やっと二桁いきましたね、それでは本編をどうぞ!!
太平洋上空。
ペガサス・コーウェン周辺の上空を4機のMSが編成を組んで巡回していた。
先頭はフォード隊長とゲン・タチバナが操るスタークジェガン。
その後ろにジェガンD型が2機。
4機ともサブフライトシステムであるベースジャバーに乗って飛行している。
ゲン・タチバナがメインモニターを操作しているとサイドモニターが通信モードに切り替わりパイロット全員の顔が映し出される。
フォード隊長と、ノーベンバー2のハリヤ中尉、ノーベンバー4のリエ少尉だ。
ハリヤ・クラウスはノーベンバー大隊の副隊長であり、ノーベンバー2としてフォード隊長の傍らにいる。
ハリヤ中尉もバルト中佐と同じく幼なじみらしい。
ノーベンバー4のリエ・キサラギはゲン・タチバナの幼なじみで、彼と共に連邦軍に入隊し数少ない女性パイロットとして活躍している。
本来大隊長は佐官クラスが務めるが、元ノーベンバー1だったユウ・カジマはフォード隊長を隊長に任命し彼にノーベンバー大隊を託している。
<それにしてもゲン、どうしたの?スラスター全開にして飛ばしてくるなんて>
リエ少尉はゲン・タチバナがスラスターを全開にし超高速で飛んできたことに驚いたようで心配していた。
「別に、何でもないよ」
<そのわりには不機嫌じゃない>
「・・・・・・」
<おいフォード、タチバナ少尉が珍しく不機嫌だな>
<あぁ・・・それなんだがな。ゲンが叩き落とした女神を救出しただろ>
<らしいな>
<つい先ほど目を覚ましたようでな、艦長達と一緒に話を聞こうとしたら女神がゲンにこの化け物が!あんなの人の殺し方じゃないって言われてからこの調子だ>
<あー・・・あれだ、嫌なことがあったから全速力でかっ飛ばして忘れようとしたってやつか>
<ま、そんなところだな>
<ゲン・・・>
確かにゲン・タチバナは彼女の友人を殺した、これに変わりはない。
『この化け物が!レーザーで焼き殺すなんて・・・人の殺し方じゃない、お前らは化け物だ!』
彼女に言われたことを思い出してしまい、操縦悍を握っている拳に力が入る。
そんな事はわかっている、だが・・・戦争で正しい人の殺し方などない。
戦場で撃たれたらそれで終わりなのだ。
<やれやれ>
すると突然、ハリヤ中尉のジェガンがベースジャバーから飛び上がり、ゲン・タチバナのスタークジェガンが乗っているベースジャバーに乗り移った。
衝撃が全身を襲った。
「ハリヤ中尉!?」
<落ち着けよゲン>
ハリヤ中尉のジェガンがスタークジェガンの肩に装備されている3連装ミサイル・ポッドに手をのせた。
<考えてもしゃあないだろ、もう気にすんなよ>
「・・・はい、ハリヤ中尉」
<おう!さてせっかくだし、巡回も兼ねてレースでもするか?>
<馬鹿言わないでくださいよハリヤ中尉!ジェガンがスタークジェガンに付いていけるわけないじゃないですか!>
<面白ぇ、ならこっちはハンデとしてベースジャバーなしで飛んでやる>
「そんな無茶な・・・」
いくらスタークジェガンが重力下でも運用できるようになっていても、変形できるMSと違って長時間の飛行はできない。
それに宇宙と違って大量の推進剤を消費する。
切らしたら海水浴確定だ。
<だが飛ぶだけじゃつまらない、妨害ありだ>
そういってフォード隊長機のスタークジェガンはビームライフルを腰部にマウントし、ガッツポーズ。
要はMSの腕を使っての妨害ということだ。
「・・・壊したら整備班に怒られるってはっきり分かるんだよね」
<私は後ろでのんびり飛ぶから>
<ビリになったやつはそいつの秘密を暴露な>
<別に私にやましいことなんて・・・>
<そうか?前に体重計に乗って悲惨な顔をしたのはどこのどいつだったかなぁ>
<なッ!?どうしてそれを!?>
<おいハリヤ、詳しく>
<おうよ、実はな・・・>
<ハリヤ中尉!!それに隊長まで!?>
