うちのサーヴァントは文学少女可愛い   作:Ni(相川みかげ)

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UA10万突破!& 原 作 開 始!

なんとかエタらずにやってこれたのも読者様のお陰です!ありがとー!

サブタイはわかる人にはわかるネタ。


11.うっわー、恥ずかしい格好!

「なあなあ、士郎氏よ」

「ん?どうしたんだ明日望?」

「士郎氏、確かメチャクチャかわいい人形みたいな妹いたよな?」

「まあ、妹はいるけど……まさかお前、イリヤにちょっかいかけようとしてるんじゃ」

「そうじゃないって。そんな事したらえっちゃんに顔向けできない。……例えばだ。その妹さんがフリフリの衣装で魔法少女やってたらどうする?」

「魔法少女?……っていうとイリヤがよく見てる『マジカル☆ブシドームサシ』とかいう奴みたいな?」

「そうそう」

「う〜ん、俺はあんまりそういうの詳しくないからなあ。でも、イリヤが自分で決めてやってる事なら応援するよ。……兄としては気が気じゃないし、あんまり危ない事はしてほしくないけどな。あと、スカートはもうちょっと長い方がいいと思うぞ」

「ほうほう。……それじゃもう一つ質問。もしそんなフリフリの衣装を同級生の女の子が恥ずかし気もなく着て、自らを魔法少女と言い張っていたらどう思う?」

「……凄まじいな。いや、内容じゃなくて精神性が。その、言いたくはないけど年を考えろと」

「だよねー」

 

 

 

 

 なんて事を士郎氏と話してた日の夜。夜空には流れ星が瞬いていた。……正確には魔術の光弾だ。

 

 ファンシーなステッキを手に持ち、動物の耳としっぽの装飾、そしてフリフリとした格好の2人。

 黒髪を束ねたツインテールの少女、遠坂凛と金髪の今時珍しい縦ロールが特徴的なルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト。

 片方は赤。片方は青。対極のカラーリングの衣装を見に纏う2人はステッキから光弾を放ち、戦っている。格好だけ見ればアニメでよく見る魔法少女だ。……格好だけは。

 

 互いに罵り合いながら光弾をぶつけ合うその姿は、とてもじゃないが魔法少女というイメージからはかけ離れていた。醜い争いそのものである。そしてその2人は何処からどう見ても高校生程の年齢だった。どちらも贔屓目で見てもギリギリ中学生と言ったところか。少女と自称するには厳しい年だ。正直、痛々しい。

 

「うっわー、恥ずかしい格好!」

「マスターさん、マスターさん。それだと私の戦闘服も貶されているような気がするのですが」

「えっちゃんはオンリーワンだから良いんだよ!どんな格好してても可愛いからな!……本当アイツら年を考えろよ!優雅はどうした!」

 

 俺達は冬木大橋からその光景を見ていた。魔力の反応を感じ取り、家からすっ飛んできたのだ。おかげでえっちゃんとの至福のゴロゴロタイムが無くなってしまった。絶許。えっちゃんも家から出るのを嫌がっていたが、雪見だ◯ふくに釣られて一緒に来た。ちょろい。

 

 周りには人っ子1人いない。俺が(・・)人除けの結界を張ったからだ。……魔術の秘匿とは一体何だったのか。

 まあ、今、上空でキャットファイトを繰り広げている遠坂凛とルヴィアの持つファンシーなステッキ――魔術礼装の『ルビー』と『サファイア』はカード回収の任務の為に貸し出された魔法使いが製作したヤベー奴らだ。最悪洗脳(ナニカサレタヨウダ)で記憶は簡単に何とでもなるのだろう。

 

 問題はその魔術礼装が自意識を持った自立した礼装である事だ。この状況を面白がっているが故にあの魔術礼装達、主にルビーは結界を張らなかったのだと思う。おそらく喧嘩に夢中になっている2人は気づいていない。

 そして、魔術に関する不都合なところだけ消して、遠坂さんちの凛ちゃん達の恥ずかしい格好をネットにばらまこうとしてたに違いない。きっとそうだ。

 

「そう思っているなら、何でマスターさんは写真をそんなに撮っているの?」

「いや、何かに使えるかもしれないし」

 

 というか、わざわざ結界を張って観衆の見世物になる事を防いだのだからいざという時の脅しの材料(このくらい)は許してほしい。

 そう思いながらこの日の為に買っておいた高性能カメラで余すところなくその姿を写し撮る。アングルが固定されてるのは残念だが、これでも十分だろ。

 

「あ、落ちた」

「落ちましたね」

 

 俺が何十枚の写真を撮った後、とうとう痺れを切らしたルビーとサファイアは未だに喧嘩を続けようとしている2人の転身を解き、何処かへ飛び去っていった。……客観的に見ると杖が独りでに飛んでく姿ってなかなかシュールだな。

