IS/MS   作:ジャスティ―☆

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16話突入です!
更新が遅くなりすみません!
では本編をどうぞ!


本来の用途から外れたIS、戦争の為に造られたMS

彼女達を部屋に案内した後ゲンはまたしてもMSデッキへと足を運んでいた。

皆疲れていたのだろうか、寝息をたてて寝てしまった。

一夏もゲンの部屋にある誰も使用していないベッドで寝ている。

MSデッキに到着すると同時に格納されているジェガンのコックピッチハッチが開いた。

中から出てきたのはリエ少尉だった。

 

「リエ?」

 

「ゲン、案内がてら休憩してたんじゃなかったの?」

 

「案内は終わったよ、皆部屋に入るなり疲れて寝ちゃったんだ」

 

「そっか」

 

リエはリフトから降りてゲンに歩み寄る。

彼女の手にはMSの整備に使われた端末があった。

 

「整備終わったのか?」

 

「うん、丁度今終わったところ。ゲンは?」

 

「休憩したから機体の整備確認でもしようかなって」

 

「・・・・本当に休んだの?早すぎない?」

 

「大丈夫だって」

 

「そんなこと言って、ゲンってばいっつも無理するんだから!この世界に来てからの出撃回数が多いのはゲンとフォード隊長だけよ?フォード隊長はさっき部屋で爆睡してたけど、ゲンは動きっぱなしじゃない」

 

「ちゃんと休んでるから大丈夫」

 

「はぁ・・・まぁ、言っても無駄なのは幼いときから知ってる。けど無理だけはしないでね?」

 

「うん」

 

「もう遅いから程々にしてね、おやすみなさい」

 

彼女はそういってMSデッキを後にした。

腕時計を確認してみると時間は22時になったばかりだった。

MSデッキを見渡してみると、殆どの整備員は自室に帰っていていない。

愛機であるスタークジェガンの足元で機体を見上げる。

整備が完了していて、外されていた装甲が元に戻されていた。

リフトに乗り機体のコックピットまで登って中にはいる。

コックピットのモニターを操作し電源を入れる。

動力の始動はしない。

モニターを操作するだけなので動力を使う必要が無いからだ。

 

「・・・・ひとまず機能点検だ」

 

モニターを操作し、機能点検を始める。

光学カメラに異常はない。

周天囲モニターにノイズがないか、表示を何回か変えて異常がないことを確認する。

整備上がりなので設定がリセットされている所をもう一度設定する。

気づけば時間は23時になっていた。

 

「ん・・・もう1時間たったのか」

 

手にしていた端末を操作し、整備リストに確認した項目をチェックをしていく。

一通りチェックを終えたゲンはコックピットシートに座ったまま背伸びをする。

 

「もう終わった?」

 

「うわぁッ!?」

 

声をかけられてビックリしたゲンはシートから転がり落ちる。

 

「痛ッ!!」

 

「およよ?大丈夫?」

 

コックピットのハッチに座っている人物を見たゲンは驚く。

そこには・・・部屋で寝ていたはずの篠ノ之博士がいた。

 

「な・・・何で篠ノ之博士がここにいるんですか!?」

 

「何でって・・・もちろんこのMSっていうのが気になってるから!」

 

「はぁ・・・機密事項なのに・・・」

 

コックピットの中を彼女に見られてしまったゲンはひとまず機体の電源を落とす為、モニターを操作しようとするが・・・彼女に止められてしまう。

 

「何をしようとしてるのかな?」

 

「整備を終えたので電源を落としているんです。手を離して貰えませんか」

 

「嫌」

 

「離してください」

 

「嫌」

 

「はぁ・・・」

 

あまりにも頑固過ぎる彼女にゲンは溜め息をついてしまう。

これ以上彼女にこのMSに使われている技術を見せる訳にはいかない。

こうなったら最終手段。

外部から強制的に電源を落とすしかない。

 

「すみません、そこどいてもらっていいですか?」

 

「お、私に見せてくれる気になったのかな!?」

 

「いや、機体から降りたいだけなんですが・・・」

 

「電源落とさなくていいの?」

 

「ロックかけたのでもう操作できませんよ」

 

篠ノ之博士がハッチからリフトに移動した。

ゲンはこの時を待っていた。

 

「ッ!!」

 

「ッ!?」

 

ゲンはコックピットから飛び出し、リフトには乗らずにそのまま機体から飛び降りる。

機体は立たせて格納してあるのでそれなりの高さはある。

着地に失敗すれば骨折は免れない。

 

「嘘!?この高さから飛び降りた!?さては外部から電源を落とす気だね!」

 

「気づいた時にはもう遅いです!!」

 

無事着地に成功したゲンはMSデッキの操作端末まで走り、素早く操作して電源を強制的に落とした。

機体の電源を落とす事に成功したゲンは機体の足元に戻り篠ノ之博士に呼び掛ける。

 

「いつまでもそこにいないで降りてください」

 

「む~・・・またしてもキミにやられた。この艦の艦橋とか機関室等にも入れなかったし」

 

「何て事してくれてるんですか貴女は・・・」

 

彼女はリフトで機体から降りる。

 

「何で束さんに見せてくれないのさ」

 

「・・・・・貴女と一緒だからです」

 

「え?」

 

「貴女がこの世界でISを造って世界を変えてしまったように、このMS・・・いや俺達が持つ技術を流してしまえば、世界を大きく変えてしまうからです」

 

「・・・・・・」

 

「ここにあるMS、俺達が今のっている艦はISと違って最初から戦争することを前提として造られている兵器なんです。こんな物がこの世界に流れてしまえば戦争になりかねない」

 

「戦争することを前提として造られたの・・・?」

 

「・・・はい、残念ながら」

 

彼女の表情が急に変わる。

格納されているMSに向けられている目は・・・恐怖の目だった。

 

「貴女が今ここにある技術に手を出して何をしようとしているのか分からないけどおすすめはしません。貴女は今まで通り今持てる最高の技術でISを作り、研究していけばいい。じゃなきゃ、また同じ道をたどることになります。今の貴女は逃げているようにしか見えません」

 

「逃げてなんかないッ!!」

 

「・・・・・」

 

「ISは・・・本来なら宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツになるはずだった・・・。私はISを世界に広めようと発表したけど・・・皆して夢の産物だとか言って認めてくれなかった!だから私は・・・どんな手段を使ってでもISを全世界に存在を認めさせた!でもそれが兵器として使われた・・・私はそれが許せない、だから私は世界を壊す。・・・今の世界はつまんない、大っ嫌いッ!!」

 

篠ノ之博士の大きな声がMSデッキ内に響いた。

気づけば彼女は泣いていた。

かなりのショックだったのだろう。

自分の造った発明品が、望まぬ用途で・・・戦場で使われた。

そして世界は間違った方へと進み変わり果てた。

それがこの世界の・・・今の現状だった。

 

「・・・・世界を壊す事については考え直した方がいい。もう一度考えて、これからどうすればいいのかを決める。まずはそれからです」

 

ゲンはそう言いながら彼女の頭を撫でる。

我慢の限界だったのか、彼女は突然ゲンに抱きつく。

困ったゲンは彼女を落ち着かせるために慰める。

彼女の鳴き声は・・・MSデッキ全体に響いていた。




読んでくれてありがとうございます!
原作の束さんじゃなくなってきてるって思う人はいるかもしれません(^o^;)
それでもという人は引き続き「IS/MS」をお楽しみください!
評価・意見等お待ちしてます!

※タグに「束さんっぽくない」を追加しました

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