「やれやれ、何してるんだか・・・」
3人を見てゲン・タチバナは呆れて苦笑いをする。
すると突如レーダーが警告音を鳴らす。
メインモニターに目を向けると、レーダーに8つの反応があった。
それがこっちに向かってきている。
「フォード隊長!何かがこっちに向かってきています、恐らく・・・」
<あぁ、女神だろうな。また仕掛けてくるかもしれん、迎撃態勢をとるぞ>
<ノーベンバー2、OK!>
「ノーベンバー3了解です」
<ノーベンバー4了解!>
メインモニターを操作し、3連装ミサイル・ポッドを起動。
その後操縦悍のスイッチを操作しビームライフルを構え、向かってくる方向に銃口を向ける。
<んじゃ俺は戻るぜ>
ハリヤ中尉のジェガンが元々乗っていたベースジャバーに飛び移る。
<ペガサス・コーウェン、こちらノーベンバー1。巡回中レーダーに感あり、数は8でこちらに向かってきている>
フォード隊長がペガサス・コーウェンに緊急連絡をする。
サイドモニターが再び通信モードに切り替わり、艦長の顔が映し出される。
<こちらペガサス・コーウェン、了解した。本艦はこれより第1戦闘配備に移行する、ノーベンバー小隊は迎撃態勢!攻撃を受けるまで攻撃しないでくれ>
<ノーベンバー1了解!お前ら、聞いての通りだ、こっちからは絶対に攻撃するなよ>
「了解!」
<俺とゲンはシールドを持っていない為機動で回避する。ノーベンバー2と4は持ってるシールドで攻撃を防げ>
<ゲン、気を付けてね>
<当たんじゃねぇぞフォード!>
ハリヤ中尉とリエ少尉のジェガンが後ろに下がりシールドを正面に出して構える。
前衛はフォード隊長とゲン・タチバナ。
隊形を崩さずそのまま向かってくる方向に飛行する。
レーダーが徐々に反応が近づいてくる事をパイロットに知らせ続ける。
有効射程範囲に入り、MSのセンサーが敵を捉えて周囲モニターがそれを印で囲む。
操縦悍のボタンを押してロックオン。
ビームライフルの銃口が目標を追尾する。
<俺が声をかける、撃つなよ>
フォード隊長にそう指示され、引き金から少し指を離し、いつでも攻撃できるようにする。
彼は女神に対し呼び掛けを開始する。
<こちらは地球連邦軍、ペガサス・コーウェン所属のノーベンバー小隊だ。貴機はペガサス・コーウェンの周辺警戒域に侵入しようとしている。直ちに停止し、こちらの指示に従え。そちらからの攻撃を受けた場合、我々は貴機を迎撃する。繰り返す、こちらの指示に従え>
フォード隊長は繰り返し呼び掛けを続ける。
しばらくするとレーダーに表示されている反応がぴたりと動きを止め停止した。
それを確認したハリヤ中尉はフォード隊長に報告する。
<フォード、反応がぴたりと止まったぜ>
<確認した、接近する>
フォード隊長機に続き、ゲン・タチバナはペダルを少し踏み速度をあげる。
その後ろにハリヤ中尉とリエ少尉のジェガンが続いた。
メインカメラが反応の正体をはっきりと捉えた。
相手は・・・女神だった。
だが違和感を感じたゲン・タチバナはメインモニターを操作し気になった相手をズームして確認する。
7人は女性で一人は・・・男だった。
「男?女だけじゃなかったのか?」
<あの時は女しかいなかったからそう呼ばざるを得なかったんだろうさ>
フォード隊長はそういいながら散開して目標を中心に旋回し続けろと指示する。
それに従い照準を目標に合わせたまま旋回をし続ける。
<貴機らの停止を確認した、代表または責任者は誰か?所属と目的を明らかにされたい>
フォード隊長の呼び掛けに1機の女神が反応する。
どうやら彼女が部隊長のようだ。
<我々は臨時編成されたIS学園所属のものだ。我々の目的は、そちらが捕えているIS操縦者の救出とIS本体の回収、そして・・・太平洋に浮かんでいる巨大戦艦および貴官が操縦している人型巨大兵器の調査の為だ>
IS学園?
となると今ここにいる女神は学生だということか?
