第60話 襲来の日の青年
俺は今、とても悩ましい事に直面している。
場所は永遠亭。周りには妖夢、早苗にじいちゃん。当たり前だが、永琳さんと鈴仙。
「さて、今回来てもらったわけわね……」
悩ましい事の原因でもある紫さんが口を開く。ああ……どうしてこんな事に……俺の平和は何処へ……
そう思いながら、忌々しいあの空に浮かぶ城ーーラピュタ……じゃないが見るのだった。
話をしよう。俺は事件解決以来平穏な日々を堪能していた。
仕事がある日は朝6時に起床し、顔を洗い、朝食を取る。そして、コーヒーを飲みながら、その日の授業の確認をする。まぁ、この一連の流れには必ず、妖夢か早苗がいるのだが。
生徒が増えた今、クラスが増え、教師2人のみの中、馬車馬の如く働いている。俺は主に和算、慧音さんは歴史という具合に分配している。
あと、チルノやフランドールなどの『人間』ではない娘達の担当は俺がしており、楽しい日々を過ごさせて貰っている。チルノ、フランドール、大妖精、ミスティア、リグルそして、新参者のこいしと橙。こういった一癖二癖もある個性的な生徒達と過ごせて、中々いい仕事だと思う。あ、ロリコンでは無いから悪しからず。
ま、午前10時から午後3時までは授業をし、間の時間で宿題の丸つけをや採点、時にはテストの作成などをしている。この時、たまに外を見ると鈴仙がこちらを相変わらずの熱烈な眼差しで見てくれてるが気にしない。
そして、授業が終われば紅魔館の図書館で本を読む。そこの図書館は様々なものがあり、そこから体術や霊力の扱い方をより応用できるようにした。
そして、夕方には妖怪の山の麓にある家に帰り、ダラダラ過ごす。
そういった、平凡でかつ変哲も無い、一見したら面白味の無い生活に見えるような暮らしをしている。だが、俺からしたら、元の世界で何の目標も無く、ただぼんやりしたまま高校に行き、人との付き合いも深くせずーー灰色のような生き方をしていたのと、比べれば今は人里を守ることや、生徒に教えることや、妖夢や早苗達のように気兼ねなく話せるようなこの環境は幸せ以外の何者でも無いと感じる。まぁ、平凡な物こそ得難いと言うこともあるけどね。
っと、回想はここまでにして、本題に。何故こんな事になったのか?そうだな……あれは今から36万……いや1時間前だったか……
その日の俺は寺子屋が休みのため、休日を寝て暮らす事にしていた。死ぬ程働いた後(お陰で格好は昨日のカッターシャツに制服のズボン)のベッドは呪いの如く睡魔へ誘うのだが……それを邪魔する者が現れた。
「失礼するわ〜」
突如空間にスキマが生じ、不気味なところから上半身だけ出る女性ーー幻想郷で会いたくない相手No.2の賢者 八雲紫。無論、No.1は射命丸文だ。
「失礼と思うなら来ないでください」
「あら、冷たいわね」
ヒドイわと嘘泣きをする、スキマ妖怪をほっときながら、ベッドの呪いに身を任せようとした時、
「貴方にね少し頼みごとがあるの」
「そういうのは霊夢に頼んでください」
「いいじゃないのだって……
「「霊夢がめんどくさいって」」
「あら、分かってるじゃない」
人を何だと思っているのか、このお方は。あの事件もこの妖怪に押し付けられ、さっきと同じ理由を並べやがった。
「俺は教師です。決して便利屋では無いんですよ?」
「ええ〜、ケチねぇ。いいじゃないの少しぐらい」
「前回の事件では色々大変でしたからね、今回もまともなやつなわけがないです」
「そこを何とかね?ね?」
上目遣いしても何もならんぞ。美人なのかもしれないがはっきり言ってしまうと、年増の女性が若く装おうとしている風にしか見えない。
「貴方、失礼な事を考えてたでしょ」
「べ、ベツニ……」
幻想郷のお方は勘が鋭いーーここ大事よ。
「と、兎に角、俺は休みたいんです。だから、お引き取りください」
「もしかしたら、人里、いや幻想郷全体の問題にもなるかもしれないのよ?」
思わず反応してしまう。その反応を紫さんは見逃さなかった。
「それでいいのなら、突っぱねてもいいわ」
「わざと人里って言いましたね……」
この人……あの言葉聞いてたのか……はぁ……流石『賢者』、いや、食えないやつか。
「貴方も大概よ?」
「人の心を読まんといてください」
「それじゃあ、協力してくれるわね?」
「はぁ……次からは霊夢に頼んでくださいよ」
「ウフフ……やっぱりツンデレね、この野郎!」
拳銃に手が伸びるが何とか思い留まる。
「で、その内容は?」
「そうね、場所が悪いから……それっ!」
「は?ハァォァアアアアアア!?」
床が急になくなった感覚がした。
ズトンッ
「イテテ……」
派手にケツから落ちた。
「あ、勇人さん!」
「ん?早苗か……ここは……ああ、永遠亭か……」
すぐに分かってしまう当たり、どれだけ永遠亭にお世話になったか分かる。多分1番お世話になってるんじゃないか?
