諸行有常記   作:sakeu

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第49話 決勝戦(博麗チーム)の日の青年(前編)

休憩の時間の一件後、早苗に同じことを要求され、右腕に抱きつかれて妖夢も対抗してより一層抱きつく力を強くさせられたりと大変だった。俺試合があるのに……休みたかった……

ろくに休憩できないまま、決勝戦ってなわけですが、お相手は全勝の博麗チーム。どの試合も圧倒的だったという。なんでも、霊夢さんがやる気MAXでほぼオーバーキル気味に倒してたらしい。萃香さんは鬼な上にその中でも力を持つらしい。魔理沙は実際に見たことが無いので分からん。アリスさんだっけ?そもそも知らないです。

……無理じゃね?いや……戦いますよ?勝つ気で行きますけど……無理じゃね?

 

「先生!絶対優勝するよね!?」

 

や、やめてくれ、その期待の目を、向けないで……

 

「お、おう!あったりまえだ!」

「無理、しなくても良いからな?」

「してませんよ!HAHAHAHA……!」

「……頑張ってくれ」

 

「それでは決勝戦の人達は準備をしてください!」

 

 

「逝くか……」

「うん!行こう!」

「ゆ、勇人さん!頑張ってください!」

「応援してますよ!」

「あ、ありがとう……」

 

プレッシャー……撥ね退けてこそ、漢よ!じいちゃん、見ていてください!漢・勇人、いきます!

 

「決勝戦の試合方式ですが勝ち抜き戦です!全滅させた方が勝利です!」

 

「……は?」

 

勝ち抜き戦……だと……?い、いや……どうにかなるよな……まさかね、1人目で俺の番が回ってくる訳がねぇ!

 

 

 

 

 

 

 

とか言ってた俺をぶん殴りたい……わっかりやすいフラグじゃないか!露骨に"まさか"とか言いおって……

魔理沙、強すぎだろ……魔法使いとか言ってたけどよ……それでも人間なんだろ?何か補正でもかかってんですかね……

 

まず、慧音さんが行ったのだが……魔理沙は相当弾幕ごっこをやってるようだ。慣れの差で負けた感じがする。ただ、善戦はしてくれたと思う。……ここからが問題だ。2連戦のはずなのに疲れを見せずこいしを倒してしまった。さらにフランにさえもだ。あいつ、本当に人間か?動きは単調なはずなのだが……最後の"マスタースパーク"と叫んで撃つ極太のレーザーの様な物によって負けている。ありゃあ、物凄い火力だな。脳筋なのか?

 

 

「よしっ!このまま私1人で倒すぜ!」

「流石にやられる訳にはいかんな……」

 

着実に戦うとするか。魔理沙の技はどれもタメが大きいものばかりだからな。

 

「始めっ!」

 

「さぁ、いくぜ!」

 

そう言うなり、弾幕を放ってくる。星を基調としていて輝かしいが当たったらひとたまりもない。てか、キラキラしすぎや、目が痛いっす。

地面に着弾すると同時に凄まじい轟音と衝撃が起こる。そのせいで舞い上がった砂煙が視界を悪くする。

魔理沙は空から攻撃する様だ。ま、当たり前っちゃ当たり前か……自分は今まで空を飛びながら戦うというのはあんまり経験が無い。基本的に地面で戦っている。そのせいで空を飛びながら攻撃するのはまだ慣れてない。だが、戦況からして地面にいるのは圧倒的に不利だな……

 

「ほらほら!どんどんいくぜ!」

「くぅっ……!」

 

飛びたいのだが、その暇が無いほど弾幕を撃ってきやがる。着実に当てる気は無いのか?テキトーに撃ってるのだろうが、余計にタチが悪い。予測できないのだ。

あの3人相手しといてどこから元気が出るんだ?ずっと至近距離で轟音を聞いてるせいか耳がおかしくなりそうだ。それに、さっきから何発か掠り始めた。

走っても走っても、避けても避けても弾幕の合間を縫う事はできない。

 

「……っ!しつ……けーな!」

 

