ、そ、そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……体がいてー……」

 

神奈子様はやはり強かった。弾幕の量に至っては真っ向策で避けれる気がしない。服でガードしても少々被弾してしまった。それに、知略も長けていて、終始考えていなければならず、とても疲れた。あー……

 

 

「あら?また来たの?」

「ええ……少し寝させて貰えますか?」

「構わないわよ、寝てる間に治療代は貰うから」

「取りすぎないでくださいよ……まだ試合はあるんですから」

「安心なさい」

 

安心できないから言ったんだよ……でも、やはり睡魔には勝てない……横になるとすぐに眠気が……糖分も取っておきたいが、起きてからにしよう。今は寝よう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生いるー?」

「あら、吸血鬼の娘にさとり妖怪の娘じゃない」

「先生は?」

「今は寝てるわよ、静かにね?」

「えー……せっかく試合に勝って褒めてもらおうと思ったのに……」

「彼は度重なる試合で疲れてるのよ、それは後にしなさい」

「じゃあ、先生の所に行っていい?」

「うるさくしないならね」

 

 

「スー……スー……」

「あ、いたいた」

「静かにね、フランちゃん」

「分かってるって」

 

「スー……ん……スー……」

「先生もこんな顔するんだ」

「そうだね、いつもは眠そうな顔してるのにね」

 

「……ふぁぁ」

「フランちゃんも眠いの?」

「うん……眠いかも……私も寝よう」

 

ガサガサ……

 

「え?ちょ、ちょっと、どこで寝ようとしてるの?」

「……?ベッドだよ?」

「そうじゃなくて、先生いるよ?」

「先生、あったかいんだもん、それに落ち着くのよ……」

「でも、先生の、胸の上には……」

「いいの……おやすみ……」

「あー……どうしよう……」

 

「……ふぁぁ、私も眠いや……寝よう……」

 

ガサガサ……

 

「「スー……スー……」」

「ん……うっ……スー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「静かにしてるかしら?って、寝ちゃってるわね……あらあら……仲良く添い寝だなんて、モテモテね」

 

まるで、兄妹ね。これを早苗とかが見たらどうなるのかしら?んー……お疲れだから、バレないようにしてあげないといけないかしら?

 

「すいません、勇人さんはいますか?」

 

とか言ってたら、例の娘が来ちゃったわね……噂をすればなんとやら……ここはご退場願おうかしらね。

 

「いないわよ、他を当たったらどうかしら?」

「そうですか?」

「そうよ」

「いえ、ここに勇人さんがいる気がします」

 

な、何なのよ。どうしてこんなに勘がいいのかしら?

 

「さっきまではいたわよ、でももう出てしまったわ」

「本当ですか?」

「本当よ」

「……」

 

「失礼します、ここに勇人さんはいるでしょうか?」

「……」

 

半霊の剣士まで……何で、この娘達は勇人に関しての事に鋭いのよ?ここで暴れられても困るわ。

 

「いないわよ、他を当たってちょうだい」

「いえ、います」

 

この娘、断言しちゃったわよ。

 

「どうして、そう言えるのかしら?」

「勇人さんの気配がします、向こうですね」

「……あそこで寝てる人がいるのよ、だから入れられないわ」

「その寝てる人は勇人さんですね!」

 

何でそうなるのよ?剣士といい、この巫女といい……

 

「それでは」

「わ、私もっ」

「待ちなさい」

「何か問題が?」

「お疲れなのよ?少しは休ませてあげなさい」

「それなら、私が癒してあげます!」

「いいえ、私が!」

 

「ちょ、ちょっと、待ちなさい!」

 

入ったらダメ……

 

「「……」」

 

「「「スー……スー……スー……」」」

「あぁ……」

 

「……ふっ」

 

少し昔なら、取り乱してしまってたでしょう。しかし、この早苗、慌てません。何故なら、相手は勇人さんよりも年上ではありますが、見た目は完全に幼女。勇人さんに特殊な嗜好は無いはずですから、問題無いです。それにこの娘達の勇人さんに対する感情はきっと異性と言うより、兄や親のような感情でしょう。よって、添い寝も問題ありません。それに、勇人さんの左側は空いています!今がチャンスです!

