博麗神社の巫女、博麗 霊夢。
今日もお賽銭箱は空のまま。

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霊夢の断食日記

11月10日

 

 

断食3日目。

 

最近、空腹のせいか記憶があやふやになってきた。

 

このままではいけないと思い、日々の記録を日記として残すことにする。

 

この日記を読み返せば、最近何があったのかちゃんと確認できるはずだ。

 

この日記が遺書にならないことを切に願う。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月11日

 

 

断食4日目。

 

日記を書いていたことを忘れそうになる。

 

ちゃんとちゃぶ台の上に置いておいてよかった。

 

今日もお茶をすすりながら飢えをしのぐ。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月12日

 

 

断食5日目。

 

魔理沙が遊びに来た。

 

死ぬほどお腹が空いていたので、適当にあしらう。

 

よっぽどやばそうに見えたのか、魔理沙はいくつかキノコを置いていった。

 

選別してみたら、食べられそうなのは2割ほどしかなかった。

 

ありがたく頂戴しておく。2割だけ。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月13日

 

 

断食0日目。

 

きのこ汁にしようかと思ったら、味噌が無かった。

 

串に刺して焼いて食べることにする。

 

幸い、醤油は残っていたので、おいしく食べられた。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月14日

 

 

断食1日目。

 

レミリアと咲夜が来た。

 

数日振りに食事ができたことを話したら、

 

馬鹿にされるどころか泣かれた。

 

そういえばお前ら収入はどうしてるんだ?

 

 

\ 20

 

 

* * *

 

 

11月15日

 

 

断食2日目。

 

プリズムリバーの三姉妹がコンサートを開きたいと言ってきた。

 

諸場代を取ることを条件にOK。

 

コンサートは3日後に決定した。

 

ついでに成功祈願もしていけと勧めておいた。

 

お賽銭ゲット!

 

 

\ 300

 

 

* * *

 

 

11月16日

 

 

断食0日目。

 

昨日の三姉妹の羽振りが良かったお陰でご飯が食べられた。

 

やっぱり白飯は最高だわ。

 

これだけでご飯三杯はおかわりできちゃう。

 

・・・あれ?

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月17日

 

 

断食1日目。

 

妖夢が来た。

 

荒れ放題の境内を見て腹を立てていた。

 

そういえば、最近空腹のあまり掃き掃除をしていた記憶が無い。

 

手伝うから、と言われてしぶしぶ境内を掃いた。

 

動いたせいでお腹が切なく鳴いた。

 

 

\ 100

 

 

* * *

 

 

11月18日

 

 

断食2日目。

 

ルナサ達が来た。

 

そういえば、今日はコンサート当日だった。

 

そう考えると、昨日妖夢に手伝ってもらって掃き掃除をしたのは正解だった。

 

コンサートは夜中始まりの明け方終了。

 

うるさくて一睡も出来なかった。

 

 

\ 470

 

 

* * *

 

 

11月19日

 

 

断食0日目。

 

諸場代を貰って狂喜乱舞していたら、魔理沙が来た。

 

自分のことのように一緒に喜んでくれてうれしかった。

 

「こんなにいいことがあったときは宴会だぜ!」

 

久しぶりにわいわい馬鹿騒ぎした。

 

いつもは鬱陶しく思うのだが、たまにはこういうのもいいかもしれないと思う。

 

 

\ 320

 

 

* * *

 

 

11月20日

 

 

断食1日目。

 

これは夢か幻か。

 

三姉妹から徴収した諸場代がきれいさっぱりなくなっていた。

 

おまけに、あたかも私から進んで諸場代を宴会に使ったかのように日記が偽装されている!!

 

おのれ魔理沙め、私を嵌めたな!?

 

日記に書かれていた文字は私の筆跡と見分けがつかないほど完璧に偽装されていた。

 

許すまじ、魔理沙!!

 

・・・ところで、昨日の記憶がほとんどないんだけど。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月21日

 

 

断食2日目。

 

今日は誰も来なかった。

 

一人お茶をすすりながら境内を眺めて過ごした。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月22日

 

 

断食3日目。

 

絶望した。

 

お茶がない。

 

昨日で最後のお茶だったのだ。

 

もうダメだ。

 

お茶がなければ私は生きていくことが出来ない。

 

うう、さようならみんな・・・。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月23日

 

 

 

 

* * *

 

 

11月24日

 

 

断食5日目。・・・らしい。

 

一瞬、時間が逆戻りしたのかと錯覚したのだが、

 

どうやら昨日は一日中目を覚まさなかったようだ。

 

これは本格的にやばい。

 

うう、日記を書くのもつらい。

 

お賽銭箱も、今日は見に行けないなぁ・・・。

 

 

\????

