諸行有常記   作:sakeu

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第9話 決心した日の青年

あの晩が過ぎ、朝を迎えた俺はあの箱の中にあったものについて整理していた。まずは、最初から入ってたもの。

 

 

ダガーナイフ

霊力により文字が出た紙

何か装置がついたリストバンド

 

 

次は、昨日の夜に見つけたもの

 

 

回転式拳銃(ピースメーカーみたいだが、グリップに何か装飾が施されている)

自動拳銃二丁(ベレッタ92か?よく分からん、2丁拳銃は現実的には実用性が薄いて聞いたことがあるなぁ)

工具らしきもの(ただ1つ1つの道具に装飾が施されている。これで改造すんのか?)

 

 

「ふぅ、なかなか物騒な光景だよなぁ」

 

銃やナイフ並べてるなんて、日本なら捕まってしまうだろな。まぁ、ここは幻想郷なので問題ない。友達に銃が好きな子がいたから銃の知識は少しある(こうして手に取るとは思わなかったが)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇人さーん、起きてますかー?」

 

もうこんな時間か、そういえば今日空を飛び方を教えてくれるんだっけ?もう、あの猫型ロボットは必要ないな。早く朝ごはん食ってしまって教えてもらおう。銃はこっそり練習することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、始めていこう。

 

「よろしく頼むよ、早苗」

「えぇ、もちろです!空の飛び方はですね…」

 

なんか、だんだん声が尻すぼみに…

 

「うーん…なんて言えばいいんでしょうか?」

 

なるほど、表現しにくいのか。そりゃそうだ、こっちは想像もつかん。

 

「弾幕は手の方に力を込めましたよね、飛ぶ場合は全身に力をこめるのです!」

「どんな感じに?」

「えっと、こうブワッと」

 

なるほど、分からん。ブワッとってどうすんの?自分で考えてみるか。弾幕のときは目標に向かって力を込めてた訳だから、空を飛ぶには……そうか!弾幕を放つ際、少しだけ反動があったから、地面の方向に力を込めれば……

 

「んぐぐぐっ…」

「あ!浮いてますよ!」

「まじか!?っておっと、」

 

気を抜いたらダメなようだ。だが、確かに浮いた。ただ、制御が難しい。

 

「もう一回!」

 

おぉ!さっきよりも高く浮いてるぞ!少し前に進んでみよう。

 

「……おぁ!?」

 

バランスを崩してしまった。やばい、調子乗って少し高く浮いてしまった。

 

「危ない!!」

ガシッ!

 

「大丈夫ですか?でも、すごいですよ!たった、数分でこんなにもできるなんて!」

「お、おぅ」

 

近い近い!もう大丈夫なので離してほしい。ほら、早苗は女の子だから、こう……

 

「って、顔赤いですよ!熱でもあるんですか!?」

「だ、ダイジョウブタヨー、ゼンゼン、ゲンキダヨ」

「本当に大丈夫ですか?!言葉がおかしいですよ!?」

 

顔が近い近い!俺は女子とふれあう機会なんてほとんどなかった(泣)だから、少々免疫がねぇ、ないんですよ……

 

「ホントウニダイジョウブタカラ!」

 

と俺は後ろに飛んだ。

 

「あれ?」

 

後ろにとんだ?

 

「移動ができたぞー!」

 

やったぞ、と思った瞬間

「あ」

「あ!」

 

バタッ

 

「大丈夫ですか?ケガは?」

「あー、大丈夫大丈夫、ほら」

 

俺は元気だと伝えるためもう一回浮く。どうやら、まだ少し浮いて、ちょっと移動するだけしかできないようだ。まぁ、練習すれば上達するだろう。

 

「良かったです。それにしても本当に勇人さんはすごいですね!」

「う、うんまぁな」

 

ちょっと、照れ臭い。

 

「ふふ、じゃあ少し休憩にしましょう」

「賛成」

 

ということで少しお茶を飲んで落ち着いた。

 

 

 

「ふぅ、お茶がうまいな」

 

ちょっと、今回は霊力を全身で使ったせいか眠いなぁ。日の暖かさがより眠気を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇人さん、修行またしますか?って、寝ちゃってますね…」