 

「……何をする気ですか?妖夢さん」

「そのポジションは譲れません」

 

む……妖夢さんも冷静なようです。勇人さんの左側を狙っているとは……

 

「「……」」

 

睨み合いが続きます……少しでも集中を切らしたら私のポジションはありません。

 

 

「……先生、大好き」

「「……」」

 

ん?この娘、さっきなんて?大好き?き、きっと、loveじゃなくてlikeですよね。ま、まさか……ねぇ?

 

「は、ハハ……」

「こ、子供の戯言ですよ」

「そ、そうですよね」

 

「でも、左側は渡しませんよ」

 

くっ、この隙にと思ったのに……流石は妖夢さんです。

 

「ぐぐ……」

「むぅー……」

 

 

「ふぁ……、胸の辺りが重い……って、フランドール?」

 

な、何で?俺が寝てる間に何が?こいしまで……

 

「スヤァ……」

 

気持ち良さそうに寝て……

 

「あれ?早苗に妖夢じゃないか?」

「何をしてるんですか?」

「え?何を言ってるんだ?」

 

ふ、2人とも物凄い黒いオーラを出して……こ、こんなオーラ出せたっけ?

 

「手元を見てくださいよ」

「ん?……フランドールの頭を撫でてるだけだな」

 

いつも被っている帽子は今回は被ってない。綺麗な金髪は指通りもよく、何と言うか……すごく撫でやすい。つい、無意識に……気のせいかもしれないが、フランドールも気持ち良さそうだ。

 

「それが問題なんです!」

「……は?」

「わ、私だってしてもらいたいのに……」

「なんて言った?」

「何でも無いです!」

 

急に怒られたんだけど……妖夢、機嫌が悪いのか?

 

「それよりも、何でフランやこいしと寝てるんですか!?」

「俺も知らない、寝てる時は1人のはずだったが……目覚めたらこうなってた」

「他意は無いんですか?」

「ねーよ」

「……これでロリコンの可能性は無いと……」

 

早苗も早苗でおかしいな……ブツブツと何言ってんだろうか?

 

「もう戻らないとな、ほら起きろ、フランドール、こいし」

「んん……まだ寝てる……」

「私も……」

 

「いつまで頭を撫でてるつもりなんですか?」

「お、そうだな」

「あ……」

「ほら、戻るぞ?」

「むー、なら抱っこして運んで!」

 

「「!?」」

 

「私はおんぶ!」

 

「「!?」」

 

「はぁー……分かった、なら起きるよな?」

「うん、抱っこしたら!」

 

そう言うと、首元に抱き付いてくる。子供って可愛いな。あ、性的な意味は無いからその辺はよろしく。

幼稚園訪問とかあったが、全く懐いてくれなかったり、しまいには泣かれたりしてしまったからな。こう慕ってくれると素直に嬉しい。ん?もっと人と触れ合う努力をしろって?ハハ、そんなことで解決できるなら苦労しなかったよ。

 

「おんぶ!」

「はいはい……」

 

そう言って立ち上がる。2人とも重くは無いから問題ない。むしろ、

 

「勇人さんが抱っこ、勇人さんが抱っこ、勇人さんが抱っこ……」

「パルパルパルパルパルパルパルパル……」

 

この2人だ。黒いオーラがより一層、黒く……このまま呪われそうだ……あと何?パルパルって?

