アギトサイドの人物が女性化していますが、それでもよろしければ
横須賀女子海洋学校を卒業した氷川真琴は、ブルーマーメイドの中でも異質な《特殊状況海難科》に配属された。艦長が在学中から氷川に注目していたのが理由だと配属された時に聞かされた。
そこは従来の指揮系統からも外れている、よく言えば独立部隊、悪く言えば窓際部署的なところだった。
その原因は艦長の小沢澄子にあった。
12歳で海洋工科大学を主席卒業、のちに15歳で博士課程を修了した才媛。その小柄な体でも怯むことなく上層部に物申す彼女はかなり敵が多かった。
「艦長、西ノ島付近で局地的な嵐が発生し、艦が難破している模様!最も誓い我々が救助任務に当たれとのことです」
B3シップの航海長尾室弘はブルーマーメイド本部からの通信を報告した。
「氷川ちゃん、B3での初陣よ!」
小沢と大学時代の恩師であるDr千葉が開発した《B3ユニット》とは、水圧、火災、有毒ガス、あらゆる状況に耐えられる装甲に様々な装備を備えたパワードスーツだ。しかし、それを装備した時の負担は計り知れず、事実今まで何人もの候補者がいたが実践の投入できるだけの戦果を上げれずにいた。
「あの…、本当に私なんかで大丈夫なんでしょうか?」
横須賀女子海洋学校在学中に小沢に目を付けられていた氷川真琴は卒業と同時にB3の試験を受け(させられ)た。身体能力、学習能力、状況判断能力などあらゆる適正試験を、氷川は見事にパスし、B3装着者として任命された。
「女のくせにぐだぐだ言わない!ほら早く脱ぐ!」
「きゃあっ!」
自分より背も歳も下の上司に制服を脱がされた氷川は専用のアンダースーツを慌てて着た。そして、第三世代型強化外骨格および強化外筋システム・・・、《B3システム》の各ユニットを装着し始めた。
脚部、腕部、胸部と装着し、最後に小沢が頭部ユニットを被せた。天パ気味な氷川のミディアムヘアを噛むことなく装着は完了した。
尾室は全てのユニットが正常に装着されたことを確認する。
「装着完了」
氷川真琴はハイテクな海の鎧を纏いし戦士・・・B3へと変身したのだ。
小沢艦長はキーボードを操作し、B3シップの後部ハッチを開いた。
「マルヒトサンニー、B3システム救助オペレーション開始!」
B3となった氷川は専用水上高速艇ブルーチェイサーで出動した。
海上を走るブルーチェイサーは五秒後には時速二百キロに達し、目標の船に向かった。
あかつき号
船の側面にはそう書かれていた。
† † † † † † †
あかつき号に接舷した氷川はGA-04 アンタレスを右腕に装着しアンカーを発射。甲板の手すりに引っ掛けるとワイヤーを巻き上げ乗船した。
「ブルーマーメイドです!誰かいませんか!」
氷川は呼びかけながら船内へと入っていった。嵐で壁などが凹み、鉄骨が行く手を塞いでいた。
「はぁっ!」
左腕に装着したGS-03 デストロイヤーで鉄骨を両断すると、その奥は食堂だった。
そこに・・・・
「君!大丈夫かい?」
6~7歳くらいの少女がそこに倒れていた。
そして、その手には封筒が握られていた。
結局、あかつき号には少女一人だけしか乗っていなかった。
少女は衰弱こそしていたが、体に怪我などはなかった。
ただし・・・・・
† † † † † † †
「あなた、あたらしくはいった子?」
ここは呉の児童擁護施設。あかつき号で保護された少女はここに預けられた。
声をかけてきたのは、河豚がプリントされたTシャツを着たおさげの女の子だった。その後ろには大人しそうな少女もいた。
「…うん」
「ねぇいっしょにあそぼ!」
「ダメだよミケちゃん、そんなむりやりさそったら。ゴメンね、びっくりしたでしょ」
「…ううん」
「わたし、もえか」
「あたし、みさきあけの!あなたは?」
「えっと…」
あかつき号で保護された少女は・・・記憶喪失だった。
救助された時握っていた封筒に書かれた宛名、それが本名かの確証は無かったが、身元が分かるまでの便宜上それを名乗るようにと、少女は助けてくれたブルーマーメイドの氷川真琴に言われた。
「つがみ…、しょうこ」
あかつき号事件の生き残りの少女、津神翔子は名乗った。
まずは簡単に一話を載せてみました
次回から本格的に出航です