IS/MS   作:ジャスティ―☆

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第6話になります!
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存在を消された女神、激変する世界

ビームサーベルを振り下ろしたジェガンD型。

女神は爆発することなくビームに焼き消されこの世から存在を消した。

これで終わりに見えるだろう。

だが・・・ゲン・タチバナは違った。

 

「・・・・・ッ!?」

 

彼はビームサーベルで焼き消した女神・・・いや、怯えた表情をした女性の顔を脳裏に焼き付けてしまう。

それだけではない、この世から消滅し本来聞こえるはずのない悲鳴が後から頭の中で響いたのだ。

彼女はこう叫んでいた。

 

(嫌・・・!!死にたくないッ・・・・お願い助けて!!嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?)

 

元の世界ではMS同士でジオンの残党と戦い、幾度となく敵を殺してきた。

だが相手はMSではなく、パワードスーツを身に付けた生身の人間。

MSだったら乗っているパイロットの死に様を見ることはなかったが、彼は今それを初めて間近で目にした。

そして知った、ビーム兵器で討たれた人間の死に様を。

ゲン・タチバナは頭痛で額に手を当てる。

しかし戦場は待ってくれない、コックピット内で接近警報が鳴り響く。

レーダーを確認すると敵が後方から2機、こちらに向かって来ている。

偶然敵の通信を傍受したのか、敵の声が聞こえる。

 

<貴様あぁぁぁ!!!よくも・・・よくもアタシの友人をッ!!>

 

操縦悍を再び握り、機体を反転させる。

さっきと同じように近づいてくる2機の敵がブレードの剣先をこちらに向けて突撃してくる。

彼女達の殺気がよく伝わってくる。

 

「言ったはずだ!戦場では死ぬか生きるかの2択だと!!」

 

武装を切り替えバルカンポッドを女神に照準を合わせ連射する。

しかし女神はそれを避けることなくそのまま真っ直ぐ突っ込んでくる。

操縦悍を操作し、シールドを構える。

ペダルをベタ踏みし、スラスターを全開。

ジェガンはベースジャバーから飛び立ち突っ込んでくる女神を正面から迎え撃つ。

強烈なGが体を襲う。

距離が徐々に近づき、振り下ろされたブレードがシールドを叩きつけた。

操縦悍を強引に操作し、ジェガンは左腕に装着されているシールドで女神を海に叩き落とす。

ハエ叩きで叩かれたような感じで2機共水柱を立てて海に落ちた。

戻ってきたベースジャバーに乗って機体を上昇させ、敵との距離を離す。

操縦悍のスイッチを操作しビームライフルに切り替える。

ジェガンはビームライフルを右腕に装備する。

照準を女神が落ちた海面に向けて引き金を引く。

ジェガンはビームライフルの引き金を引き銃口からビームが放たれた。

ビームによって海水が蒸発する。

メインカメラで海面を確認すると、先ほどの二人が意識を失って浮かんでいた。

 

「またIフィールドか・・・」

 

彼女達が生きているのなら、恐らくトラウマになっているだろう。

人間よりもはるかに大きいMS、高出力のビーム兵器を直接受けた恐怖。

考えたくもなかった。

彼女達はパワードスーツを装着しておらず、水着のような物を着ていた。

通信モニターが表示され、フォード隊長の顔が映される。

 

〈ゲン、無事か?〉

 

「フォード隊長」

 

〈その様子だと無事のようだな、よくやった〉

 

「何機落としました?」

 

〈それがな、逃げられちまった。お前が1機目を落としたとき、俺と戦ってた2機が血相変えてお前の所に突っ込んでったぜ〉

 

海上に叩き落とした二人がそのようだ。

通信モニターがもうひとつ表示される。

呼び出し先はペガサス・コーウェンだ。

 

〈敵機は撤退した模様、MS隊は数機をカタパルトに残し帰艦してください。尚、艦長より生き残った女神は救出し帰還せよとのこと。繰り返します・・・〉

 

メインカメラをペガサス・コーウェンに向ける。

敵は既に撤退していて、カタパルトデッキではMSが散らかった武器や薬莢を片付けていた。

 

〈んじゃ、拾って戻ろうか〉

 

「了解、救出します」

 

高度を海面ギリギリまで落とし、武器を持っていない左手で二人を救出する。

ジェガンの左腕を前方に出し、手をコックピットの前に近づけた。

コックピットハッチを開き、ジェガンの手のひらに乗り救出した二人のバイタルを確認する。

 

「フォード隊長、二人とも気を失っているだけでバイタルは正常です」

 

〈了解、念のため暴れないよう拘束だ〉

 

コックピットからフォード隊長の面倒くさそうな声が聞こえた。

手を後ろにしてワイヤーで縛る。

二人をコックピットの下部に寝かせ、シートに座る。

ハッチを閉鎖し救出は完了した。

 

「救出完了です」

 

〈帰ろうか!ペガサス・コーウェン、こちらノーベンバー1、ノーベンバー3は生き残った女神を救出。これより帰艦する〉

 

〈ノーベンバー1了解、ノーベンバー3、お疲れ様でした。気をつけて帰艦してください〉

 

「了解」

 

操縦悍を握り機体を艦に向けた。

とはいっても、遠く離れている訳でもなかったので直ぐに到着し、カタパルトでベースジャバーを降りた。

カタパルトデッキにいるMSが道を譲ってくれた。

そのMSは濃い茶色に紫色のバイザー、肩にヒートナイフを装備したエコーズ仕様のジェガンだ。

 

〈お疲れ様、ゲン〉

 

パイロットはゲン・タチバナがいつも世話になっているローベル大尉だ。

 

「ローベル大尉、ご無事で!」

 

〈女神が手にしていた武器の口径がかなり小さいかったからかすり傷すらないよ、心配してくれてありがとう。ゲンも偵察お疲れ様〉

 

「お疲れ様でした、ローベル大尉」

 

MS同士でお互いに敬礼し、ゲン・タチバナが操るジェガンD型はMSデッキに進む。

機体の格納が完了し、コックピットハッチを開放。

そこにはエコーズの隊員が数名、武器をもって待機していた。

 

「ようゲン!異世界でも変わらずの撃墜王だな」

 

「相手が相手でしたから、捕虜は下で横になってます」

 

ゲン・タチバナはコックピットシートの真下で寝ている救出した二人を指差す。

まだ目覚めていないようだ。

 

「はいよ、お疲れさん!よし運ぶぞ」

 

「「了解」」

 

救出した二人をエコーズに任せてコックピットを出る。

向かう先はフォード隊長機。

丁度格納が終わったようでコックピットから出たところだった。

 

「フォード隊長」

 

「おうゲン!お疲れさん!」

 

お互い手を上げて軽くハイタッチ。

そのまま艦長室へ向かう。

急な出撃だったため、二人は制服を着たまま戦闘に参加していた。

その為着替える必要がなかった。

ユウ・カジマに呼ばれたのは偵察の報告をする為。

記録は常時ペガサス・コーウェンに送信していたのでジェガンD型から記録をコピーする手間は省けた。

艦長室にたどり着き、互いの服装を確認してインターホンのボタンを押す。

扉が開き、二人は艦長室へ入室した。

 

 

 

太平洋での戦闘が終わって三時間後。

事態は全世界で若干規制がかけられたが報道された。

謎の勢力が太平洋上に出現、戦闘が発生した。

そしてこの報道が世界を大きく激変させた。

戦闘で1機のISが完全に消滅。

2機のISと二人の操縦者が謎の勢力に囚われた。

そして、巨大な人型兵器が高出力のビーム兵器を持って戦っている映像が全世界に流れてしまった・・・・。




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