 

 

* * *

 

 

11月25日

 

 

断食6日目。

 

・・・私はこの感動をどう伝えればいいのかわからない。

 

信じられない。

 

生まれて初めて見たよ、千円札・・・。

 

これが、これが・・・、

 

「これが野口英世かぁ~!!!」

 

感涙の涙で溺れ死ぬかと思うほど感動して泣いた。

 

そういえば、今日はアリスが来ていたっけ。

 

あまりの感動でなに話してたか忘れちゃったな。

 

まいっか。

 

 

\1000

 

 

* * *

 

 

11月26日

 

 

断食0日目。

 

飯も食った。

 

お茶も買った。

 

霊夢完全復活です!!

 

しかし、お賽銭箱にお札って・・・。

 

世の中すごい人も居るなぁ。

 

ほんと、あの千円札は家宝にしようかと思ったわ。

 

・・・使っちゃったけど。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月27日

 

 

断食1日目。

 

魔理沙が来た。

 

せっかくなので、この間もらったキノコで料理を振舞った。

 

魔理沙は幻覚を見ながらふらふら帰っていった。ニヤニヤ。

 

私?

 

もちろん食べていない。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

11月28日

 

 

断食2日目。

 

小町がサボりに来ていた。

 

口止め料を徴収する。

 

「わかったわかった、あとで賽銭入れとくって。」

 

許可。

 

数時間後、小町が映姫に引きずられて帰るのを笑顔で見送ってから、

 

私は賽銭箱を開けた。

 

・・・六、銭?

 

 

\ 0.06

 

 

* * *

 

 

11月29日

 

 

断食3日目。

 

藍と橙が来た。

 

橙はお参りをしたことが無いらしく、やってみたいとせがまれたそうだ。

 

「いい? あそこの素敵な賽銭箱にお賽銭を投げ入れて・・・、

 

 ちなみにお賽銭は多ければ多いほどいいのよ。多ければ多いほど。」

 

私が親切に作法を教えてやったら藍に睨まれた。

 

でも間違ったことは言ってないので別に何も言われなかった。

 

橙が何枚かの硬貨を投下するのを見て、私は満足げに頷く。

 

うんうん、きっと神様はあんたの善行を見てるわよ。

 

 

\ 130

 

 

* * *

 

 

11月30日

 

 

断食4日目。

 

「アロ~ハ~♪」

 

なんて癪に障る挨拶をしてきたのは紫。

 

また勝手に結界を抜け出して遊びに行っていたようだ。

 

「やっぱりハワイはいいわね~。はい、おみやげ。」

 

ドン、と目の前に置かれる丸い置物。

 

『ここなっつ』とかいうモノらしい。

 

どうせなら食べ物持って来てくれればいいのに・・・。

 

こんなおおきな置物私にどうしろと?

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月1日

 

 

断食5日目。

 

そろそろ厳しくなってきた。

 

今日の来客はアリス。

 

もう5日も食事していないことを告げたら馬鹿にされた。

 

「ば、バッカじゃないの!!」とか「飢え死にしても知らないんだから!!」とか。

 

腹が立ったので追い返した。

 

追記

 

また賽銭箱に千円札が入っていた!!

 

くぅ、誰かは知らないが、その親切心に涙が出た。

 

私はその人を仮に、『足長おじさん』と呼ぶことにする。

 

ありがとう足長おじさん!!

 

私、頑張るから!!

 

 

\1000

 

 

* * *

 

 

12月2日

 

 

断食0日目。

 

足長おじさんのお陰で九死に一生を得る。

 

久しぶりのお味噌汁に涙が止まらなかった。

 

これからは私も人に親切にしていきたいと心に誓う。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月3日

 

 

断食1日目。

 

鈴仙が来た。

 

てゐを探しているらしい。

 

なにやら怒っていた様子だったので、イタズラでもされたのだろう。

 

「そういえばさっき見た気がするわね。どっちに行ったんだったかしら・・・?

 

 ああ、ちなみに素敵なお賽銭箱はそっちね。」

 

思い出すことが出来たので教えてあげた。

 

うん、私ってば親切♪

 

 

\ 100

 

 

* * *

 

 

12月4日

 

 

断食2日目。

 

慣れというのは怖い。

 

もう私は2日食べない程度なら全然平気になっている。

 

このまま慣れ続けたら一週間くらいお茶だけでも平気になるかなぁ?