 

やはり、空を飛ぶ練習はきつかったのでしょう。ぐっすり寝てしまってます。彼は本当にすごいです。才能の塊って言うのでしょうか。私より呑み込みが早く、実践に移す能力が高いです。まるで、霊夢さんみたいだなぁ。少し羨ましいです。

はっ!現人神である私が弱気になってはいけません。今、私は彼の「師」なのですから。

 

「……うーん」

 

起こしてしまったでしょうか?彼は寝返りをうちました。寝顔を覗くのは良くないと思いますが、ちょっと覗いてみましょう。

普段は、表情の変化があまりないのでこうして、穏やかに眠っている表情はちょっとレアかもしれません。彼はどんな夢を見てるのでしょうか。

最初、彼を見つけた時は驚きました。なんせ、妖怪の山の中で怪我して倒れてたのですから。助けに行ってもっと驚きました。大型の妖怪が近くで死んでいるのです!彼も妖怪なのでは?と疑いましたが、格好や周りの荷物から外来人だとすぐに分かりました。また、学ランを着ていたので年齢もどのくらいかすぐに分かりました。

彼の怪我が治って(永琳さんのお薬を飲んですぐに治りましたが)、彼をどうするか考えてたら紫さんがやってきてすごく驚きました。勇人さんから話を聞いた時はもっと驚きました。

彼が寝てしまった後、紫さんがまた現れました。

 

「紫さん、どうしましたか?」

「彼をここに住まわせてはあげられないかしら?」

「別に構いませんけど…なぜです?」

 

大妖怪がお願いするなんて珍しいです。

 

「昔からの友人の頼みでね…」

 

そう言う彼女は遠い過去を思い出すような憂いを帯びた顔をしてました。昔、何かあったのでしょうか。

 

「ということで、よろしくね」

「あ、はい!任せてください!」

「一応、神奈子と諏訪子には許可とってるわ」

「ところで彼は…」

「ただの事故でこっちに来てしまった外来人よ」

 

どこか、裏がありそうでしたがそれ以上聞くのをやめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ…よく寝たって何時だ?」

 

外を見れば空が真っ赤だ。どうやら、あのまま寝過ごしたらしい。やっちまった。

 

「あ、起きた」

「うぉい!」

 

近くに諏訪子様がいた向こうには神奈子様もいる。

 

「そんなに驚かなくてもいいじゃないか」

 

死角から出てこないでほしい…心臓に悪い。

 

「まぁ、それはいいとして、修行着々と進んでるそうじゃないか、早苗が褒めてたぞ」

「あぁ、私もすごいと思うぞ、短期間でここまで上達するなんてな」

 

二柱神に褒められ少し恐縮してしまう。それを誤魔化すためにお茶を飲んだ。

 

「これで、早苗のお婿について悩まなくてもいいね」

「!?ゲホッゲホッゲホッゲホッ…ふー、何言ってるんですか!?」

 

危うく吹き出しかけた。むせたが。

 

「うむ、そうだな」

 

神奈子様まで…

 

「いや、いい人は他にいますって、それより早苗の意見を主張しないと…」

 

そうだ、恋愛は個人の主張が尊重されるべきだ。

 

「早苗もいいと思ってるよきっと」

 

そんなバハマ

 

「おーい、早苗ー」

 

え?なんで、早苗を呼んで…まさか!

 

「何でしょうか?神奈子様?」

 

早苗!こっちに来るんじゃぁない!

 

「早苗もいい年な訳だが、勇人を婿にしたらどうた?」

「!?」

 

あぁ、言ってしまった…

 

「えっ、いや…その…ちょっとすいません!」

 

そういうと、彼女は部屋を走って出た。あーあ。

 

「脈ありだね」

「どこがですか?はぁ」

 

少々、ここに居づらくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ…」

 