雨の様に降りかかる弾幕を避けながら、振り向きざまに銃を撃つ。が、その苦し紛れの銃弾は大幅に外す。流石にその場にじっとしてる訳無いか……

後ろ、見なきゃよかった……物凄い数の弾幕に一瞬心が折れかけた。

その後も何発も撃ったが当たる気配無し。うーん……どうしたらいいのやら……

とか考えてると目の前にレーザーが迫っていた。間一髪で避けたと思ったが、考え過ぎて少し反応が遅れたらしい。軽く肩に当たった。あのマスタースパークでは無い様でそれに比べたら威力は低い様だがかなり痛い。

 

「……チッ!」

 

少しずつ俺を狙う精度が高くなってんのか?幾度も紙一重で避けることが増えてきた。まずいな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ああ!すばしっこい奴だぜ!」

 

一体どんな反射神経してんだ?さっきから全力で弾幕を放ってるのに当たる気がしない。何発か掠ってる様だが決定打に欠ける。少し疲れが来始めたぜ……早く決着をつけないとな!

 

「……っ!」

 

銃弾が頰すぐ近くを通った!?あんなところからか!?少しずつ狙いが定まってきてる様だ。よく撃てるな、あの体勢で。私だってその場に留まっているわけでは無いのだが……

 

あれからどのぐらい経った?未だに勇人は避け続けてる。時折、撃ってるから注意しなければならない。と、考えてたら、勇人の前に弾幕が着弾して砂煙が舞う。動きが止まった!逃すか!一気に集中砲火をする。凄まじい轟音が鳴り、爆風によって勇人が吹き飛ばされた。これで最後だな。

 

「喰らえ!マスタースパーク!」

 

今、あいつは態勢を立て直すので精一杯だ、避けられれないに決まっている!

 

 

避けられれないはずだった、だが、あいつは避けた。あの体勢で。無理なはずなのにと思っていたが、腕に糸が見えた。ああ、糸で引っ張られて避けたのか……それに気づいた時には既に勇人が銃口をこちらに向けていた。避けないと……!

左に避けようとする。が、まるでそうなると分かってたかの様に銃弾は私が避けようとした方向に飛んできた。何発撃った?だが、全て当たっ……た。

 

「勝者!勇人!」

 

「よしっ!とりま1勝!」

 

「大丈夫?魔理沙?」

「んぁ?大丈夫だぜ……アリス」

「そう……あの勇人って人、やっぱり強いわね」

「ああ……」

「しょうがないわよ、流石に4連戦はきついわ」

「ハハ……そうだな」

 

負けた……のか?はぁ…よく見たらまだ勇人はピンピンしてやがる。次の試合の温存していた様だ……手加減されてたのかな……?まだ、勇人ってこういう経験って少ないはずだよな……紫があいつは才能あるって言ってたが本当だな。その辺霊夢にそっくりだな……あー、悔しい!

 

 

「よーし!次もかかってきなさーい!」

「次は私よ」

「……えっと?」

「アリス。アリス・マーガトロイドよ。噂は聞いてるわ、碓氷勇人よね?」

「え?まぁ……そうです。よろしく、アリスさん」

「ええ」

 

……どうしようか。相手は知らない人か。どんな感じなのだろうか。今の所は名前しか分からないからなぁ……

 

「始め!」

 

最初は様子見で!

 

 

「…………!?」

 

に、人形?それもまぁまぁな数。可愛らしい人形であるが、それぞれにスピアや剣をもたせてるあたり物騒だ。もしかして、全部操作するわけじゃ無いよな?