 

・・・そこまでなりたくないような気も。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月5日

 

 

断食3日目。

 

レミリアが来た。

 

ただでさえ空腹で機嫌が悪いというのに・・・。

 

べたべたひっついてくるので鬱陶しそうに払いのける。

 

「ほら、咲夜が心配してるだろうからさっさと帰りなさい帰れ。」

 

「不運にも夕立に見舞われてしまったせいで帰れないわ。

 

 ちなみにパチェの予測では朝までやまないそうだから、今夜はここでお泊り―――」

 

蹴り出した。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月6日

 

 

断食4日目。

 

咲夜が来た。

 

刃物をちらつかせながら睨み殺すような視線を向けてきた。

 

お嬢様を雨の中に蹴りだしたせいで、カンカンに怒っているらしい。

 

「お賽銭でも入れてくれたらいくらでも謝ってあげるわよ~。」

 

・・・土下座した。

 

お客様は神様だ。

 

 

\ 500

 

 

* * *

 

 

12月7日

 

 

断食0日目。

 

今日も元気だお茶がうまい。

 

咲夜のお陰で元気が出たので、境内の掃除をする。

 

しばらく放置していたせいでずいぶんと手間がかかった。

 

激しく動いたせいでお腹が鳴った。

 

後悔した。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月8日

 

 

断食1日目

 

雪が降った。

 

前日に境内の掃除をしておいてよかった。

 

しんしんと振る雪を見ながらお茶をすする。

 

風流だ。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月9日

 

 

断食2日目。

 

チルノとレティと大きい妖精が境内で遊んでいた。

 

うるさかったので追っ払おうかと思ったが、

 

ふと足長おじさんのことを思い出して踏みとどまった。

 

そうだ、ここで追い出したら親切じゃない。

 

そう思うと、ほほえましい光景に見えてきた。

 

お茶をすすりながらそれを見守ることにする。

 

あとで賽銭箱を見に行ったら空だった。

 

やっぱり追い返せばよかった。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月10日

 

 

断食3日目。

 

「はぁ~い、霊夢♪ 相変わらずひもじい思いしてる~?」

 

ほっといてくれ。

 

突然沸いて出た紫をじろりと睨む。

 

紫は気にもせずに何かをちゃぶ台の上に置いていった。

 

「はい、恒例のお土産よ。気を利かせて保存の効くものにしておいてあげたわ。」

 

また置物だ。

 

『かんづめ』とかいうものらしい。

 

これ見よがしにおいしそうな料理の絵が描かれている。

 

嫌がらせか?

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月11日

 

 

断食4日目。

 

夕方ごろに目を覚ました。

 

4日も食べないとさすがに危ういか。

 

気がつくときれいに境内が掃除されていた。

 

さらにちゃぶ台には串団子まで置かれていた。

 

妖夢が来てくれていたようだ。

 

礼を言いそびれた。

 

 

\ 100

 

 

* * *

 

 

12月12日

 

 

断食0日目。

 

中国が来た。

 

メイド長の虐待に耐えかねて逃げてきたらしい。

 

「咲夜さんは横暴です~。名前だってほんっっっと稀にしか呼んでくれないし。」

 

それほどお腹も減ってなかったので、文句も言わずに愚痴を聞いてあげた。

 

まぁ、頑張んなさいよ、美鈴。

 

そう言ってあげたら泣きながら感謝された。

 

「うう~、ありがとうございます・・・。もうちょっとがんばってみますね!」

 

いいことをするってなんて気持ちがいいんだろう。

 

 

\ 300

 

 

* * *

 

 

12月13日

 

 

断食0日目。

 

続けてご飯を食べられたのは久しぶりだ。

 

やっぱり人に親切にしてあげるといいことがあるわ。

 

情けは人のためならず、ってね。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月14日

 

 

断食1日目。

 

今日は幽々子が来た。

 

雪も降ってるのにご苦労なことだ。

 

「雪見大福っていうのも、風情があるわね~。」

 

なんてことを言ってくる。

 

大福なんかないぞ、と言ったら、

 

「ちゃんと持参してきたわよ~。」

 

と返してきた。

 

なるほど、背中の大風呂敷はそれか。

 

どうせならお腹が空いているときに来てくれれば、と思ったが、

 

せっかく持ってきてくれたので贅沢は言わない。

 

・・・やっぱりアンコはこし餡だ。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月15日

 

 

断食0日目。

 

魔理沙が来た。

 

「アリス、最近は人形作りを内職にしてお金を稼いでいるらしいぜ。」

 

趣味と実益を兼ねるというわけか。

 

羨ましい限りだ。

 

私も何か作って売り出してみようか。

 

・・・陰陽玉では売れないか。(苦笑)

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月16日

 

 

断食1日目。

 

幽香が来た。

 