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ……問題無いさ……」
妖夢の気遣いに心が洗われるのを感じながら立つと周りにはじいちゃんまでいた。
「え?何でじいちゃんも?」
「ハッハッ!わしも紫に呼ばれての!」
「そうよ、私が呼んだわ」
いつもの着流しを着た真っ白な白髪の好々爺のように見える老人。それが俺の祖父だ。名前は……
「勇人さん!私に会いに来てくれたのですね!?」
「………………」
「も、もしかして、結婚ですか!?きゃー!//」
「………………」
「少々早い気がしますが……私はいつでも構いませんよ//」
「………………(白目)」
「子供は2人は最低でも欲しいですね……」
「永琳さん…………」
「私はいつでも歓迎よ?」
「oh……」
この妄想全開の兎さんは……純粋な好意は嬉しいのだが……少々重い。
「ゆ、勇人さんは渡しませんよッ!」
違う……俺は早苗の物ではありません。そして、服の裾を掴まないでください、妖夢さん。
「ハッハッ!わしの孫はモテモテのよぉ!」
このジジィ……!
「はいはい、勇人の所有権については後にしなさいな」
「おい待て」
そして、今に戻り……
「さて、今回来てもらったわけわね……」
無視ですか……
「お気付きの人も多いでしょうけど空に浮かぶ城が現れたわ」
「ええ、知ってますよ」
「私もです」
「同じく」
「わしもじゃ」
「え、何それ知らない」
初耳なのだが……
「そこで!あの城を調べて欲しいのよ」
「いや、めんど……
「そうですね、不気味ですし」
「何か異形の者が現れるかもしれませんしね」
「それに少し面白そうよね」
「調べる価値はあるな」
「………………」
何でみんな乗り気なの?
「それじゃあ決まりね!」
「いや、めんど「決まりねッ!」…………」
俺に拒否権なんてなかった、いいね!?
「ああ……俺の休日……」
はぁ……とっとと終わらせよう……と言いたいがこう言って早く終わった試しが無い。
「それじゃあ、早速行ってきて頂戴」
「「「はい!」」」
「うう……」
「ほら、行くぞ!」
「はぁ……」
「ため息ばっかりですと幸せが逃げますよ?」
「残念だが……先程幸せをむしり取られたばかりだ」
本来ならフカフカのベッドでぐっすりのはずだったのに……
「フフ……勇人さんと一緒……」
「お前さん……いつの間に……」
「勘違いしないでくれじいちゃん……」
「ぬぅ……そこは聞かんでおこう……そうじゃ、最近の妖夢じゃが……不機嫌な時が多い。お前さんからも白玉楼に来てくれ」
「あー……分かった」
「ん?人影が見えますよ?」
「え?どこだ?」
「ほら、あそこに」
「むー……どれだ……あ、いたいた……咲夜も一緒?」
んー……背は……170はあるな……クソッタレ!で……年は同じくらいか?だが……右目が赤色、左目が紺色のオッドアイだ。
「怪しいですね……」
妖夢の言う通りだ。まず、目の色が普通の人では無いよな……それにただの人間が迷いの竹林に入るはずがない。ましてや、あの事件も相まって余計に不審に感じる。何よりも……あの羽根が普通では無いと教えてくれてる。
「んー……あいつの波長は危ない気がするわ……」
「前回のこともありますし、ここは牽制でも入れるべきでは?」
確かに早苗の案は正しいかもしれないが……あいつを見るとどこか引っかかるものがある。んー……なんだろうか?
「いきなり攻撃も良くないと思うが……」
「大丈夫です、牽制だけですから」
そう言い、俺らはその人達の元へ降りる。やはり、俺よりは背が高い模様……チッ
そんなことに嫉妬してたら、早苗と妖夢と鈴仙はもう弾幕を撃っていた。
ただ、そこには目を疑う景色があった。
羽根だけでも十分に変だと言うのに何と腕から刃物が出ていた!そして、
「ハァァアアアア!!!」
「「「「「!!?」」」」」
全ての弾幕は斬り捨てられ、肝心の本体はこちらに向かっていた!さらには咲夜まで!
こちらとて、戦いに慣れてないわけでは無い。すかさず戦闘態勢に皆はいる。俺も2丁拳銃を取り出し構える。
ああ!なんでこう面倒ごとが起こるのだ!
はい、今回初コラボです。声をかけて頂きました!まさに感無量!初めてのことですが精一杯頑張りたいと思います!
今回のコラボさせて頂く、鬼の半妖さんの小説『悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り』を是非読んでくださいッ!
次回もお楽しみ!