 

「そ、それじゃあ……次は妖夢のチームとの試合だよな?よろしく」

「そうですね」

何だろうか、対応が冷たい。何かしたか?後ろに不穏な空気を感じながら慧音さんの元へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「慧音さん!」

「ん?勇人か、休憩は済んだか?」

「ええ、お陰で体が軽いですよ!」

「そうか、次の試合結果次第で決勝戦にいけるかどうかが決まるからな」

 

今のところは全勝か……せっかくだし、決勝戦までいきたいな。

 

「で、次はどの順番で出る?」

「フランは先生と出る!」

「だそうだが?」

「構いませんよ」

「なら、それでお願いするよ」

「私は1番に出る!」

「分かった、なら、こいし→勇人&フラン→私の順番でいいか?」

「はい」

「よし、頑張っていこう!」

「「「おー!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「あら、妖夢ちゃん機嫌悪いの?」

「……いいえ、機嫌は悪く無いです」

「もしかして、ちっちゃい娘に嫉妬しちゃったの?」

「そ、そんな訳無いですよ!も、問題無いです!あの娘達は恋愛なんて知りませんから!」

「そうかしら?貴女だって最近まで知らなかった訳でしょ?それに、あの娘達はあんな姿してもう数百年は生きてるわよ?興味無いとは言い切れないわよ?」

「……と、ともかく!次の試合で勝ちましょう!」

「ふふ、そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて!次の試合は寺子屋チーム対白玉楼チーム!この試合の見所はどこでしょうか?紫さん!」

「そうね、あの人と勇人の祖父対孫の試合が見所ね、それに妖忌と組むからどんな感じでくるか楽しみね」

「そうですね!それではまず第1戦目 古明地こいし対魂魄妖夢の試合です!」

 

 

 

 

 

「よろしくね〜」

「よろしくお願いします」

 

この娘は古明地こいしさんと言いましたね。戦闘を拝見したのですが、弾幕は結構強力そうです。ただ、いつの間にか後ろにいるということがあってより一層油断できない相手です。ただ、どうやって気付かれずに後ろにいるのでしょうか?とにかく、彼女の存在を見失わないようにしないといけません。

 

 

 

「それでは、いざ尋常に……はじめ!」

 

 

「いっくよー!」

 

やはり、弾幕からきますか。でも、当てるよりは牽制目的のようです。ここは最低限の防御で一気に攻めます!

 

弾幕が途切れたのを見計らって……!

 

「はっ!」

 

このまま……斬る!

 

「うわっ!」

 

避けられましたか……流石妖怪。運動能力は半端では無いですね。でも……ここから!体勢が崩れた今は畳み掛けるチャンスです!

 

「はあああ!勇人さんにおんぶしてもらうなんて、羨ましいです!」

「え、え!?」

 

私だって!してもらいたいのに!

 

ブンッ

 

「……っ、あれ?いない?」

 

どこへ?少しも彼女を見失ってないはずです!なのに、どこに?

 

「ヤッホー」

「え?後ろ!?」

 

ブンッ

 

い、いない?どこにも気配を感じない?

 

「もしもーし」

「また?」

 

あれ?また、いない……?

 

「ほら、いっくよー」

「わっ!」

 

弾幕!?一体どこから?さっきからこいしさんを認識できない!

 

「ここだよ?」

「え……?」

 

ま、真正面……?気付いた時には遅く、目の前に光る弾幕が一面に……

 

ピチューン!

 

 

「慧音さん、毎度思うんですが急に消えては出てきてとする彼女ですが何の能力なんです?」

「ああ、確か『無意識を操る程度の能力』でな、なんでも自分のことを認識させなくできるらしい」

 

お、おう……ここの生徒はえらく恐ろしい能力をお持ちで……

 

 

 

 

「勝者!古明地こいし!」

「イェーイ!」

「流石!こいしちゃん!」

 

うむ……認識できないということは気配を探るのも無理か……強すぎね?