珍客だ。

 

「ひもじい思いしているみたいね霊夢。」

 

なんだ、笑いに来たのか。

 

暇な奴だ。

 

「ひまわりの種でもよければ恵んであげるわよ?」

 

素直にありがとうと言ったら露骨につまらなそうな顔をされた。

 

いや、普通にうれしかったんですけど・・・。

 

ひまわりの種はありがたく貰っておいた。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月17日

 

 

断食2日目。

 

お茶をすすりながらひまわりの種をぽりぽりとかじる。

 

・・・意外とうまい。

 

幽香には感謝しておこう。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月18日

 

 

断食3日目。

 

あんまり見覚えの無い顔が来た。

 

はて、誰だっけ・・・?

 

ああ、思い出した。パチュリーのところの小悪魔だ。

 

「パチュリー様が霊夢さんの霊力の篭ったお札が研究で必要なんだそうです。

 

 ちょっとだけ譲っていただけませんか?」

 

礼儀正しかったもんだから何にも考えずに渡してしまった。

 

しまった、お金を取ればよかった。

 

なんて後悔してたら、お賽銭箱にしっかり賽銭が入っていた。

 

いいやつだ、覚えておこう。

 

 

\ 100

 

 

* * *

 

 

12月19日

 

 

断食4日目。

 

ルーミアが来た。

 

「お腹空いた~。もう3日も食べてないのだ~。

 

 ちょっとだけかじらせて~?」

 

私は4日食べてません。

 

言ったら、「そ~なのか~・・・。」と、変に共感された。

 

今日は二人でお茶をすすりながらぐったりしていた。

 

ひまわりの種がなくなった。残念。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月20日

 

 

断食5日目。

 

慧音が来た。

 

「少しは巫女らしいことをしろ。」

 

お腹の減りがそれどころではない。

 

「仕事をしないからだろう。持ってきてやったぞ。」

 

慧音が近隣の村で雨乞いをしろと言ってきた。

 

雨乞いは得意じゃないんだけどなぁ・・・。

 

ルーミアに留守を任せて雨乞いに行った。

 

びっくりするくらい礼金が出た。

 

その夜はルーミアと二人でちょっと贅沢なご飯を食べた。

 

 

\ 100

 

 

* * *

 

 

12月21日

 

 

断食0日目。

 

ルーミアは帰っていった。

 

それと入れ替わりに文が尋ねてきた。

 

私の普段の生活を記事にしようと取材しにきたらしい。

 

私のありふれた日常を話したら、だばだば泣かれた。

 

「頑張って生きてください。私、応援してますから。」

 

これ、少ないですけど謝礼です、と渡された封筒には、

 

びっくりするほどお金が入っていた。

 

働くのも悪くない。

 

 

\ 500

 

 

* * *

 

 

12月22日

 

 

断食0日目。

 

さて、何か私に出来る善行はないだろうか。

 

ぴんと一件思いつく。

 

「・・・で、ツケを返しにきたのかい?」

 

霖之助さんのお店だ。

 

気前よく、ばんっと札束を置いた。

 

「まさか霊夢がツケを返しに来てくれる日が来るとは思わなかったな。

 

 全然足りてないけど。」

 

た、足りない!?

 

今まで見たことも無いような金額出したのに。

 

これは詐欺か!?架空請求か!?!?

 

どちらかというと犯罪行為をしているのは君だけどね、と霖之助さんに呆れられた。

 

・・・しまった、全額払ってしまった。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月23日

 

 

断食1日目。

 

リグルが来た。

 

ものすごく寒そうだった。

 

・・・虫に冬はつらいか。

 

「ちょ、ちょっとでいいから暖まらせて・・・。」

 

しょうがないので炬燵に入れてやる。

 

イナゴの佃煮でもいいから土産くらい持ってこい、と言ったら、

 

「私は蛍だ!!」

 

と過剰に反応された。

 

蛍以外のものと間違われるのを本当に気にしているらしい。

 

まあ、なにに、とはあえて言わないが・・・。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月24日

 

 

断食2日目。

 

お茶が切れた。

 

お茶が切れるとなぜこうも絶望的な気分になるのだろう。

 

断食6日でも生きていたはずなのに、

 

お茶がなくなるともうダメだという気分になる。

 

・・・もうダメだ。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月25日

 

 

断食3日目

 

アリスが来た。

 

また、「ば、バカじゃないの!?」とかさんざん罵って帰っていった。

 

なんなんだろう、まったく。

 

いちいち人のことを馬鹿にするために来るんだろうか、アリスは。

 

追記

 

足長おじさんだ!!

 

また賽銭箱に千円札が入っていた。

 

・・・あれ?

