恋姫無双の世界に転移することになった主人公。世紀末な世界でも生きていける能力を神様から貰うのだが...?

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唐突に思い付いたものを書いただけなので構成はお察し()
それでも大丈夫という方はどうぞ!


俺は今日も後悔をする

あぁ、どうしてこうなってしまったのだろう。こんな筈ではなかった。ただ目の前で苦しんでいる人達を助けたかった。一体どこで歯車が狂ってしまったのだろう。

 

 

 

「あれ、ここどこ?」

 

部屋で昼寝をしていたのに知らない場所で目が覚めた。見渡す限り真っ白で全く現実味がない。本当に何処だ?

 

「ここは儂ら、お主らで言うところの神が住まう場所じゃよ」

 

えっ?いつからそこに居たんだこのお爺さんは、隣に居るのに全く気づかなかった。って言うか神?んん?

 

「単刀直入に言うと、お主を恋姫無双の世界に転移させるためにここに呼んだんじゃよ」

 

「えぇっと...すみません。まだ頭の整理がついてないのでちょっと情報と時間を下さい」

 

「好きなだけ考えなさい」

 

~数十分後~

 

「貴方は俺達で言うところの神様で、俺のこれからの未来をドキュメンタリー番組にしてそれで観賞会を行おうとしている。転移先は恋姫無双の世界で、希望で特典もくれる。という認識で大丈夫ですか?」

 

「大体あっとるよ。では時間も惜しいし、早速特典を決めようかのぅ。何か希望はあるか?」

 

恋姫無双かぁ...可愛い女の子が沢山いるけど基本的に三国志の世界で飢えや戦争の世紀末だからなぁ。自衛出来るように強い能力であることは当然として、食料にも困らないような。そんな都合の良い能力なんて...あったッッ!

 

「神様っ!Fateの俵藤太の能力を下さい!」

 

俵藤太。Fate/Grand Orderに登場するキャラクターで、龍神ですら敵わない大百足を退治し、その後百々目鬼退治を経て、遂には不死身の魔人である平将門を討伐した東国の武芸の祖。輝かしい武勲を誇る俵藤太だが、俺が目をつけたのはその凄まじい宝具だ。

無尽俵。俵藤太が大百足を退治したときに龍神からお礼として戴いた俵で、食料が無限に出てくる。正に世界を救える宝具だ。

 

「ふむ...まぁ良いぞ。力の使い方に関しては転生する際に知識として脳に刻んでおこう。ではな少年。願わくば輝かしい未来を送っておくれ」

 

「えっと、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます」

 

そうして俺の意識は暗転し、荒野で目を覚ました。

 

転移して二日たった。一日目は、今の自分がどれくらい動けるのか、宝具はちゃんと使えるのかの確認をしていた。結論から言えば身体能力はとんでもないくらい上がっていた。サーヴァントの身体能力ハンパない!目玉である宝具も何の苦労もなく使え、これならば恋姫の世界観でも大丈夫だろうという安心とともに床についた。そして今は集落を探している。今がどの時期にあたるのか、情報収集のためだ。

 

「って考えてるうちに集落発見!」

 

ここから数キロ離れた所に村らしきものをみつけた。時間も惜しいので走って行く。

数十秒後、村に到着した。だが、村人の様子がおかしい。殆どの人が痩せこけ、覇気がない。どうしたんだ?

 

「あの、俺は旅をしている者ですけれども、みなさん元気がないようですがどうなさったんですか?」

 

「あぁ、旅の人か...この辺一帯が蝗にやられちまってね、食うものがないんだ...あんたも食料の調達は諦めたほうがいい」

 

なるほど、皆の元気がない理由は飢饉か。だったら早速宝具の出番だ!

 

「腹が減ってるんなら俺に任せてくれ。今食糧をだすよ」

 

そう言って無尽俵を出現させる。これが世界を救う奇跡の宝具だ。

 

「悪虫退治に工夫を凝らし、三上山を往来すれば

 汲めども汲めども尽きぬ幸―――

 お山を七巻き、まだ足りぬ。

 お山を鉢巻、なんのその。

 どうせ食うならお山を渦巻き、

 龍神さまの太っ腹、釜を開ければ大漁満席!

 さあ、行くぞぅ!

 対宴宝具―――美味いお米が、どーん、どーん!」

 

瞬間、無尽俵から大量の米があふれでた。村人全員が満腹になるまで食べてもまだまだ余るであろう量だ。

 

「な、なんだぁ!?米?米なのか!?」

 

突然でてきた米に目を白黒させながら村人達はそれに飛びついた。余程お腹が空いていたのだろう。皆がみな涙を流しながら俺に感謝の言葉を口にしてはお米を貰って行った。

 

「あ、ありがとう!旅の人!あんたのおかげで飢え死にしないですむ!本当にありがとう!!」

 

大量の米をどこから出したのか?そんなことは些事だとばかりに食糧を得られた喜び、生きていけることへの感謝を精一杯に言葉にして述べていく村人達に気分がとても良くなる。だからだろう、あんなことを言ったのは。

 

「いいよいいよ、何せ無限にあるからね!白米は!それより、数日分の食料だけでは生きていけないでしょう。皆が村を立て直せるまでここに住まわせていただいてよろしいですか?」

 

お礼を言われて気分を良くしたこと、痩せこけた皆を見て同情したこと、理由はいくらでもあるがこれから何かが狂ってしまったのだろう。

 

結果だけを言うなら、村人達が畑仕事をしなくなった。それはそうだろう、働かなくても食糧が手にはいるんだったら怠けるに決まっている。だけど気づくのがあまりにも遅かった。畑は荒れ放題、農具も錆びて使えない。こんなんじゃこの村が自立できるわけがない。俺は何かいい案が思い付く訳でもなく、村人を見捨てることも出来ないまま今日も食糧をどんどんと出していく。




いくらすごい能力を持っていても使う人がダメだったら取り返しのつかないことになるということの典型例ではないでしょうか。


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