 

 

 

 

 

 

「く……っ、全くこいしさんを認識できなかった……」

「流石にしょうがないな……」

「師匠……」

「次はワシに任せろ」

「孫と戦うとはのう……まだ若いもんに負けられんな!戦いの年季の違いをおしえてやるわ!」

「『あれ』を頼むぞ」

「ああ、任せとけ」

 

 

「続いての試合は今回の大目玉、勇人さん対その祖父の対決です!」

 

 

「なぁ、勇人」

「なんでしょうか?」

「お前の祖父なんだが、どんな能力なんだ?」

「あー……『神力を宿らせる程度の能力』って聞いてます」

「どんな能力なんだ?」

「うーん……なんでも、神力、まぁ、『神の力』を授けることができるみたいです。されるのはなんでもいいらしくて武器にすればあっという間に神の武器となり、道具にすれば神器となり、人や妖怪にすれば神に匹敵する力を得られるそうです。具体的にどのぐらいまで上がるかは分かりませんが、相当強くなるって聞いてます」

 

ただ、自分1人の場合は恐ろしく弱いらしい。複数の人がいて実力を発揮するそうだ。宿らせる時は意識が少し宿らされる側に集中するらしい。1人だけなので影響は少なさそうだ。まぁ、よく口癖で「わしは1番じゃなくて2番が丁度いいんじゃ」とか言ってたし。

 

 

「それでは第2戦目 碓氷勇人&フランドール・スカーレット対魂魄妖忌&碓氷勇人の祖父の試合をいざ尋常に……」

「おい!俺のじいちゃんの名前は「始め!」おい!」

 

「いくぞ!妖忌!」

「おう!」

 

じいちゃんの手に光が……そのまま妖忌さんに触れる。その瞬間一帯が光で埋め尽くされる。

 

「まぶっ!」

「きゃっ!」

 

「準備完了じゃ」

「ああ」

 

んー?何も変わってないようだが……強いて言うならじいちゃんの手によく分からん文字で埋め尽くされてるぐらい。妖忌さんはあの構えは……居合かな?刀を抜かず、柄に手をかけたままジッとしてる。目は閉じてる。

 

「勇人」

「何ですか、妖忌さん」

 

戦闘態勢は崩さず、返事をする。

 

「ワシはな、今まで修行をしてきた、今回それをお主に見せてやろう。あやつの力を借りて数倍増しでな」

「そうですか、いくら妖忌さん達でも負けませんから!」

「あと1つ教えてやろう、今あやつは久々に能力を使うせいで、能力の使用でいっぱいいっぱいじゃ、まともに攻撃できんだろう」

「そんなこと言っちゃっていいんですか?」

「言ったところでお主らは勝てんからな」

「言ってくれるねえ」

「ところでこの試合、ワシが勝ったら、ワシの弟子になれ。そして妖夢と婚約せよ」

「は、はぁ?」

「わしも許可しとるからな?」

「おい、ちょっと待てよ!」

「こっちから行ってあげる!」

 

フランドールが勢いよく妖忌さんへ弾幕を撃つ。

 

「……」

 

動かない?当たっちまうぞ?

その時、弾幕が急に爆ぜた。何かにぶつかった訳でも無い。空中で爆ぜたのだ。

 

「え?」

 

う、動いてないのに、弾幕が勝手に?

 

「むー……ならもっと!」

 

さっきよりも多い量を浴びせるが、さっきと同じく全て途中で爆ぜる。

 

「うー……」

「な、なんだ?あまり安易に近づかない方がいいな……」

「なら、突撃だー!」

「おい!」

 

ニヤ

 

妖忌さんが笑った!?何かある!近づくのはマズイ!

 

「フランドール戻れ!」

 

チィッ!遅いか!なら!少し悪いが糸で!

 

パシュッ!パシュッ!

 

糸がフランドールの両腕に絡まる、そして

 

「ふん……っ!」

「きゃっ!」

 

思いっきり引っ張る。結果、フランドールは後ろに尻餅をついた。

 

「イテテ……何するの?先生!?」

「不用意に近づくな、胸元見てみろ」

「あ……リボンが切れてる?」

 

ようやく分かった。あれは全部『居合斬り』だ。速すぎて見えるどころか、斬ったかすら分からない。さらにさっき、フランドールがギリギリ斬られなかったところから見て射程は4〜5メートルはある。多分、神力の影響だろうか?普通の居合斬りより射程が長いし、速い。

 

