3話の設定で意見があり、考え直して編集しました!
意見をくださったかたありがとうございます!
ユウ・カジマ達はペガサス・コーウェンの正面に現れた不明機を見て動けずにいた。
別世界とはいえ、MSが存在することを前提にしていたユウ・カジマの予想は大きく外れたからだ。
その不明機がMSではないなら何なのか?
目の前にいる存在について誰も答えることができない。
MSよりもかなり小さく、独特なデザインのパワードスーツのようなものを身に纏った二人の女性。
一体どういった構造で空中に浮かんでいるのか。
だが真っ先に注意しなければいけないのは、相手が武器を持っているということ。
2機の不明機は片腕にアサルトライフルが、もう片方は楯を持っている。
しばらくするとその銃口がこっちに向けられる。
「艦長!不明機にロックされました・・・!!」
ふとレーダーをみたクルーが不明機にロックオンされたことを報告する。
艦橋に警告音が鳴り響く。
「前方のMSと火器管制は正面の不明機に照準、攻撃用意!」
ユウ・カジマは咄嗟に指示を出す。
動きを止めていたMSは再び動きだし、ビームライフルの銃口を、ミサイルランチャーの発射口を目標に向けてロックオン。
前方にあるすべてのメガ粒子砲も目標を捉えた。
「・・・・艦長、国際救難チャンネルに再び不明機からの通信!」
通信オペレーターはユウ・カジマに顔を向ける。
彼の選択を伺っているのだろう。
答えるべきかそうかを。
「ベネズ中佐、この状況をみて今の俺達がどういう状況にあると思う?」
隣にいた女性副艦長のベネズ中佐はユウ・カジマの問いに答える。
「最初はなんとも考えておりませんでした。宇宙戦艦であるドゴス・ギア級3番艦ペガサス・コーウェンが重力下で飛行できず海上で辛うじて浮いている。敵からみれば格好の餌食でしょう、相手が戦艦かMSであればの話ですが。・・・しかし、今我々の目の前に存在しているアレをこの目で見て思いました。我々は・・・異世界に来てしまったのではないかと」
どうやらベネズ中佐もアレをみて自分達が異世界に来てしまったという考えを持ち始めたようだ。
「俺もそう思っている、考え始めたのは多分俺が先だろう。アレをこの目で見る前の・・・俺達が海の上で浮かんでいた時から俺はそう考えていた」
「そうでしたか・・・。しかしなぜそのような質問を?」
「俺達が異世界に来てしまったのが事実だとしたら、我々には味方がいない。頼れるのはこのペガサス・コーウェンの全乗組員とMSのパイロット達だけだ」
「つまり・・・」
「あぁ、俺達は今、命綱がない状態で別世界に存在していることになる」
「「・・・・・・・」」
ユウ・カジマの一言で、艦橋にいる全クルーは絶望した。
味方はどこにもいない、それだけでなくいずれ必要となる艦やMSの補給すらない。
下手をすればこのまま鉄屑になり朽ち果てることになるからだ。
「皆、俺は一先ず相手の呼び掛けに応じようと思う。というより、味方がいない状況でそれ以外の答えはないと思うだろう。俺は異世界でこのまま朽ち果てるつもりはない、皆の意見を聞かせてほしい」
ユウ・カジマは艦橋の全クルーを見渡す。
突然すぎる選択。
この選択が今後に大きく響く。
皆はそれを理解していたため、すぐに答える者は出てこなかった。
数分後、クルーの皆は決断しついに答えを出した。
「艦長、我々はこのペガサス・コーウェンに乗った時から我々の命を貴方に預けています。その命をどう使うかは貴方の自由です。我々は軍の誓約通りに宣誓しここにいる、覚悟はできています。我々は・・・艦長のご決断を支持します!」
一人のクルーがそう宣言すると、全クルーは不動の姿勢を取り、ユウ・カジマに対し敬礼を行った。
ユウ・カジマは艦長席から立ち上がる。
「・・・ありがとう、皆。誰一人死なせることなく全力で生きよう」
それを聞いた全クルーは笑顔を見せた。
隣にいるベネズ中佐も密かに微笑んでいる。
「よし、総員配置につけ!・・・国際救難チャンネルを開いてくれ、相手に応じるぞ」
「了解!」
テンキーを操作し、受話器を手に取り耳に当てる。
「・・・通信繋がりました!」
通信オペレーターは繋がったことを報告した。
ユウ・カジマは相手に応じる。
「・・・・こちらは地球連邦軍所属、ペガサス・コーウェン。そちらの所属と目的を明らかにされたい」
しばらくすると、返事が帰ってきた。
<我々は日本国自衛隊より出撃要請を受けた国際IS委員会日本支部だ。我々は日本の領海に接近している貴艦に対し進路の変更及び誘導、もしくは撃沈を目的としてる。しかし貴艦の所属についてだが、我々は地球連邦軍という組織は存じていない。ふざけているのなら、事と次第によっては撃沈する。それに・・・貴艦の上に存在している巨大な人型兵器はなんだ?>
正直ユウ・カジマはついていけなかった。
日本なら知っている。
だが自衛隊という組織は知らない。
国際IS委員会日本支部、そもそもISとはなんだ?
彼女のいっているすべてが理解できなかった。
「艦長、目標は我々のMSを鹵獲するかもしれません。MSには核融合炉が搭載されています。それが相手に鹵獲されれば・・・」
「相手はMSのことを知らないようだった。だとすれば我々の持っている技術はこの世界にないということになるな。厄介だ・・・」
「我々の持っている技術が流れてしまえば深刻な事態になります」
「そうだな」
ユウ・カジマは再び受話器を耳に当てて先ほどの質問に答える。
「ふざけているつもりはない、それに我々はそちらのいう国際IS委員会や日本国自衛隊という組織を知らない。なお、我々の兵器を鹵獲するような行動が見受けられた場合、本艦はそちらからの先制攻撃と見なし迎撃する」
ベネズ中佐に顔を向けると、彼女は攻撃態勢が完全に整ったことを知らせる。
レーダーを監視していたクルーからは、本艦が後方から来た不明機に囲まれたという報告を受けた。
通信でやり取りしている間に、ベネズ中佐が火器管制及び側面・後方に待機しているMS隊に攻撃用意を命じていた。
これで本艦は万全な態勢がとれた。
<ふん!男の癖に、我々に勝てると思っているのか?ではこちらも、貴艦は我々に対し挑発行為を行ったと見なし対処する!>
それきり通信が一方的に切られてしまった。
結果・・・話がまったく噛み合わずに終わり、戦闘になる。
「来るぞ!総員、目標を敵とする!以後【女神】と呼称!全MS隊、相手からの攻撃を受け次第攻撃開始!!火器管制は全方位を警戒及び迎撃!艦に近づけさせるな!」
ユウ・カジマが命令した直後、女神が攻撃を開始し艦に命中。
着弾した衝撃が艦全体に響くが、ペガサス・コーウェンは無傷。
頑丈な装甲はそう簡単に破れはしない。
「総員攻撃開始!!」
「攻撃開始!」
ユウ・カジマは攻撃を命じ、ベネズ中佐の復唱で艦内に警報が鳴り響き戦闘がはじまった。
選択したのは・・・抵抗という名の戦闘だった。
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