※デュエル描写はカットです
柚子! 柚子!!
どこにいるんだ! 柚子!! 柚子!!!
「柚子ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
布団を跳ね除けて目覚めたのは俺のベッドの上だった。
アイツを探してたはずなのに、なんで俺は家に……あれ?
「『アイツ』って誰だっけ?」
おかしいな、誰かを探してたはずなのに……
『遊矢ー! 今日は遊勝塾でデュエルがあるんでしょう!?』
うわぁああああああああ! 忘れてた!
そうだ、今日は塾長の熱血指導があるんだった!
「行ってきまーす!」
急いで朝ごはんを食べて、俺は家を飛び出した。
ローラーシューズを作動させ、デッキ破壊塾、儀式塾、エンディミオンデュエルスクール。懐かしい看板を後目に滑るように街中を駆ける。
「滑り込みセーフ! いたっ」
遊勝塾につくと、直後にハリセンで叩かれた。
慣れたその衝撃にすぐに正気を取り戻して、振るった犯人に文句を言うべく口を開く。
「いってぇ!何すんだよゆ──」
「セーフじゃない、三分遅刻だぞ遊矢!」
「なんだよ、三分くらいいいじゃん塾長。っていうかなんだよそのハリセン」
普段塾長が持っていないハリセンを指さして指摘する。
「えっ? これはお前、あれじゃないか、いつもの──あれ?」
首を傾げる塾長に釣られて俺も首を傾げていると、フトシから声が飛んできた。
「うわあ、遊矢兄ちゃん! そのブーツかっこいいじゃん! しびれる~!」
「へへっいいだろー」
大切な靴を褒められて、得意げな顔になる。
「どこで買ったの?」
「買ったんじゃなくて貰ったんだ」
「誰に?」
「それはほら…………あれ?」
おかしいな、絶対に忘れないと思うんだけど。
「こら! お前らいつまでもくっちゃべってんじゃない! デュエルだ! ぐずぐずするな!
■□■□■
俺は今LDSに来ていた。
アユ、タツヤ、フトシとのデュエル中に、ジュニアユース選手権の案内状が来たからだ。
呼ばれたのは俺、権現坂、沢渡、そしてミエルを倒した月影という男の四人。
LDSの中島さんが言うには、俺たちでバトルロイヤルを行うらしい。
『では、いよいよバトルロイヤルのスタートです!』
司会の合図により、アクションフィールド『ワンダー・カルテット』が展開される。
舞網市のほぼ全域を使ったこのフィールド魔法で、俺たちは戦うんだ。
「しっかし、何考えてんのかねえ」
目の前に広がった火山地帯を見ていた沢渡が、呆れの含んだ声を出した。
「沢渡?」
「いくら俺がスーパーウルトラハイパーストロングデュエリストだからって、たった四人でこんな広い会場だぜ? 流石に広すぎるだろ」
「それはアカデミアと戦うために……」
「はあ? アカデミア? そんな塾あったか?」
「いや……」
おかしいな。思い出そうとすると頭が痛む。
「……まあいい、遊矢! 俺が優勝して先にユースに進むからな!」
「! いいや、勝つのは俺だ! 最高のエンタメデュエルを見せてやるよ!」
『戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!』
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」
「アクション!」
『デュエル!!!!』
誰もが譲らぬ熱い攻防が繰り広げられる。
全員勝ちたくて、必死に特訓してきたんだ。それも当然だった。
けれど──
「オッドアイズ・ペンデュラムドラゴンで沢渡にダイレクトアタック! 螺旋のストライクバースト!!」
俺は勝った。
ただ勝つだけじゃない、みんなを笑顔にするために。
「くっそー。負けたぜ、遊矢」
俺と共に観客たちへ礼をしていた沢渡が、悔しさをにじませた声と苦笑を浮かべて言う。
「遊矢、よく頑張ったな」
不意に、懐かしい声が聞こえた。
弾かれたようにそちらを向くと、俺の父さん──榊遊勝がいた。
「父さん! 帰ってきてたんだ!」
世界中を飛び回ってエンタメを広げている俺の父さんは、微笑ながら俺の頭を撫でた。
「息子の晴れ舞台だ、帰ってくるさ。みんな、良いデュエルだった」
「えへへ」
父さんから認められた気がして、顔が緩むのを抑えきれない。
「榊遊矢、素晴らしいデュエルだった」
「うむ、流石は遊矢だった」
「さすが師匠!」
「ああ、最高のショーだった」
「赤馬零児! ジャック! 素良! 黒咲! みんなも来てたのか!」
懐かしい顔ぶれだ。みんなと再会できて、父さんも帰ってきて、ユースにも進める。
もう誰も父さんのことを卑怯者だなんて呼ばないし、俺もそう呼ばれることはない。
不満なんて何一つない、素晴らしい世界だ。
ほ ん と う に ?
遊矢「あっはははは。なんかさ、いい夢見させてもらったよ。けどさ、これは夢だ、ただの夢なんだよ。ここには柚子がいない──だから!」
_人人人人人人人人人人_
> 突然のスクライド <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
本編はこうなることを期待してたのになんもなくて悲しい
どうして……