全部操作する様だ。あっという間に囲まれてしまった……

 

「これで終わりじゃ無いわよね?先生?」

「先生って……生徒じゃないでしょうに」

「いいじゃない、ほらここからどうする?」

 

彼の名前は結構知れ渡っている。私も魔理沙や里の人達を通して既に知っていた。相手が私を知っているわけでは無さそうだけど。

魔理沙曰く、

 

「霊夢に似た様な奴」

 

だそうだが、全然似てないと思う。あっちは毎日ダラダラしていてまともに巫女としての仕事をしてるのは数えれる程しか見たことがない。それに対してこっちは教師という役職についてしっかりと仕事をしている。里の子供達に聞いたが、彼の授業は分かりやすいそうだ。あとは、レミリアを倒したとか、妖夢と一騎打ちで勝ったとか戦いの面でも評価が高い。

ただ、はっきり言って本当に強いのかが分からない。頭は切れるのだろうが純粋な力が本当に強いのかと疑問に思う。だから、これを機に確認したいわ。という訳で、一斉攻撃。

 

「……っ!?」

「ふふ……」

 

さて、どうするかしら?彼のお得意の糸はまだ使ってない。

 

「……はっ!」

 

彼が声を出すと同時に周りの人形が全て吹き飛んだ。ふーん……霊力を衝撃波にしたのね……

 

「撃ち抜かせて貰うぜ!」

 

あれが噂の銃……霊力を銃弾にしてるのよね。

と思ったら、乾いた音と同時に1つの人形の腹に小さな穴が空いた。あ、危なかったわ……相当速いわね。銃弾が飛んできた方の穴は小さいが貫通した後の方の穴は大きくなってるってことは相当回転もしてるのね。殺傷能力も十分と……

もう、これくらいでいいかしらね。彼のことはある程度分かったし。霊夢よりは弱いと思うわね。やっぱり、頭でっかちかしら?

 

「……なぁ、手加減してるだろ?」

「あら、どうしてそんなことを?」

「わざわざ間を持って攻撃してくるとか普通しないだろ?それだけ自信あんのか?」

「どうかしらね……」

 

な、なかなか鋭いじゃない。ま、まぁ、もう手加減はしてあげないけどね!

 

「……今本気出すのかよ」

 

人形による攻撃を止め処なく続ける。うまくさばいてる様に見えるけど、必死に作戦を考えてるのでしょうね。攻撃に転ずる気配を見せない。

と1つの人形が彼の足を掬った。態勢を崩したわね。畳み掛けてしまいましょう。

一斉に彼に攻撃する。が、その攻撃した時の音はとても人に攻撃したとは思えない固いもの同士をぶつけた高い音が鳴った。

ど、どういうことかしら?よく見ると、人形達が持っている武器全てが壊れてた。まるで固いものを殴って壊したかの様に。対して勇人は態勢を崩しかけた姿勢のままだ。崩しかけた姿勢のまま?あんな態勢取れる訳ないでしょ?こける途中の姿勢を止めれない様に、態勢を崩す途中で止めることなんてできるわけがない。でも、彼は止まっている。宙につらされたかのように。

はっ!こ、これが彼の……『能力』……!

で、でも、あの人形全てに火薬が入っている爆破すれば……ん?勇人は何をしているの?試験管なんか持って……なんなのあの赤い液体は……銃口に流し込んで……撃ってくる!?爆破させるしかないわね!

彼は天に向かって銃を撃つ。な、何がしたいの?とりあえず、爆破……を……?爆破でき……ない……?いや、爆発音はしたはず……でも、人形の様子は全く変わらない。あれ?

 

「あれ?と思っただろ?」

「ふぇ?」

 

え?いつの間に!?額に銃を突きつけられる。

 

「チェックメイトだ、そもそもお前も動けんがな」

「え?あ……」

 

動けない……!な、何をしたの?厳密に言うと服が動かない。柔らかいはずなのに鋼鉄の様に硬くなってる?

 

「降参だろ?」

「……っ、分かったわ、降参よ。……何したのよ?」

「服をよく見ろ」

 

え?服をよく見ろ?あ……霧状のものを被ったかの様に赤い液体が付着してる……人形達も同じ様だ。こ、これが噂の『不変にする程度の能力』なの?

 

「あちゃー……アリスも負けたか」

「ご、ごめんなさい」

「まぁ、霊夢がいるしもう勝つだろう」

「そ、そうね」

 

もしかして、彼もまだ本気を出したことが無いんじゃあ……

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