 

ふと気になって日記を読み返してみる。

 

足長おじさんが来る日にはいつもアリスが来ていた。

 

もしかして、アリスが・・・?

 

 

\1000

 

 

* * *

 

 

12月26日

 

 

断食0日目。

 

私はアリスの家に行った。

 

「れれれれれ霊夢!?!?ちょ、ちょっと待って!!」

 

ノックするとどたばたとあわただしい音が家の中から漏れた。

 

突然だったから随分驚かせてしまったようだ。

 

家の中はきれいに整頓されていて、アリスの几帳面な性格がうかがえるようだった。

 

「ど、どうしたのよ、急に?」

 

急にお邪魔したせいか、アリスは不機嫌そうだった。

 

思い切って、足長おじさんの話をした。

 

いつも千円札を置いて行ってくれていたのはアリスなんじゃないかと。

 

アリスは、

 

「な・・・、そ、そそそそんなわけないでしょ!? どうして私が霊夢なんかのために!!」

 

・・・なんだ、違ったのか。期待して損した。

 

私はさっさと帰ることにする。

 

「ちょ、もうちょっとゆっくりしていけばいいでしょ!? お茶くらいなら―――」

 

いや、結構。紅茶は口に合わんのだ。

 

私はそそくさと帰路についた。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月27日

 

 

断食1日目。

 

昨日はアリスに無駄な労力を割いたせいで腹の減りが早い。

 

大人しくしておくべきだったか。

 

それにしても、足長おじさんは一体どんな人なんだろう。

 

足長おじさんに貰った千円で買ったお茶を飲みながら思いを馳せた。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月28日

 

 

断食2日目。

 

ひもじい。

 

いままで何日も平気だったのは動かなかったせいか・・・。

 

足長おじさんもしばらくは来てくれまい。

 

いや、足長おじさんに頼ってばかりでは駄目だ。

 

足長おじさんに心配をかけないくらい立派に生きて見せなければ。

 

外に積もっていた雪を盛って食べてみることにする。

 

カキ氷用のシロップが無かったので醤油をかけてみた。

 

悪くないが、腹は膨れなかった。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月29日

 

 

断食3日目。

 

萃香!!

 

このっ、今までどこに行ってやがった!!

 

「れ、霊夢が飯食わせてくれないからだろ~!! いたたたた、角は勘弁!!!」

 

断食に耐えられなくなって八雲一家にお世話になっていたらしい。

 

まあ、萃香がいて助かることと言えば、お酒がいくらでも飲めると言うところだが・・・。

 

うぁ~、空きっ腹に酒が染みるぅ・・・。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

12月30日

 

 

断食4日目。

 

萃香はいつの間にか居なくなっていた。

 

ちぃ、逃がした・・・。

 

探し出そうとしたところで映姫に出会った。

 

「霊夢、ちゃんと善行を積んでいますか?」

 

それどころじゃないってば。主に空腹が!!

 

それより、恵まれない人に施しをするのは善行だと思うんだがこれいかに?

 

と訊いてみたら、映姫は呆れきった顔で肩を落とした。

 

ちゃんと善行もするってば。

 

・・・お腹が満たされてるときは。

 

 

\ 500

 

 

* * *

 

 

12月31日

 

 

断食0日目。

 

明日は待ちに待った給料日だ。

 

ふふふ、これでしばらくは空腹に喘ぐこともなくなろう。

 

私はこの一年間、よく頑張った。うん。

 

 

\ 0

 

 

* * *

 

 

1月1日

 

 

断食1日目。

 

あけましておめでとう。

 

私の年に一回の給料日。

 

お賽銭のかき入れ時だ。

 

さあ、幻想郷に住まう愚民ども!!

 

神などという偶像を崇拝し、その神のために己が財産を投げ打つがいい!!

 

・・・うそですごめんなさい。

 

あやまるからもう少しお賽銭入れてよぉ~・・・。

 

ほんと、この金額で一年は無理・・・。

 

・・・そういえば、なぜかアリスだけは見なかったわねぇ。

 

お賽銭箱にお札も入ってなかったようだし、足長おじさんも来てくれなかったようだ。

 

 

\2820.06

 

 

* * *

 

 

1月2日

 

 

断食0日目。

 

あ、足長おじさん!!

 

足長おじさんだ!!

 

どうやら昨晩、私が賽銭箱をチェックした後にこっそりと来てくれていたらしい。

 

ありがとう足長おじさん。

 

霊夢は今年一年もくじけずに頑張ります。

 

どうか見守っていてください。

 

ありがとう、足長おじさん・・・。

 

 

\1000

 

 


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