 とはいえ当事者の2人にとっては笑えない。彼女達が空の上で喧嘩出来たのは魔術礼装の補助があったこそであり、転身が解かれ、魔法少女の姿では無くなった彼女達が空を飛ぶ術はないからだ。

 

 程なくして春の未遠川に大きな水しぶきが2つ上がった。

 

「……助けに行くか」

「りょーかい、です」

 

 本当に、気分は乗らないけれど仕方なく助けに行く事にした。

 

 

 

 

 ――ああ、また1ついらない知識が増えてしまった。

 

「……アンタのせいでびしょ濡れじゃない!」

「それはこちらのセリフですわ!そもそも貴女がもっと早く私の前からいなくなれば……!」

「何ですってこの縦ロール!」

「喧嘩なら受けてたちますわよ、この成金女!」

 

 ――女は、醜い。

 

 こんな事実知りたくなかった。

 重力軽減魔術などを駆使して無傷で未遠川に着水した彼女達は自力で岸まで辿りつき、それでもまだ喧嘩を続けていた。

 そんな2人の淑女()を間近で見て、そんな感想しか抱けなかった俺は何か間違っているのだろうか?間違ってないと思いたい。

 

「おお、えっちゃん。やっぱり信じられるのは君だけだ。えっちゃん世界一かわいいよ……!」

「マスターさんくすぐったい、です」

「ちょっとそこ!何いちゃいちゃしてるのよ!」

 

 現実逃避にえっちゃんを抱きしめて首元に顔を埋めていると、喧嘩を一旦、止めた遠坂凛がこちらに怒声を浴びせかけてきた。

 

「アンタ一体何者よ!なんで人除けの結界を張ってるのに……」

 

 手には魔術の触媒となる宝石。時計塔でも有数の宝石魔術の使い手である彼女がそれを手に持っているという事は即ち、「此方はいつでもお前を攻撃できるぞ」と言っている事と同義だ。

 動きを警戒しつつ、質問に答える。

 

「張ってなかったぞ」

「……え?」

「あんなフザけた魔術礼装に任せたのが失敗だったな。最初から最後まで恥ずかしい格好を晒してたぞ。こんなことで魔術の秘匿とやらは大丈夫なのか?」

「ああああああルビイイイイイイイイ!!」

 

 ……マジで気づいてなかったのか(呆れ)。……いや、ちょっとした英国式ジョークなんだろう。さっきは冗談でああ言ったけど、流石に本気で魔術の秘匿の事を愉快型魔術礼装(あんなの)頼りにして、自分達は忘れて喧嘩してた訳じゃないはずだ。多分。きっと。

 

「……それで、結局貴方は何者ですの?人除けの結界の事を知っているという事は魔術師のようですが、それなら一応(・・)この町のセカンドオーナーである遠坂凛が貴方の事を知っている筈ですが」

「一応って何よ!」

「そりゃ知らなくて当然だ。俺はこの町の魔術師じゃないからな。……っていうかアンタらにもちゃんと説明されてると思うんだが?」

「……って事はアンタが協力者!?」

「そういう事。俺の名前は蒔本 明日望。お前でもアンタでもまーくんでも、好きなように呼んでくれたまえ」

「……驚いた。専門家の魔術師が1人協力するって聞いてたけど、てんで弱っちそうじゃないアナタ」

「大丈夫だ。俺はともかく、えっちゃんは強いからな」

「そりゃそうでしょうよ。変な格好してるけどその子、英霊なんでしょう?……全く、英霊の召喚なんてどんな裏技を使ったら……」

 

 ……なるほど、そういう話になってるのか。流石に抑止力云々までは遠坂凛達には説明されてないか。所詮、ハッタリだしどう捉えられててもいいけどさ。

 どう伝わっているのかは知らないがえっちゃんがサーヴァントである事も知っているらしい。説明の手間が省けるし此方としては楽だ。

 此方の素性がハッキリしたからか少しだけ向こうの警戒心は薄れたようだ。

 

「……まあいいわ。アンタはともかく隣のその子は頼りになるでしょうし。わたしは遠坂 凛。この冬木市のセカンドオーナーよ。短い期間でしょうけどよろしく」

「オーッホッホッホ!私はルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト。この任務の暁には魔法使いの弟子となる偉大なる魔術師ですわ!精々そこの英霊と共に私の為に働きなさい!」

 

 少しだけ不安を覚えなくもないが、原作(魔法少女達の勇気と絆の物語)が幕を開けた。

 

 




パワポケは復活するんだ!(*^◯^*)

あと、書いてて思ったけどルヴィアくっそ書きづらいな!
あんまりお嬢様系のキャラ書いたことないんで、最初は不慣れな面が出てしまうかもしれませんが生暖かく見守って下さい…>_<…
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