「ふっ、その顔は勘付いたな?」

「ああ」

 

勘付かれても、動じない辺り相当な自信があるようだ。確かにあの速さなら絶対的な防御力を誇るかもしれない。いわゆる『絶対領域』か。下手に突っ込むと斬られるし、何もしないという訳にもいかない。遠距離から撃っても意味が無さそうだ。

 

「フランドール、下がってろ」

「え?あ、うん……」

 

「こっちに来るか……」

 

だが、この居合の餌食になるだけじゃ。これまで伊達に修行してきた訳じゃ無い。この居合は射程距離と範囲がネックだったが、あやつのお陰で神力を刀に纏わせることで解消させた。元々は狭いところ限定だったがここでも使えるものとなった。よって死角なし!今はまだ目に頼らず、気配を感じていこう。

 

さぁ、こい。

 

ダッダッ……

 

残り5歩…4歩…3歩…2歩………1歩!

 

「今じゃ!」

 

……斬った感触が無い?いや、残りの1歩足りていない!?

 

「オラァ!」

 

な!?接近を許した!?

 

ドゴォ!

 

「ぐっ……」

 

一見、勇人が妖忌に1発喰らわせたようにみえる。が、勇人は必ず殴る時は霊力を纏わせ、急所に入れることで1発で仕留める。しかし、さっきは仕留め切れていない。それどころか、急所に入っては無く、霊力もうまく流せていない。よって、少ししかダメージを喰らわせていない。普段はしっかり決まるはずなのに今回は外した、力がうまく入らなかったつまり、

 

「ヤベッ、ビビったな……」

 

とりあえず、距離を取る。全然ダメだったな。まぁ、妖忌さんの射程距離が俺の予想してた通りで良かった。実は最初のたち位置に足から糸を出しておいて、最後の1歩を踏む前に糸を戻して、体を後ろに少し戻す。よって、1歩踏んだけど進んではいない。それにより居合を外し動揺してる間に一撃とのはずだが、不発だったな。

 

 

「大丈夫か?妖忌」

「問題ない、むしろ気が引き締まったわい」

「そうか、なら引き続き宿らせるぞ」

「ああ」

 

 

「フランドールっ!こっちに来てくれ!」

「分かった!」

「頼みたいことがある」

「何?」

 

ゴニョゴニョ……

 

「呑気に話しおって……」

「安心せい、ワシの居合は領域に入った者は必ず仕留める」

「分かっておる」

 

わしだってこやつの居合を見た時はたまげたわい。さらに神力を宿らせておる。さて、どんな奇策で来るか?

 

「さぁ!フランドールやってしまえ!」

「いくよ!」

 

ドガーン!

 

目の前の床に弾幕を撃ち砂煙が舞う。

 

バン!バン!バン!バン!バン!バン!

 

「ふんっ!見えなくたって弾幕は捌けるわい!」

「そんなの計算済みだ!」

 

何かがおかしいのぅ……砂煙なんて無意味、ただ乱射してくるのみ。やけくそになるタイプではないから、何があるのじゃろうか?

 

待て!あの小娘は!?

 

「きゅっとして……」

「なっ!『上』じゃと!?」

「な、カバーできん!」

「あんたの居合の弱点は『真上』だな、まぁ、じいちゃんが弾幕でカバーする予定だっただろうが……気付かなかったようだな」

「ドカーン!」

 

ドカーン!

 

「ぬぐぅ!」

「ぐぬぬ……弾幕を展開じゃ!」

「あはは!」

「ここにもいるよ?」

「な!?分身じゃと!?」

「3対1だね、もう無理だね?」

「ゴホッ、ゴホッ……まだじゃ」

 

スチャッ

 

「流石に詰みだな」

 

妖忌さんに銃をゼロ距離で向ける。じいちゃんはフランドールの分身に囲まれている。

 

「……はぁ、参った……ここまでやるとは……流石策士のよう」

「妖忌の居合を看破するとは……」

 

 

「勝者!勇人&フランドール!」

 





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