141話はこんな感じかと思ってました

※デュエル描写はカットです

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人のすがる夢は一場の幻に過ぎず


遊戯王ARV-IF 141話

 柚子! 柚子!! 

 どこにいるんだ! 柚子!! 柚子!!!

 

 

「柚子ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

 

 布団を跳ね除けて目覚めたのは俺のベッドの上だった。

 アイツを探してたはずなのに、なんで俺は家に……あれ?

 

「『アイツ』って誰だっけ?」

 

 おかしいな、誰かを探してたはずなのに……

 

『遊矢ー! 今日は遊勝塾でデュエルがあるんでしょう!?』

 

 うわぁああああああああ! 忘れてた!

 そうだ、今日は塾長の熱血指導があるんだった! 

 

「行ってきまーす!」

 

 急いで朝ごはんを食べて、俺は家を飛び出した。

 ローラーシューズを作動させ、デッキ破壊塾、儀式塾、エンディミオンデュエルスクール。懐かしい看板を後目に滑るように街中を駆ける。

 

「滑り込みセーフ! いたっ」

 

 遊勝塾につくと、直後にハリセンで叩かれた。

 慣れたその衝撃にすぐに正気を取り戻して、振るった犯人に文句を言うべく口を開く。

 

「いってぇ!何すんだよゆ──」

 

「セーフじゃない、三分遅刻だぞ遊矢!」

 

「なんだよ、三分くらいいいじゃん塾長。っていうかなんだよそのハリセン」

 

 普段塾長が持っていないハリセンを指さして指摘する。

 

「えっ? これはお前、あれじゃないか、いつもの──あれ?」

 

 首を傾げる塾長に釣られて俺も首を傾げていると、フトシから声が飛んできた。

 

「うわあ、遊矢兄ちゃん! そのブーツかっこいいじゃん! しびれる~!」

 

「へへっいいだろー」

 

 大切な靴を褒められて、得意げな顔になる。

 

「どこで買ったの?」

 

「買ったんじゃなくて貰ったんだ」

 

「誰に?」

 

「それはほら…………あれ?」

 

 おかしいな、絶対に忘れないと思うんだけど。

 

「こら! お前らいつまでもくっちゃべってんじゃない! デュエルだ! ぐずぐずするな!

 

 

 

 

 

 

 ■□■□■

 

 

 

 

 俺は今LDSに来ていた。

 アユ、タツヤ、フトシとのデュエル中に、ジュニアユース選手権の案内状が来たからだ。

 

 呼ばれたのは俺、権現坂、沢渡、そしてミエルを倒した月影という男の四人。

 LDSの中島さんが言うには、俺たちでバトルロイヤルを行うらしい。

 

『では、いよいよバトルロイヤルのスタートです!』

 

 司会の合図により、アクションフィールド『ワンダー・カルテット』が展開される。

 舞網市のほぼ全域を使ったこのフィールド魔法で、俺たちは戦うんだ。

 

「しっかし、何考えてんのかねえ」

 

 目の前に広がった火山地帯を見ていた沢渡が、呆れの含んだ声を出した。

 

「沢渡?」

 

「いくら俺がスーパーウルトラハイパーストロングデュエリストだからって、たった四人でこんな広い会場だぜ? 流石に広すぎるだろ」

 

「それはアカデミアと戦うために……」

 

「はあ? アカデミア? そんな塾あったか?」

 

「いや……」

 

 おかしいな。思い出そうとすると頭が痛む。

 

「……まあいい、遊矢! 俺が優勝して先にユースに進むからな!」

 

「! いいや、勝つのは俺だ! 最高のエンタメデュエルを見せてやるよ!」

 

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!』

 

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」

 

「アクション!」

 

『デュエル!!!!』

 

 

 

 

 

 誰もが譲らぬ熱い攻防が繰り広げられる。

 全員勝ちたくて、必死に特訓してきたんだ。それも当然だった。

 けれど──

 

「オッドアイズ・ペンデュラムドラゴンで沢渡にダイレクトアタック! 螺旋のストライクバースト!!」

 

 俺は勝った。

 ただ勝つだけじゃない、みんなを笑顔にするために。

 

「くっそー。負けたぜ、遊矢」

 

 俺と共に観客たちへ礼をしていた沢渡が、悔しさをにじませた声と苦笑を浮かべて言う。

 

「遊矢、よく頑張ったな」

 

 不意に、懐かしい声が聞こえた。 

 

 弾かれたようにそちらを向くと、俺の父さん──榊遊勝がいた。

 

「父さん! 帰ってきてたんだ!」

 

 世界中を飛び回ってエンタメを広げている俺の父さんは、微笑ながら俺の頭を撫でた。

 

「息子の晴れ舞台だ、帰ってくるさ。みんな、良いデュエルだった」

 

「えへへ」

 

 父さんから認められた気がして、顔が緩むのを抑えきれない。

 

「榊遊矢、素晴らしいデュエルだった」

 

「うむ、流石は遊矢だった」

 

「さすが師匠!」

 

「ああ、最高のショーだった」

 

「赤馬零児! ジャック! 素良! 黒咲! みんなも来てたのか!」

 

 懐かしい顔ぶれだ。みんなと再会できて、父さんも帰ってきて、ユースにも進める。

 

 もう誰も父さんのことを卑怯者だなんて呼ばないし、俺もそう呼ばれることはない。

 

 不満なんて何一つない、素晴らしい世界だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ほ ん と う に ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遊矢「あっはははは。なんかさ、いい夢見させてもらったよ。けどさ、これは夢だ、ただの夢なんだよ。ここには柚子がいない──だから!」

_人人人人人人人人人人_
> 突然のスクライド <
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本編はこうなることを期待してたのになんもなくて悲しい
どうして……

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