ゲン・タチバナは8機の女神を見つめる。
この前襲撃してきた女神と違い、それぞれが独特な形をしている。
格闘に特化していそうな純白のパワードスーツを纏ったイケメン男に深紅のパワードスーツを身に纏ったポニーテールの女、紫色で後ろに球体のようなものが浮いているパワードスーツを見に纏ったツインテールの女。
青のパワードスーツで両手にスナイパーライフルらしきものを持つ金髪縦ロールの女に、巨大な砲身を肩に装備した黒のパワードスーツを身に纏った銀髪で眼帯をしている女・・・いや少女。
前に見た女神のパワードスーツとは少し似ていて、色がオレンジで大きな盾を持つ金髪縦ロールに続いて同じく金髪の女。
その隣に前に襲撃してきた女神と全く同じパワードスーツで両手に多銃身のガトリング4門を装備した巨乳の・・・・失礼ショートの緑髪で眼鏡をかけた女。
<ゲン、今変なこと考えてなかった?>
「え?いや、何も考えてないよ」
<・・・・・・>
通信モニター越しでリエ少尉に睨み付けられた。
そして部隊長らしき者は黒髪を肩あたりで束ねていて目付きが据わっているのか、あるいはこちらを睨み付けているだけでそう感じるのか。
簡単に言えばちょっと怖い感じの女性だった。
他のパワードスーツと違い特徴がなく、手には長い刀が握られている。
<要は我々に接触することが目的ということか?>
<そうなる、我々は今までの経験上そのような巨大な人型兵器を見たことがない>
<・・・こちらとの接触は、国の命令によるものか?>
<国際IS委員会による命を受けている>
「国じゃない?・・・混乱してきた」
<私も何がなんだかさっぱり>
<奇遇だな、俺もだ>
ゲン・タチバナとリエ少尉の会話にハリヤ中尉が入ってきた。
ハリヤ中尉も理解できずにいた。
理解できないのもそのはず、彼らはこの世界のことについての情報が全くないのだ。
<これは直接艦長に聞いてみるしかないな>
フォード隊長はやれやれといった表情で艦に連絡する。
<ペガサス・コーウェン、こちらノーベンバー1。艦長>
<ユウ・カジマだ、どうした?>
<こちらの呼び掛けに女神が応じました、どうやら女神は例の2人の救出にきたようで・・・>
フォード隊長は女神達がこちらとの接触を希望していることをユウ・カジマに伝える。
相手はIS学園と名乗っており、パワードスーツを身に付けているのは学生である。
そして・・・女神の中に一人の男性もパワードスーツを身に付けていることも報告する。
ひとまずユウ・カジマは、相手に男性がいたことから女神と呼ぶのは難しいと考えた。
<仕方ない、今はこの世界の情報が欲しい所だったんだ。2人はまともに話を聞くことができない状況だからな、接触に応じよう。ベネズ中佐>
<はい、こちらの兵器等の知られると今後に響く可能性のある技術すべてを相手に見せないよう対処した方がいいかもしれません>
<そうだな、その件に関してはベネズ中佐に任せる>
<了解しました>
艦橋でユウ・カジマとベネズ中佐は話し合いしてフォード隊長に向き直る。
<というわけだ、この艦まで相手を誘導してくれ。なお、武装の解除を徹底させてくれ。MS巡回はシエラ大隊に引き継がせる>
<ノーベンバー1、了解。女神・・・いや、目標をペガサス・コーウェンに誘導する>
フォード隊長は艦との通信を切る。
<聞いたな、俺達はこれより目標を艦に誘導する>
<おいおい大丈夫かよフォード、艦にこいつらを迎え入れたら・・・>
<その点は問題ない、艦長達が対処している所だ>
<そうか・・・まぁ艦長命令なら仕方ないな>
「でもいい機会かもしれません、俺達にこの世界の情報が全くありませんでしたから」
<そうね、私もゲンと同じ考えです>
<確かにそうだな>
何て会話をしていると、目標から通信がきた。
長く待たせてしまったようだ。
<おい、我々はいつまでこうしていればいい?>
<おっと、相手さんご立腹のようですぜ>
<待たせてすまない、艦長と連絡を取っていた。接触の件に関しては了解した、これより貴機らを艦に誘導する。武装は解除し、我々の指示に従え>
<了解した>
目標は展開していた武器を消した。
それを見たハリヤ中尉とリエ少尉は驚く。
ゲン・タチバナとフォード隊長は前の戦闘でそれを目にしている。
<え・・・武器が消えた!?>
<おい・・・今コイツらその場で武器を消しやがったぞ!?>
<俺達の知らない技術ってやつだ、行くぞ。IS学園所属のもの・・・といったか、我々に続いて飛行せよ>
そういってフォード隊長機のスタークジェガンは進路をペガサス・コーウェンに向けた。
目標は全員フォード隊長の後に続く。
その目標の左右にハリヤ中尉とリエ少尉のジェガン。
後方にゲン・タチバナのスタークジェガンが続く。
こうして、ユウ・カジマ達は初めてこの世界の人間をペガサス・コーウェンに招き入れる。
世界はまた刻々と変わろうとしていた・・・。
お疲れさまでした!(^o^)
また評価・意見等お待ちしてます!