急に呼ばれたと思ったら、あんな話をされるなんて…思わず逃げてしまいました。神奈子様も、意地の悪いことを…でも、少し考えてしまいます。確かに勇人さんは悪い人ではないと思います。少々、無愛想ですが、料理を手伝ってくれますし、優しさはあるでしょう。好きか嫌いかと聞かれると好きな方に入るでしょう。…ってなにを考えているのでしょう、私。ちょっと、頬が暑いです……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の夕飯はなかなか面白かったな。勇人はどこか魂が抜けた顔をして食べてたし、早苗は顔を赤くして時折、勇人の方を見るし。神奈子も面白がってるな。こいつが来てから、早苗もよくなったと思う。やはり、外界から急にここに来たわけだから、少々寂しい思いをしてたのだろう。ここに来て、知人も増えたようだが、やはり同じ世界出身というのは大きかったのか、前よりもっと明るくなったと思う。早苗には本当に申し訳ないと思っている。急にここなら引っ越すことになったからな。

でも、この娘は嫌な顔せず、ここまでついて来てくれた。本当によく出来た娘だ。

彼に婿になってほしいと本気で思っている。彼の事情は紫から聞いている。彼も急にここに来た。最初の頃は、どこか固い感じがしたが、今は打ち解けてくれてると思う。昨日の夜にきっと事実を知ったのだろう。今日の彼の様子から、幻想郷で生きていく決意をしたようだ。あのような子は絶対強くなる。早苗を守ってやれる存在になれるだろう。早苗だって、勇人に対して悪い印象は無いはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よし」

 

俺は今外にいる。早苗には散歩しに行くと言った。守谷神社の保護範囲外には出ないでくださいと言われたが出る気は毛頭ない。

目的はこれだ。

 

「どう、霊力を込めればいいんだ?」

 

じいちゃんが俺に残してくれた銃である。ただ、使い方は書いていなかったので感覚で使うしかない。

えっと…シリンダーって言うんだっけ?そこに霊力を込める。

 

「お?」

 

弾倉に霊力による弾が、装填された。スムーズにできたな。じいちゃんの能力のお陰だろうか?

で、次にハンマー?を引き起こして、20メートル先の木に狙いをさだめ、引き金を引く。

 

パンッ

 

乾いた音が響く。音は思ったより大きくない。火薬を使ってないからか。反動もそんなにない。片手で撃っても問題なさそうだ。

 

パンッパンッパンッパンッパンッ

 

全6弾全て撃った。これは武器として相当使えるぞ。撃った木を確認すると6弾全て貫通していた。威力ヤベェ。弾も残らないしいいな、これ。リロードはシリンダーに霊力込めればいいのでそんなに時間がかからない。強い。他のも確認してみよう。

次は自動拳銃だ。ただ、これは何もされてないらしい。マガジンに霊力を込めても何も起こらなかった。これは自分で改造するしかないか。あと、リストバンドらしきものは全部で4つもあった何コレェ。試しにつけたが、何も起こらない。うーむ、とりあえず霊力流せばなんとかなるっしょ。

パシュッ!

 

「うぉっ!」

 

何か飛び出たぞ!これは、針?裁縫道具の針ぐらいだな。あれ?糸がついてる。リストバンドに繋がってるぞ。これで登れるのか?と思ったが地面に刺さった針は簡単に抜けた。なんだこれ?てか、針戻らんぞ。もう一度霊力を込めると針は戻った。

 

「もう一回!」

 

パシュッ!

今度は針に霊力を伝えるように霊力を込める。

 

「お?」

 

針が取れなくなった。霊力を込めるのをやめると簡単に抜けた。4つ全て試したが、1個だけ針が無かった。糸だけ出るのだ。とりあえず保留だな。

次はナイフだがこれは霊力を込めようが何も起こらなかった。あの時、宝石が輝いて見えたのは気のせいか?ナイフをよく観察すると持ち手の一番下の部分に穴が開いてる。はっ!もしかしてこれは…

 

「これをこうして…ほいっ、できた」

 

穴にさっき唯一針の無かったものの糸を通して結んだ。これで投げて…

 

「そりゃっ」

 

ドスッ

 

で回収したい時に

 

シュルシュル…

 

おぉ、これでナイフを投げて失くすことは無さそうだ。

 

 

「よしっ、これで一通り確認できたな」

 

自動拳銃の改造は明日からだな。とりあえず、今日は休もう。明日こそ空を自由に飛んでみせるぜ。

そんなことを考えながら夜の道を歩いた。




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